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 小学校の頃から、何度となく上がって来たステージ。学区内ということもあって、中学校時代にはそのステージで定期演奏会をやり、吹奏楽コンクールでは汗と涙を流した、思い出深いホール。
 そのホールが去年から1年かけて改修工事を行い、ようやくリニューアル・オープンしたということで、そのオープン記念とも言えるコンサートに行ってきました。

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第84回くらしきコンサート
マリス・ヤンソンス指揮 バイエルン放送交響楽団演奏会

ベートーヴェン作曲:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
 ヴァイオリン独奏:五嶋みどり

チャイコフスキー作曲:交響曲第5番 ホ短調 作品64
(アンコール)
ハイドン作曲:弦楽四重奏曲 op.3-5より 第2楽章セレナーデ

指揮:マリス・ヤンソンス
管弦楽:バイエルン放送交響楽団

倉敷市民会館 19:00~
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 リニューアルされた倉敷市民会館。椅子のクッションが貼りかえられていて、座席番号も変わっていて。トイレも綺麗に、使いやすくなってました。
 さすが、いろんな所がリニューアルされてますわ♪ 

 今日のプログラムは、ベートーヴェン作曲のヴァイオリン協奏曲と、チャイコフスキー作曲の交響曲第5番。かなりヘヴィなプログラムです。
 前半はヴァイオリン協奏曲。
 協奏曲ということで、編成はちょっと小さめ。ステージ下手側から第1ヴァイオリン10→第2ヴァイオリン10→チェロ6→ヴィオラ8→コントラバス4という編成で、ホルンがオーボエの隣で上手側に位置していました。
 ソリストの五嶋みどりさんは、淡いオレンジやピンクのような明るい色合いのドレス姿で登場されました。

 トントンと軽くドアを叩くようなティンパニでスタートした第1楽章。
 座っていた席が席だったので、音量が落ちると少し聴きづらくなるのですが、だんだん参加する人数が増えて音が厚くなって、みどりさんのヴァイオリンも綺麗に響いてきて、ステキでした。カデンツァがどことなくバッハの「シャコンヌ」を思わせる感じで、全身を使って奏でるお姿が拝見できました。
 ただ、この第1楽章。最初は音響の関係で音が混ざっているのかと思ったのですが、どうやら携帯が鳴っていたらしく。。。雑音混じりでちょっと集中できなかったのが残念でした。
 最近、ベートーヴェンさんの緩徐楽章がとても好きで、その美しさに浸ってしまうんですが(苦笑) 今日も第2楽章は思わずうっとりでした。先月聴いた「田園」と同じ時期に作られたからなのか、自然を愛でて美しいと感じる感覚と言いますか、ちょっと似た感じがあるなぁ、と思ったのです。
 そしてその第2楽章からアタッカ(楽章の切れ目がなくて、つながった状態で次の楽章へ移ります)で突入した第3楽章。リズミカルで軽やかで、明るいメロディが大好きなのですよ~♪ 聴きながら、ついつい体が揺れてしまうのです。
 この楽章でも、みどりさんが全身でヴァイオリンを奏でる熱いお姿が拝見できました。ちょっと艶のある低音と、すっと伸びてくる高音、素晴らしかったです。

 そういえば、このヴァイオリン協奏曲。
 3楽章の途中でガタン、と何かが落ちる音が聞こえてきました。
 はて? どうしました?
 と思って見てみたら……どうやら、ホルンのオジサマがミュートを落としたらしく(苦笑) ツバ抜きをする時に、ミュート入れたままやっちゃって、落ちたのかな?と微笑ましく見てしまいました。そのオジサマ、ステージから下りる時にミュートを持って「落ちちゃったよ」てな感じで苦笑しておられましたっけ。

 休憩の後は、おチャイコさんの交響曲第5番です。
 オーケストラの編成は、ヴァイオリンが16人ずつ、ヴィオラが14人、チェロが12人、コントラバスが8人……とかなりの大編成に膨れ上がっておりました。これだけの大人数であの第2楽章のメロディをドラマティクに歌い上げたら、さぞかし迫力あるでしょうなぁ。なんて思いながら、曲がスタートしました。
 クラリネットが奏でる暗くて重々しい感じのメロディから、第1楽章がスタートです。序奏が終わってテンポアップして、音量が大きくなって。やっぱり思いました。
 音の厚みが違う。。。
 これほどの大編成なオケを聴くのは久方ぶりですが、弦楽器が歌い上げる第2主題など聴いていますと、何十人もの弦が折り重なって奏でる音の厚みに圧倒されます。
 あれですよ。いつも聴いているOEKさんがスッキリと体のラインが出るドレスをまとった女性だとすると。今日のバイエルンさんは骨組みで広げたペチコートを履いて、ヒラヒラのフリルやレースが折り重なった豪華絢爛なドレスを着た女性、って感じでしょうか。どちらも美しくて素敵なことに変わりはないんですけど、味わいが違う、というあの感じだなぁ、と。
 そしてこの楽章を聴いていて、ようやく気付きました。

 ティンパニの配置。

 私は中学時代からずっと、演奏者から見て右に高い音を、左に低い音を置いて演奏してきました。国内のティンパニ奏者さんも、そういう配置の方が多いと思います。
 が、バイエルンのティンパニ奏者さんの配置は、演奏者から見て右に低い音、左に高い音を置いていたんですね。前者がアメリカ式、後者がドイツ式らしくてですね。N響アワーを見ていると、恐らくドイツ式の配置で叩いておられると思います(と、とある本で読みました;)
 そういえば、バイエルンってドイツのオケだよね?
 ってことは、ティンパニの配置もドイツ式なのは当然だよな~。

