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 凄い名前の指揮者だなぁ、と。
 某W社の新譜案内書を読んで思ったのが、2003年のこと。いや、もう4年だったかな?
 まだ音楽と映像ソフトの卸会社に勤めていた頃。毎月、いえ毎週膨大な数の新譜CDがリリースされ、大手だけでも10社以上あるレコード会社から次々に送られてくる新譜案内書に全て目を通していた時に、たまたま読んで記憶の隅に留めていたのが聖響さんでした。
 大学時代によく読んでいた故・岩城宏之さんの著書。その中にも度々登場していた、オーケストラ・アンサンブル金沢さん。だから、会社勤めをしていた時も、OEKさんの新譜が出る、となると必ず詳しく読むようにしていたんですよね。もし聖響さんが録音のお相手としてOEKさんを選んでいなかったとしたら、私は恐らく気に留めることはなかったと思います。

 だって、その時の私の感想といったら。

「ああ、何か凄い名前の指揮者さんがおるんじゃなぁ。キンって読むのか、キムって読むのかわからんけど。ベートーヴェンの7番はわかるけど、2番がカップリングって何か地味じゃなぁ。まぁ、即売用のCDで枚数は出んじゃろうな」

 当時は岡山弁全開で思ったものです。
 事実、私がその時扱ったこのCDの注文数、ゼロ枚でしたから(苦笑)
 そして、リリース時期がもう少し遅かったら、私はその新譜案内を目にすることもなかったと思います。2004年の4月に、私は専門学校に入学するべく仕事を辞めましたので。
 いろんな点と点がつながって、数年経って。
 まさか、ここまでこの方のファンになるとは全く思いませんでしたが(笑)

 2003年から続いてきた、その聖響さんとOEKさんによるベートーヴェンの交響曲全曲録音も、ついに最後の第九です。それを見届けるべく、金沢まで行って参りました。
 前置きが長くなりましたが(苦笑)

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オーケストラ・アンサンブル金沢 第272回定期公演 フィルハーモニー・シリーズ

ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番
(休憩)
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調「合唱付」

指揮:金聖響
ソプラノ:森麻季
アルト:押見朋子
テノール:吉田浩之
バリトン:黒田博
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
合唱指導:三浦宣明
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢

石川県立音楽堂コンサートホール 15:00~
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 今日のコンサートは、聖響さんがOEKさんのアーティスティック・パートナーに就任されたことによる、お披露目公演ともなりました。
 おめでとうございます~、パチパチパチ♪

 ということで、前半は「レオノーレ」
 黒いネクタイスーツで登場の聖響さん、指揮棒をチャッと構えられたのを見て「お、今日は指揮棒で振るのか~」と第1チェックポイントでした(笑)
 序奏の部分は結構ゆったりペースでスタートしました。
 「レオノーレ」といえば、これ!な主題が入ってくる辺りになると、ちょっと華やいだ感じですけど、全体としてはやはりスッキリした感じでした。
 途中で下手側の扉が開いて、舞台裏にいるバンダさんなトランペットのファンファーレが聞こえてきます。この曲を聴くのは久しぶりだったもので「あ、そっか。バンダさんがいるんだっけ?」と音が聞こえて初めて気付いた、という(苦笑)
 フィナーレの辺りは、いつもながら容赦のないハイテンポでした。そして聖響さんのお声も聞こえてきたりして(笑)
 結構ノリノリじゃないですか?と思う、前半でした。

 今日のメインは第九、ということでここで一端休憩が入りました。
 聖響さんのファンになってから、一度聴きたいと思っていた、彼が振る第九。
 いよいよ待望のこの瞬間がやって参りました♪

 調性のわからない、混沌とした状態から始まる第1楽章。
 指揮棒を持たないで振る、聖響さんの指が導き出すカオス。
「この曲はニ短調なんだっ!」
 と宣言するような、鋭いティンパニ。
 悲劇的、と言いますか、全体的に暗い空気に支配される中、時々第4楽章の断片のようなメロディも出てくるこの楽章。
 テンポが速いのは予想通りです。
 細かい部分は彼の著書に譲るので、そちらを読んでいただくとしてですね。
 単純に繰り返しているようで、実は微妙に変化しながら進んでいく曲を聴いていると、ですね。何だか、光と闇がせめぎ合っているようだな、という気がしました。
 第1楽章では、全体的に闇が支配していて、時々光が差してくる。その闇が深ければ深いほど、光が際立つような印象を受けました。

