2010 / 04
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 私は小さい頃からピアノを習っていたこともあって、クラシック音楽には幼少の頃から親しんできました。
 ですが、食わず嫌いな作曲家がおりました。
 それが。

 グスタフ・マーラー

 マーラーと言えば、交響曲がやたら長くて途中で退屈しちゃうし、音量の差が激しすぎてCDで聴くには向かないし。
 なんか、イヤ。
 ということで、ずっと敬遠してきたんです。それこそ、数年ではきかないほどの長い間。
 でも数年前、ちょっとしたきっかけで「あら、面白そう」と興味を持って聴いてみたら、これが意外に面白くて。
 凄いじゃん、マーラー!
 と印象が一変した数ヶ月後でした。
 金聖響さんのファンになったのは(笑)

 というワケで、前置きが長くなりましたが、2010年~2011年。マーラーの生誕150年と没後100年が立て続けにやってくるマーラー・イヤーの2年間。聖響さんと神奈川フィルが「マーラーがっつり定期演奏会」をやる、ということで聴いてきました。

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神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第262回定期演奏会

マーラー作曲:交響曲第3番 二短調

指揮:金聖響
メゾ・ソプラノ:波田野睦美
合唱:神奈川フィル合唱団
 合唱団音楽監督:近藤政伸
児童合唱:小田原少年少女合唱隊
 代表・指揮:桑原妙子
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

みなとみらいホール 大ホール 19:00~
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 昨年、神奈川フィルさんから2010年度の定期演奏会のご案内をいただいた時から、どんな演奏になるんだろう?と楽しみにしておりました。
 そして今年は定期会員になったので(フェイバリット会員なので、5回限定ですけど。……その5回が全て聖響さん指揮なのは、もちろんお約束です;)、ゲネプロ見学の権利を得たわけでありまして。当然、行使致しました♪

 ゲネプロなので、途中で飛ばしつつ、気になるところは繰り返しつつ、指示を出しつつ……という感じだったのですが。
 そのゲネプロを聴いたときから、かなりヤバかったんですよ。
 今にも泣きそうになってて(笑)
 これを、高い集中力を持って本気モードで演奏する本番で聴いたら、とんでもなく凄いことになるんじゃないか、と。
 で、その本番が。。。

 本気でヤバかったです(笑)

 今日の定期演奏会は、プレトークなし。
 いきなりの本番でした。
 聖響さんはやはり、燕尾服でのご登場。そして、大好きな大河ドラマの福山龍馬を意識して伸ばしておられるのか、2月に拝見した時から更に髪が伸びてました。

 このマーラーの第3番は、かなり大がかりな編成になっております。
 ティンパニも2セット、シンバルも2組で打楽器がズラリ。舞台裏にもポストホルンさんや打楽器さんが待機。メゾ・ソプラノさんに女声の合唱団に、途中から少年少女合唱団も加わって、オケも大編成。
 あっちからもこっちからも音が聞こえてくるので、マーラーを聴くときはステージ裏じゃなくて1階席で聴くべきだろう、と思いましたので、久しぶりに(←…;)1階席に降りました。それでも、取れた席が結構前の方でド真ん中だったもので、指揮者&オケにかぶりつき(笑) 久しぶりに聖響さんの後ろ姿を下から見上げました。

 で、まずは第1楽章 力強く、決然と
 プログラムによれば「岩山が私に語ること。牧神の目覚め」ということで、冒頭から牧神パーンを呼び覚ますホルンの音が鳴り響きます。8本のホルンが同時に同じ旋律を吹く、というだけでもかなり迫力があります。
 かと思えば、いきなりバスドラムが1台だけ、客席で少しでも物音が立てば音がかき消されてしまうほどの小さな音でリズムを刻む、何とも言えない張りつめた空気が漂って、低音が不穏な空気を漂わせて……と、目まぐるしく曲が展開していきます。
 そして流れてくる、トロンボーンの美しいメロディ。運命の動機を思わせる音形が続く中で鳴り響くメロディは、プログラム的に言えばパーンが葦笛で奏でるメロディなのかもしれませんが。聴いていると、抗いようのない厳しい運命に立ち向かう人に向けて、強さを合わせ持った優しさで語りかけるようにも聞こえました。
 そして、この楽章からすでに炸裂する石田氏のソロの音色は、さながら天の声とでも言いましょうか。清冽に鳴り響くメロディは、本当に美しくてさすがなのです。よくよく聴いていると、トゥッティで弾いているときと、ソロで弾いているとときとでヴィブラートのかけ方とか、変えておられたように見受けられました。最初から、弓が毛羽立ってましたけど。。。
 途中、ティンパニも2台がフルで鳴ったり、和音になったりしていて。シンバルもWで鳴ったりして。クラリネットさんは全員楽器を上げてベルアップで吹いていたりして(楽譜にベルアップしろ、って書いてあるんだと思います。ミニスコアは未見なのですが……)
 振っている聖響さんも、最初からもの凄い集中力で振っておられて。第1楽章から、お声が聞こえてきました。
 この第1楽章だけで、演奏時間が30分を越えるんですよね。でも、指揮者&オケにかぶりつきの席で聴いていて、シンクロして集中していたためなのか。あっと言う間に終わってしまったような気がします。第1楽章が終わった後、この楽章の展開や演奏があまりに楽しくて凄くて、笑いが止まらなくなってしまって。最初から、超ハイテンションでした。

