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 2013年の金聖響さんによるザ・シンフォニーホールのシリーズコンサートは、久しぶりにオーケストラ・アンサンブル金沢と組んで、これまた久しぶりにウィーン古典派。
 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンはお互いに得意なプログラムということで、今年も楽しみ♪と思いつつ、第1回の公演へ足を運びました。

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聖響×OEK ウィーン古典派
ハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェン 第1回

ハイドン作曲:交響曲第94番 ト長調「驚愕」Hob.Ⅰ:94
モーツァルト作曲:交響曲第38番 ニ長調「プラハ」K.504

(休憩)

ベートーヴェン作曲:交響曲第5番 ハ短調「運命」op.67

(アンコール)
モーツァルト作曲:歌劇「フィガロの結婚」序曲

指揮:金聖響
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢

ザ・シンフォニーホール 15:00~
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 以前、聖響さんがウィーン古典派としてハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを取り上げた時、演奏は当時の大阪センチュリー響(現:日本センチュリー交響楽団)でしたが。
 今回はOEKさんとの共演という事で、違った演奏になることは必至。
 またここ最近の聖響さんは、ピリオド奏法にとらわれ過ぎることなく、程よい所に落ち着いている感じがあって、ベートーヴェンシリーズでの演奏とは全く別物になっているだろう、という期待もありました。

 そんな期待を胸に、燕尾服の聖響さんを指揮台にお迎えして、前半はハイドン&モーツァルト。

 実は、かなり個人的な要望なのですが。
 聖響さんにはぜひ、ハイドンの交響曲をCD化してほしい!とここ数年願っております。だって、合うんですもの、ハイドン。マイナーだから企画がレーベルに却下される可能性が高いだろうなぁ、とも思ってますが。
 ベートーヴェン振り(と敢えて言いますが)の聖響さんならば、ハイドンは絶対ハマる!と。
 その思いをさらに強くするような、今日の「驚愕」

 ハイドンが第2楽章に用意したビックリ!仕掛けは、オケの大音響に慣れた耳にそれほどの驚きはありませんが。直前でギリギリまで音量を絞って、一気にffで鳴る音量の落差にはついニヤリとしてしまいます。
 全体的にOEKさんに結構好きにさせつつ、要所はきっちり締めていく、という感じの聖響さんの指揮と、OEKさんの演奏。
 とても心地よいテンポで、楽しませていただきました。

 続くモーツァルトは……。
 何なんでしょうね、モーツァルトの緩徐楽章の催眠効果の強さは!!(苦笑)
 あまりにも心地よすぎて、久しぶりのシンフォニーホールでの聖響さんを余すことなく満喫するから、一瞬一秒たりとも目を閉じたくはないというのに。いつの間にか瞼が……zzzz
 恐るべし、アマデウス!!(←違っ;)
 モーツァルトを聴くと寝てしまう、というクセは何年経っても治らないようです(苦笑)

 とまぁ、ステキな演奏に心地よく浸らせていただいて、休憩へ。
 その休憩の間に、ステマネさんが指揮者用の譜面台を撤去。

 おっ、これは!
 後半のベートーヴェンは暗譜で振るのね!?
 以前にも、暗譜で振ってましたものね?
 ていうか、楽譜置いてても見ないよね?
 だったら、指揮台が邪魔よね?

 なんてことを思いつつ、後半のベートーヴェンへ。
 
 冒頭のソソソミー ファファファレー♪の「ミー」は短め、「レー」はちょっと長めな楽譜通り的お約束なスタートでした。
 第1楽章はリピートしたけど、第4楽章はそのままの勢いで「2番カッコ、イクで!」的な感じでリピートなし。

 第1楽章からめっちゃ煽ってたし(笑)
 第2楽章も、過去の演奏と比べるとずいぶんまろやかな演奏になった印象。
 第3楽章は、あのハイテンポでメロディを奏でるコントラバス部隊に思わず拍手。素晴らしいです。
 ギリギリまで音量を絞った状態からノンストップで突入した最終楽章は、気持ちも音楽も全て開放するかのような振り方&OEKさんの演奏で大変キモチ良かったです♪

 もうね、この聖響さんが見たかった!(嬉し泣き)的な。

 感想には書いてませんが、実は駆けつけていた2月の神奈川フィル定期は、イマイチ音楽に集中しきれてない感じで。
最終楽章になって、ようやくちょっと本気モードに入ったというか、ぶっちゃけ「この楽章のこのメロディを振りたくて、この曲選んだでしょ?んで、延々と長い前ふりを頑張って振ってきたんでしょ?」的な指揮で、ビミョーに不完全燃焼気味でしたからね。

 今日のは、私の独断と偏見で一番いい状態だと思う聖さまでした♪
 今後のシリーズ第2回、第3回が楽しみになるような、そんな第1回目の演奏。
 あまりの素晴らしさに、終演後に嬉しすぎて号泣しそうになるレベルでした。
 心の底から満たされたような気持ちになりました。
 今日もまた、素晴らしい演奏を聴かせてくださったOEKの皆さんと、金聖響さんに。
 心から感謝申し上げます。

▼続きを読む▼


 思い返せば、2005年5月1日
 金聖響という指揮者に出会ったのは、その日の事でした。
 ほとんど一目惚れ状態でファンになり、以来ずーっと大阪や金沢や横浜や…と、彼の公演を聴くべく各地を遠征するようになりました。
 あちこち遠征して、素晴らしい演奏に感動しながらも、ずっと心の中にあった願い。
 それは

