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2005金聖響のベートーヴェン パンフ

<プログラム>
L.v.ベートーヴェン
 バレエ音楽「プロメテウスの創造物」 作品43 「序曲」
 交響曲第8番 ヘ長調 作品93

(休憩&指揮者トーク)

 交響曲第6番 ヘ長調「田園」 作品68
(アンコール)
 交響曲第4番 変ロ長調より 第4楽章

管弦楽:大阪センチュリー交響楽団
指揮:金聖響
2005年8月21日(日)15:00
加古川ウェルネスパーク アラベスクホール
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 アラベスクホールに入るのは今日が初めてだったのですが、椅子も雰囲気も音響も、とてもいいホールでした。
 そして、チケット発売日当日に友人が取ってくれた席は……最前列&指揮者のほぼ真後ろ。
 ステージは客席に向けて階段状になっていて、あまり高くなくて、しかも客席とメチャメチャ近くて。
 すでにステージセッティングを終えた状態のところへ入って行って、自分の席に座って……「ええ!? こんな近くで見てしまっていいの!?」と思ってしまうほど、指揮台もステージも近かったです。それはもう、開演前にトイレに行って入った個室で「うわー、うわー、どーしよーーーっ!! 指揮者がメッチャ近い~~~っ!」と声にならない声で叫んでしまったほど(笑)

 最初に演奏された「プロメテウスの創造物 序曲」は……スミマセン。「うわー、聖響さん出てきた~! こんな近くで指揮してるの見られて幸せや~」と、指揮に見惚れつつ浸っている間に、曲が終わっておりました(滝汗;)

 続く交響曲第8番は、先日BSフジで放送された大阪センチュリーさんの定演でも演奏されていて、それを見てすっかり大好きになってしまった曲です。生で聴くのを楽しみにしていた曲でもあります。
 スコアに忠実に、ということを目指しておられるためなのか、全体的にテンポは速め。 第1楽章の出だしから勢いのいい曲で、聴き所ばかりを集めて、ギュッと凝縮したような。シンプルでいて全体通してテンション高くて。一度全体の音量がピアノに落ちて、フォルティシモ(もしかしたらフォルテかもしれないです。スコア見ていないのでわからないんですが、聴いているとフォルティシモくらいに感じました)で鳴る瞬間。
「うわ、音が爆発してる!」
 と思うくらいの迫力がありました。
 第2楽章はとてもかわいらしくて、かと思えば急に激しくなって。
 第3楽章は冒頭のテンポの揺れ間が何とも言えず心地よくて、ゆったりとしたメロディはとても綺麗で、聴いていてうっとりしてしまいました。
 第4楽章は、Allegro vivaceと書かれている通り、縦ノリ系で弾けていて飛ばしまくっていて、スッキリ爽快、といった感じでした。
 そしてやはり、「あれ、もう終わっちゃうの?」と名残惜しい気も致しました。

 私は時計をしていなかったのですが、腕時計をしていた友人曰く、「プロメテウス」と8番。間に拍手を挟んでも、2曲通して30分ほどしか経っていなかったようです。

 とまぁ、前半はウキウキとドキドキとワクワクが一緒になったような感じで、聴いていてとにかく楽しくて仕方なくて、一緒に歌いだしてしまいそうでした。聴きながら、ワタクシ相当「リズムに乗るぜ!」状態だったと思います(笑)
 演奏が始まる前は少し肌寒さを感じるくらいだったのですが、聴いているうちにだんだん暑くなってしまって……。着ていた上着を脱いでしまおうか、と思うくらいポカポカしていました。
 ステージを照らすライトの熱と、振りながら熱を放散しているかのような聖響さんの熱さを感じたのと、聴いている間にアドレナリンが出まくって、交感神経の働きが亢進して体温が上がったのと。多分、全部が原因だと思います(笑)

 そして、休憩が終わって後半が始まる前。
 「ホールの人に言われたから……」と聖響さんがマイクを持ってステージに登場。それも、前半は着ていた黒のスタンドカラーのジャケットを脱いで、白いシャツで出てこられてました。
 コンマス席に座って、前半で演奏した8番のことや、これから演奏する6番のこと。また、マル秘お得情報(?)なども教えて下さって、語り口もとても面白くて、大爆笑&大満足でした。
 あのトークを聴いてしまった今、8番の1楽章のラストは「あ~くたびれた♪」としか聴こえません(笑)

 続きまして、「眠たくなったら寝てくれていいです」と聖響さんのお許しが出ました、交響曲第6番「田園」。
 ワタクシ、正直申し上げまして、今日のプログラム。一番楽しみにしていたのが8番だったのですね。で、6番はその次だったのです。
 でも、聴いていて感動して、感激して、「こんな音聴けて、幸せ~」と思ったのはその6番でした。

