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20051027マイスキー

 来年20周年を迎える倉敷音楽祭のプレ・コンサートとして、チェロのミッシャ・マイスキーさんが来られたので、聴きに行ってきました。
 とてもスペシャルで、サプライズなコンサートでございました♪

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<プログラム>
J.S.バッハ:チェロ・ソナタ 第3番 ト短調 BWV1029
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
(休憩)
シューマン:幻想小曲集 op.73
ファリャ:スペイン民謡組曲(7つのスペイン民謡より)
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
(アンコール)
リムスキー・コルサコフ:バラに魅せられた夜うぐいす
ラフマニノフ:乙女よ、私のために歌わないで
ファリャ:火祭りの踊り
サン=サーンス:白鳥(動物の謝肉祭より)
作者不詳:私があなたに会った時
カタロニア民謡:鳥の歌

チェロ:ミッシャ・マイスキー
ピアノ:カリン・レヒナー
倉敷市民会館 19:00~
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 今回のコンサート、私が座った席は5列目のド真ん中でした。オーケストラピットの上にあるために可動式になっている(と申しましても、椅子の撤去は手動&人海戦術なんですけどね、このホール;)列の後ろでした。
 その位置で聴いていたために、演奏者の息遣いとか、左指が運指板を叩く音も聞こえてきました。

 今日のコンサートは、バッハからバルトークへと、音楽史を辿るような順で聴かせるプログラムになっていました。
 冒頭の、バッハのチェロソナタ。ピアノの左手と右手、チェロの3声が複雑に絡み合う形式で書かれているためか、ちょっとチェロの音がピアノに負けてしまう面がありまして。マイスキーさんも、まだちょっとエンジンがかかりきっていない様子でした。

 でも、次のシューベルトからはもうパワー全開!とばかりに、その音色を存分に聴かせて下さいました。
 バッハ→シューベルトの順で聴くと、主題が長く、技巧的に、細かい音や装飾音が増えていることに加え、ピアノ=伴奏・チェロ=主役という役割がはっきりしてきているように感じました。
 そして、この曲を聴いて、何故バッハで「チェロがピアノに負けてるな」と思ったのかに気づかされました。恐らく、そう思ってしまった理由としては

・ピアノの反響板を長い棒で支えて、ホールの隅々までよく響くようにしていたこと
・バッハの曲そのものが、ピアノとチェロが一緒に、それなりに大きな音量で弾くことが多かったこと
・マイスキーさんが、「バッハ仕様」とでも言うべき弾き方をしていたこと(例えば、長い音を伸ばす時、最初はノン・ヴィブラートで始めて、次第にヴィブラートをかけるようにしていました)
・私の聴いていた位置が前の方で、加えて反響板を上げているピアノのほぼ正面だったこと

 などが挙げられるのかなぁ、と。曲に聞き惚れながら考えておりました。

 この前半、バッハもシューベルトもどちらも素晴らしかったのですけれど。残念だったのは、客席。この前半の間中、小さい音でアラーム音が鳴り続けていたのです。隣にいた友人は気づいていなかったようなのですけれど……。曲の絶対的な音量が大きくなれば、かき消されてしまうので気にならないのですが、音量が落ちた時には、とても美しい音楽の片隅から「ピーピー」という電子音が聞こえてきて、少々不快でした。
 何列か後ろの方で、アラームを切り忘れてしまった方がおられたようです。

 休憩を挟んで後半は、比較的短い曲を3曲演奏して下さいました。

 シューマンの『幻想小曲集』は、パンフレットによれば、もともとクラリネットのために書かれた曲らしいのですが、「ヴァイオリンまたはチェロでも演奏可」と記されているということで、リサイタルで聴かせて下さいました。
 そして曲の構成も、緩→急、静→動、短調→長調へと向かうようになっておりました。
 最初の緩やかで、静かで、短調な部分ではその深い音色に酔いしれて。後になって、テンポが速く、動きが多くなって明るい雰囲気になった時は、澱みなく動く弓や指の動きに吸い寄せられてしまいました。

 ファリャの曲は、ここ最近ではリッカルド・ムーティ指揮のウィーン・フィルが演奏会で取り上げていたり。もともとスペインの民俗音楽を取り入れた曲が好きだったこともありまして、ノリノリで聴いてしまいました。弾いているマイスキーさんも、ノリノリでした。

 そしてラストは、今日とても楽しみにしておりました、バルトーク。それぞれに表情の違う短い曲が次々に出てきて、浪々と歌い上げる様子から、オール・ハーモニクスで演奏する様子から、音があちこちに飛んで忙しく奏でる様子などなど、さまざまなマイスキーさんを一度に堪能したような気がしました。

 とまぁ、ここまでは普通のリサイタルだったのですが。
 ここからさらに、第3部といってもいいほどの、長いアンコールが待っておりました(笑)
 この後半が終わった時点で、時計の針はまだ21時前だったのです。時間は十分にあったワケなのです。でも、まさか6曲も、トータルして30分ほどのアンコールをやって下さるとは思いませんでした。
 恐らく、客席の拍手がいつまでも鳴り止まなかったことと、それだけの曲を用意して来られていたことと、演奏者も興に乗っていて「弾こう!」と思って下さっていたことと。全てがいい具合にブレンドしたためではないか、と思います。

 で、その第3部と言っていいアンコール。R.コルサコフとラフマニノフの2曲は、しっとりと歌い上げる曲でした。残念ながら外国語が堪能ではない私は、作曲家の名前は聞き取れても曲名までは聞き取れず(だって、『バラに見せられた夜うぐいす』は「ナイチンゲール」と仰ったことしかわかりませんでした/滝汗;) 後からロビーに貼り出された物を見て、「そーだったのかぁ」と思った、という(苦笑)