 いつか地元で、岡山で。
 全力で指揮をする聖響さんを拝見して、曲を聴いて感動したい。

 というもの。
 それが叶う、とわかったのは去年の9月、地元で活動しているプロのオーケストラ、岡山フィルの定期演奏会を聴きに行き、プログラムの中に差し込まれていた「あなたの好きな曲はなんですか?」というアンケート用紙を見た時のことでした。
 2012年9月に行われる、岡山フィル結成20周年記念の定期演奏会40回を振りに来る指揮者が、金聖響さん。
 それを見た瞬間に、思わずホールのホワイエで「よっしゃ!!!」と何度もガッツポーズ(苦笑)
 ようやく念願が叶うと有頂天になって、肝心のその日の演奏会で最初の曲が全く頭に残っていない、という状況でした(苦笑)

 前置きが長くなりましたが、それだけ待ち続け、願い続けていた演奏会だったということで。それでもかなり簡潔に書かせていただきました(笑)

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第40回 岡山フィルハーモニック管弦楽団 定期演奏会~あなたが選んだベストオブクラシック

チャイコフスキー作曲:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
 ヴァイオリン独奏:松山冴花

(休憩)

ドヴォルザーク作曲:交響曲第9番ホ短調「新世界より」

(アンコール)
ブラームス作曲:ハンガリー舞曲第1番
ビゼー作曲:アルルの女より アダージェット

指揮:金聖響
ゲストコンサートマスター:崔文洙
管弦楽:岡山フィルハーモニック管弦楽団

岡山シンフォニーホール 15:00~
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 冒頭で書いた私のそんな思い入れはいいとして。
 ようやく地元で聴ける、聖響さん。
 この日は燕尾服でのご登場でした。

 短めの序曲もなく、いきなり協奏曲からスタートだったこの日の公演。
 ヴァイオリン独奏の松山さんは、鮮やかな紅色のドレスでご登場されました。
 そして始まったチャイコン。

 弦楽器のみで始まる第1楽章の序奏。その音を聴いた時、失礼ながら「岡フィルってこんなに弦の綺麗なオケだったかしら?」と思いました。
 コンマスの崔さんがリードしていたから、というのもあるかもしれませんが。とてもまろやかで柔らかくて、美しい響きでした♪
 そして途中から入ってくるソリスト松山さん。一つ一つのフレーズをたっぷりと歌わせる方とお見受けしました。
 ソリストさんがちょっとゆっくりテンポ&岡フィルさんとは初の顔合わせ(メンバーの中には、聖響さんと共演機会の多い方もおられましたが)ということもあってか、聖響さんにしては遅めのテンポで第1楽章は展開していったのですが……
 第1楽章の独奏ヴァイオリンによるカデンツァの前、管弦楽のみで演奏される部分で、煽る煽る(笑)
 やはり、そこはテンポ上げてくるのねっ!!(*^^)b
 と、聴きながら思わずニヤリ。

 第2楽章は松山さんがしっとりと歌い上げてくださって、思わず聴き入ってしまいました。
 で、第3楽章に入る直前。
 短いフレーズを何度も繰り返しながらオーケストラの音量がだんだん小さくなっていって、究極にまで小さくなって、そこからノンストップで第3楽章へバンッ!!!!と突入。
 という効果を狙っているわけなのですが。
 楽譜にもppと書かれているんですが、さらに小さく…と促す聖響さんの指示ほど、木管楽器の音量が落ち切っていなくて…。楽器の特性もあるので、あれ以上落ちないよ(^_^;)というのもあると思うんですが。もうちょっと落差が欲しかったな、と思います。

 で、いろんな意味でスリリングな展開だった第3楽章。
 第1主題も好きですが、ヴァイオリンの中低音が炸裂する第2主題が特に好き♪それを美しく、かつ艶やかに響かせて下さるヴァイオリニストは大好物です♪
 この日の松山さん、本当にステキでした(^^)
 曲そのものが、オケとの掛け合いもあってスリリングな展開なんですが。独奏ヴァイオリンとオケの掛け合いが続いた後、チェロだけ残して第2主題が転調して出てくる部分があるんですが、その直前にソリスト松山さんの髪留めが落ちてしまい(掛け合いの部分とか、結構エキサイトしてましたから;)、おだんごにまとめていた髪が下りてしまうというハプニングがΣ( ̄□ ̄;)
 でもタイミングを外すことなく、転調した第2主題を弾き始められて、聴きながら思わずほっとしました(^_^;)
 ちょっとハラハラする部分もありましたが、そのまま何事もなく最後まで行くのか……と思いきや。
 聖響さんがおとなしく終わるワケがなかった(笑)
 再び第1主題を繰り返して、フィナーレへGO!!な展開になる時に、ガンガン攻めてきました(笑)
 いやぁ、煽る煽る。
 テンポ速い速い。
 ついてこられないヤツは置いていくぜ!!!的な感じで、聖響さんも松山さんもぶっ飛ばしてました(笑)

 演奏のアラが聴こえた方には、いろいろと「う~ん?」な点もあったと思うんですが。
 とてもエキサイティングにしてスリリング、ある意味で一発本番な合わせ物という側面も持っている協奏曲としてはステキすぎる演奏だったように、私は思いました。
 だって、聴いててすごく楽しかったんだもん(笑)

 後半は「新世界より」。
 こっちは相当気合入れてくるだろうな、と予想はしておりましたが。
 想像以上でした。

 第1楽章の、ちょっと物哀しい序奏から聖響さんが指揮棒を一閃。
 チャーラ チャン!
 バババンッ!!!
 とオケに続いて轟く渡邉さんのティンパニが、もうっ!!!
 最初からキレキレで、全開。ホール中に雷鳴が轟くような鋭さと音量。
 これだよ、コレッ!!!
 と、思わず心の中で拍手。
 聖響さんが指揮で、渡邉さんがティンパニなら、こうでなきゃ!!と私が勝手に思っていたドンピシャな音色と音量でした。
 冒頭からテンション上がりまくりです。
 テンポは聖響さんにしてはそんなに速くなくて。
 まだエンジンかかりきってないかな?という印象でしたが、結構エキサイティングな展開でした。

