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 指揮者・金聖響さんの30代最後の演奏を聴いたのが、10日のこと。
 新年早々、最強にして最高の「新世界」を聴いて、大満足♪
 ……なはずだったんですが。
 本来、16日は通っている専門学校で朝から講習会があって、それは必修で参加しなければならない講習会で、欠席したら6枚以上のレポートが課せられる、というものでした。そのため、行きたい気持ちをぐっと堪えて講習会に出なければ……と思っていたのです。
 が、12日に聖響さんの公式ブログを拝見し、「ミサ・ソレムニス」について語っておられるのを拝見し、「何という私ホイホイな記事を書くんだ、この方はっ!!!」と一気に「行きたい!」気持ちが爆発。
 1時間足らずの間にチケットの売れ行き状況&残席を確認し、翌日大阪で行われる勉強会に出るために宿泊する必要がある大阪駅前のホテルの空室を確認し、学割を使った場合の交通費を計算しておりました(汗)

 年末から、大風邪を引きながらも「ミサ・ソレムニス」の楽譜を読み、「新世界」を置いてでも楽譜を読んで勉強しておられるご様子はツイッターで拝見しておりましたが。12日に拝見したブログの記事が決定打となり、数日思い悩んで考えましたが、結局は横浜行きを決定して行ってしまいました。

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神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第259回定期演奏会

ベートーヴェン作曲:ミサ・ソレムニス ニ長調

指揮者:金聖響
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:押見朋子
テノール:吉田浩之
バス:長谷川顕
合唱:神奈川フィル合唱団 
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

横浜みなとみらいホール 18:00~
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 今回のこのミサソレ1曲のみというプログラム。
 聖響さんがKPOの常任指揮者になるとお聞きして、定期演奏会のパンフレットを取り寄せた時から実はずっと聴きたいと思っていたプログラムでした。聖響さんが振って、コンマスの石田氏がソロを弾いて、KPOさんが演奏したらどうなるんだろう?と。
 その日のうちに大阪へとんぼ返りしなければならないし。
 講習会欠席のペナルティとして、レポートも書かなければいけない。
 加えて、お金もかかる。
 我ながらアホやなぁ、と思ったんですが、結果として聴きに来てしまいました(苦笑)

 そうは言いつつも、私はミサソレをそんなに何度も聴いているわけではありません。生で聴くのは、これが初めてでした。全部で5楽章あって、ポリフォニーで、ミサ曲で、途中でコンマスさんのソロが入る曲、という程度の認識です。CDは持っていますが、それでさえも聴いたのはほんの2~3回という。
 なので、演奏が具体的にどうとか、どこがどうだったとか、そういったことまで聴き取る余裕はありませんでした。
 ましてやチケットを取ったのが本当に直前だったため、座った席もパイプオルガン奏者の足元でステージ後方で、指揮者正面の席。演奏そのものについて、あれこれ言える席ではありません。
 ですので、それぞれの楽章や曲全体の印象についての感想となりますこと、前もってお断りさせていただきます。

<プレトーク>
 コンサートが始まる前に、聖響さんと、音楽ライターの玉木正之さんによるプレトークがありました。
 玉木さんに続いて登場なさった聖響さん、燕尾服です♪ 久方ぶりに拝見する燕尾服のお姿に、テンションが上がります(←コラコラ;)
 「ミサ・ソレムニス」というタイトルを関西のイントネーションで言っていいものか?というお話から始まりまして。この曲は第九より先に作られていて、作品番号も近い。なので合わせて聴いてほしい、というお話に。
 この曲を書いていた頃ベートーヴェンさんが住んでいた部屋は、とても小さくて暗くて天井が低くて。こんな部屋であんな曲を書いたのか!?と訪れた聖響さんは衝撃を受けて、涙が出てきたというお話もありました。
 最後の方には、玉木さんが「人文学の反対は天文学と言える。第九が人文学の音楽だとしたら、ミサソレは天文学の音楽だ」的なお話もされてました。
 
第1楽章<キリエ>
 最初のニ長調の和音を聴いた瞬間、ああ、この曲は祈りの曲なんだと思いました。ヴィブラートを極力抑えた、素の響きともいえるような音。その響きはとても美しくて、厳かな雰囲気があって。曲の最初に黙とうを捧げ、これからの曲を迎えるような気持ちになりました。
 合唱が「キリエ」と歌う中、すっと前面に出てくるソプラノやテノールの歌声も、スムーズにその受け渡しができるように合唱の皆さんの歌声がよく統制されているように感じました。
 決して華美なわけではない、誇張されてもいない。芯の強さがにじみ出てくるような美しさが感じられる「キリエ」であったように思います。

第2楽章<グローリア>
 ポリフォニーはダテじゃない、と言いましょうか。
 あちこちでいろんな音が鳴っていて、前から後ろから横から下から、全方向から攻められて音の渦に飲み込まれて。次から次へと出てきて、重なっているメロディを追いかけるのに精いっぱい。容量の少ない私の脳みそでは処理しきれないほど情報量が多くてですね(苦笑)
 ただ、何だか物凄くハイな気分になりまして。気が付いたら終わっていた、という感じでした。