 第2楽章テンポ・ディ・メヌエット きわめて穏やかに
 圧巻としか言いようのない、最初から大爆演だった第1楽章から一転して、穏やかで美しいメロディが流れます。
 ここでも、石田氏の美しいソロは健在で。加えて、ヴァイオリンが第1も第2も、かなり細かくパートが分かれているようでした。ゲネプロの時は遠くから聴いていたので、あまりよくわからなかったんですけど。本番で、近くで聴いてみて、凄く細かくパートが分かれていることに気づきました。
 例えば、アウトサイド(客席に近い方に座っている人たち)だけで弾いたり。首席奏者さんだけが別のパートを弾いたり。
 今日はヴァイオリンが対向配置になっていたので、第1→第2へのメロディの受け渡しがステレオ効果で聞こえてきたり。
 そういう、ヴァイオリン部隊の皆さんを見ているだけでも、かなり楽しめました。
 そしてこの楽章の石田氏のソロ。GPの際に、聖響さんも絶賛してましたが、本当に素晴らしかったです。

 第3楽章コモド・スケルツァンド 急がずに
 この楽章では、ステージに登場しないけれどとても重要な役割を担っている、ポストホルンさんが大活躍でした。
 楽譜にも、そのポストホルンさんは「はるかかなたから聞こえてくるように」と書き込まれているようでして。2階の上手側のステージ裏、隅の所に扉があって、その扉を開けて奥から妙なる調べが聞こえてきました。
 GPでは聖響さんから「ちょっと今日は音が低めに聞こえます」なんて指摘も飛んでましたけど。。。バルブやピストンがないために唇で音をコントロールしなければならない楽器なので、音程を取るのが大変そうだなぁ、と。聞きながら「ポストホルンさん、頑張って!」と心の中で応援してました。
 この楽章でも、ヴァイオリン部隊はそれぞれ細かくパートが分かれてました。スコアを見たら、多分第1も第2も、ヴァイオリンが2~3段に分けて書かれているんではないかと思われます。インとアウトだけじゃなくて、指揮者に近い方と遠い方とか、いろんな分け方をしているようでしたから。。。
 そして、第2楽章以降はとてもメルヒェンな曲が展開しているように聞こえました。そう、「メルヘン」じゃなくて「メルヒェン」と言っちゃうような、微妙な感覚の違いがくっきりと浮かび上がってくる感じだなぁ、と。

 第4楽章きわめて穏やかに、神秘的に、常にpppで
 ここで、ついに波田野さんのメゾ・ソプラノによる独唱が登場します。静かに演奏されるこの楽章で響く、波田野さんの歌声が!!!
 とても素晴らしくて、最初に聞こえてきたお声だけで、涙腺直撃されてしまいました。GPでも、聴いた瞬間に泣きそうになったんですが。本番では本当に泣いてしまいました。
 また、この楽章。どこかで聴いたことが……と思ったんですが。そのまま交響曲第4番につながっていく世界があるように感じました。一瞬、そのまま第4番が始まるの!?と思ったほど(笑)

 そして第5楽章快活なテンポで、大胆な表出で
 ここでいよいよ、女声合唱&少年少女合唱団の登場です。チャイムの音と一緒に、ステージの後上方から少年少女合唱団の音が聞こえてきて、「ああ、天使様だわ♪」と思わずニッコリ(実際、GPでは普通に皆さんブレザーだったんですが、本番では天使様の衣装でした)
 波田野さんの独唱も加わって、オケの皆様はちょっとお休みな感じだったんですけど。途中、オケの音が止んで合唱のみになる部分もありまして、とても綺麗な響きが聞こえてきました。

 ラストは第6楽章 ゆるやかに、安らぎに満ちて、感情をこめて
 愛による神の救済が描かれているらしいこの終楽章が、とてつもなく素晴らしかった!!
 冒頭の、神奈川フィルの弦の美しさをこれでもか!と言わんばかりに見せつけてくださるような美しくて柔らかい音色がっ!!!
 聴いていてとても幸せで、ポロポロ泣けてきてしまいました。
 プログラムによれば、救済の理念を音にした曲だということなんですけど。神奈川フィルの弦の音で再現されたこの楽章は、原罪を背負って生まれ、年を経ていくごとに神の道から離れて罪を重ねていく自分が、魂ごと救われるような心地になります。私、天台宗ですのに(苦笑)
 途中で高まっていく音に飲み込まれて、かと思えば羽毛のように柔らかくて優しい音が降り注ぐ。
 緩急の付け方は、いつもながら見事としか言いようがありません、聖響さん。
 テンポを揺らすわけでもない、微妙な間を取るわけでもない。なのに凄くメリハリがついていて、聴いていてワクワクしてしまうんですよね。

