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 3月まで約1年かけてブラームス・チクルスをやり遂げた金聖響さん。
 2008年のシリーズは、ストレートに「音楽至上主義」ということで、今日はその第1回を聴いてきました。

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聖響/音楽至上主義 第1回
《フランス~パリ発、色彩(いろどり)の物語~》

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
      :マ・メール・ロワ
(休憩)
ベルリオーズ:幻想交響曲

指揮:金聖響
管弦楽:大阪センチュリー交響楽団

ザ・シンフォニーホール 15:00~
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 今年はフランス、ドイツ、アメリカという括りで各回のコンサートを繰り広げていく聖響さん。
 今日の第1回はフランス特集ということで、ドビュッシーとラヴェルとベルリオーズでした。好きな曲ばかりがズラッと並んでいて、「幻想交響曲」ももう一度聖響さんの指揮で聴きたいと思っておりましたので、念願かなって……という感じでした♪

 今日のプログラム。
 前半は「静」の聖響さんを、後半は「動」の聖響さんを見たような気が致しました。

 その前半、最初に演奏されたのはドビュッシー作曲の「牧神の午後への前奏曲」
 そういえば、聖響さんは山羊座生まれの方で。牧神といえば、ギリシャ神話では半人半獣の神・パーンのことなんですよね。怪物テュホンに追われて驚いて、魚に変身してナイル河に逃げ込もうと思ったら、上半身だけ魚で、下半身は山羊のままの姿になってしまった、ということでそれを面白いと思った大神ゼウスによって山羊座として天空に上げられた、という。
 「聖響/音楽至上主義」と銘打ったコンサートの最初にこの曲を持って来られたのは、そういう神話を知ってのことなのかどうなのか、ちょっと気になるところであります(笑)
 で、その「牧神の午後への前奏曲」
 この度、新しく入団されたフルート奏者、ニコリンヌ・ピエルーさんのソロから始まります。聖響さん、ピエルーさんの吹きやすいタイミングで曲を奏でるように、と出だしは完全にお任せ状態でした。ピエルーさんのフルート、とても美しい音色でステキでした♪
 「牧神がまどろむけだるげな夏の午後」をそのまま音にしたような、不思議な半音階のメロディと不協和音一歩手前と言いますか、ポップスも真っ青な和音が、本当に夢見心地にさせてくれると言いましょうか。
 聖響さんの指揮も、盛り上がりすぎないように、とオーケストラを抑制することに念頭を置いておられるかのようにお見受け致しました。

 次に演奏されたのは、ラヴェル作曲の「亡き王女のためのパヴァーヌ」
 ……と聞いて、明和電機を思い出す私はどうなんだろう?(爆) TSUKUBAシリーズの自動演奏楽器をバリバリ使って演奏されるこの曲、かなり好きなんですよねぇ♪
 なんて余談は置いておいて。
 「牧神~」がフルートのソロで始まる曲ならば、こちらはドンナ・ドルソンさんのホルンソロで始まる曲です。ホルンの妙なるメロディがホールに響いて、こちらも素敵でした♪
 この曲でも、聖響さんは盛り上がりすぎないよう抑制をかけるように指揮されているように感じました。

 前半最後の曲は、「マ・メール・ロワ」
 プログラムによれば、もともと子供のために書かれた曲なのだそうで。だからでしょうか、チェレスタやオルガンも入って、おもちゃ箱をひっくり返したような印象を受けました。かわいらしい曲だなぁ、と♪
 この曲もあちこちに短いソロがあって、聖響さんが指揮棒を休めて聴き入る場面もありましたっけ(笑)
 去年のブラームスはOEKさんとの共演で、COOさんとシリーズをやるのは久方ぶりということで、第1回目はそれぞれのパートにソロが散りばめられている曲を持ってきたのかなぁ?
 なんてコトもちょこっと思ってしまいました。