第3楽章<クレド>
 三位一体の神への信仰宣言、ということでキリストの降誕や受胎告知、受難、埋葬を描いていくというこの楽章。
 音楽を聴きながらストーリーを追っていく中で、雲の切れ間から光が差し込むように感じられるほど美しい部分があってウルウルきたり。胸が締め付けられるほど苦しい気持ちになったり。
 天からもたらされた曲と言いますか、天上から下りてくる音楽のように感じられました。
 聴いていて、思ったのです。
 私、この場にいられて良かった。
 この演奏を聴けて良かった。

 と。
 そして、
 この曲を演奏して下さる皆様方に、こんな素晴らしい曲を書いたベートーヴェンさんに。
 この場に導いて下さった「神」としか言いようのない、大いなる存在に。
 全てに感謝の気持ちを捧げる、そんな気持ちになりました。

第4楽章<サンクトゥス―ベネディクトゥス>
 この楽章はもう、ベネディクトゥスの部分で奏でられる独奏ヴァイオリン、KPOが誇るスーパーコンマス石田氏の美しい音色に尽きます。あの、全てを浄化していくかのような、澄み切った美しい音色。
 本当に素晴らしかった!!!
 この楽章の途中で、石田氏のソロが鳴り響く中、聖響さんが指揮棒をゆっくりと下ろして譜面台に置いて、指揮棒なしで振り始めたのです。それまでは指揮棒を縦にしっかりと振って、きっちりと縦の線を揃えよう、とも取れるような振り方をされていたのですけれど。
 指揮棒を置いて、両手で振っている聖響さんが感極まったようにも見えまして。ただひたすら音楽に没頭するかのような表情を見た瞬間に、第3楽章でかなりウルウルきていた涙腺が一気に決壊しました。
 涙が止まらなくなって、ボロボロ泣けてきて。
 本当に心から、この演奏を聴く機会を与えられた幸せを感じました。

第5楽章<アニュス・デイ>
 この楽章は、コロコロと変わっていくテンポと移り行くメロディを追いかけるのに、また必死になってしまいました(汗)
 振っている聖響さんも、合わせて行くオケや合唱の皆さんも、本当に大変そうだなぁ、というのが伺えるようで。
 でも最後は収まるべき所に収まると言いましょうか。安らかな響きでそっと終わっていく曲に浸っておりました。
 何だか拍手をするのがもったいない気持ちでした。ずーっと曲の余韻に浸っていたくて、現実に引き戻されたくない感じで。
 第1楽章の最初から、第5楽章の最後まで。祈りに始まって、祈りに終わるような心地でした。

 素晴らしい演奏を聴かせて下さった皆様方に、本当に心から感謝なのです。
 この曲の途中、ソプラノの方が倒れたらしいのですが。それを後から人づてに聞いて、ようやく知りました。全く気付いていなかったんですよ、そういうことに(苦笑)
 まぁ、いつものごとくマエストロ一点集中型で鑑賞しておりますので(汗;)
 あの場所にいられたこと、あの演奏を聴けたこと。
 全てに、心から感謝する気持ちになりました。

<以下、翌日のお話>
 コンサート終演後、新年の乾杯式をご一緒させていただいて、大阪へとんぼ返りしました。
 翌17日、大阪で行われる鍼の勉強会に参加しました。
 1月17日は、私も忘れることのできない神戸淡路大震災が起きた日です。まだ大学生だった当時、地震が起こる直前に目が覚めて、未だかつて感じたことのない揺れに驚いて。でも隣の県だったので、私自身は全く被害も何もなく、ただ瀬戸大橋を通る電車が止まってしまって登校できなかった、というだけでした。
 ですが、当時鍼の会に所属しておられた先生の中には被災された方も、犠牲になられた方もいて。会が始まる前、その先生に黙とうを捧げました。
 祈りを捧げるべく目を閉じた瞬間、頭に浮かんだのは前日に聴いた「ミサ・ソレムニス」の冒頭の「キリエ」のあの音でした。黙とうしながら、思わず涙が溢れてきて、零れ落ちそうになりました。

 勉強会を終えて、ちょうど大阪に遊びに来ていた友人と落ち合って飲みに出て。
 帰宅してからアクセスした聖響さんの公式ブログ「昨日のミサソレ、僕の心の中では被災された方々、そのご家族の皆さんに届けばという想いをもって演奏させて頂きました。」と書かれているのを拝見して、納得しました。
 ミサソレを聴いて「祈りの曲だ」と感じたことも。
 黙とうを捧げた時にミサソレが浮かんだことも。
 演奏を通じて、少しでもそういうことを感じ取っていたのかな、と。

 体力的にもかなりキツいですし、我ながら無謀なことをしている、と思ったものですが。
 やはり、音楽の神様に、ひょっとしたらベートーヴェンさんに「呼ばれて」行ったのかもしれません。
 誰に何と言われようと、卒業試験や国家試験があるこの時期にレポート課題というペナルティを背負おうと。私にとっては聴いておくべきコンサートであり、行くべくして行ったのだと思います。(もっとも、そのレポート課題。ちょうど調べて考えをまとめてみたいと思っていた内容なので、講習会よりもそっちの方が私にとっては魅力的なのですが;)
 素晴らしい音楽を聴かせていただいて。
 いい「気」を注入していただいて。
 本当に、ただただ感謝するのでありました。
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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