 どうしようもなく美しくて、魂ごと揺さぶられて。
 泣けて泣けて、仕方なくて。
 この場にいて、この音楽に全身を包まれる感覚を体感できて、とてもとても幸せでした。

 曲に完全に集中している聖響さんの声も聞こえてきて。
 最後のコーダは本当に圧巻!としか言いようがなくて。
 曲が終わってしまうのが凄くもったいないと言うか、終わってほしくないと心から思いました。
 音が鳴り止んでからも、少しの間拍手できませんでしたもの。
 聖響さんの手が完全に降りきっていなかったから、というのも理由の一つだったんですが。すぐに拍手してしまうのがもったいなくて、余韻に浸っていたかったのと。涙を拭う時間が欲しかったのと、両方の理由で(笑)

 この第3番はコンマスさんをはじめとする弦楽器のソロも多かったので、神奈川フィルが誇る素晴らしき弦の首席奏者さんたちの音色も、それぞれ満喫することができました♪
 年明けのミサソレの時から「今年はマーラーなんで、よろしく」と言っていた聖響さん(まだ2月、3月の定期演奏会が残ってるのにね;)
 マーラー大好きな指揮者さんが、ついに「うちのオケ」と言えるオーケストラでマーラーを振るのだから、やりたいことを全部やってくるだろう、と思って期待していたのですが。
 期待以上と言いましょうか、予想を遙かに凌駕する、とんでもなく凄すぎて楽しすぎました。
 聴きながら、
「マーラーってスゴいっ!!! 凄すぎて、楽しすぎるっ!!!」
 と心が叫んでおりました。
 音量差もかなり激しいですし、ホールのあちこちから音が聴こえてくるし。
 つくづく、CDで聴くには向かない=生で聴くのが一番!な作曲家だと思います。

 あの場にいて、直にあの演奏に接することができて、本当に幸せでした。
 出演された皆様方に、心から感謝申し上げます。

<以下、聖響さんファン的視点な余談>
 今日は、せっかく岡山から出ていくんだから、フルで楽しまなきゃ♪
 というわけで、GPから拝見しました。
 あの本番を聴いて、GPから2回聴いて大正解だったな、と思いました。終演後に友人とも話していたんですが、あのフィナーレを聴いた後、もう1回最初から聴かせて欲しい!という気持ちになりましたもの(オケの方からすれば、なんてドSな発言!?かもしれませんが;)
 音楽は一期一会。だからこそ、その時にしか聞けない演奏が貴重であり、その場に居合わせることができる幸せを噛みしめるわけなのでありますが。今日のアレは、何度でも味わいたいです。……と言っても、CDではあの緊張感漂う空気とか、迫力とか、半減以下になっちゃうんでしょうけど。。。

 GPでは、最初は最近よく着ておられるグレーの長袖パーカー姿で振っておられた聖響さんでしたが、第2楽章に入る頃には体が温まったのか、パーカーを脱いで半袖Tシャツ姿で振っておられました。

 前置きでも書きましたが、GPから「これは相当ヤバいレベルで凄い演奏が聴けそうだ」と思ったのですが。
 本番での聖響さんの集中力は、やはりとんでもなく凄くて。第1楽章からずーっと歌ってました。
 あそこまで集中して振っておられる姿を拝見するのは、本当に久しぶりと言いますか。年末の第九、大阪での2日目の時もこんな感じだったなぁ、と思いました。曲が終わった後、やりきった!という感じの表情をしておられましたので。

 そして、下から聖響さんの後ろ姿を見上げるのも、本当に久しぶりでして。しかも結構近い距離からだったということと、もの凄く集中しておられたということが重なって、初めて彼のコンサートを聴きに行った時のことを思い出しました。
 加古川のアラベスクホールで演奏された、「田園」
 あの最終楽章の、天から降りてくる光のような美しくてキラキラした音と、それを演出した聖響さんの手がスローモーションのように飛び込んできて、どうしようもなく泣けてきたあの感覚。天から「降りてきた」ような感覚を、今日のマーラーでも味わいました。
 1月のミサソレとはまた違った意味で、とてつもなく凄すぎる演奏を聴かせていただきました。

 こういう演奏を聴かされるから、いつそれが聴けるかわからないから、やめられないんですよねぇ。聖響さんの追っかけを(笑)
 GPを聴いて「ああ、これは。今日の本番では絶対に泣かされるな」と予想はしてましたけど。
 予想以上でした。

 また、終演後のカテコにて。
 自分一人で拍手を受けるのではなくて、オケの皆さんを立たせようとする聖響さんに対して。次席奏者さんと示し合わせて「立て、って言われても立たないから!」と言わんばかりに、聖響さんを指揮台に立たせて拍手を一身に受けるようにし向けたスーパー・コンマス石田さんにもブラボーでした♪

 ブラームス、ベートーヴェンはフル・コンプリートしたから。次はマーラーね!
 と横浜まで追っかけてきましたけど。
 N響デビューで振った1番から順番に、大フィルさんとの2番と聴いてきて。3番まできて、やっと聖響さんが本当にやりたいと思っていたであろうマーラーを聴くことができたような気がします。
 今日から始まった、マーラーがっつり定期。まずは前半、スタンプを5つ集めて、来月の「復活」CDをGetしたいと思います。

 ああ、楽しみですわ♪
 来月の「復活」(^^)

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 毎月我が家に届く、大阪のザ・シンフォニーホールが発行している情報誌「シンフォニア」
 今日届いたその5月号に、嬉しいお知らせがあったので、あちこちに書きまくっております(汗;)

 金聖響さんが、今年の9月からベルギーのフランダース交響楽団のチーフ・コンダクター(首席指揮者)に就任する予定なのだそうです!!!

