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 金聖響さんが神奈川フィルの常任指揮者に就任する、というニュースを聞いたのが昨年11月のこと。
 大好きな指揮者さんが、一度聴いてみたいオケNO.1のオーケストラの常任指揮者になる、という私にとってこれ以上ない嬉しい知らせに心躍らせてから数か月。「血迷って神奈川まで行ってしまいそうで、ヤバイ」とその時にこのブログにも書いたのですが……
 ホントに行ってしまいました(爆)

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神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第253回定期演奏会
 ~金聖響常任指揮者就任披露公演~

ハイドン:交響曲第101番 ニ長調 Hob.Ⅰ-101「時計」

(休憩)

ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

(アンコール)
ベートーヴェン:序曲「プロメテウスの創造物」

指揮:金聖響
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

横浜みなとみらいホール 大ホール 14:00~
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 みなとみらいに来るのは、これで3回目。前回来たのは聖響さん×シエナさんのA.リード特集な定期演奏会だったのですが。あの時、1日目は雪が降っていて、休憩時間にロビーに出たら外が吹雪いていて(笑) 2日目は神降臨な素晴らしい演奏で。アンコールでも「ありえへんっ!!!」な出来事が待っていて。もの凄いコトになったんですよね。
 今回はどうだろう?
 と思っておりましたら……
 やはり、と言いますか、何と言いますか……

 雨が強くてお天気大荒れ(笑)

 究極の雨男さんですからね、聖響さん。
 「常任指揮者就任披露公演」なんて銘打たれた公演で、何事も起きないわけがない。
 と覚悟はしておりましたけれど。ホントに降るとは。それも、ハンパないレベルで(笑)
 と思っておりましたら、開演前のプレトークで開口一番聖響さんの口から
「すみません、雨降らしちゃって」
 ……やはり、自覚がおありだったのですね。
 と笑ってしまいました。

 プレトークに登場した聖響さんは、生で拝見するのは約1年と10か月ぶり(?)な燕尾服。
 今日のような自分にとって節目となるコンサートでは必ず雨が降る、と雨男ぶりを告白なさった後、ステージの楽器配置についてお話しされました。
 今日はハイドン&ベートーヴェンという古典派2連発なプログラム。常任指揮者となるオケが相手ですから、必ず対向配置で来るだろう、と読んでおりました。そして実際、ステージ上では第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリン、ティンパニとコントラバス、トランペットとホルンも対向配置でした。そういう配置にすることで、ステレオ効果といいますか、あちこちからメロディが聞こえてくる効果がある、と。

 また、今日の後半で演奏する「英雄」では、変ホ長調というちょっと篭った調性のために第2ヴァイオリンの音が聞こえにくく、第1ヴァイオリンより2名増やして演奏することとか。
 雨で湿度が高いので、バロック・ティンパニにとってはサイアクのコンディションであることなどもお話しされてました。

 と、本題に入る前の前置きがかなり長くなりましたが、本題であるコンサートの感想に参りましょう。

 前半はハイドンです。第2楽章がとても有名な曲です。
 そのハイドン……
 第1楽章の冒頭からスッキリと透き通るピュア・トーン! ヴィブラートをかけない弦の音色が、外の湿気を吹き飛ばすくらいスッキリとしていて、でもそれでいてマイルドでまろやかなのは神奈川フィルさんの持ち味なのかなぁ、と感じました。
 続くプレストの部分ではヴィブラートも効かせていて、軽やかでしなやかな感じ。序奏でノン・ヴィブラートの音を聴いているためか、ヴィブラートがより効果的に聞こえてくるような気がしました。
 生で初めて聴く神奈川フィルは、石田さん率いる弦の響きの美しさはもちろんのこと、木管も綺麗な響きがするステキなオケだなぁ、と感じました。

 第2楽章は「時計」の名の如く、弦楽器のピチカートが時計の振り子のように聞こえる曲。指揮棒を使わずに振る聖響さんが指示するのは、速すぎず、遅すぎず。秒針よりはちょっと速めかな?と思うテンポでした。
 音の強弱とか、長調と短調とか。
 聖響さんは陰陽のバランスとその見せ方やメリハリの付け方が絶妙だな~、と常々思っているのですけれど。この楽章でも改めてそれを感じました。