 3曲目に演奏して下さったのは、再びファリャ。『火祭りの踊り』は聞き覚えのある、とても好きな1曲でしたので、「わぁい、嬉しい~!」という気持ちもありまして。マイスキーさんもノリノリで弾いていたこともありまして。アドレナリン出まくりで、ドキドキしながら聴きました。終わった瞬間に、思わず「おおー!」と声が出てしまったほど、素晴らしい演奏でした。そういえば、客席からいくつも「ブラボー!」があがっていたような……。

 そして、涙腺を直撃されたのが4曲目の『白鳥』
 まさかここで、チェロの小品としては定番中の定番である『白鳥』がくるとは思わなかったのです。ファリャを聴いて私自身の感受性もかなり亢進していたことも重なって、前奏のピアノを聴いた瞬間に涙が溢れてきて、チェロのメロディが入ってきた時には号泣してました。

 アンコールは次にどんな曲が演奏されるのかわからない、というスリルとウキウキ感とドキドキ感がたまらないです(笑)。

 作者不詳である、という5曲目は、哀愁漂う静かな曲で。
 本当に最後の最後になった『鳥の歌』で、また泣きました。この曲を、生で聴けるとは思わなかったので、嬉しさと相まって泣いてしまいました。
 だって、8月6日&9日。
 広島と長崎に原爆が投下されてから60年ということで、佐渡裕さん指揮で記念演奏会が行われて。その時にゲストで参加されたマイスキーさんがソロで演奏したのが、この『鳥の歌』だったのです。それをテレビで見ながら、ジーンとしてから3ヶ月弱で。その曲を生で聴けるなんて、本当に想像していなかったのです。
 そんな理由もあって、嬉しさと驚きと感動が入り混じった1曲でした。

 で、今日のコンサート。
 終演後にパンフレットやCD、ツアーグッズを購入した人は、マイスキーさん&レヒナーさんにサインをしていただける、ということになっておりました。
 ホールの終了時間とか、その後のマイスキーさんの予定なども考えたのでしょう。
 いつまでも鳴り止まない拍手と、次の1曲を求める観客に「そろそろお開きにしましょう」とばかりに客電がつきまして。やっと、拍手がやんで席を立つ人が次々に出てきました。

 そして、私も「演奏会の記念に…」と、サイン会の列に並びまして。マイスキーさんとレヒナーさんにサインしていただきました。上のパンフレットの裏表紙。黒字の大きなサインがマイスキーさんのもので、ゴールドで控えめなサインがレヒナーさんのものです。
 プログラムに加えて、アンコールを6曲も演奏して下さって。お疲れのところ、さらにサインまでして下さったマイスキーさんとレヒナーさんには、本当に感謝です。

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【当記事にいただいたコメント】
当記事には、以下のようなコメントをいただきました。
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本当に感動でした。
2005-10-30 23:12:20 結月秋絵
>温泉さん
コメントありがとうです。

コンサート、マイスキーさんのチェロが素晴らしかったのはもちろんですが、レヒナーさんのピアノもステキでしたね。

アンコールの間、大事に思っている人の名前が浮かんだというお話ですけれど(そのお相手がどんな方なのか、気になるトコではありますが/笑)。
私も、『白鳥』を聴いて感動しながら、先日亡くなった祖母の顔が浮かびました。16日に、聖響さんが指揮するベートーヴェンを聴いている時もそうだったのですけれど。
ヨーヨー・マさんの興味深いお話も含めて。
音楽がいろいろな思いに共感するという許容量の大きなものだからこそ、私たちはいろいろな音楽を聴いて、泣いたり、楽しんだり、喜んだり。その曲に合わせて、さまざまな感動を覚えるのかもしれないですね。そして、感動した時には。その感動を最も分かち合いたい、と心のどこかで思っている人のことが、脳裏に浮かぶのかもしれません。

なんてことを、温泉さんのコメントを読んで思ったのでした。
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音楽の不思議な力
2005-10-30 22:00:44 温泉
私もこのコンサートに感動した一人です。

マイスキーさんのチェロと格闘?!いえ戯れていらっしゃるような多彩な表現に楽器との接し方やいろんな表現があるということを教えていただいた気がしております。
またカリン・リヒナーさんのファリャの伴奏の素晴らしさに心打たれました。
ピアノに長年親しんできた者として,あのリズムの刻み方、弾き方に魅せられました。
いつかあのような伴奏のできれば‥という夢を見せていただいた気がします。リヒナーさんに感謝です。

またこのコンサートでは,音楽のもつ不思議な力を実感した初の出来事がありました。
6曲もしてくださったアンコール演奏が進む中、集中力もかなり高まっていったような気がするのですが、2曲目以降心の奥に、ある人の名前が浮かんできました。
音楽に感動して、涙が出ている最中に人の名前が思い浮かんだことは初めてですし、その人のことを今でも大事に思っていることに気付かされました。
そのとき、数年前にヨー・ヨーマさんがニュースステーションに出演されて、
「音楽は、心の奥底にあるいろいろな思いに共感するので、感動するのです。」と言うようなことを話されていたことを思い出しました。(この時は確かピアノ伴奏で「リベル・タンゴ」を披露)正にその通りと思う経験でした。

また一つ音楽のもつ素晴らしい力を教えてもらったコンサートでした。
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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