 去年の11月、そのフランダース交響楽団を指揮しに行って、かなり充実した時間を過ごしておられる様子が公式ブログで綴られているのを拝見しました。帰国されてから「これから頻繁にいく国の一つになりました。」と書いておられたので、これは何かあるな?と思っておりましたら、このお知らせ!
 ファンとしましては、嬉しい限りであります(^^)

 神奈川フィルの常任指揮者、OEKのアーティスティック・パートナーに続いて、海外オケでの首席指揮者就任!
 これからのますますのご活躍が楽しみなのです♪

 なお、契約は3年間とのこと。
 これ以降、また海外でも新たな展開が見られたらいいなぁ、と心よりお祈り申し上げます。

 折しも、来週はついに今年~来年にかけてのマーラーがっつり定期演奏会の開幕。
 その開幕を前に届いたこの嬉しいお知らせで、来週に向けて更にテンションが上がります♪

 ここ数年、何故かとても身近な存在になっておりますオーケストラ、OEKことオーケストラ・アンサンブル金沢さん。
 去年の金聖響さんとのベートーヴェンシリーズで「どーしても2日連続で聴きたいっ!!」という衝動のままに6月&12月に金沢→大阪へと遠征して以来、どうも弾みがついたようで(笑)
 OEKさんはこの方のティンパニーでないと私的には満足できない、と2月7日に思い知ったその渡邉さんがソロ&アンサンブルのコンサートを開く、ということで追っかけてきました(爆)

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OEK室内楽シリーズ もっとカンタービレ 第20回
「鼓春日和」 AKIO WATANABE×SOLA

ジョン・ベック:ティンパニーの為のソナタ
フランソワ・デュパン:小太鼓とピアノの為の小組曲 アルバムNo.1より
ウェルナー・テーリヒェン:ティンパニーとオーケストラの為の協奏曲

(休憩)

アリス・ゴメス:レインボウズ
クリストファー・ハーディ:打楽器五重奏の為の「赤い大地」
アストル・ピアソラ:「鼓動」より

打楽器:渡邉昭夫、平松智子、橋本里恵、横山亜希子、伊藤拓也、石井利樹、長屋綾乃
ピアノ:中沖いくこ

石川県立音楽堂 交流ホール 19:00~
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 OEKの団員さんがプロデュースするこの「もっとカンタービレ」シリーズ。この日が20回目という区切りのいい回で、かつ2010年度の第1回目というスタートのコンサートでした。加えて、今日は渡邉さんのお誕生日ということで、いろいろ重なるこの引きの強さが素晴らしいのです♪

 今日の演目は全て初聴きでした。……て、これらの曲を知っている方は専門家か、相当なマニアだと思われますが。。。
 ステージには当然のごとく、打楽器がズラリ。打楽器出身者としては、それだけでテンション上がります。そして映像で全体像を見ることができるように、とのことなのか、後半の解説のために用意されていたのか、その両方なのか。ステージ後上方にスクリーンが出ていて、そこにもステージの様子が映し出されるようになっていました。
 ……もっとも、ステージセッティングを見てからここがベストポジションだろう、と予測した席をゲットして、奏者ガン見だったもので、ほとんど映像見てなかったんですが(苦笑)
 また、後方にはフラワーアレンジメントも飾られていて、ステージに彩りを与えていました。

 前半は渡邉さんの独奏曲を……ということで1曲目は「ティンパニーの為のソナタ」
 弦楽器や管楽器のソナタにはピアノ伴奏がつくことも多いのですが、この曲はティンパニー・オンリーでした。
 第1楽章は「不思議なこと」
 言われてみると、4台のティンパニーがちょっと不思議な感じのするチューニングになっていて、どことなくビミョーな感じの音でした。そして冒頭から、いきなりティンパニーの皮ではなくて胴の部分を叩いたり、皮を叩いた後でペダルを踏んで音を変えるグリッサドが入ったり、敢えて響きの悪い皮の真ん中を叩いて音色を変えたり……と、特殊奏法も多くて、見所満載でした。
 第2楽章は「ジャズのように」
 ノリのいい曲で、ここでも特殊奏法がてんこ盛り。途中でマレットを置いて手拍子を入れたり、手で皮を叩いたり……と、普通にオーケストラを聴いているだけではお目にかかれない奏法が見られました。
 第3楽章は「早く」
 うん、確かにアップテンポ。そしてとても忙しそう……と言いますか、大変そう(汗;)
 ティンパニーだけでリズムはもちろんのこと、メロディーも奏でる部分があって、特殊奏法も満載で。最初からいきなりトップギアでクライマックスを見たような心地でした。

 いつもはオーケストラの後ろにいて、音は目立つけど大半の方が何をやっているのか細かい部分までは見ていない(私のように、オケを裏返し聴きするのが普通の人は、まずいませんから;)ティンパニーさんなのですが。実はこういう人が叩いていて、こういうこともできるんですよ、と存分にその魅力を見せつけていただいたような気がしました。……あ、でも。後ろ姿を上から目線で拝見することが多いので、真っ正面からガッツリ拝見できるのは嬉しいような照れるような心地でした(汗;)

