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 失礼ながら、金聖響さんが全国ツアーの大半を振る、という情報を入手するまで、佐村河内守という作曲家がいることも、こういう交響曲があることも、私は知りませんでした。
 3月末にこの全国ツアーの情報を知ると同時に彼の名前を知り、その頃に放送されたNHKスペシャルで彼の事を知った、という(汗;)
 もちろん発売されているCDを聴いたこともなかったので、Eテレで放送された全曲演奏で予習しました。
 …と言っても、仕事が忙しくて1回しか見られず(汗;)
 それも通しで聴いたわけではなく、鑑賞を途中で中断→また後日続きを聴いた、という状態でした。

 ツアーの日程は長く、公演数も多く。
 来年2月には地元岡山にも、金聖響さん指揮で回ってくるのがわかっていたのですが。初日の演奏がどんなものになるのか。半年以上を経て、どういう演奏に変わっていくのかを知りたくて、大阪へ行きました。

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佐村河内守作曲 交響曲第1番≪HIROSHIMA≫全国ツアー

佐村河内守:交響曲第1番≪HIROSHIMA≫

指揮:金聖響
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

ザ・シンフォニーホール 14:30~
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 今日から始まる交響曲全国ツアーの初日。
 指揮は金聖響さん。
 数年前は彼が振る公演は全て雨だったこともある上に、私が足を運んだコンサートも雨の確率が高く、加えて横浜が吹雪いたり、終演後にホール周辺にゲリラ豪雨が降ったり……と超悪天候だったこともある雨男な彼。
 神奈川フィルの常任指揮者就任コンサートも、神奈川フィルの創立40周年記念コンサートも、大事なコンサートは全て雨。
 そんな彼が振るのだから、全国ツアーの初日となる6月15日も雨。
 これは聖響さんのファンとしてはもはや常識!(←違っ;)
 という予想通り、大阪は朝から雨。昼前から大雨になる、というお約束通りの天候でした(笑)

 いつもザ・シンフォニーホールでの金聖響さん公演では、指揮者を真正面に見ることのできる、通称「お顔見席」パイプオルガンの前の席を取るのですが。
 今回はチケット獲得に動いたのが公演間際であり、またテレビで見る限り打楽器の数が多く、特殊奏法も駆使している様子だったこともあり、2階席ではあるものの、違う場所から拝見しました。
 席に着いて、真っ先に思ったこと。

 聖響さんの指揮で、コントラバスが上手にいるのを見るのは何年ぶりかしら?

 聖響さんの指揮ならば、対向配置が普通ですから(笑)
 でも今日は現代曲ということもあって、弦楽器の配置は下手前方から第1ヴァイオリン→第2ヴァイオリン→ヴィオラ→チェロ。チェロの後ろにコントラバス。トランペットとトロンボーンはステージ最後列に陣取る打楽器の前、という通常配置でした。

 聖響さんは燕尾服姿でご登場。
 客席には、作曲者である佐村河内守さんもお見えになってました。
 佐村河内さんがいろいろな情報番組に登場なさっていたこともあり、客席はほぼ満席。
 曲の詳しい解説は各所でなされているのでここでは詳しくは触れません。
 私も全曲演奏を録画で見て、気軽に聴ける曲ではないな、と。また1曲のみで演奏会が成立してしまう、マーラーの2番や3番、9番クラスの長い交響曲だ。程度の知識しか持ち合わせていない、ほぼ真っ白な状態でこの曲を聴きました。

 全3楽章で構成されているこの曲。
 コントラバスの静かな音からひっそりと始まるのですが、何とも重々しく、不穏な空気が漂います。
 第1楽章から、随所に教会音楽を思わせるメロディが出てきたり、不協和音が大音響で鳴ったり。
 バッハを思わせるフーガやコラールが響いたり。
 ドラマティックだけれど悲劇的な香りのする激しい展開があったり。
 でも最後には、希望の光が差し込んできて救われるような気持ちになる。
 この曲で初めてクラシックのコンサートに足を運んだ、という方には優しくない曲だと思います。
 
 曲そのものを何度も聴きこんでいるわけではないので、詳細に語ることは私にはできません。
 ただ、全体を通して聴いた印象としては。
 交響曲を聴いた、というよりは、作曲者の人生を追体験したような心地になりました。

