2010/01/10 23:29:39
聖響さんのファンになってからというもの、すっかり新年の恒例行事&その年のコンサートの聴き初めとなっている、「21世紀の新世界」
今年はついに10年目を迎えるというこのコンサート、今年は関西フィルさんがお相手ということで、今までとはひと味もふた味も違った演奏になるかも……!?という期待を胸に、行って参りました。
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21世紀の新世界
J.シュトラウス2世:オペレッタ「こうもり」序曲
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調
(ピアニストアンコール)
ショパン:ワルツ第6番「小犬のワルツ」
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」
(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲 第4番
指揮:金聖響
ピアノ独奏:横山幸雄
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団
ザ・シンフォニーホール 15:00~
---------------------------------
公式ブログの年始のご挨拶で、今年はついに40代に突入し、節目の年になると書いておられた聖響さん。そんな聖響さんの30代最後のコンサートとなった今日。
いろんな意味で凄すぎて、恐らくいつも以上に支離滅裂で意味不明で感情移入しすぎな文章になると思われますこと、最初にお断り致します。
年の始めのコンサート、聖響さんはどんな衣装でご登場されるのかしら?と思いましたら、襟元が少し開いたデザインの新型学ランスーツでした。
今日は指揮棒を持ってのご登場で、全曲を通して指揮棒を使って振っておられました。
そしてオケの配置が、聖響さんにしては珍しく対向配置ではなく、普通の配置。つまり、舞台下手側から第1ヴァイオリン→第2ヴァイオリン→ヴィオラ→チェロ、チェロの後ろにコントラバス。ヴァイオリンが10人ずつで、ヴィオラが8、チェロが7、コントラバスが6、という聖響さんにしては大きな編成でした。
後ろには金管楽器が陣取って、最後列に打楽器。なので私が座っている位置からだと、ティンパニが足下から聞こえてきました(笑)
まずは、冒頭の「こうもり」序曲。
関西フィルさんはチューニングの音が若干高いのか、全体としてカラッとした明るい印象の音色のように感じました。明るくて華やかな出だしに、その音色がよく合っていたような。。。
アプローチとしては聖響さんらしく、全体的にテンポが早めで、あまり溜めがなくて、テンポの揺れも少なめで、スッキリとした印象。でも、ゆったりと美しく歌う部分はとことん美しく、しっかりとテンポを落として聴かせるアプローチだったように思います。
もともと曲の展開が多彩で、くるくると表情を変えるように進んでいく序曲で、最後はとことん速くなってグワーッ!となってズバンと終わる、という印象なんですが(笑)
それらがよりいっそう鮮やかに、くっきりと浮かび上がってくるように思えました。というか、ある意味予想を外さないアプローチと、最初から全開の聖響さんと、しっかり指揮についてくる関フィルさんの演奏が楽しすぎて、笑いが止まらなくなりました(苦笑)
もちろん人前ですのでね、顔にはできるだけ出さないように、心の中で爆笑してたんですけど(汗;)
続きまして、ピアニストの横山さんをソリストに迎えてショパンのピアノ協奏曲です。今年はショパンイヤーということで、この選曲になったものと思われ。
第1楽章の暗くて重い雰囲気が漂う出だしから、引き込まれました。オーケストラの序奏に続いて入ってくる横山さんのピアノは、細やかで鮮やかで、情感豊か。哀愁漂うメロディと相まって、切なさが胸に迫って参りました。
そして何より素晴らしかったのが、続く第2楽章。
もともと静かな曲で、しっとりとピアノが歌いあげる場面もあるんですが、オケの演奏が素晴らしかった!