 第3楽章はテンポ感がとても心地いいメヌエット。聴きながら思わず体が揺れてしまいます。
 第4楽章はビート感がたまらない快速テンポ。……て、5日のベトベン・チクルスもそうでしたが、クラシックに「ビート感」ってどうよ!?と思いますが、ホントのことだから仕方ないですね(笑)
 全体として、とてもスッキリしているんだけれど、鋭い……というよりも、しなやかでまろやか。そして聴いていてとても心地いいハイドンでありました♪

 聖響さんが一番本領発揮するのはベートーヴェンだと思うのですけれど。
 ハイドンも素晴らしいんですよね、彼は♪
 久しぶりに聴くことができて、幸せでありました。

 休憩を挟んで、後半はベートーヴェンです。
 「英雄」です。
 この「英雄」が、これまた素晴らしかった!

 鋭い和音2発で始まる第1楽章。
 テンポは聖響さんにしてはちょっと遅め?と思いましたが、多分いつも通り(←という言い方もどうなんだか;)
 いつぞやの座談会で「音が詰まってくるから、きっちりハメるためにテンポを少し落とす」なんてお話しされていた65小節目からの部分も、テンポを落とすどころか煽ってるやんか、という(笑)
 そしてハイドンでもそうでしたが、そこはちゃんと繰り返すよね?という部分は、ちゃんと戻って仕切り直しておられました。
 この曲って、楽譜を見ていてもスフォルツァンドが凄く多くて、ピンポイントで強い音が随所に出てくるんですけど。その度に、コンマスの石田氏の体が揺れるのが、何だか微笑ましかったです。
 3拍子で変ホ長調という、ちょっと柔らかくて華やかで軽やかな感じもするんですけど、とても攻撃的な曲に聞こえるのは。所々出てくる短調の響きとか、ピンポイント・スマッシュ的なスフォルツァンドとか。そういうのが効果的に使われてるからなんだろうなぁ、なんて。ちょっと知ったかぶりして分析してみたりするのですが(苦笑)
 ドキドキ、ワクワクなんだけど、ちょっとハラハラ。
 「英雄」の一挙手一投足から目が離せない、そんな感じの第1楽章でありました。

 続く第2楽章。CDでは号泣スポットのある曲です。
 ハイドンでもそうでしたが、この曲でも聖響さんは指揮棒を使わずに振っておられました。
 「葬送行進曲」という重々しい雰囲気。緊張感漂う第1ヴァイオリンのメロディと、コントラバスの掛け合い。
 思わず息を詰めて聴いてしまう冒頭部分から一転して、ハ長調になって音が高まった時のあの開放感は、何度聴いてもたまらないものであります。いつもの号泣スポットよりも早く、涙腺のスイッチが入ってしまいました(苦笑)
 楽譜では「マジョーレ」と記されている中間部は、私の号泣スポットであり、聖響さんがOEKさんと録音したCDでもお声が入っている部分です。この日も曲と共に聖響さんのお声が聞こえてきました。少しゆっくりめのテンポで、ドラマティックに展開されるこの部分。過去2回、聖響さんの指揮で聴いた時は、ちょっと不完全燃焼だったり、あっさりしてるなぁ~、という感じだったりしたのですが。今日の演奏は、ツボを的確に射抜くド直球の演奏でした。
 ヤラれたなぁ~(苦笑)
 でもこれが聴きたかった!
 気持ちよく酔わせていただいて、泣かせていただきました。

 続く第3楽章はスケルツォ。一転して、明るくて軽やかな曲に変わります。
 この楽章でいつも注目してしまうのが、ホルン部隊。聖響さんはこの楽章で、必ずホルンにゲシュトップ奏法を要求するんですよね。神奈川フィル初聴きの身としましては、「ホルンさん、よろしくです」な気分で聴いておりました。
 そして、やはり。
 例のアノ音はゲシュトップ。
 ミュートをかけることで、ちょっとおどけたような感じといいますか、軽やかさが増すと言いますか。あの演出、とても好きなのです♪

 第4楽章は、いつもなら第3楽章からほとんど間を置かずに突入するのですが、今日はちょっと一息置いて、それからダーン!と突入しました。 
 華々しく始まったかと思うと、いきなり音量が落ちて、ピチカートで軽やかでかわいらしいメロディが展開される辺り、いつも「あら、おちゃめさん♪」という感じでクスッとなってしまいます。
 バレエ音楽「プロメテウスの創造物」の終曲で出てくるメロディが、手を変え品を変えて、あの手この手で聴かせてくれるこの楽章。いつもならかっ飛ばす第5変奏も、今日はちょっと落ち着いた感じ(笑)
 でも最後は圧倒的な迫力で押し切ってくれるので、興奮状態で気持ちよく「ブラボー!」なんですよね。
 満喫いたしました♪

