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<プログラム>
モーツァルト作曲:
 歌劇「魔笛」K.620 序曲
ラヴェル作曲:
 ラ・ヴァルス
(休憩)
マーラー作曲:
 交響曲第5番 嬰ハ短調

(アンコール)
マーラー作曲:
 交響曲第5番 嬰ハ短調より 第5楽章

管弦楽:ベルギー王立歌劇場管弦楽団
指揮:大野和士
2005年9月29日(木)19:00
倉敷市民会館
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 思えばワタクシ、大野和士さんが指揮をする、ラヴェルの「ボレロ」終了と同時に2005年を迎えました。毎年恒例で見ている、東急ジルヴェスターコンサートに登場したのが大野さんで、2004年の最後に聴いたのも、2005年最初に聴いたのも、大野さんの指揮による演奏でした。

 その大野さんが、ベルギー王立歌劇場管弦楽団を率いて、地元倉敷に来る。
 しかも、曲目がマーラーの5番ということで、「こんな案内来たよ~」と、コンサートを主催する“くらしきコンサート”からのDMを母上に見せられて、「行く!」と即決致しました(笑)
 そしてずーっと楽しみにしていたコンサートに、今夜行って参りました。

今夜の席は、2階席のど真ん中で、前から3列目。吹奏楽コンクールでは、審査員席がある辺りでした。ステージ全体を見渡すことができて、A席だったのですが、S席の真後ろでして、音を聴くには絶好の位置でした。
 メインがマーラーの5番で、フル編成のオーケストラが必要になるためか、オーケストラピットを出して、ステージをフルに使っていました。
 そして、指揮台に立つ大野さんの前には……譜面台がないんですね。あのマーラーを暗譜で振るの!?と思っておりましたら、「魔笛」の序曲も、「ラ・ヴァルス」もマーラーも。全て暗譜で振っておられました。とんでもない方です。

 そんな今夜のコンサート。
 「魔笛」序曲は、まずは小手調べ、といった感じです。さすがは、ヨーロッパ最古の劇場の一つに数えられるという、ベルギー王立歌劇場、通称モネ劇場のオーケストラです。素晴らしい演奏でした。

 続く「ラ・ヴァルス」は、聴いていて楽しくて、楽しくて、仕方なかったです。
 以前、NHK-FMでこの曲を聴いた時、“ヨハン・シュトラウスが直球なら、ラヴェルは変化球かな?”と思ったものですが。シュトラウスのワルツが踊るための曲ならば、ラヴェルのワルツは鑑賞するための曲、といったところでしょうか。
 聴いていてとても気持ちよくて、楽しくて。あまりの楽しさに、笑いが止まりませんでした。

 休憩を挟んで、いよいよマーラーです。
 今週、CDを聴いたり、市販のミニスコアをみたり……とバッチリ予習して、しっかり聴く体勢を整えて臨んだマーラーです。
 これが、とにかく素晴らしかった!!!

 もともと、葬送行進曲の第1楽章から始まって、第5楽章の華々しいフィナーレへと突き進んでいく、という歓喜が約束されたような構成になっている曲なのですけれど。
 第1楽章から、フル編成のオーケストラがフォルティシモで、全開で鳴らす音の迫力に圧倒されました。ゾクゾクしました。
 なにせ、第1ヴァイオリンが16人。そこから音が下がると共に2人ずつ減っていって、コントラバスが8人。弦楽器だけで60人いるわけです。で、そのちょうど真ん中に、第4楽章に備えているためか、ハープが陣取っていました。
 で、管楽器は……といえば、フルートが4人に、ホルンは7人!
 最後列には2台の銅鑼をはじめ、打楽器がズラリと並び、それだけでも圧巻!です。

 厳かに始まる第1楽章に続き、荒々しい第2楽章。
 第3楽章は伸びやかで明るいスケルツォ。
 ここまでで、かなり感激していたためでしょうか。第4楽章の、あまりにも有名なあのアダージェットに差し掛かった時。決して甘すぎることはなく、上品で、透明で、そして何よりも美しい。そんな響きに、自然と涙がこぼれておりました。
 アダージェットは、映画やドラマの音楽として使用されることもあって、単独でも有名な曲ですけれど。やはり、交響曲の1楽章として聴くと、趣が違ってまた面白いです。