 スケルツォと言われる第2楽章は、その闇と光のせめぎ合いがドラマティックに演出されているようにも思えました。自らをも嘲笑って光を罵るような闇と、そんな闇に「いやちょっと待てよ、違うだろう?」と問いかけるような光。
 この楽章も大好きなんですよ~♪
 リズミカルな短調の部分も、穏やかで、それでいて華やかな長調の部分も、どちらも好きです。
 聖響さんのアプローチは、スラーやスタッカートの対比がはっきりくっきりわかるようで、所々「おっと、そこはやっぱりアクセントですか?」な部分もありました。ティンパニさんも要所要所で暴れてくれてました(^^)

 続く第3楽章も、これまた大好きなんですよね~♪
 あの美しいメロディにうっとりなのです(^^) 私の前に座っていたオバチャマ方は、見事に撃沈してましたが。。。(苦笑)
 気持ちよかったですものね、あの楽章(苦笑)
 途中、4番ホルンさんに「頑張って~!」な部分がありましたが(汗)

 第3楽章が終わったところで、ソリストさんたちと、マーチ担当の打楽器さんたちが登場です。
 そして始まった第4楽章が、ですね。凄かったです、やはり。
 「語り」担当のチェロとコントラバスは、物凄く説得力があって雄弁に「語って」まして。「こんな歌はどう?」と、静寂が支配する中でひっそりと歌われる主題は、静けさに溶け込む鼻歌、といった感じで(いや、鼻歌にしては上手すぎるんですけどね;)、自然に心に染み込んできます。
 オーケストラのみで一度盛り上がって、「そうだよ、これだよ! じゃぁ、皆で歌おう!」といった感じで、いよいよ合唱団の登場です。
 前置きでも登場た岩城さんが著書に記し、拙ブログでも第九を聴くたびに注目してしまう、あの330小節目(でしたっけ?)のティンパニ。
 岩城さんは「アクセントじゃない?」と話しておられた、あのvor gottでティンパニだけがデクレッシェンドの表記。
 前半最大のクライマックスなあの部分で、聖響さんがティンパニをデクレッシェンド……

 させるわけがなかった!!(笑)

 でも、そのvor gott。
 間髪入れず、音が止んだと思ったらその瞬間に、バスドラム&ファゴットさんが「ボン」と行進曲開始の合図を出しました。次への展開の早さに、息をつく暇もありません。
 先月も別の公演で思いましたけど、小さい音で合わせシンバルの音をコントロールするのは大変そう……と演奏者さんの苦労を思いつつ、行進曲は続きます。
 そしてオーケストラのみのフーガに突入し、再び合唱団が高々と「歓喜の歌」を歌い上げていくワケですが。
 やっぱり、テンポ速っ!!(笑)
 だけどその速いテンポが、妙な高揚感を生むのも確かなようでして。何だか途中から、楽しすぎて笑いが止まらない、という状況に陥りました(苦笑)
 ソリストさんたちの歌声は、やっぱり素晴らしくて。
 合唱団はオーケストラの全体的な音量とのバランスを考えたのか、必要最低限で少数精鋭といった感じでですね。pになった時の微妙なニュアンスと言いますか、表情の付け方は、やはりプロならではだなぁ、と僭越ながら思いました。
 全体として、「この方が振ると、こういう第九になるのかっ!?」と思った第九でした。

 終演後は聖響さんのサイン会がありました。
 ちゃっかりその列に並び、たまたま隣り合った方とすっかり意気投合しながら順番を待ちました(^^) 先月から、ホールでの一期一会の出会いに恵まれております、私♪
 今までにも何度か聖響さんにはサインをいただいてきましたが、今日は初めて、漢字で書いていただきました♪ サインをいただいた本は、永久保存版で誰にも貸せませんわっ!!(←コラコラ;)
 明日の大阪公演も聴くことをお伝えし、図々しくも「今日以上の爆演を、ぜひ(^^)」とお願いしましたところ。

「今日は録音だったので、いろいろと冷静にやったけど。明日は何の制約もないから……」

 的なお返事をいただきました。
 ……それって、今日はちょっと抑え気味だったけど、明日は全開爆っ!てコトですか?
 と、明日への期待が高まる、終演後の一幕でした。
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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