静謐な美しさと言いますか。
澄み切った冬の朝の、ピーンと張りつめて乾燥していて、耳が切れそうなあの空気。音を聴きながら、そんな空気が漂っているのが感じられました。そして、そんなオケの音に乗っかる横山さんの音がキラキラしていて、朝日を受けて氷柱が光るような、そんな光景が思い浮かびました。
聖響さんも、横山さんの音色にじっくり聴き入るような様子が見られましたし、本当にステキでした。
協奏曲の後、なかなか鳴りやまない拍手に応えて、横山さんが「小犬のワルツ」を弾いて下さいました。こちらもステキでした♪
で、前半も素晴らしかったんですけどね。
今日のメインの「新世界」
これが過去最高記録を塗り変える勢いで、聖響さんも関フィルさんも大熱演で、凄すぎて。ぶっ飛んでしまいました。
まず、第1楽章。
チェロやコントラバスという弦楽器低音部で奏でられる冒頭のメロディ。ここからもう、音の密度と言いましょうか、過去に聴いてきた演奏からまるで違っていました。
今までは対向配置で聴いていて、コントラバスが最後列にいたり、下手側にいたりして、チェロと離れていたんですよね。なので、音もあちらとこちらから分離して聞こえていたのですが、配置を近づけることで完全に一体となって聞こえてきました。
それを聴いた瞬間に「新世界ってこっちの配置の方がいいんじゃない!?」と思いましたもの(笑)
郷愁が漂う曲を一転させ、空を裂くような鋭い弦楽器&ティンパニの強打から、主題へ。今までは快速テンポでかっ飛ばしていた聖響さんですが、今年はどっしりと落ち着いた感じでゆっくりめのテンポ。なんですけど、躍動感は抜群で、かなりメリハリがついているように感じられました。
そして第2主題に入った時の、あの第2フルートの音色が絶品!!
低めの音で「ソー・ソ・ミ・レー ソーシレ・レ・レー♪」て聞こえてきた瞬間、涙腺直撃されるほどの威力がありました。なんてまろやかで、でも芯の通った力強さがあって、ステキな音っ!!
すっかり彼女のファンになってしまいました。
曲の勢いとか、迫力を決めるのはテンポだけではないんだな、と感じる第1楽章からもの凄い展開を見せまして。ただただ、目の前で展開される音楽に全身全霊で没頭しました。
オケの皆さんも熱演だし、聖響さんも関フィルさんとは数年ぶりということで結構細かく指示を出していましたし、お互いに相乗効果でどんどん熱くなっていく様子がよくわかりました。
だって、聖響さんの振りがどんどん大きくなるし、髪はガンガンかき上げてるし、音の切り方もかなり鋭いし(笑)
1楽章から、相当キてました。
で、続く第2楽章。ショパンの協奏曲で見せたあの美しさは、ここでも健在でした。ちょっと出だしの金管部隊がバラッとなってしまったのが残念でしたが。。。
コールアングレのメロディは本当に美しくて。その他の木管部隊のメロディも綺麗で。途中で第1楽章の主題が戻ってきてグワーッと盛り上がる部分との対比がくっきりと浮き上がっていて。
ふわりとホールに溶ける最後の音まで、ステキな第2楽章でした。
そして躍動感溢れる第3楽章。ここも素晴らしかったです。
過去の聖響さんの演奏と比べると、やっぱりテンポは遅かったんですが、あの躍動感と迫力は過去最高レベルだったような。まぁ、ティンパニが足下から聞こえてくるので、あの強打がダイレクト・アタック状態だったというのも要因の一つだとは思いますが(笑)
途中で出てくる民謡のようなメロディもやっぱり美しくて、最初の展開に戻るところはとことん激しい感じで。
凄かったです、ホントに。
で、最後の第4楽章。
第3楽章からあまり間を置かずに突入したこの楽章も、金管楽器が全開爆っ! 後打ちもバッチリ決まってました。
ここも、過去の演奏と比べるとテンポは決して速くありませんでした。が、あの勢いと迫力は過去最高レベル。配置が違うとか、オケが違うとか、そういう問題じゃなくてまるで過去の演奏とは違っていて、今までの演奏を全て凌駕するように思われました。
去年、本場チェコのオケでこの曲を聴きましたが、何となく物足りなさを感じたんですよね。私が聖響さんの演奏に完全にノックアウトされていて、これじゃなきゃ満足できない体質になっているからかもしれないのですが。
でも、それらが全てかき消されると言いますか、「今まで聴いてきた新世界は何だったんだろう!?」と思うくらい、凄すぎる演奏でした。
凄いなぁ、本当に。
5年連続で聴いてますけど、まだこんな演奏があるんですもの。
4楽章でたった一度だけ、それも小さい音量で鳴らされるシンバルの音も、綺麗でした。
聖響さんも、とことんオケを煽る様子はありませんでしたけど、オケの皆さんと一緒になってどんどん熱くなっていくように感じられました。だんだん振りが大きくなっていくんですもの(笑)
1音1音がとても濃密で、ギュッとエネルギーと言いましょうか、気が凝縮して詰まっている感じで。楽しいとか、素晴らしいとか、そういう言葉では到底言い表せないと言うか、言葉にしてしまうのがもったいないような。
その場に居合わせたことに、リアルタイムでその演奏を聴けることに、心から感謝せずにはいられない、あらゆる言葉も感情も超越するような感覚でした。
だからなのか。
過去数年間の演奏で、必ずと言っていいほど出てしまい、泣きそうな思いをしてきたラストのフライング拍手も、今年はありませんでした。
それまでこれでもか!とばかりに畳みかけてきていた音の洪水と激しい展開ががふっとやんで、ふわりとホールに漂う柔らかい音と、残響。その後に訪れる静寂と、張りつめた空気。
動きを止めた聖響さんの手が完全に降りて、ふっと微笑が浮かぶその瞬間まで、満喫しました。
何だか初めて、この曲を最後の最後まで、隅々まで味わい尽くしたような心地でした。
凄すぎですよ、本当に。
年始からこんな演奏が聴けるなんて。
この曲はまだまだ、こんな凄さを秘めていたなんて。
音楽には無限の可能性があって、どこまでも高みを目指していけるんだと思いました。
そんな充実した演奏の後に、今年はサプライズが待っていました。
休憩時間中にステージのセッティングを変えるのを見ながら、ずっと疑問に思っていたことがありました。
新世界ではピアノを使わないのに、何故オケの後ろにピアノを配置するんだろう?と。
完全にステージの隅に下げるのではなく、弦楽器の後ろに、ピアニストが指揮者の方を向くように配置されていたんです。
まさか、聖響さんが弾くわけがないし。
てことは、アンコールで横山さんがオケの中に入って弾くの?