 続く第2楽章。
 コールアングレの音色も旋律もとても美しい響きで、久しぶりに泣かされました(笑)
 何なんだろうなぁ、聖響さんが振る緩徐楽章のこの美しさは。
 この日の演奏は、程よいテンポを保ちながら凄く丁寧に表情をつけて、歌い上げていたような印象を受けました。
 コールアングレが率いる主題の旋律を始め、全体的に郷愁を誘う楽章なんですけど。
 途中、オーボエやフルートが先導して曲調が変わって明るくなっていく辺りは、低く重く垂れこめた曇天に光が差すようにも思えて、一筋の希望が見えるんですよね。 
 昔を懐かしむ気持ちも、帰りたいとどこか願うような気持ちも、新しい場所へ踏み出す不安も。
 全部抱えた上で、希望の光と共に確かな一歩を踏み出していく。
 そんな心地にさせてくれるような、今日の演奏でした。

 やっぱり、アレか。
 途中で聖響さんのお声も聞こえて、相当力が入っているなと感じたので。
 余計に感情移入しちゃったのかもしれません(^_^;)
 第2楽章ラスト、コントラバスの音が消えていくまで、聴き入っておりました。

 第3楽章も、飛ばしすぎない程度にエキサイト。
 ここでも渡邉さんのティンパニがキレてました♪
 やっぱりサイコーっす(*^^)b
 激しく追い立てられるような部分と、牧歌的な雰囲気が漂う木管の響きとの対比。
 今日も見事でした。
 が、ちょっと残念だったのは。
 私が座っていた位置からは、トライアングルさんが遅れがちに聞こえたことでした。他の場所では大丈夫だったのかもしれませんが…
 あのホール、場所によって聞こえ方が全然違うので(^_^;)
 前に1階席の脇の方に座っていて、ホルンの音だけ上から分離して降ってきたり。
 2階席最前列の真ん中に座っていて、ヴァイオリン協奏曲でソリストとオケの音が分離したり。
 地元岡山自慢のホールではあるけれど、音響的には「何だかなぁ?」な経験が多いのも事実だったりします(^_^;)

 そしてこの日は第3楽章からアタッカで突入……はしなかったけど、必要最小限の間しか置かずに突入した第4楽章。
 金管楽器さん、全開(笑)
 聖響さん、かなりエキサイト。
 ホルンの後打ちを強調させるとか、そういうのは今日はなかったけど。でも第4楽章後半から全開だったなぁ、聖響さん。
 初顔合わせの方も結構いらっしゃって、聖響さんにとっては「普通」の対向配置も初めて?な方もおられたはずの岡フィルさんなので、いつも大阪や横浜などで見られる、共演の機会が多いオケよりも丁寧に振っている印象があったんですけど。
 見ていて途中から「スイッチ入った?」的な感じでした。
 フィナーレに向けて煽るだけ煽って、盛り上げるだけ盛り上げておいて、最後はフワリと溶けるような音で締めるあの手法は、いつもながら見事だと思います。

 その最後の音がホールから完全に消えて、漂う余韻まで味わ……おうとしたその瞬間に、やはり起きてしまいましたフライング拍手っ!!(-д-メ)
 フライング拍手の確率、高すぎです(-_-;)
 聖響さん、今日座った場所からはお顔は見えませんでしたが、多分盛大に苦笑しておられたはず。だって
「アチャー、フライングやぁ」
 的に、軽く体がグラリ(笑)
 そのままほぼ満員に近かった客席の半数以上から拍手が起きてしまったので、ゆっくりと振り下ろそうとしていた左手を途中であきらめてしまわれましたもの(泣)
 濃密な演奏だっただけに、かなり残念でした、フライング拍手。

 でもまぁ、気を取り直して。
 今日のアンコールは2曲。
 1曲目は、「新世界」の後はこれで決まりっ!!的な定番プログラムなんでしょうか。
 今まで何度聞いたかわからないお約束な「ハンガリー舞曲第1番」(笑)
 出だしの音を聞いた瞬間に「やっぱり!!!!」でした(笑)
 直前の「新世界」で弾みがついたんでしょうか、結構飛ばしてました。

 そして2曲目は、ビゼー作曲「アルルの女」から「アダージェット」。
 弦楽器のみで演奏されたのですが。
 岡フィルさんの弦の美しい響きを存分に発揮して下さって、涙腺直撃されました。
 本当に素晴らしい演奏でした!!

 ……のですが。
 ここでもまた、さっきフライングした方が、まだ聖響さんが完全に手を下ろしていないのにフライング拍手を開始。でも乗っかって拍手する方が今回は少なくて、いったん引きました。
 で、完全に聖響さんが手を下ろして、指揮棒を譜面台に置いて、クルッと振り向いてからようやく拍手!!!!
 と相成ったわけですが。
 客席に振り向いた時に
「拍手な、ちょぉっと早いねん」(←勝手に脳内でアフレコ;でも、あまり外れてないと思う;)
 とのアクションが(笑)
 客席に突っ込み入れたの、ファンになってから初めて見ました(笑)(笑)

 そういうの、全部顔に出ちゃうのが聖響さんのいいトコなんですよね(^_^;)

 個人的な思い入れもあって、素晴らしい演奏を聴かせていただいて。
 感激で泣きながら、同時に笑いが止まらない、というミョーなことになりながら拍手してました(笑)