 と、1曲目からかなり細かく見ていたわけですが(笑)
 ここで渡邉さんがマイクを手にして、少しお話しされました。
 「前半の3曲、作曲者に共通することは何でしょう?」と客席に問いかけられたのですが、申し訳ないことにさっぱり見当もつきません。「はて?」と思っておりましたら、正解はお三方とも打楽器奏者だったとのこと。テーリヒェンさんがBPOのティンパニー奏者だったということは存じていましたが、他のお二方もそうだったようで。なるほど、それであのペダル式ティンパニーでできることをフル活用したかのような曲が書けるわけか、と納得致しました。

 2曲目は「小太鼓とピアノの為の小組曲アルバム」
 小組曲アルバム、というタイトル通り「散歩」「シーソー」「ならず者」「口ごもる女」「ムカデ」「中央通り」と短い曲6曲で構成されていました。
 この曲はピアノの脇に胴の幅の違うスネアドラムが2台用意されていまして。胴の幅が小さいほうが高い音が出るのですが、曲によって叩き分けておられました。確か「ならず者」と「ムカデ」は低い音のする方を叩いておられた、と記憶しております。
 ピアノと掛け合う部分があったり、一見普通の4拍子のように聞こえるけれど、これって実は違うよね?な部分があったり。中学時代にスネアの練習曲集ですら途中で挫折した人間には到底無理だ、ということはよくわかる曲でした(当たり前です;)
 1月にいずみホールで聴いた時にも思いましたが、この方のロールは本当に粒が細かくて揃っていて、すごく綺麗なのです♪

 3曲目は、本日のメインと言っても過言ではないかと思われます、テーリヒェンのティンパニー協奏曲。本当はオーケストラがバックにつく曲なのですが、今日はピアノがオケの部分を担当していました。
 ティンパニーは5台をセッティング。渡邉さんのシャツも、前2曲の緑系から紫系にチェンジ。他にも2人の演奏者がその他諸々の打楽器を演奏するようになってました。
 第1楽章はAllegro assai
 勢いのあるティンパニーの乱打が見事で、緩急があって、特殊奏法も満載。あっちでもこっちでも音が上がったり、下がったりしてるんですけど、実は奏者の位置からペダル操作のしやすい所で上下してるあたりが、やはり打楽器奏者が書いた曲だと思わせる曲でした。
 第2楽章はniLento
 文字通り、ゆったりしたテンポで不思議な感じのする曲で、ティンパニでメロディを奏でる部分もあったように思うのですが、第3楽章の凄さに印象がぶっ飛びました(汗)
 その第3楽章はAllegro moderato
 大好きなんですよねぇ、こういう変拍子で民族音楽チックな曲♪ ちょっと日本的な香りがしていたからかもしれないんですけど。
 途中でカデンツァが入っていて、緩急自在で多彩な表情を見せてくれるティンパニーに聴き入ってしまうと言いますか、叩いているお姿をガン見すると言いますか。。。(笑)
 途中でマリンバを叩く時のように、片手に2本ずつ、計4本のマレットを持って叩いたり、ミュートを置いて叩いたり……と、この曲ではジョン・ベックのソナタとはまた違った奏法も見ることができました。
 バロック・ティンパニーでベートーヴェンやブラームス、普通のティンパニーでベートーヴェンやマーラーもいいけれど。こうして前面に出てきて「こういう事もできるんだぞ!」と見せつけていただける機会は本当に貴重で。その場に居合わせることができた幸せを噛みしめるティンパニ協奏曲でした。
 というか、このテーリヒェン。ピアノの伴奏がめちゃめちゃ大変そうでした(汗;) 全体的に現代音楽風なサウンドですし、打楽器奏者さんが作った曲と言うことで当然リズムは凝ってるし。その他の打楽器のお二人も、ピアノの中沖さんにもブラボーと言いますか、皆様ホントにお疲れさまでしたっ!という1曲だったように思います。

 ……とまぁ、前半だけで軽く3千字を越えておりますが(笑)

 後半はティンパニーを下げて、打楽器アンサンブルの曲がてんこ盛りでした。
 後半の1曲目は、アリス・ゴメスの「レインボウズ」
 タイトルの通り、皆さん色とりどりの衣装でご登場です。楽器構成は、下手側にシロフォン、真ん中にマリンバ(1台を2人で演奏してました)、上手側にヴィブラフォンという鍵盤楽器のみの構成で、コンサートを通じて唯一渡邉さんがステージに乗らない曲でした。
 この曲は、旧約聖書に記されたノアの箱船の下りを曲にしているようで。
 第1楽章は「雨粒」
 途絶えることなく音が刻まれて、途中から2つの音に重なっていくマリンバの音が、地上に降り続く雨を表しているように聞こえました。で、ヴィブラフォンがメロディ担当で、途中から入ってくるリズム系のシロフォンが、ますます強くなる雨脚のような曲でした。
 というか、ちょうどこの日。朝から金沢市内の観光に出ていたんですが、ひとしきり歩いて別の場所へ向かおうとして周遊バスに乗っている間に雨が降り出して、雨脚が強くなって本降りになったのです。(道中記は日記ブログの「べっさつ結月堂」にしたためております。よろしければ、ご覧下さいませ^^)
 ザーッと降り続く雨が風に煽られる様子を、ビルの中から窓ガラス越しに見ていたんですけど。聴きながらそんな情景を思い出しました。
 第2楽章は「洪水」
 150日間の間、地上から引かなかった水を表すとのことでして。低いマリンバの、あの独特の籠もったような深みのある音とかが、水の中でしゃべった時の特徴的な音の聞こえ方とか、水がコポコポいっている様子を再現しているようにも聞こえました。この楽章はヴィブラフォンがお休みで、マリンバ&シロフォンのみの演奏だったんですが、音色から考えて納得のいく構成でした。
 第3楽章は「虹」
 空が晴れ渡って、キラキラと地上に光が降り注いでいく様子が、敢えて音を響かせないようにするヴィブラフォンの音色から見えるような曲でした。