 そのアダージェットから間を置かず、すぐに第5楽章に突入しました。
 転調が多くて、気まぐれにコロコロと表情を変えるこの第5楽章も、本当に楽しかったです。高揚感が最高に高まって、それが頂点に達した時に迎えるフィナーレ。
 マーラーの5番を通して聴いたことがない母上に、「終わった瞬間にブラボー!だよ」と話していたのですけれど。大野さんが音を断ち切るや否や、「凄い、凄い、すごーいっ!」と思わず声に出てしまう状態で拍手!
 あちこちから続々と、「ブラボー!」の声や歓声があがっていました。
 会場全体が、言いようのない興奮に包まれている、といった状態でした。

 拍手が全然鳴り止まなくて、大野さんも何度もステージに呼び戻されて、オーケストラの皆さんも譜面台を叩いたり拍手したり……と、大野さんを讃えて、「立って」と指示されてもなかなか立たなかったり(笑)
 客席から自然と沸き起こったアンコールに応えて、第5楽章の最後をもう一度演奏して下さいました。このアンコール、どうやら大野さんにもオーケストラの皆さんにも想定外のことだったみたいでして。
 急遽、その場で「ここから弾いて」と指示を出し、曲が始まったのですが……。大野さんも気分が高揚なさっていたのでしょうか。最初に演奏した時よりも、テンポが速かったです。
 また、一番後ろにいる打楽器さんたちには上手く指示が届かなかったのでしょうか。曲が始まっても「え? どこから? ここ?」といった様子で、楽譜をめくって探しておられたのが、何だか微笑ましかったです。

 そういえば、その打楽器セクション。
 マーラーの交響曲第5番では、シンバル担当の方に最も注目してしまいました。
 というのはですね、この曲。ピアニシモからフォルティシモまで、かなりの音量差をつけて、シンバルを叩き分けないといけないんですね。思いっきりジャーン!と鳴らすのはいいのですけれど、シンバルをピアニシモで、綺麗な音で鳴らすのは、結構至難の業でして。シンバルは重いし、でも思いっきり鳴らせないし……というわけで、楽器を持つ腕がプルプルしてしまうこともあるのですね。
 でも、マーラーさんはいくつも「ここ、ピアニシモね」と楽譜に書いておられるわけです。作曲家が「叩け」と書いている以上、演奏者は叩かないわけにはいかないワケでして。シンバル奏者さんを見ながら「大変そうだなぁ。でも、あんな風に工夫して叩いてるのかぁ」と、元打楽器奏者として、感心してしまいました。

 また、この日。大太鼓担当の方が、どうやら体調を崩しておられたらしくてですね。出番のない第4楽章の間に(注:第4楽章のアダージェットは、弦楽器5部とハープのみで演奏されるのです)、ステージから降りて楽屋のトイレに行っていたらしく。第5楽章になって、こっそり、反響板の隙間から戻ってこられてました。でも、彼がいつステージから降りていたのか、曲に没頭していた私は気づいていませんでした(笑)
 そして、アンコールの時も、曲が終わるや否や、ステージから降りてました。
 「ああ、お腹イタイ」といった様子でお腹押さえておられましたし、大丈夫だったんだろうか?と心配になってしまいました。

 アンコールが終わってからも、熱狂的な拍手は続きます。アンコールの後にも、「ブラボー」の声が飛んでいたような……。あまりにも客席の拍手が止まないので、最後には、ステージに呼び戻されて拍手に応えた大野さんが、コンサート・ミストレスの手を取って、一緒に下りて行かれました。コンミスが立った、ということで、次々にステージから下りていくオケのメンバーさんたちを見て、ようやく客席も立ち上がって帰る人たちが出てきた、という。

 大太鼓さんの、ちょっと珍しいハプニング?にも出会い(笑)
 メチャメチャ興奮した、今夜のコンサートでした。

 大野さんの指揮を生で拝見したのは、今夜が初めてで。
 失礼ながら、詳しい経歴とか、今までのご活躍なども、パンフレット読むまで知らなかったんですけれど。
 今夜の演奏を聴いて、暗譜で振っておられるのを見て、「この人、天才や!」と思いました。
 素晴らしい演奏会でした。
 モーツァルトさんと、ラヴェルさんと、マーラーさんと。
 大野さんと、オーケストラの皆さんに感謝です!

(9月30日に一部加筆、修正)
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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