 ファンになってから、初の地元でナマ聖響さん。
 いろんな意味で満喫いたしました(^^)
 素晴らしい演奏を聴かせて下さった金聖響さん、松山冴花さん、岡フィルの皆様方。
 本当にありがとうございました(深礼)

 毎年、大阪のザ・シンフォニーホールで開かれている、金聖響さんのシリーズコンサート。
 2012年は「聖響/神々の音楽」ということで、ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー、マーラーが取り上げられます。
 その第1回はベートーヴェン。
 というコトで、ようやく桜が咲き始めたものの、花冷えな土曜日ですが聴きに行きました。

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聖響/神々の音楽 第1回ベートーヴェン

ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」ヘ長調
(休憩)
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」ハ短調
(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

指揮:金聖響
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

ザ・シンフォニーホール 14:00~
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 聖響さんの指揮で、「田園」&「運命」のプログラムを聴くのは、旧大阪センチュリー交響楽団(現:日本センチュリー交響楽団)の専任指揮者として最後の定期演奏会の指揮台に立って以来、数年ぶりのことでした。
 あれから数年。
 今回はどんな演奏になるのかな?とワクワクしながらホールへ行きました。
 作品番号では「田園」の方が後ですが、初演されたのはこちらの方が先だ、ということで「田園」→「運命」の順に演奏されました。

 というワケで、前半は「田園」。

 オーケストラは対向配置。舞台下手側の第1ヴァイオリンの後ろにコントラバスが陣取り、舞台上手側の第2ヴァイオリンの後ろにティンパニが陣取ってました。
 で、いつもの席に座って、正面に指揮台を見て、何かが足りない……
 と思いましたら。
 燕尾服姿の聖響さんが出てこられて、指揮台に上がった瞬間に気づきました。

 譜面台がない!!

 さすがにもう何度も何度も振っている曲なので、覚えておられるのでしょう。
 今日は2曲とも暗譜で振っておられました。

 で、「田園」。
 第1楽章冒頭の、第1ヴァイオリンが奏でるメロディで、心臓を鷲掴みにされました。
 スラーやスタッカートがくっきりはっきりわかる、鮮やかな演奏。
 そして穏やかな春の日差しを思わせる、柔らかくてまろやかで、爽やかさも兼ね備えたような音色。

 ああ、これは。
 今日の「田園」は、かなりクルな。


 と思いながら、聴きました。
 テンポはそれほど速くなくて、ちょうどいい心地よいテンポ。
 ノンヴィブラートにこだわることなく、適度にヴィブラートを効かせて奏でられる第1楽章は、聴いていてとても気持ち良かったです。
 表題どおり、ちょっとワクワクするような気持ちも味わわせてくれる展開で。春の恵みを存分に謳歌するような演奏に、第1楽章からウルッときました。

 続く第2楽章も、程よく軽快なテンポ。
 「小川のほとりの光景」とつけられた表題のように、川のせせらぎや木々のざわめき、小鳥の鳴き声。さまざまな音が聞こえてきて、時折爽やかな風が吹き抜けていく様子まで、容易に想像できる展開です。
 今日の演奏は、鼻歌でも歌いながら小川が流れる森の中を散歩しているような、そんな心地で聴いていました。
 この第2楽章、木管楽器さんが大活躍!ということで。
 聖響さんもちょうど吹きやすいだろうな、と思われるタイミングで「どうぞ」と合図を出す様子が見られました。

 第3楽章からは、ラストまでノンストップです。
 スケルツォの3つのメロディは、それぞれに表情を変えてかなりメリハリが効いた演奏。スフォルツァンドもピリッとしっかり効いていて、かなりノリノリな感じになって、ついつい聴きながら体が動きます(笑)
 続く、オーボエやクラリネット、ホルンへと次々にメロディが受け渡されていく部分も、皆さんしっかり歌い上げ……と思ったら、1回目のホルンさんがちょっとミス。
 そして繰り返しの直前、トランペットさんがpへと音量が落ちる音を入り損ねてしまい……
 ついつい「頑張れ!」と心の中で声援を送ってしまいました。
 2回目は、どちらも無事に成功してました(^^)

 田舎の人々が楽しく歌い踊る宴は、突然やってくる嵐によって中断されるわけなのですが。
 このコンサートがある数日前に、強力な爆弾低気圧が日本海側で発生し、それが寒冷前線を伴って日本を縦断。各地に暴風と豪雨をもたらした。なんて経緯があったものですから、つい。
 爆弾低気圧、キターーーーッ!!!
 な気分になるわけでして。
 稲妻がピカッ!!と光り。
 雷鳴がドーンと轟き。
 風に煽られた雨が降り注ぎ。
 まさに、ステージの上で繰り広げられる春の嵐なワケです。
 で、それらを嬉々として(?)演出する聖響さんを見て、思わず。

 雷神降臨!!!Σ( ̄□ ̄;)

 と思ってしまいました(笑)

 そんな嵐が過ぎ去って、雲が次第に切れていってその間から日が差し込んで、晴れ間が見えて穏やかな春が戻ってくるような第5楽章。
 今日の演奏も、とても素晴らしかったです。
 ふわりと暖かい春の風が戻ってくるような音色に、思わず落涙しそうになり。
 第4部のクライマックスの部分では、こうしてまた春を謳歌できることに感謝するような、敬虔な気持ちになりました。 
 第5楽章につけられた表題が「牧人の歌―あらしの後の喜びと感謝の感情」なので、まさにその気持ちを味わわせていただいたように思います。
 最後の最後まで、幸せな心地で聴かせていただき。
 ふわりとホールに溶ける余韻まで味わ……