 長く深く、なかなか深淵が見えない苦悩の闇。
 そんな闇の底を這いずりながら、けれど希望の光を信じて手を伸ばそうとするけれど、襲い掛かってくる試練のあまりの過酷さに絶望し、差し込んでくる希望の光さえも疑うようになってしまう。
 けれど最後の試練を乗り越えた時、ついに心から希望の光と救いを受け入れる。
 そこに至るには、長い道のりを経る必要があるんだな、と。

 聴きながら、この作曲者が直面した闇や絶望、苦悩はどれほど深かったんだろう?と思いました。

 テレビで拝見していた時は、皆さん最後の救いの音楽に涙されていましたが。
 私が涙腺を直撃されたのは、むしろ第2楽章の方でした。
 聖響さんが振ると、悲劇も喜びも倍増するように感じるので、そのせいかもしれません。
 第3楽章で最後の試練を思わせる、かなり劇的な展開には、ワクワクするような興奮があったりして。
 その先に訪れた希望の旋律は、ダメ押ししてくる打楽器の効果とフルパワーで鳴るオケの音、指揮台の上で今まで溜めこんできたものを一気に開放するかのような聖響さんの指揮。
 それらを全部ひっくるめて、ただ希望の救いを受け入れるだけじゃなくて、ようやく手に入れた幸せを謳歌するような喜びまで感じさせてくれたように思います。

 やはり、テレビやCDで鑑賞するのと、ナマで演奏を聴いて体感するのでは、曲の印象が全く違うのだな、と改めて思いました。
 今日の演奏は、その違いが際立っていたように思います。
 音楽はナマモノであり、イキモノでもある。
 冒頭の聞こえるかどうかのギリギリな弱音から、フルオケが全開になる大音響までの音量差とか。
 大編成のオケがフルで鳴った時の音の圧力とか。
 ホールでなければ味わえません。
 ナマで聴くからこそ味わえる醍醐味、というものを満喫したように思います。

 演奏そのものについては、聖響さんも関西フィルさんも、この曲を初めて演奏することもあって、お互いに手さぐり状態というか、ひとまず手合せしてみた、という感じだったのでしょうか。
 全体的に、聖響さんの煽りは少なめ。
 いつもならば細かく指摘するはずの音程のズレなども、聖響さんはスルーしているように見受けられました。
 でも、トランペットの音量はガマンならなかったらしく(苦笑)
 何度も何度も「もっと出して!!」と指示が飛んでました。
 それでも、なかなかトランペットの音量が聖響さんの望む所まで達していないようでしたが。
 全体としての演奏は素晴らしかったものの、金管楽器に少し物足りなさを感じたのも事実。聖響さんが望む音量が出てなくて、思ったような効果が出せなかったり、音程が不安定な部分があったりしたので。
 聖響さんも今後1年近い期間、何公演もこの曲を振りますし。そのうち、関西フィルさんが演奏する機会も数回あります。
 回数を重ねるにつれて、まだまだ化けそうな感じがする演奏でした。
 まだまだイケるでしょ?
 なんて思いつつ、聴いてました(苦笑)

 終演後のカテコでは、聖響さんが早々に客席にいらっしゃった佐村河内さんをステージに呼び寄せて、硬く握手&抱擁を交わして盛り上がりました。
 やはり、初日ですから♪
 そして佐村河内さんは全聾で満場の拍手もブラボーも聞こえないので、スタンディング・オベーションという形で表すのが一番伝わるのだと思います。
 何度も続くカテコのラスト、かなりテンション上がってたこともあったのか、聖響さんが「スタンダップや、みんな!」(←勝手に脳内アフレコ;)と客席に促したのも、そういう意味もあってのことかな?と思います。

 ただ「交響曲を1曲聴いた」というだけではない、貴重な体験をさせていただいたような、この曲&演奏。
 作曲された佐村河内さんと、素晴らしい演奏をきかせてくださった金聖響さん、関西フィルの皆様方に、心から感謝申し上げます。

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聴いてきました、佐村河内シンフォニィ≪HIROSHIMA≫  4年ぶりのシンフォニーホール。  4年ぶりの金聖響さんでした。  全国ツァー初日ということでか、作曲者ご自身も来場さ ...

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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