と思っていましたら、聖響さんと共に横山さんが再登場♪
ハンガリー舞曲の途中、ピッコロさんが大活躍の部分で伴奏を弾いておられました。
最初から最後まで、とても濃密で充実していて、凄すぎるコンサートでした。
実は今日、大阪に1泊したのですが。
ホテルの部屋に入って、着替えて。
ベッドに腰掛けてから、しばらく放心状態で動けませんでした(笑)
演奏があまりにも凄すぎて、思考回路も体の機能も完全に停止してしまったような感じでした。
たまらないなぁ、ホントに(苦笑)
今年の聖響さんのシリーズコンサートは、おチャイコさん。お相手は今日の新世界で爆演を聴かせて下さった関フィルさん。
かなり期待できそうです♪
最後になりましたが、年始からとんでもない爆演を聴かせて下さった聖響さんと関西フィルの皆様に。
とてもステキな演奏と、ラストにサプライズまでご用意して下さった横山さんに。
心から、感謝申し上げます。
今年はついに10年目を迎えるというこのコンサート、今年は関西フィルさんがお相手ということで、今までとはひと味もふた味も違った演奏になるかも……!?という期待を胸に、行って参りました。
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21世紀の新世界
J.シュトラウス2世:オペレッタ「こうもり」序曲
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調
(ピアニストアンコール)
ショパン:ワルツ第6番「小犬のワルツ」
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」
(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲 第4番
指揮:金聖響
ピアノ独奏:横山幸雄
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団
ザ・シンフォニーホール 15:00~
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公式ブログの年始のご挨拶で、今年はついに40代に突入し、節目の年になると書いておられた聖響さん。そんな聖響さんの30代最後のコンサートとなった今日。
いろんな意味で凄すぎて、恐らくいつも以上に支離滅裂で意味不明で感情移入しすぎな文章になると思われますこと、最初にお断り致します。
年の始めのコンサート、聖響さんはどんな衣装でご登場されるのかしら?と思いましたら、襟元が少し開いたデザインの新型学ランスーツでした。
今日は指揮棒を持ってのご登場で、全曲を通して指揮棒を使って振っておられました。
そしてオケの配置が、聖響さんにしては珍しく対向配置ではなく、普通の配置。つまり、舞台下手側から第1ヴァイオリン→第2ヴァイオリン→ヴィオラ→チェロ、チェロの後ろにコントラバス。ヴァイオリンが10人ずつで、ヴィオラが8、チェロが7、コントラバスが6、という聖響さんにしては大きな編成でした。
後ろには金管楽器が陣取って、最後列に打楽器。なので私が座っている位置からだと、ティンパニが足下から聞こえてきました(笑)
まずは、冒頭の「こうもり」序曲。
関西フィルさんはチューニングの音が若干高いのか、全体としてカラッとした明るい印象の音色のように感じました。明るくて華やかな出だしに、その音色がよく合っていたような。。。
アプローチとしては聖響さんらしく、全体的にテンポが早めで、あまり溜めがなくて、テンポの揺れも少なめで、スッキリとした印象。でも、ゆったりと美しく歌う部分はとことん美しく、しっかりとテンポを落として聴かせるアプローチだったように思います。
もともと曲の展開が多彩で、くるくると表情を変えるように進んでいく序曲で、最後はとことん速くなってグワーッ!となってズバンと終わる、という印象なんですが(笑)
それらがよりいっそう鮮やかに、くっきりと浮かび上がってくるように思えました。というか、ある意味予想を外さないアプローチと、最初から全開の聖響さんと、しっかり指揮についてくる関フィルさんの演奏が楽しすぎて、笑いが止まらなくなりました(苦笑)
もちろん人前ですのでね、顔にはできるだけ出さないように、心の中で爆笑してたんですけど(汗;)
続きまして、ピアニストの横山さんをソリストに迎えてショパンのピアノ協奏曲です。今年はショパンイヤーということで、この選曲になったものと思われ。
第1楽章の暗くて重い雰囲気が漂う出だしから、引き込まれました。オーケストラの序奏に続いて入ってくる横山さんのピアノは、細やかで鮮やかで、情感豊か。哀愁漂うメロディと相まって、切なさが胸に迫って参りました。
そして何より素晴らしかったのが、続く第2楽章。
もともと静かな曲で、しっとりとピアノが歌いあげる場面もあるんですが、オケの演奏が素晴らしかった!