 ……おうとしたところへ、まだ聖響さんがこれから手を下す(=残り4拍分のフェルマータ付の休符を振っている最中)に、早すぎる拍手……(・・;)
 楽譜をめくらない分、丁寧に音量をコントロールし、メロディの表情をつけ、とても幸せそうに満足そうに振っておられた聖響さんも、「アチャー、拍手来ちゃったか」的な様子で思わず盛大に苦笑され。
 私も思わず、「拍手、早すぎっ!!!」と心の中で突っ込みいれてしまいました(^_^;)

 第3楽章のホルンとトランペット。
 第4楽章で一度音が抜けてしまったティンパニ。
 そしてラストのフライング拍手。

 これらを除いて、聖響さんが思い描く「田園」がほぼ完璧に再現されていたのではないかと思います。

 ……と思ってしまうほどに、充実した演奏だったのですよ。
 今日の「田園」。
 で、「田園」がこれならば、「運命」はさらにヤバイことになるわけでして。

 後半の「運命」
 第1楽章冒頭の、ダダダダーン!ダダダダーーーン!!2連発。
 ここ、楽譜を見ると最初の「ソソソミ♭ー」の「ミ♭ー」は2分音符にフェルマータ付。
 次の「ファファファレー」の「レー」は、2分音符+2分音符で後ろの2分音符にフェルマータ付。
 というワケで、最初の「ソソソミ♭ー」は短めに、次の「ファファファレーーー」は長めに演奏するのが「楽譜通り」というワケになるのですが。

 ええ、もちろん。その通りでしたとも(笑)

 帰宅してから、しっかりスコアを確認する自分もどうかと思いますが(爆)
 はっきり聴いてそれとわかるほど、忠実に再現する彼もステキだと思います(笑)

 そして「田園」の方で少しミスがあったティンパニさん。
 「運命」ではかなり頑張ってました。55小節→56小節の「ダダダダン!」も頑張って出してましたし。しっかり合わせよう、と指揮に食らいついていっている感じでした。

 CDで聴いているときはブチブチと切れているように聞こえるメロディが、自然な感じで滑らかに流れていたり。
 ちょっと大げさな感じでつけられていた抑揚が、これまたとても自然な盛り上がりに聞こえるように調整されていたり。
 客席から雑音を出すこともためらわれるほど、ppでギリギリまで音量を絞って張りつめた緊張感が漂っていたり。
 細かい部分を列挙しようと思えばできるのですが。
 それをしたところで「だからどうなのよ?」と無意味に思えてしまうほどに。
 自然に音楽が呼吸しているような。
 それでいて、きっちり抑制が効いていて、エネルギーが凝縮したような爆発感のある「運命」でした。

 数年前に聴いたような「これが俺のベートーヴェンや!文句あるかっ!!!」的な指揮ではなく。
 ソロを演奏するメンバーが歌いやすいようにきちんと配慮しながら、各パートごとに締めるところはビシッと締めて。全体的にも適度に煽って、くっきりと聞かせ所を浮かび上がらせる。
 自分の意志を明確に伝えながら、関西フィルの皆さんと一緒に熱狂していく。
 そんな指揮だな、という印象を受けました。

 なので、今日の「運命」はジャスト30分とか。
 超ハイテンポとか。
 そういう演奏ではなかったです。
 第2楽章も程よくゆっくりしたテンポでしたし。
 第3楽章、第4楽章もメチャメチャ煽って飛ばしまくる、というわけではありませんでした。
 でも、相当に熱狂して、テンションが高くて。 
 演奏が終わった後は「やりきった!!」感が見られるように思いましたし、聴いている私も相当に熱が入ってました。
 「田園」と同様、今聖響さんが思い描いている「運命」が忠実に、完璧な形で再現された演奏だったように感じました。

 もちろん、聖響さんが満足そうに笑っておられて、こちらもついつい笑顔になってしまいまして。
 何だかとても充実したひと時を過ごしたように思います。
 多分。
 第4楽章の、いよいよラストへ向かっていく直前に聖響さんが出した「グッジョブ!!(*^^)b」サインとか。
 演奏し終えた後に、「ホンマ、ありがとう!」という雰囲気でティンパニさんや弦楽器最前プルトの皆さんや、木管でソロを吹いた皆さんを立たせたり。
 そういうあれやこれまで、細かく見える位置で聴いていたからこそ、余計にそう感じたのかもしれませんが。

 以前にも何度も「何だかとんでもない演奏を聴いたな」と思ったことがありますが。
 今日もまた、とんでもない演奏を聴かせていただきました(^^)

 アンコールでは、第2回目の宣伝も兼ねて…ということだったのか。
 ハンガリー舞曲に思わずニヤリ、としてしまいましたが。
 本当に、楽しませていただきました。
 金聖響さんと、関西フィルの皆様方に、心から感謝申し上げます。

 2012年、明けましておめでとうございます。
 昨年は東日本大震災の影響もあり、またツイッターで呟いて終わりになってしまい、コンサートを聴きに行ってもここに感想を書くまでには至らないケースが多かったのですが。
 今年はまた、頑張って感想書きを復活させようかな?と思います。

 いつまで持続できるかわかりませんが(苦笑)

 もしここをまだ読んで下さっているかたがいらっしゃれば、またよろしくお願い致します。

 地震や台風による自然災害が相次ぎ、政情も不安定でふさぎ込むことも多かった2011年。
 そんな2011年を1秒でも早く終わらせて、新しい2012年を希望と共に迎えたい!という気持ちの表れだったかどうかはわかりませんが、4.5秒フライングで始まった(!?)2012年。
 そのフラゲ2012年を東急ジルベスターコンサートにて演出して下さった(?)金聖響さんの2012年ナマで初聴き&コンサート始めに、2年ぶりに「21世紀の新世界」へ行ってきました。

