2009/06/14 23:54:52
13日に金沢で行われた定期演奏会と、翌14日に大阪で行われた聖響×OEK ベートーヴェン・チクルス第2回をハシゴしてきました。
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オーケストラ・アンサンブル金沢 第262回定期公演マイスター・シリーズ
&
聖響×OEK ベートーヴェン・チクルス 第2回
オール・ベートーヴェン・プログラム
バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
交響曲第8番 ヘ長調 Op.93
(休憩)
交響曲第7番 イ長調 Op.92
(アンコール)
6つのメヌエットより メヌエット第2番 ト長調
指揮:金聖響
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
6月13日 石川県立音楽堂コンサートホール 15:00~
6月14日 ザ・シンフォニーホール 15:00~
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思えば、私が初めて聖響さんのコンサートを聴きに行ったのが、2005年の夏のこと。その時のプログラムがプロメテウス&8番+6番でアンコールが4番の第4楽章でした。今回のプログラムは前半がその時と同じでありました。
だから、というのも理由の一つなのですけれど。
7日に姫路でシエナさんとのツアー最終日を鑑賞してですね。アンコールまでガッツリ楽しませていただいて、すっかりテンションが上がってしまい。その上がったテンションとまともに動いていないであろう思考回路に、音楽の神様から啓示が降りました。
13日、金沢へ行きなさい。
その声に導かれるままに(?)、翌8日に県立音楽堂のチケットボックスに電話をかけ、チケットを確保。結果として金沢→大阪へ2日連続で聖響さんとOEKさんを追っかけ、ハシゴすることになったワケであります。
チケットを確保して、現地の方にあれこれお聞きして、宿と食事場所まで確保したのが9日のことですから。今回の金沢遠征は「呼ばれた」としか言いようのない形で実現しました。
で、実際に行ってみて、聴かせていただいて。
ああ、呼ばれたな。
と、いろいろな意味で思いました。
前置きがかなり長くなっておりますが、お許しを。
そんなワケで、十数年ぶりに金沢の地へ足を踏み入れました。二度目の訪問が、こんな形で実現することになるとは、当の私自身が思いもしなかったんですが(笑)
電車を降りて、駅を出て。聖響さんのポスターに導かれるままに歩いていけば、石川県立音楽堂に到着です。聖響さんのCDを聴くようになって、一度ホームグランドともいえるこのホールでOEKさんを聴いてみたい! どうせ聴くなら、聖響さんの指揮で!と数年来思い続けていたことが、こんな形で実現することになるとは、当の私自身g……(以下略;)
で、肝心のコンサートは、と言いますと……
今までにも、聖響さんの指揮でベートーヴェンを聴いて、ありえへんっ!と圧倒されたことは多々ありますが。
この2日間、連続して凄すぎてありえへんっ!なベートーヴェンを聴かせていただきました。
まずは13日。
念願でした、石川県立音楽堂でのOEKさんです。地元岡山や大阪のシンフォニーホールとは響きが違う、とお聞きしておりましたので、ワクワク♪しながら中に入りました。
この日は急きょ行くと決めて、直前にチケットを取ったもので。席が後ろの方or上の方しか空いてなくてですね。「少しでもステージに近い場所…となりますと、3階下手側のバルコニー席になります」と言われ「では、そこを」と確保したのですが。座って、気づきました。
この席。ステージ下手側は見えないけど、ピンポイントで指揮者とティンパニがよく見える……
私って、どこまで……(滝汗;)
と、また話が横道に逸れてますね、本題に移りましょう。
まずは冒頭の「プロメテウスの創造物」序曲。
バン!と鳴らされる、オーケストラのハ長調の和音。いつもはそのインパクトに引き込まれるのですが、この日はですね。ホールに響き渡る音の美しさに、たった1音で引き込まれました。本当に、全然響き方が違う!とB席で何を言うか、という感じなのですが(汗;)