 後半の2曲目は「赤の大地」
 こちらは皮モノと言いますか、音程のない小太鼓とか大太鼓とか、ボンゴとかコンガとかタムとか太鼓ばかりが計5セット、ステージにズラリ。そしてタイトル通り、皆さんのシャツやタンクトップも。太鼓の胴体のカラーも(揃えたんでしょうか?)……と、見た目から「赤の大地」でした。
 で、この曲がまた素晴らしくてですね。
 西洋の楽器を使っているんですけれど、枠を叩いたり、和太鼓のように叩く部分があったり。リズムが次々に変化したり、アクセントの位置を5人で受け渡しながらそのアクセントが入るタイミングがどんどん早くなったり……と、「血沸き肉躍る」と言いましょうか、聴いていてワクワクする曲でした。
 この曲、途中で一番上手の人と、真ん中の人と、一番下手の人と……と、1人飛ばしで3人の奏者が最初はゆっくり打ち始めて、だんだん速くしていって……という部分があったんですけど。あれがピタリと合うあたり、見事でした。
 まさに「赤の大地」というタイトル通り、地の底から沸き上がると言いますか、ホントに床からビリビリ振動が響いてくる迫力溢れる1曲でした。
 ちなみに、この曲。渡邉さんは一番上手の低いタムを担当。聴いていたら、テンポをキープする役割だったり、展開の機転になる役割だったりという重要なパートで、そこにいらっしゃるのも納得、という感じでした。

 後半のアンサンブルは1曲目が鍵盤オンリー。2曲目が太鼓オンリー。そして3曲目は全部併せてアンサンブル、ということでここでステージセッティングに時間がかかるので、ステージを彩る素敵なフラワー・アレンジメントを担当し、かつピアソラを語らせたら止まらない、という工藤文雄さんが登場してお話して下さいました。
 フラワー・アレンジメントというか、華道には「天地人」の3要素が欠かせない、と。ああ、そういえば高校の華道部でそんな話を聞いたかも、と思い出したのですが(苦笑)
 今日のお花も、それをイメージしていて、かつステージや曲とリンクするようになっている、ということでした。確かに、見てみたら円形の板の上に花が飾られていて、それは太鼓の皮から音楽が生まれていく様子にも見えます。また、花を支える三脚も「天地人」の3要素に通じる数字であり、かつ太鼓やスタンドシンバルなどを支えている三脚にも見えるなぁ、と。
 続いて、語り出したら止まらないピアソラのことを、ぎゅっと凝縮して、スライドの映像も交えて語って下さいました。

 「赤の大地」では赤で統一して出てこられた皆さんですが、ピアソラは黒でご登場でした。うん、確かにピアソラっていうかタンゴってそういうイメージかも、と頷いてしまいました。
 で、ラストはピアソラの「鼓動」
 1曲目が「虹」で「天」、2曲目が「地」、3曲目は「鼓動」でまさに「天地人」(去年の大河ドラマにあらず;)
 楽器構成もプログラム構成も、それに合わせた衣装も見事だと思います♪

 そのピアソラ。
 第1番から第5番まで、第3番以外の4曲が演奏されたんですけど。
 物憂げなメロディがヴィブラフォンで奏でられたり、例えばヴァイオリンとバンドネオンで音色を変えて演奏されるメロディを、ヴィブラフォンとマリンバといった具合にパート分けしたり。ヴァイオリンが時々入れる「ヒューイッ」という音が入っていたり。
 打楽器アンサンブルで演奏されているのに、ピアソラが結成したバンドの音が重なって聞こえるような気がしました。
 ピアソラの3ー3ー2のリズムとか、物憂げなメロディとか、かなり大好きなもので。ノリノリで聴いてしまいました。
 そして打楽器好きとしましても、途中で鍵盤楽器の脚を叩く、なんて滅多にお目にかかれないシーンを拝見することもできました♪

 コンサートの最後にメンバー紹介がありまして。
 アンコールでは、ピアソラでは要になるリズムキープに回っていた渡邉さんがヴィブラフォン&一部ピアニカでメロディを担当して、小田和正さんの曲が演奏されました。打楽器アンサンブルバージョンの楽譜が出ているとは思えないので、渡邉さんの編曲である確率100%♪
 聴いた時に、「あ、これ聴いたことある。小田和正さんだ!」と思ったんですが、曲目が思い出せず。。。(汗;)