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21世紀の新世界

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より“ポロネーズ”
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
 ヴァイオリン独奏:米元響子

(休憩)

ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」

(アンコール)

ベートーヴェン:歌劇「プロメテウスの創造物」より序曲

指揮:金聖響
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

ザ・シンフォニーホール 14:00~
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 コンサートの幕開けは、華麗で明るい「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズ。
 確か、過去にもこの曲で幕開けになったことがあったはずで。何度となく耳にしている曲でした。
 今日も華やかな演奏で、ステキでした。

 前半のメインはチャイコン。
 ヴァイオリン独奏の米元さん、胸元は鮮やかなピンクの薔薇の花がついていて、胸の下から淡いピンク色に切り替わってふわっとしたドレス姿でご登場でした。
 チャイコンも大好きな1曲ですが、米元さんのヴァイオリンがこれまたステキな音色でした。
 伸びやかな高音、艶のある低音。
 華々しく終わる第1楽章の後は、客席から拍手まで飛び出してしまうほどの演奏でした。
 指揮台の隅に置いていた(預かってもらっていた?)弱音器をつけて奏でられる第2楽章は、切々と歌い上げるメロディがこれまたステキで。
 ギリギリまで音量を絞って、一気に爆発させる所から始まる第3楽章は、かなりのアップテンポ。この楽章で奏でられる、ヴァイオリンの低音域でのメロディが大好きなんですけど。今日の米元さんの演奏も、素晴らしかったです。
 第1楽章も第2楽章も、そんなに速くないほどほどのテンポだったんですが。
 第3楽章はさすがに速かった(笑)艶のあるメロディもさることながら、オケと独奏ヴァイオリンの掛け合いの応酬とか、とても聴き応えがありました。
 …で、演奏が終わった後。2楽章で使用して、3楽章では再び指揮台の隅に置いていた米元さんの弱音器。ちゃんと聖響さんがそれを持って、ステージから下りる米元さんの後を追ってました(^^)

 2012年の初聴きで、大好きなチャイコンをステキな演奏で聴くことができて、幸せでした♪

 休憩時間を挟んで、後半はいよいよ「新世界」より。

 去年は聴きに行けなかったので、一昨年以来になるんですが。
 その一昨年は、コーフンしすぎて体の機能が停止&しばらく放心状態な大爆演。今年は関西フィルさんも対向配置になっているし、演奏もどうなるかな?と思いつつ、ワクワクする気持ちを抑えながら、静かに曲が始まりました。
 …と思ったら、静寂を切り裂くようなティンパニの一閃。
 第1楽章は、比較的落ち着いたテンポでした。曲が激しくなってからも、速くならないようにと抑制しつつも、緊張感が漂っていて。メロディのアーティキュレーションはかなりハッキリくっきりしていて、でも一つ一つのメロディがしっかりと歌いあげられているように感じられました。ティンパニにはかなり強打させてましたけど、金管楽器は今までほど強調してないかな?という印象。楽章の後半は、聖響さんはほとんど楽譜を見ずに振っておられました。

 第2楽章もそんなに速くないテンポだったので、コールアングレのメロディがよりしんみりと、心にしみました。
 この楽章のメロディは、本当に郷愁を誘うと言いますか。
 生まれも育ちも地元で、地元から外に出て暮らしたことは一度もないので、想像でしかないんですけど。
 新天地での生活をスタートさせて、時折故郷のことを思い出すような心境なのかな?と。故郷を懐かしく思いつつも、新しい生活には楽しいことも希望もあって。でも時々試練というか、しんどい思いもして。
 そのうち古い思い出はだんだん思い出せなくなってくるけど、里帰りしたらその記憶が鮮やかに蘇ってくる。
 なんてストーリーが頭に浮かぶような。
 そんなしっとりとした演奏でした。 

 第3楽章も、勢いに任せて突っ走るぜ!ではなく、きっちりと制御されているように感じました。
 熱いんだけど、コーフンに任せて暴走はしないというか。
 でも、決める所はきっちり決めてくれてました、ティンパニさん♪
 木管さんの流麗なメロディと、躍動感あふれるフレーズ。頻繁に場面転換が繰り返されるこの楽章も、とても心地よく聴かせていただきました。

 で、アタッカで突っ込む…のではなく、程良く間を取って始まった第4楽章。
 大晦日の東急ジルベスターコンサートで最初ちょこっとだけ演奏して下さったので、前日もそれを見返してから教のコンサートに臨んだのですが(笑)
 やはり、生で聴くと違います。
 今日の聖響さん×関西フィルさんの演奏は、全体的に抑制が効いているというか。熱いんだけど、緊張感もあるんだけど、決して速くなりすぎず、メロディはしっかりと丁寧に歌いあげて、聴かせ所が満載な感じでして。
 この楽章も、そんな感じでした。
 聖響さんもこの楽章は手元にある楽譜を全く見ずに、ここそこでポイントになるパートには鋭い視線や、指揮棒や指先がビシッと飛んでました(笑)
 そして、途中。ティンパニさんがちょっとビミョーに遅れてしまったのか、あるいはこの先テンポアップするからきっちり「どこまでも食らいついてこいよ!」ということだったのか。
 久方ぶりに拝見した…
「ちゃんと俺の指揮を見てよ!!!」サイン(笑)
 ええ、左手でご自分の目を指さしておられましたとも(笑)
 力のこもった指揮に、聴いている方もついエキサイトしてしまいます。
 最後、4楽章冒頭の主題が調を変えて出てくる辺り。苦難を越えて前進する、希望に満ちた音のようにも聞こえて、思わずウルッときてしまいました。
 そしてラストは昇天と昇華が……