 1楽章から5楽章まで、それぞれに標題が付けられていることもあって、もともととても雄弁な音楽だと思うのですけれど。今日聴いた6番は、音楽で風景を再現しているような、聴いていてその風景が浮かぶような演奏でした。
 有名なメロディで始まる第1楽章は、のどかな田園風景と、その風景を見てどこかまったりとして、それでいて心弾むような感じもあって。
 第2楽章は、標題では「小川のほとりの情景」とありますが、私は聴いていて、小鳥の鳴き声や木々のざわめきが聞こえて、木漏れ日が差す森を思い浮かべました。
 そして一度チューニングを挟んで、思わず踊り出しそうになってしまう、リズミカルな第3楽章。ここで、聖響さんの唸り声……ならぬ、歌声が聴こえてきました。その瞬間「ああ、歌ってる歌ってる♪」と顔が笑み崩れてしまうワタクシ(笑)
 そんなリズミカルで楽しい曲に暗雲が立ち込めてきて、雷雨と嵐の第4楽章。言い方が少しおかしいかもしれませんが、演奏を聴いていて、「ホントに嵐や!」と思いました。雨風の嵐ではなくて、音の嵐がドワーッ!と襲い掛かってきた、という感じでした。そこへ、バロック・ティンパニのガーン!という音が入って、「うわ、雷落ちた!」という。
 そんな嵐が去って行って、雲の切れ間から光が差し込むようなホルンの音色が響いて、第1ヴァイオリンのメロディを聴いた瞬間。
 キました
 ああもう、なんて綺麗な響きなんだろう。
 と思ったら、涙腺決壊してしまいました。
 もともと、今日の演奏はいつ泣いてもいいように(←…;)タオル地のハンカチを常備していたのですが、ここで役立ってくれました。
 標題では「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持」とありますが、本当に喜びに満ち溢れていて、時折見える聖響さんの横顔がとても幸せそうで、時々歌声も聞こえてきて、背中が汗に濡れてべっとりとシャツが張り付いていて、大振りになった時に汗が飛び散っている様子がとても印象的で。
 聴いていて、ただただ気持ちよくて、幸せで。生きてて良かったと思うと同時に、大げさな言い方ではなく本音として。こんな指揮者に出会えたことに、同じ時代に生まれ合わせたことに、心から感謝しました。

 ただ一つ。
 この「田園」で残念だったことは。
 音が鳴り止んだ瞬間に「ブラボー!」と叫んで、せっかくの余韻を壊してしまった人がいたことです。
 まだ聖響さんの腕が上がったままなのに。そこからゆっくりと、休符にフェルマータがついている楽譜の通りに、音の余韻を、ホールの残響を聞きながら腕を下ろそうとしているのに。そこまで楽しみたかったのに。「ブラボー!」の一声を発した人がいたことです。
 そんなタイミングで発せられた「ブラボー」だったので、演奏に感動したから叫んだのではなく。ただ単に自分が最初に「ブラボー」を叫びたいだけだったんだろうなぁ、と思わずにはいられませんでした。あれは、作曲家と演奏者に対して失礼な「ブラボー」ではないかなぁ、と。
 ああ、これが、岩城宏之さんが著書の『岩城音楽教室』で仰っていた「ブラボー屋」さんかぁ、と思ってしまいました。

 でも、そんなことはすぐに頭から吹き飛んでしまうくらい感動的な演奏で、手が痺れるくらい拍手してました。
 そしてアンコール。
 「4番の4楽章やります」と、交響曲第4番の第4楽章を演奏して下さいました。
 4楽章オンリーとはいえ、まさか4番まで聴けるとは思わなかったので、何だかトクした気分でした。
 交響曲第4番は、ベートーヴェンの交響曲の中ではマイナーな曲だと思うのですけれど。今日聴いた4楽章はとても楽しくて、明るくて、ウキウキしました。

 そういえば、古典配置になっているオーケストラの演奏を生で聴いたのも、今日が初めてだったんですよね。
 ヴァイオリンの配置は、舞台下手側(客席から見て、左側)から時計回りに第1ヴァイオリン→チェロ→ヴィオラ→第2ヴァイオリンとなっていて、コントラバスは一番後ろ、ティンパニとトランペットはヴィオラの後方に位置しているようでした。(何せ、最前列なので、後ろの方は見えなくて;)。
 演奏を聴きながら、「なるほど、ヴァイオリンが対向配置だとこんな風に聴こえるんだ」と、ハッとする部分もいくつかあって、面白かったです。

 CDを聴いていても思ったのですけれど、聖響さんが振ると、ピアノはちゃんとピアノの音量なんだけど、フォルテはフォルティシモくらいで、フォルティシモはフォルティシシモくらいの音量に聞こえるんですよね。それくらい、オーケストラがよく鳴っているように思うのです。
 そして初めて直に見た聖響さんの指揮は、繊細で優雅で力強くて鋭くて大胆。勢いで振っているように見えて、とても理知的。
 指先が、腕が、指揮棒が。振っている表情と演奏の表情がピタリと一致するということはつまり、オーケストラが聖響さんの指揮によく応えているということだと思うのです。 それだけ、オケを手中に収めているということなのだと。だから、指揮を見ながら聴いていると、曲の表情がとてもよくわかるんです。そして、その全身から音楽が迸っているような錯覚を覚えるのです。
 それって、素晴らしいことだなぁ、と。
 ただ、指揮者にかぶりつきの位置で聴いてしまったので、ホルンの音がちょっと時間差攻撃だったり、「田園」の1楽章でフルートがあまり響いてこなかったり……ということはありました。ですが、あの感動に比べたら、そんなのはほんの些細なことです。

 そして、一緒に聴きに行ってすっかりファンになってしまった母上が申しておりました。
「こんなに綺麗な指揮をする人は初めて見た」
 と。まだブレイクする前から佐渡裕さんに目をつけていた彼女がこう言うと、ミョーに説得力があります。
 そして、我が母上も、一緒に行った友人の一人も。
 朝、顔を合わせた時は「うわ、顔色ワル~」状態で、あまり調子が良くない様子だったのですね。でも、帰る頃にはすっかり元気になってました。聖響さんと大阪センチュリーさんにパワーを分けてもらったかしら?という(笑)
 よく音楽療法とか、癒しの音楽とか、いろいろありますけれど。
 音楽が持つ力を改めて見せつけられたような気がしました。
 そういう意味でも、今日聴いた演奏は本当に素晴らしかったのだと思います。
2005金聖響のベートーヴェン


(2005.8.21 「べっさつ結月堂」投稿記事より 一部加筆、修正)
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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