 初聴きの曲ばかりな今日のコンサートでしたが、本当に楽しかったです。
 打楽器好きには本当にたまらんスマッシュを連発されて、超エクスタシーな内容でした♪ というか、聴きながら自分も一緒に叩いているような気分になっておりました。
 現役で打楽器をやってる人にとっては、凄く勉強になったんじゃないかと思います。吹奏楽団にいた時に、楽器の響かせ方についてかなり注意されたんですけど。敢えてその響きを消すような叩き方をして音色を作ったり、マメにミュートをかけて余分な響きを消したり……と細やかな気配りをしておられました。ただ叩けばいいってもんじゃないぞ、と常々思っておりますが。やっぱりそうなんだな、と再認識しました。
 普段あまり打楽器に馴染みのない人でも、かなり楽しめたんじゃないかと思います。実際、周囲にいらっしゃった方が終わった後に何人も「こんなに楽しいと思わなかった」とお話されてましたし。最初は「こんな人、OEKにいたの?」という感じで見ていた方もいたような空気だったんですけど、だんだんと熱中して引き込まれていくのが肌で感じられました。
 そして何より、渡邉さんの打楽器への徹底的なこだわりっぷりとか、ちょっとお茶目なお人柄とか。満喫させていただけて、ファンとしましては嬉しいひと時でした。あの場に居合わせることができて、幸せでした♪

 素晴らしい演奏を聴かせて下さった渡邉さん。
 そして出演された皆様方。
 心より、感謝申し上げます(深礼)

<以下、余談>
 去年から数えて、今日が3度目の県立音楽堂だったのですが。今日初めて、地下から出ました。
 OEKさんの紹介が壁に貼られていて、今までにリリースされたCDも展示されておりまして。
 金聖響さんのCDに吹い寄せられてしまったのは、お約束です(笑)

 ……て、結局はそういうオチか!?とどこかから突っ込みが来そうなんですがw
 またGWにLFJでI'll be back!なのです(爆)

<以下、翌日以降の追記>
 思い返せば2005年5月1日。
 友人に「この人、最近注目されてるらしいよ」と買わせた、金聖響さん指揮×OEKさんの「運命」のCDを聴いて、DVDを見たあの日。OEKに渡邉昭夫というティンパニー奏者がいると知ったのは、実はその時でした。DVDの中で、聖響さんが渡邉さんに「ナベさん、55~6にかけてのテーマ、ありますよね?……(以下略)」と指示を出すシーンが入っていなければ、もしかしたらスルーしていたかもしれません。
 その方が、実は地元のオケのメンバーでもある、と判明して以来。岡山に住んでいる割には、私はその演奏に触れる機会が多い人間なのではないかと思います。

 聖響さんとOEKさんのシリーズコンサートでティンパニーとしてステージで拝見することも多かったのと、私が指揮者ガン見席に座る=オケを裏返し聴きするために後ろから結構近い位置で拝見する機会が多く、その凄さを目の当たりにすることも多かったんですが。
 今回、こうしてソロで聴いたことで改めて、やっぱりとんでもなく凄い方だなぁ、と思った次第です。
 今更かよ!?って感じですが(汗;)

 ベートーヴェンの3番の2楽章とか、ブラームスの4番とか。渡邉さんのティンパニーで泣かされることも多いもので、いつも思うのですが。
 この方のティンパニーの音って、空気を変える力があるな、と。
 空気を変えるというか、むしろ曲の雰囲気とか、そういうものを作る決定打になる、というべきかも。

 1曲目のジョン・ベックのソナタを聴いて感じたのは、まさにそれでした。
 会場の空気と音楽がシンクロして、ちょっとビミョーな感じが漂っていた雰囲気が、ふっと意表を突かれてはっきりとその存在を意識するようになって、最後には皆が熱狂するようになる、という。
 お一人でその空気を作っていくって、本当に素晴らしい!!と最初からノックアウトされてました(笑)

 全体的なプログラム構成も本当に見事としか言いようがなくて。
 なんて凄い方なんだろう、と反芻しながらホロリと泣けてきちゃいました。
 実はこのコンサート、渡邉さんご本人から「やるからおいで~」と言われて「は~い♪」とほいほい出かけて行ったんですが(汗;)
 本当にとんでもなく凄いものを聴かせていただいて、ただ凄いとしか言えない自分がとてももどかしいのですが、どれほど感謝しても足りないくらい感謝しております(深礼)
 交流ホールって結構小さいんですよね。だからこそできる、っていう部分もあると思うんですけど、もっと多くの人に聴いてほしいと思いました。
 準備とかいろいろ大変だと思うんですけど。
 毎年恒例にしていただきたいです、バースディ・コンサート♪

 CDでは何度も何度も聴いているのですが。
 生では一度も聴いたことのないヴィオラ奏者、今井信子さんが大原美術館でギャラリーコンサートをする、ということで行ってきました。

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第119回 大原美術館ギャラリーコンサート 今井信子 ヴィオラ・リサイタル

ショスタコーヴィチ作曲:アダージオとワルツ(バレエ組曲第2番より)
テレマン作曲:12のファンタジーより 第1番、第2番
シューベルト作曲:「歌曲」より
 「音楽に」
 「セレナード」(歌曲集『白鳥の歌』より)
 「道しるべ」(歌曲集『冬の旅』より)
 「春の夢」(歌曲集『冬の旅』より)