 と思ったら、まだ聖響さんの手が上がったままなのに、フライング拍手っ!!!!(血涙)
 聖響さんも、「拍手、早すぎやで~」的な感じで微妙に苦笑(^_^;)
 適度に抑制が効いていて、でも熱のこもった素晴らしい演奏だっただけに、客席のフライング拍手が残念でした。

 で、カテコで何度もステージに呼び戻された聖響さん。
 指揮台に勢いよく上がったかと思うと……
 ちゃっかり、4月からのシリーズコンサートの宣伝をなさいました。
 さすが、抜かりないっ!!!(笑)

 その4月からのシリーズコンサート「神々の音楽」第1回はベートーヴェン特集。
 というワケで、アンコール曲はベートーヴェン作曲の「プロメテウスの創造物」序曲。
 いや、私の席から見えた演奏者さんの譜面台に「Overture」と書かれた楽譜が置かれていたので、何かの序曲を演奏するんだな、ということはわかったんですが。ベートーヴェンでしたか(笑)
 「新世界より」は全体的にテンポ遅めというか、速くなり過ぎないように制御されてる感じでしたが。
 プロメテウス…の方は、それまで抑えていた分全開っ!!!だったのか。
 前奏が終わってから、一気にテンポアップして超快速テンポになってました。
 で、またそれを嬉々として振ってるわけですよ、聖響さん。
 めっちゃ楽しそう♪
 「神々の音楽」では、関西フィルさんと組んで、ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー、マーラーが演奏されるので。これは楽しみですわっ♪と期待に胸膨らむ演奏でした。

 年始から、素晴らしい演奏を聴かせていただきました(^^)
 終演後にはサインまでいただいて。
 2012年はいいスタートを切れたように思います。
 新年早々、燕尾服な聖響さんでしたし♪

 今日も楽しませて下さった金聖響さん、米元響子さん、関西フィルの皆様方に感謝致します。

 遡ること数年前。
 それまで食わず嫌いだったマーラーを聴いてみようと思い立った頃、ちょうど時期を同じくして神奈川フィルが誇るスーパーコンマスの石田さんと、今では神奈川フィルの常任指揮者となった金聖響さんのファンになりました。
 初めてちゃんとマーラーの交響曲を聴いてみようと思って手に取ったCDが第4番。以来、聖響さんの指揮で、石田さんがソロコンマスを務める神奈川フィルで4番を聴くのが、私の夢でした。
 折しも、2010年&2011年はマーラーイヤーということもあり、聖響さんが定期演奏会でマーラーを取り上げることとなり、4番も演奏されると聞きまして。居ても立ってもいられず、横浜まで聴きに行きました。

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神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第268回定期演奏会

モーツァルト/ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調

マーラー/交響曲 第4番 ト長調

指揮:金聖響
ピアノ:菊池洋子
ソプラノ:大岩千穂
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚

横浜みなとみらいホール 大ホール 14:00~
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 せっかく聴きに行くのですから、ガッツリと満喫しなければ!というワケで、始発の新幹線に乗り込みまして、GPから拝聴しました。

 GPはプログラム順にモーツァルトからでした。聖響さんは黒い半袖Tシャツにパンツ姿でご登場。コンマスの石田さんは…相変わらず凄い私服姿でのご登場でした。マーラーの4番、第2楽章で死神が奏でる死の舞踏を演奏するから…なのかどうかわかりませんが、ドクロマークのついたジャケットを腰に巻いて、派手な柄のシャツを着ておられました。
 マーラーの方はGPから泣かされる勢いでしたので、これは本番がかなりヤバそうだなぁと思いつつ、期待しまくりで開場時間に改めて入場しました。

 で、本番のモーツァルト。
 軽快な第1楽章…なのですが、冒頭からふわりとした柔らかい音色についうっとり♪ かと思えば歯切れよくなる部分があったり、装飾音符がついて洒落っ気たっぷりな部分があったりして、つい微笑が浮かぶような出だしで、とても心地いい楽章でした。
 第2楽章は、しっとりとしたピアノから始まるゆったりとした曲…なのですが。モーツァルトの緩徐楽章って、何故こうも催眠効果があるのか…(汗;) 気がつけば夢の中へと誘われておりました(滝汗)
 第3楽章は、これまたピアノ独奏から始まって、今度は軽快な、踊りたくなるようなリズミカルな曲です。こちらも、とても心地良く聴かせていただきました♪

 後半はオーケストラの人数も増えて、待望のマーラーの交響曲。数年来の念願だった4番です。
 軽やか…というよりは、ちょっと重たい感じのする鈴の音で始まる第1楽章は、思ったよりも落ち着いたテンポでした。曲の感じはとてもメルヘンチックで、鈴のついたソリでちょっと不思議な森の中へ出かけて行くような気分です。
 …が、一筋縄では行かないのがマーラー(苦笑)
 ひょっこりとモンスターのような得体の知れない物が現れたり、死の影が見え隠れしたりするのですよね。以前、雑誌で「この第4番はハリー・ポッターのような感じの曲」と書かれていたのを読んだことがありますが。まさにそんな感じ。劇中で出てくる「ヘドウィグのテーマ」とか、この曲に似せて書かれたのかと思うくらい雰囲気がピッタリですもの。ハリポタのお話そのものも、ハリーの両親の死に始まって、ハリーか悪い魔法使いか、どちらかが死ぬ運命にある、という常に「死」がまとわりついているお話ですし。
 この第1楽章から、ここぞ!という場所ではクラリネットやオーボエがベルアップ!譜面台の上にベルを出して吹いていたので、音が客席によく響いていました。本番では勢い余って、ちょっと音が……な場面もありましたが、それはそれ。
 そして曲が終盤に差し掛かって、曲調が明るくなって、ffからfffへと盛り上がる辺りで、聖響さん渾身の指揮とオーケストラの力のこもった演奏に、いきなり涙腺直撃されました。