静謐な美しさと言いますか。
澄み切った冬の朝の、ピーンと張りつめて乾燥していて、耳が切れそうなあの空気。音を聴きながら、そんな空気が漂っているのが感じられました。そして、そんなオケの音に乗っかる横山さんの音がキラキラしていて、朝日を受けて氷柱が光るような、そんな光景が思い浮かびました。
聖響さんも、横山さんの音色にじっくり聴き入るような様子が見られましたし、本当にステキでした。
協奏曲の後、なかなか鳴りやまない拍手に応えて、横山さんが「小犬のワルツ」を弾いて下さいました。こちらもステキでした♪
で、前半も素晴らしかったんですけどね。
今日のメインの「新世界」
これが過去最高記録を塗り変える勢いで、聖響さんも関フィルさんも大熱演で、凄すぎて。ぶっ飛んでしまいました。
まず、第1楽章。
チェロやコントラバスという弦楽器低音部で奏でられる冒頭のメロディ。ここからもう、音の密度と言いましょうか、過去に聴いてきた演奏からまるで違っていました。
今までは対向配置で聴いていて、コントラバスが最後列にいたり、下手側にいたりして、チェロと離れていたんですよね。なので、音もあちらとこちらから分離して聞こえていたのですが、配置を近づけることで完全に一体となって聞こえてきました。
それを聴いた瞬間に「新世界ってこっちの配置の方がいいんじゃない!?」と思いましたもの(笑)
郷愁が漂う曲を一転させ、空を裂くような鋭い弦楽器&ティンパニの強打から、主題へ。今までは快速テンポでかっ飛ばしていた聖響さんですが、今年はどっしりと落ち着いた感じでゆっくりめのテンポ。なんですけど、躍動感は抜群で、かなりメリハリがついているように感じられました。
そして第2主題に入った時の、あの第2フルートの音色が絶品!!
低めの音で「ソー・ソ・ミ・レー ソーシレ・レ・レー♪」て聞こえてきた瞬間、涙腺直撃されるほどの威力がありました。なんてまろやかで、でも芯の通った力強さがあって、ステキな音っ!!