聖響さんが「このホールで録音する時は、響きすぎるからテンポを落とす」とあちこちで何度も仰っていた理由がわかりました。確かに、とても豊かによく響くホールだな、と。
今回のプログラムは8番&7番、序曲も華やかでアップテンポで超ハイテンションなプログラムであるわけなのですが。その導入としてガッツリ心を掴まれた演奏でした。
続く交響曲第8番は、今回ライブ録音される曲です。
開演前に、音楽評論家で作家の響敏也さんの解説でメトロノームの拍が刻まれたり、郵便馬車のポストホルンの音が入っていたり、私小説にも似た曲で、作曲したベートーヴェン自身もこの曲を好んでいた、と言われていた曲です。
第1楽章から、歯切れ良いメロディと速めの3拍子が何とも心地よくてですね。大らかな感じがして、でも途中はとても激しくて。聴いていてとても楽しいのです♪
カチカチと刻まれるメトロノームを思わせる規則正しいリズムの上に、軽やかなメロディやピチカートが乗る第2楽章も、これまたとても心地よく♪
華やかなメヌエットがこれまた心地いい第3楽章にも、うっとり♪
快速テンポで軽やかな、でも所々ガーン、と落としてくれるのがスリリングな第4楽章にもワクワク♪
と、私もこの曲が大好きなので(この曲も、と言うべきなのですが;)、全体としてとても楽しかったのですけれど。
ライブ録音なのに、客席からの雑音が響いたり、拍手がフライング気味だったり。
オケの皆さんの表情も、どこか曇っておられて「やりきった!」という感じではなくて、ですね。ホールの端で上の方で聴いているというハンデを差し引いても、アンサンブルの乱れとかミスが聴こえたのも事実でして。とても素敵な演奏でしたけど、CDとして残すにはちょっと……?と思ってしまったのが正直なところでした。
休憩を挟んだ後は、ベト7こと交響曲第7番。最上の超ハイテンション交響曲です。
この曲が始まる前、聖響さんがマイクを持って少しお話されました。
今日、6月13日はOEKの創設者であり初代音楽監督だった指揮者、岩城宏之さんの命日であること。岩城さんも第8番の交響曲が大好きであったこと。そして、今日の演奏を岩城さんに捧げます、と。
そうして始まった第7番がですね。
どの楽章が、とか。
ここが、あそこが……とか、全部吹っ飛ぶと言いますか、どうでもよくなるといいますか。
「私、今何を見て、何を聴いたの!?」
と呆然とするほどに凄すぎて、あまりに凄すぎて、涙腺が決壊して泣けてしまったくらい凄かったんですよ。今までにも何度か7番をナマで聴きましたが。凄すぎて泣いたのは、今日が初めてでした。
もともと第4楽章の16ビートがノリノリでブッチギリ!な曲で。佐渡裕さんなど、指揮台の上で飛び跳ねておられたくらい、超ハイテンションな曲なわけなのですが。
今日の聖響さんってば、燕尾服で爆裂っ!
聖響さんの指揮は、翌14日に真正面からガッツリ見られるから、今日はティンパニ重視で……なんて思っておりましたら、とんでもない(苦笑)
このベト7をドラマのテーマ曲に掲げた「のだめ」風に言わせていただきますと、ついていくオケは「ムキーッ!」状態。指揮台にいる聖響さんからは、黒い羽根がブワッ!みたいな(笑)
とにかく凄すぎて、指揮者から目が離せないっ!!!(>_<)
状態でありました。
そして同時に思い出しました。
この光景、どこかで……
そう、アレです。大阪センチュリー交響楽団で、専任指揮者として最後の定期演奏会になったあの、2006年3月24日の定期演奏会。聖響さんは燕尾服で、あの時は「運命」&「田園」のプログラムで。後半の「運命」が全開で爆裂な振りっぷりで、指揮台にスポットライトが当たってるんじゃないかと思うほど、聖響さんから目が離せなくなった、あの時ですよ。
その再現を見ているような気分でした。
……13日の感想がえらい長くなりました。記事を分けろよ、というツッコミがきそうですが(苦笑)
そのまま行かせていただきます。
翌14日。
13日の演奏でも十分凄かったんですが、更にその上を行く演奏を聴かせていただきました。