 とまぁ、前半はどちらかといえば聖響さんの指揮は「静」
 しかも、ドビュッシーさんもラヴェルさんも、和音が独特の浮遊感を持っていて、どこか夢見心地な感じ。そして、日本の「ドレミソラ」音階も入ってる!?的な音の運びも随所にあって、ちょっと懐かしいというかオリエンタルな感じもする曲が続きました。
 ……ぶっちゃけ、聴いていて夢の中に引き込まれそうになったのは、体調の悪さと曲の調性がシンクロしてしまったのでしょうか(苦笑)


 休憩を挟んで、後半は「幻想交響曲」です。
 以前にも、聖響さんが大阪シンフォニカー交響楽団を指揮して聴いたことのある曲です。あの時は、うっかり最前列に座ってしまって、後方に位置する打楽器が全然見えなくて、「くぅ、失敗したっ!(>_<)」と思ったんですけど。
 今回座った席も、上手側のクワイア席ということで、打楽器のお姿は見えず……
 ティンパニ4人叩きの現場を拝見するのは、また今度の機会となってしまいました。

 で、その「幻想」です。
 プログラムによれば、「恋に破れ狂気に陥った若い芸術家が、阿片を飲んで自殺を図るが量が足りず死に至らず、奇怪な幻覚を夢みる」という曲です。
 愛しい恋人との出会いやその経緯を語ってくれるような第1楽章。
 前半のドビュッシーやラヴェルでは、ガンガンにヴィブラートをかけてしっとり、じっくりと聴かせていた弦楽器も、ここではヴィブラートを抑え気味にしてピュア・トーンに近い音を聴かせてくれていました。
 全体として、この第1楽章ってRPGのBGMを聴いているような気分になってしまいます。お城を襲った怪物を倒した騎士が、その城に住む姫君と恋に落ちるあらすじを見ているような、そんな感覚。物語性のある曲だから、そういう風に感じてしまうのかなぁ、と毎度聴くたびに思います。

 華やかな舞踏会の様子が描かれる第2楽章のワルツ。とても優雅で、しなやかで、美しかったです。
 我を忘れて踊り明かすようにも聴こえるんですが、いつか大どんでん返しがありそうな予感がしてしまうのは、曲のストーリーを知って聴いているためなのか……
 ワルツのリズムについ体が揺れてしまいました。

 第3楽章は、コールアングレの呼びかけに、舞台袖にいるオーボエが応える、という小技の効いた演出も楽しめる楽章です。私は上手側のクワイア席に座っていたので、上手側にいたオーボエの音がよく聞こえてきました。
 そのコールアングレ&オーボエの音色、最初は長調なのかな?と思うんですけど、2回目では短調になっていて。やっぱり不吉な印象が漂っているなぁ、と思ってしまいます。
 メロディはのどかな感じなんですけど、阿片を飲んで夢の中で幻覚を見ていますからねぇ。やっぱり普通じゃないですよね(苦笑)
 実際、楽章の最後の方ではティンパニ4人叩きによって雷鳴が表現されていますし。
 聖響さんのことだから、きっとバロックティンパニで、硬めのマレットで粒の細かい&はっきりした雷鳴にするんだろうなぁ。と始まる前に予想はしていたんですが……。予想通りでちょっと嬉しかったです(^^)