 続く第2楽章。
 ここの主役は何と言いましても、ソロコンマスの石田さん!
 ヴァイオリンに張られている4本全ての弦を、長2度(1音)ずつ上げて調弦したもう1台のヴァイオリンと、通常のヴァイオリンの2台を持ち替えながらの大活躍です。その、調弦を変えたヴァイオリンの音色がっ!!
 「死神が奏でる」死の舞踏に相応しく、妖しさ漂う美しい音色でした。こういう死神の誘惑なら、うっかり乗ってしまうかも!?な素晴らしいソロでした。
 調弦を変えたヴァイオリンの妖しい音色は、同じ旋律でも普通の調弦のヴァイオリンで演奏するのとは全く音が違っていて、生で聴いてみるとその違いがよくわかりました。というか、その部分。死神代行と本物の死神って感じでした、第1ヴァイオリンの最前列(笑)
 しかも、石田さんの場合は東洋的な死神じゃなくて、西洋的な…そうですね、ちょうど21日にテレビで放送された「デスノート」に出てくるリュークみたいな感じの死神がお似合いのような気がします♪

 続く第3楽章は、冒頭からとても静かな音楽です。
 中低音で奏でられる、水を打ったように静かなホールに響き渡る音が、何とも言い難い緊張感と共に染み込んできて、どうしようもなく美しかったです。これは、来月演奏される第5番の第4楽章アダージェットがどれほど美しいのか、容易に想像できるような…でも想像以上の美しさになるような、そんな印象を持ちました。
 抑揚はあるものの、必要以上にオーバーにならないように全体的に制御されているといった感じのこの楽章。
 我慢して我慢して、ギリギリまで我慢して。一気に解放されるようなあのクライマックス。私が持っているミニスコアでは、それまでpppだった音量が一気にfになって、2拍でクレッシェンドして見開き2小節=1ページ1小節なfffへと突入する、あの場面。弦楽器が各パートで更に細かく分かれているので、スコアがそんな風になってるワケなのですが、実際に見るとこうなのかっ!!!と感心しつつ。怒涛のように襲いかかってくる音の洪水と、とてつもない解放感にまたしても涙腺が決壊し、ミョーな感じになってしまいました(笑)
 そして、両手で同時に力強く打ち鳴らされるティンパニーに導かれるように、第4楽章で歌声を披露して下さるソプラノの大岩さんが、真っ白なドレスに身を包んでステージに登場されました。
 この第3楽章、氷点下になってピーンと張りつめた緊張感漂う冬の朝のような、息をひそめて音に聴き入るような緊張感があって。でもその奥にはふわりとした温かさがあって、ステキすぎました。

 長大な第3楽章から一転して、ソプラノの独唱が入る第4楽章。聖響さん曰く「第3楽章まで頑張ってきたのに、美味しい所を全部ソプラノに持って行かれる」第4楽章です。
 大岩さんの柔らかい美声と、少しヒステリックな響きのあるピッコロの音色が対照的で、曲もちょうどそんな感じになっていて、これまた楽しめました。第1楽章の冒頭に戻ってきたような雰囲気があるんですけど、歌われている内容は「天上の生活」…まぁ、歌詞はかなり冒涜的な内容だそうですが(苦笑)
 最後の最後、pppでコントラバスの音が消えてもまだ、余韻が完全に消えてしまうまで動き続けていた聖響さんの左腕が止まるまで、しっかりと満喫致しました。

 …で、今日は神奈川フィルの2011年最初の定期演奏会。
 というコトで、終演後にホワイエにて乾杯式がありました。もちろん、それにもちゃっかり参加。皆様とご一緒に、乾杯してきました。
 今日の定期演奏会、チケットが完売したそうで。満員御礼でございました♪
「こんな地味ぃな曲で…」と聖響さんがお話されてましたが(笑)確かに、ラストが静かに終わりますからね。聖響さんご自身も「頼むから、まだ拍手するなよ!」的なことを心の中で願っておられたそうですが。私も同じ心境でした。「お願いだから、聖響さんの手が完全に止まって、腕を下すまで拍手は待って!」と。
 ちょうど1年前の「ミサ・ソレムニス」もそうでしたけど。拍手しちゃうのがもったいないくらい、しんみりと聴き入ってしまったマーラーでした。

 ご挨拶が終わり、ホワイエに出てこられた団員さん方のご挨拶をお聞きた後は、ご歓談中の聖響さんを発見!
 今年の聴き初め・聖さま始めでさっそくサインをいただきました(^^)
 私事ながら、奇しくも翌23日は私の誕生日でして。図々しくもお祝いのお言葉と握手まで分捕ってしまいまして、1日早く最高のプレゼントをいただきました♪
 心より、お礼申し上げます。ありがとうございました(深礼)

 実は今日、このためだけに朝4時に起きて始発ののぞみに乗って横浜へ駆けつけ、日帰りしたんですが(笑)
 やはり、みなとみらいホールへ行く時は何か起きますね。
 初めてこのホールへシエナWOを聴きに行った「A.リード」定期でも2日連続でミラクルが起きましたし。
 今日もまた、素晴らしい演奏と多大な恵みをいただいて、帰路につくことができました。
 神奈川フィルの皆様方、金聖響さん、ソリストの菊池さん、大岩さん。
 ステキな1日を過ごさせていただきましたこと、心から感謝致します。
 ありがとうございました♪

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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