まずは「プロメテウスの創造物」。
昨日の金沢での豊かな響きもステキでしたが、大阪で聴くとなんだか全体的にスッキリとした感じでした。やはり、響き方が違うんだな~、と思いました。
そして第8番。
前日は録音の緊張感とか、やはりいろいろ感じておられたのかな?と勝手ながら思ったのですが。聖響さんもオケの皆さんも、いい感じに力が抜けて、リラックスして楽しんでおられるようで。とても気持ちよくて心地よくて大らかで、だけど歯切れ良くて小気味よくてですね。
とぉっても気持ちのいい8番でありました♪
前日「?」と思った部分はもちろん、全て修正されておりました。第3楽章の、ホルン&クラリネット&チェロのアンサンブルもバッチリ♪ メヌエットが心地よすぎて、何度も何度も聴きたくなる、このまま終わるのがもったいないっ!と客席も思っていましたが、聖響さんやオケの皆さんも思っておられたのか。「1カッコ行くよ」「2カッコ行くね」という感じで何度も繰り返して、昨日より長かったような……(笑)
終演後、駅まで歩きながら友人と話していたんですけど。メヌエットって、普通はトリオが終わって元に戻ったら繰り返ししないものなんですよね。でも今日は繰り返した、ってことは。演奏してる側も、ノッてきたから、このまま終わるのがもったいないと思ったんだろうね、と。
第4楽章も、一歩間違えばただのせわしない音楽に聞こえてしまう、けれどそうはならず、かつオケも崩壊しない……といういつもながらギリギリで絶妙のテンポ設定で。昨日よりも気持ち速め?で展開しておりました。ラストの1オクターブでチューニングされた渡邉さんのティンパニソロも、バチッ!と決まっておりました♪
全ての楽章が心地よすぎて、聴き惚れてしまって。
これぞ8番っ!
と思うほど、素晴らしい8番を聴かせていただきました。
ぶっちゃけ、これをCDで残してほしい、と思ったのですが。。。
帰宅する時も、ずーっと頭の中を流れていて離れない。全身に、心に刻まれた交響曲という感じでありました♪
そして7番は……
あんなに凄すぎる7番が聴けるなんて。前日のアレを凌駕する、更に素晴らしい演奏が聴けるなんて。その違いを感じることができるという、本当に至福のひと時を味わわせていただきました。
1楽章からかなりヤバくてですね。雄大なポーコ・ソステヌートから、フルート&オーボエが「ターンタタッ ターンタタッ」とリズムを刻むヴィヴァーチェに入る所。リズムをクッキリ、ハッキリと浮き立たせて、これから始まるリズムの饗宴に導いてくれる感じだなぁ、と。もちろん繰り返してもう一度そこに戻ってくるんですけどね、聖響さんは楽譜に忠実な方なので。
「不滅のアレグレット」こと第2楽章も、思わずウルウル。でも前に弾いたことのある第2ヴァイオリンを冷静に追っかけている自分もいて、不思議な感じでした。この曲のラスト、前に弾いた時に「acro」(弓で弾いて)と楽譜では指示されているけれど、自分はここをピチカートで演奏する方がいいと思うから、ピチカートで……と指揮者に指示されたことがあるんですが。ベートーヴェンさんが楽譜に「弓で弾いてくれ」と書いているんだから、やっぱり弓で弾くべきよね。と思ってしまったのでありました。
第3楽章、楽譜では4分の3拍子だけどテンポが速すぎて1小節1拍振りなんだよなぁ、これって。と自分で弾いてみて気付いたのですが(苦笑) 速くなったり、遅くなったり。音量が小さくなったかと思うと、突然爆発するように大きくなったり。仕掛けがたくさんあって、ワクワクしてドキドキして。音楽のアトラクションを体感しているような感覚でした。
そして、第4楽章。
ずーっと16ビートを刻み、打楽器状態になっている第2ヴァイオリンさん(というか、この曲全体的に第2ヴァイオリンはリズムセクションなんですけど; 弾きながら「私ってヴァイオリン弾いてるんだっけ? それとも打楽器やってるんだっけ? てか、打楽器やってた経験はここで活きるのか!?」と思ったものですが;)に「頑張って!」と心の中でエールを贈りつつ(笑)