 そして第4楽章は、私も大好きな「断頭台への行進」
 今まで抑え気味の指揮をしてきたのは、全てこのためだったんだ!と思うくらい、大興奮の渦でした。断頭台のシーンといえば、私は「ベルサイユのバラ」に出てくる場面くらいしか思い浮かばないんですが(汗;) オーケストラの音の渦が、まるで「殺せ! 殺せ!」と叫ぶ見物人の声のようにも聞こえてきました。
 でも、そんな大興奮の渦でも、聖響さんの指揮はきっちり計算されていました。押す所は押す、引く所は引く。だからこそ、クライマックスが一層引き立つような。
 トランペットのメロディも、1回目は少し抑えた感じで吹いていたんですが、2回目に出てきた時は目いっぱい、高らかに吹かせているように聞こえました。
 首を切られる直前に、恋人の姿を思い浮かべて一瞬死への恐怖を忘れる芸術家。
 切り落とされて転がる首。
 高らかに鳴り響くドラムロールとファンファーレ。
 いつ聴いても、快感なのです♪
 ……と書くと、アブナイ人みたいですね(苦笑)
 座った席が席だったので、ドラムロールがガンガンに鳴る部分では、地の底から湧き上がってお腹に響く音のように聞こえました。

 最後の第5楽章。
 芸術家が死んだ後に開かれた魔女たちの宴会の様子です。死への恐怖をも乗り越えさせてくれたはずの恋人が、妖しくて禍々しい雰囲気をまとって出てくるんですよね、この楽章では。クラリネットの持丸さんが奏でるトチ狂ったようなメロディも、ステキでした♪
 弔いの鐘が鳴って、テューバ&トロンボーンの重低音で響いてくる「怒りの日」のメロディ。荘厳な雰囲気と、恋に破れた芸術家の悲しみや、自分を振った恋人を恨みたいんだけど愛しているが故に恨みきれない切なさ。そんな感情が迫ってくるようで、思わず落涙してしまいました(; ;) だって、この幻夢から覚めたとしても、彼を待っているのは希望の朝ではなくて絶望なんですもの。悲しすぎますわ(涙)
 でも、最後のあの盛り上がり方を聴く限りでは。
 悲しみに暮れるというよりもむしろ、「何で俺を振りやがったんだ! ちくしょー、絶対後悔するくらいイイ男になって見返してやる!」くらいの勢いがあるように感じたんですが(笑)
 だって、聖響さんってば。COOさんがお相手だからなのか、煽り方が容赦ないんですもの(笑)
 前髪かき上げてましたし、爆ってはりましたし♪

 前に聴いた時も素晴らしかったんですけど。
 今日の「幻想交響曲」は最高に気持のいい、聴いていてスッキリするような演奏でした。でもって、まさかこの曲を聴いて泣く日が来るとは……(驚)
 「音楽至上主義」と超ストレートなタイトルをつけて、音楽とガチンコ勝負するぜ!的な今年のシリーズ。第1回から素晴らしい演奏を聴かせていただきました。
 金聖響さんと、大阪センチュリーの皆さんに、心から感謝申し上げます。

▼続きを読む▼


【】
パヴァーヌやマ・メール・ロアは、「きちんと」振れば振るほど味わいが薄れちゃうような曲ですから当日の聖響さんの居方はパッチリだったんですね。「静」でなくちゃいけない2曲だったんですね。独逸音楽と「フランスのエスプリ」はアプローチもちと違うのですね。「幻想」はベートーヴェンの死後わずか3年目に完成したと聞くと驚きですが、ピリオド・アプローチが似合う曲なんですね。それを聴きたかったですなぁ~~。
【>親父りゅうさん♪】
音楽至上主義、りゅうさんにもお聴かせしたかったです(>_<。)
土曜日公演はいろんな意味でキツいなぁと思いました。

1回目は、前半は仰るとおり、振りすぎてはいけない曲だったんだろうな、と思いながら聴きました。オケの皆さんにお任せする場面もいくつか見られましたし。

後半は、対向配置でピュア・トーンというピリオドアプローチがぴったりハマっていたように思います。
弦楽器がビブラートを抑え目にすることで、例えば恋人のメロディーを歌うときとか、要所要所で聴かせる部分がより引き立っていたのです。云わば、表現の幅が広がっていたように思いました。
さすがは聖さまとセンチュリーさんの演奏だなぁ、と。いつもながら完敗でした(^^;)

次の公演は無事に来られますように、心よりお祈りします。
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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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