すっかり彼女のファンになってしまいました。
曲の勢いとか、迫力を決めるのはテンポだけではないんだな、と感じる第1楽章からもの凄い展開を見せまして。ただただ、目の前で展開される音楽に全身全霊で没頭しました。
オケの皆さんも熱演だし、聖響さんも関フィルさんとは数年ぶりということで結構細かく指示を出していましたし、お互いに相乗効果でどんどん熱くなっていく様子がよくわかりました。
だって、聖響さんの振りがどんどん大きくなるし、髪はガンガンかき上げてるし、音の切り方もかなり鋭いし(笑)
1楽章から、相当キてました。
で、続く第2楽章。ショパンの協奏曲で見せたあの美しさは、ここでも健在でした。ちょっと出だしの金管部隊がバラッとなってしまったのが残念でしたが。。。
コールアングレのメロディは本当に美しくて。その他の木管部隊のメロディも綺麗で。途中で第1楽章の主題が戻ってきてグワーッと盛り上がる部分との対比がくっきりと浮き上がっていて。
ふわりとホールに溶ける最後の音まで、ステキな第2楽章でした。
そして躍動感溢れる第3楽章。ここも素晴らしかったです。
過去の聖響さんの演奏と比べると、やっぱりテンポは遅かったんですが、あの躍動感と迫力は過去最高レベルだったような。まぁ、ティンパニが足下から聞こえてくるので、あの強打がダイレクト・アタック状態だったというのも要因の一つだとは思いますが(笑)
途中で出てくる民謡のようなメロディもやっぱり美しくて、最初の展開に戻るところはとことん激しい感じで。
凄かったです、ホントに。
で、最後の第4楽章。
第3楽章からあまり間を置かずに突入したこの楽章も、金管楽器が全開爆っ! 後打ちもバッチリ決まってました。
ここも、過去の演奏と比べるとテンポは決して速くありませんでした。が、あの勢いと迫力は過去最高レベル。配置が違うとか、オケが違うとか、そういう問題じゃなくてまるで過去の演奏とは違っていて、今までの演奏を全て凌駕するように思われました。
去年、本場チェコのオケでこの曲を聴きましたが、何となく物足りなさを感じたんですよね。私が聖響さんの演奏に完全にノックアウトされていて、これじゃなきゃ満足できない体質になっているからかもしれないのですが。
でも、それらが全てかき消されると言いますか、「今まで聴いてきた新世界は何だったんだろう!?」と思うくらい、凄すぎる演奏でした。
凄いなぁ、本当に。
5年連続で聴いてますけど、まだこんな演奏があるんですもの。
4楽章でたった一度だけ、それも小さい音量で鳴らされるシンバルの音も、綺麗でした。
聖響さんも、とことんオケを煽る様子はありませんでしたけど、オケの皆さんと一緒になってどんどん熱くなっていくように感じられました。だんだん振りが大きくなっていくんですもの(笑)
1音1音がとても濃密で、ギュッとエネルギーと言いましょうか、気が凝縮して詰まっている感じで。楽しいとか、素晴らしいとか、そういう言葉では到底言い表せないと言うか、言葉にしてしまうのがもったいないような。
その場に居合わせたことに、リアルタイムでその演奏を聴けることに、心から感謝せずにはいられない、あらゆる言葉も感情も超越するような感覚でした。
だからなのか。
過去数年間の演奏で、必ずと言っていいほど出てしまい、泣きそうな思いをしてきたラストのフライング拍手も、今年はありませんでした。
それまでこれでもか!とばかりに畳みかけてきていた音の洪水と激しい展開ががふっとやんで、ふわりとホールに漂う柔らかい音と、残響。その後に訪れる静寂と、張りつめた空気。
動きを止めた聖響さんの手が完全に降りて、ふっと微笑が浮かぶその瞬間まで、満喫しました。
何だか初めて、この曲を最後の最後まで、隅々まで味わい尽くしたような心地でした。
凄すぎですよ、本当に。
年始からこんな演奏が聴けるなんて。
この曲はまだまだ、こんな凄さを秘めていたなんて。
音楽には無限の可能性があって、どこまでも高みを目指していけるんだと思いました。
そんな充実した演奏の後に、今年はサプライズが待っていました。
休憩時間中にステージのセッティングを変えるのを見ながら、ずっと疑問に思っていたことがありました。
新世界ではピアノを使わないのに、何故オケの後ろにピアノを配置するんだろう?と。
完全にステージの隅に下げるのではなく、弦楽器の後ろに、ピアニストが指揮者の方を向くように配置されていたんです。
まさか、聖響さんが弾くわけがないし。
てことは、アンコールで横山さんがオケの中に入って弾くの?
と思っていましたら、聖響さんと共に横山さんが再登場♪
ハンガリー舞曲の途中、ピッコロさんが大活躍の部分で伴奏を弾いておられました。
最初から最後まで、とても濃密で充実していて、凄すぎるコンサートでした。
実は今日、大阪に1泊したのですが。
ホテルの部屋に入って、着替えて。
ベッドに腰掛けてから、しばらく放心状態で動けませんでした(笑)
演奏があまりにも凄すぎて、思考回路も体の機能も完全に停止してしまったような感じでした。
たまらないなぁ、ホントに(苦笑)
今年の聖響さんのシリーズコンサートは、おチャイコさん。お相手は今日の新世界で爆演を聴かせて下さった関フィルさん。
かなり期待できそうです♪
最後になりましたが、年始からとんでもない爆演を聴かせて下さった聖響さんと関西フィルの皆様に。
とてもステキな演奏と、ラストにサプライズまでご用意して下さった横山さんに。
心から、感謝申し上げます。
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