 と、後半のおチャイコさんに入ってようやく気付いた、というワケでありました(苦笑)

 ……話が逸れました(汗)
 続く第2楽章は、冒頭のホルンソロが実に美しく、また弦楽器が大挙して奏でるメロディに、管楽器が必死で対抗する、というシーンが拝見できる曲です。
 そのホルンソロ。
 協奏曲の第3楽章でミュートを落とし、おチャイコさんの第1楽章でも楽器を譜面台にガツッとぶつけて「あらあら、楽器は大丈夫ですか、オジサマ?」と思っていた、あのオジサマだったんですよ、吹いたのが。
 その、オジサマのホルンソロが。
 お見事ですっ!とうっとり酔ってしまうほど、本当に、言葉で書きつくせないほどに美しかったのですっ!!!
 素晴らしかったです、あのホルン。

 そして、60人を超える弦楽器が奏でる大津波のようなメロディに対抗して、20名ほどの管楽器が頑張って刻み続けるあの部分。さすがに迫力がありました。
 私が座ったのは、チケットのお値段などなどの関係で(何せ、翌日も別の外来オケを聴く予定でしたので、お金が……;)、2階の最後列だったんですけど。ステージから最も遠い席で聴いているにもかかわらず、目の前で演奏されているような迫力でした。
 そのメロディを適度に煽りつつ、所々テンポを落として歌わせて……と物凄い推進力でオケを引っ張っていくようなヤンソンスさんの指揮も堪能しました。

 この第2楽章の後、第1ヴァイオリンの次席奏者さんがジャケットから何か取り出して、ゴソゴソしておりました。
 何かあったのかな?と思いながら拝見していましたら、どうやら第2楽章の間に弦が切れてしまったようで。多分一番細いE線だと思うのですが。。。
 ヤンソンスさんも少し待ったのですが、楽章の間に張り直しを完了するのは無理、ということで、次席奏者さんを置いて第3楽章に入ってました。
 まぁ、あれだけ弾いたら弦も切れますわよね(苦笑)
 と、ちょっと納得。弦の張り替えが終了した時点で、次席奏者さんは再び演奏に混ざっておられました。珍しい光景が見られたなぁ、と当事者の皆様方には申し訳ないんですが、ちょっと得した気分でした。

 続く第3楽章は、これまたおチャイコさんらしいなぁ、と思ってしまうワルツ。
 美しいメロディが3拍子のリズムに乗せて展開されていくわけですが、第2楽章で堂々たるメロディを奏でていても、ワルツの美しいメロディが流れていても、所々、プログラムの言葉を借りるならば「葬送行進曲のような」冒頭の主題が見え隠れするんですよね。
 そして第4楽章も。物凄くダイナミックで、大編成のオーケストラの本領発揮!という感じでありました。所々に入るゲネラル・パウゼ(全員で揃ってお休みする休符)でホールに漂う残響とか、それまでガーッ!と盛り上がっていた気分がプツッと突然切られる感じとか。目の前で展開される音楽に没頭するような心地を味わいました。
 そんなゲネラル・パウゼを置いて、「まだまだここから、ラストに向かって更に前進するぞ!」な部分で、つい出てしまったと思われる拍手がパラパラと飛びました。後から某オーボエ奏者さんの著書を読むと、フライング拍手をしやすい&海外では本当に拍手が出る部分だったようです(笑)

 おチャイコさんの第5番。
 まさに興奮のるつぼ!!!とまでは行きませんでしたが、かなり興奮しました。やはり、あれだけの人数だからこそ奏でられる音楽というのはあるんだな、と思いました。同時に、すっきりと美しいシンプル・イズ・ベスト的なおチャイコさんも聴いてみたいかも……と思ってしまったのは、私が某様の追っかけだからかもしれませんが(苦笑)
 今年はベートーヴェン強化年間で、1年間で2番以外の交響曲を全て聴くという年なのですけれど。
 ベートーヴェンさんの美しさが、自然を愛でたり、人間臭い葛藤があってもどこか上から目線と言いますか、ちょっと一歩引いた感じの美しさだとするならば。
 おチャイコさんの交響曲は、もっと隣り合わせに、身近な存在として感じられると言いますか。目の前でエグい部分も全部さらけ出しながら人生劇場を見ている気分、とでも言いましょうか。そんな感じがするのですよ。そして最後は、「頑張れよ」とそっと背中を押してくれるような気持ちになります。……というのは、自分が今、ある意味人生の岐路に立っているからかもしれませんが(笑)

 ブラボーと拍手の嵐が巻き起こる中、ハイドンのセレナーデを演奏してちょっと客席もオケもクールダウンする感じで、コンサートは幕を閉じました。

 終演後にはみどりさんのサイン会がロビーで開かれまして。ちゃっかりサインをいただいて、握手までしていただきました♪ あの力強くて伸びやかな音を奏でたとは思えないほど、華奢な方なんですよね、みどりさん。ニッコリ笑顔で握手していただいた手も、とても柔らかくて感激でした。
 みどりさんにサインをいただいて、楽屋口の方へ回って見ると、今度はマエストロがお帰りになる所にバッタリ。
 最初から最後まで、いろんな意味で満喫したコンサートでした。
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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