 と、いつもならここで終わりなのですが。
 今日は就任披露公演ということもあるのでしょうか。珍しくアンコールがありました。
 華やかな冒頭部分、穏やかな序章に続いて突入する快速テンポ……
 容赦ねぇっ!!!
 石田氏がいるし、これくらいのテンポは余裕で弾けるやろ?
 的なかっ飛ばしっぷり(笑)
 CDで聴いたOEKさんとほぼ変わらない……てか、同じテンポ!?と思ったですよ。
 そして聖響さん、「英雄」をやった時に「プロメテウス」繋がりにするのがお好きなのでしょうか(笑)
 この曲では、聖響さんが指揮棒ではなく顎で振るシーンもありまして(笑) いつぞやのテレビ番組で仰っていた、「顎が指揮棒」なマエストロの真似ですか!?とツッコミ入れそうになりました。とても微笑ましかったです♪
 そんなこんなで、アンコールまでたっぷり、楽しませていただきました。

 コンサート終演後には乾杯式と言いますか、聖響さんやオケの専務さん(確か…;)からお話があったり。サイン会があったり……と、終演後まで盛り沢山でございました。
 念願の神奈川フィルを聖響さんの指揮で聴けて。
 コンマス席には石田さんもいらっしゃって。
 プレトークから乾杯式までフルコースで堪能できて。
 横浜まで遠征して良かったです♪
 心から、感謝申し上げます。

▼続きを読む▼


【うらやましいっす】
25日以来、ネットのあちこちを徘徊して、コンサート・レビュー漁ってましたが、やっぱ、ここが一番よく伝わりましたです。

聴いていないので何とも・・・ですが、「英雄」は実演での満足度がとても低い曲でして、聖響さんのも(私のはOEKとの奈良公演ですが)然りでした。
神奈川フィルとの英雄、聴きたかったですねぇ~~。

今回、「ハンパなことは出来ん」という意気込みがあったのでしょうね。巨匠シュナイトさんの後であれば、なおさら。ヘンに媚びを売るような安全圏内演奏よりも、半分の方に拒絶されても半分の人に喜んでもらえればいいし、どっちの人にも「本気やったなあ」って伝われば、まずは良しですよね。

僕は、好き嫌いの「嫌い」がとても少ない人間だと自分で思っているので、こういう、「あっちからこっちへ」の急変化は「前のとくらべて・・・」じゃなくて「どっちの良さも味わえる喜び」だと思います。
ええなぁ、神奈川の人達!
【>親父りゅうさん♪】
えへへ、羨ましいでしょう~♪(←コラコラ;)
この日のコンサート、ぜひともご一緒したかったです。

感想のアップが遅くなりましたが、
>やっぱ、ここが一番よく伝わりましたです。
と言っていただけて、光栄です。

「英雄」って難しい曲だと思うのです。長いですし、あっさりしすぎてもダメだし、こってりしすぎてもダメだし。この日の演奏は、本当に素晴らしかったです。あの第2楽章が未だに頭の中で回っていて、離れてくれませんもの(苦笑)
ひと月で二度、3曲も素晴らしいベートーヴェンが聴けて、幸せだな~、と噛みしめたひと時でした。アプローチとしては、CDで録音したアレに近かったように思います。

> 「ハンパなことは出来ん」という意気込み
は、座っていた場所が場所だっただけに、痛いほどよく伝わってきました。
ハイドン&ベートーヴェンという古典派な組み合わせで、普通で無難な演奏をするならば、聖響さんが振る意味はないですもの。聖響さんのアプローチは本当に「いつも通り」でした。そしてオケの皆さんも、精一杯それに応えている感じでした。
聖響さんもオケの皆さんも、本気でぶつかり合って築き上げた結果が、あの演奏だったんだろうと思います。いろいろな意味で、引き込まれました。

神奈川の皆さん、本当に羨ましいっ!!!と私も思います。
聖響さんが神奈川フィルの常任やってる間限定で、神奈川県民になりたいです(笑)
あ、でもそれだと大阪まで頻繁に出て来られなくなるから、それはそれで困りますね(苦笑)
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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