前日にも気づいたんですが、この第2ヴァイオリン。4小節ごとにやってくる区切りの部分でスラーになっているのですが、それを全部スラーにすると音が流れてしまって何をやってるかわからない、と言いますか、ヘタをすればグリッサンド状態で全部音がつながって聞こえるんですよね。が、聖響さんはインサイドの方とアウトサイドの方でボウイングを分けて、つまりアウトサイドの方は楽譜通りにスラーで演奏し、インサイドの方は音を1つずつ刻むことで、一つ一つの音を聞こえやすくする、という手法を取っておられました。
曲がラストに向かっていく前、音量が落ちて弦楽器のあちらこちらから「タララララララッ」とモグラ叩き状態で(←例え悪すぎっ;)聞こえる部分も、聖響さんが全部目や指で追っておられて(笑)
フィナーレの辺りでは、もうあのビート感と爆裂加減はたまりません。ていうか、前日よりテンポ速いやんっ!? たまらんスマッシュを連打で食らいまくって、完全ノックアウトでした。ただただ、目の前で展開される音楽に没頭して、音のビッグバンに飲み込まれてしまうような絶頂感がありました。
あのラストは本当にヤバいです。反則だっ!と思うくらい、本当にありえへんっ!!!な演奏に、感極まってしまい。終わった瞬間に思わず号泣でした。(てか、いっつも極まってるやろ?というツッコミはスルーです/笑)
金沢→大阪へハシゴして、同じプログラムを2日間聴くなんて、我ながらアホなことを…と思いましたが。2日とも、行って良かったです。
2日とも素晴らしい演奏を聴かせて下さった聖響さんとOEKの皆様に、心から感謝致します。
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オーケストラ・アンサンブル金沢 第262回定期公演マイスター・シリーズ
&
聖響×OEK ベートーヴェン・チクルス 第2回
オール・ベートーヴェン・プログラム
バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
交響曲第8番 ヘ長調 Op.93
(休憩)
交響曲第7番 イ長調 Op.92
(アンコール)
6つのメヌエットより メヌエット第2番 ト長調
指揮:金聖響
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
6月13日 石川県立音楽堂コンサートホール 15:00~
6月14日 ザ・シンフォニーホール 15:00~
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思えば、私が初めて聖響さんのコンサートを聴きに行ったのが、2005年の夏のこと。その時のプログラムがプロメテウス&8番+6番でアンコールが4番の第4楽章でした。今回のプログラムは前半がその時と同じでありました。
だから、というのも理由の一つなのですけれど。
7日に姫路でシエナさんとのツアー最終日を鑑賞してですね。アンコールまでガッツリ楽しませていただいて、すっかりテンションが上がってしまい。その上がったテンションとまともに動いていないであろう思考回路に、音楽の神様から啓示が降りました。
13日、金沢へ行きなさい。
その声に導かれるままに(?)、翌8日に県立音楽堂のチケットボックスに電話をかけ、チケットを確保。結果として金沢→大阪へ2日連続で聖響さんとOEKさんを追っかけ、ハシゴすることになったワケであります。
チケットを確保して、現地の方にあれこれお聞きして、宿と食事場所まで確保したのが9日のことですから。今回の金沢遠征は「呼ばれた」としか言いようのない形で実現しました。
で、実際に行ってみて、聴かせていただいて。
ああ、呼ばれたな。
と、いろいろな意味で思いました。
前置きがかなり長くなっておりますが、お許しを。
そんなワケで、十数年ぶりに金沢の地へ足を踏み入れました。二度目の訪問が、こんな形で実現することになるとは、当の私自身が思いもしなかったんですが(笑)
電車を降りて、駅を出て。聖響さんのポスターに導かれるままに歩いていけば、石川県立音楽堂に到着です。聖響さんのCDを聴くようになって、一度ホームグランドともいえるこのホールでOEKさんを聴いてみたい! どうせ聴くなら、聖響さんの指揮で!と数年来思い続けていたことが、こんな形で実現することになるとは、当の私自身g……(以下略;)