(休憩)

武満徹作曲:鳥が道に降りてきた
ショパン作曲:チェロ・ソナタ ト短調

(アンコール)
ヘンデル作曲:私を泣かせて下さい
浜辺の歌

ヴィオラ:今井信子
ピアノ:草冬香

大原美術館 2階展示室 18:30~
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 大原美術館に収蔵されている名画に囲まれてコンサートを聴く、というこの企画。
 今回はヴィオラ奏者の今井信子さんのコンサートで、一度生で聴いてみたい!ということで行きました。

 今日の今井さんは、黒いブラウスに黒のロングスカートというお姿。伴奏の草さんも黒いドレスでした。
 初めて生で拝見した今井さんは、その辺りにいそうな普通のおばちゃん、といった印象でして(←かなり失礼な女;)
 けれどヴィオラを構えて弾き始めた時の真剣な表情とか、楽器から出てくる美しい音とか。素晴らしいヴィオラ奏者なんだなぁ、と感心してしまいました。

 コンサートの最初は、ショスタコさんの曲。ピアノが弾き出す最初の和音は、なるほどショスタコさんだなぁ、という感じだったのですが。「アダジージオ」のゆったりと流れるメロディを聴いていると、途中からショスタコさんの曲だと言うことを忘れてしまうような曲でした。「ワルツ」の部分は凄く楽しくて、ついつい体が揺れてしまいました。

 テレマンの曲は、ヴィオラのソロ曲。ショスタコさんから一気に時代が250年ほど戻ります。この曲は、弓を変えて弾いておられました。
 そんなテレマン。実はショスタコさんより難しくないですか!?と思ってしまうほど、速いパッセージとか重音とかがあって、何だか大変そうだなぁ、という印象を受けました。実際、弓が弦を擦って音が上ずる部分とか、何度かありましたし。。。
 技術的にはこの時代の頃に確立されたのかなぁ、とか。音楽史をさかのぼって考えてしまうような曲でした。

 シューベルトの曲は、歌曲の中から4曲を選んでヴィオラとピアノで演奏するということで、各曲の演奏前に歌詞の日本語訳を読み上げる、という一幕がありました。なるほど、歌曲なのだから歌詞があるんですよね。かなり興味深い演出だなぁ、と思っておりました。
 その2曲目に演奏された「セレナード」
 前奏を聴いた瞬間に「この曲かっ!!」と思いました。
 というのは、この曲。器楽曲として聴く機会があまりに多くて、元が歌曲だということをすっかり忘れていたのです。そっかぁ、歌曲だったのかぁ。と改めて思い返してしまいました。

 休憩を挟んだ後半の1曲目は、武満徹さんの曲。この曲は今井さんのために作曲されたとのことで、急きょこのコンサートで演奏することにしたそうです。
 「鳥が道に降りてきた」というタイトル通り、時々鳥が羽をバサバサする様子を思わせるフレーズが入っていたり。不思議な感じのする和音に、どことなくつかみどころのないメロディ。
 美術館の展示室が、不思議な武満ワールドに変わった感じがしました。

 最後に演奏されたのは、ショパン作曲のチェロ・ソナタ。ヴィオラで演奏されるということでニュアンスは違うと思うんですけど。
 第1楽章の主題が切なくて美しくて、一度聴いたら忘れられないほど心に飛び込んでくるメロディなのは、さすがショパン!と思ったり。
 ピアノ伴奏が伴奏レベルを遥かに超えている!と思うほどに大変そうだったり。
 初めて聴きましたが、真剣に聴き入ってしまう曲でした。

 で、コンサートのラストに演奏したショパンが、ピアノが凄く大変だったので。少しお休みを……
 ということで、アンコールの1曲目は今井さんのヴィオラ・ソロでした。
 ヘンデル作曲の歌劇から「私を泣かせて下さい」
 この曲、私も大好きな曲なのですが、今井さんも大好きな曲なのだそうで。ヴィオラ・ソロで弾けるように…と中川俊夫さんに編曲をお願いした、と話しておられました。
 その「私を泣かせて下さい」がっ!!!
 ホントに泣いちゃいますっ!という演奏で、素晴らしかったです。
 低音や高音、ハーモニクス……様々な音色で奏でられるメロディが、どれも素晴らしくてですね。ジーンと泣ける1曲でした。

 アンコール2曲目は「浜辺の歌」
 これも、単にメロディを弾くだけでなくてですね。変奏曲のようになっていて、途中でパガニーニを思わせるような変奏になっていて、楽しく聴かせていただきました。

 コンサートの最中は真剣な表情で奏でておられた今井さん、アンコールではニッコリ笑顔も拝見できました。
 そしてピアノの草さんは、まだお若いお嬢さんという感じなのですが、とても丁寧に、1音1音を大切に捕えて弾いている印象を受けました。

 私が座った場所も、正面の通路寄りで適度に後ろ。今井さんを拝見するのに視界も良好な絶好の位置で、ラッキーでした♪
 かなり乾燥する展示室で、硬い椅子に座って鑑賞するのはかなり厳しいんですけど。
 素晴らしいコンサートを聴くことができて、幸せでした(^^)

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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