で、肝心のコンサートは、と言いますと……
今までにも、聖響さんの指揮でベートーヴェンを聴いて、ありえへんっ!と圧倒されたことは多々ありますが。
この2日間、連続して凄すぎてありえへんっ!なベートーヴェンを聴かせていただきました。
まずは13日。
念願でした、石川県立音楽堂でのOEKさんです。地元岡山や大阪のシンフォニーホールとは響きが違う、とお聞きしておりましたので、ワクワク♪しながら中に入りました。
この日は急きょ行くと決めて、直前にチケットを取ったもので。席が後ろの方or上の方しか空いてなくてですね。「少しでもステージに近い場所…となりますと、3階下手側のバルコニー席になります」と言われ「では、そこを」と確保したのですが。座って、気づきました。
この席。ステージ下手側は見えないけど、ピンポイントで指揮者とティンパニがよく見える……
私って、どこまで……(滝汗;)
と、また話が横道に逸れてますね、本題に移りましょう。
まずは冒頭の「プロメテウスの創造物」序曲。
バン!と鳴らされる、オーケストラのハ長調の和音。いつもはそのインパクトに引き込まれるのですが、この日はですね。ホールに響き渡る音の美しさに、たった1音で引き込まれました。本当に、全然響き方が違う!とB席で何を言うか、という感じなのですが(汗;)
聖響さんが「このホールで録音する時は、響きすぎるからテンポを落とす」とあちこちで何度も仰っていた理由がわかりました。確かに、とても豊かによく響くホールだな、と。
今回のプログラムは8番&7番、序曲も華やかでアップテンポで超ハイテンションなプログラムであるわけなのですが。その導入としてガッツリ心を掴まれた演奏でした。
続く交響曲第8番は、今回ライブ録音される曲です。
開演前に、音楽評論家で作家の響敏也さんの解説でメトロノームの拍が刻まれたり、郵便馬車のポストホルンの音が入っていたり、私小説にも似た曲で、作曲したベートーヴェン自身もこの曲を好んでいた、と言われていた曲です。
第1楽章から、歯切れ良いメロディと速めの3拍子が何とも心地よくてですね。大らかな感じがして、でも途中はとても激しくて。聴いていてとても楽しいのです♪
カチカチと刻まれるメトロノームを思わせる規則正しいリズムの上に、軽やかなメロディやピチカートが乗る第2楽章も、これまたとても心地よく♪
華やかなメヌエットがこれまた心地いい第3楽章にも、うっとり♪
快速テンポで軽やかな、でも所々ガーン、と落としてくれるのがスリリングな第4楽章にもワクワク♪
と、私もこの曲が大好きなので(この曲も、と言うべきなのですが;)、全体としてとても楽しかったのですけれど。
ライブ録音なのに、客席からの雑音が響いたり、拍手がフライング気味だったり。
オケの皆さんの表情も、どこか曇っておられて「やりきった!」という感じではなくて、ですね。ホールの端で上の方で聴いているというハンデを差し引いても、アンサンブルの乱れとかミスが聴こえたのも事実でして。とても素敵な演奏でしたけど、CDとして残すにはちょっと……?と思ってしまったのが正直なところでした。
休憩を挟んだ後は、ベト7こと交響曲第7番。最上の超ハイテンション交響曲です。
この曲が始まる前、聖響さんがマイクを持って少しお話されました。
今日、6月13日はOEKの創設者であり初代音楽監督だった指揮者、岩城宏之さんの命日であること。岩城さんも第8番の交響曲が大好きであったこと。そして、今日の演奏を岩城さんに捧げます、と。
そうして始まった第7番がですね。
どの楽章が、とか。
ここが、あそこが……とか、全部吹っ飛ぶと言いますか、どうでもよくなるといいますか。
「私、今何を見て、何を聴いたの!?」
と呆然とするほどに凄すぎて、あまりに凄すぎて、涙腺が決壊して泣けてしまったくらい凄かったんですよ。今までにも何度か7番をナマで聴きましたが。凄すぎて泣いたのは、今日が初めてでした。
もともと第4楽章の16ビートがノリノリでブッチギリ!な曲で。佐渡裕さんなど、指揮台の上で飛び跳ねておられたくらい、超ハイテンションな曲なわけなのですが。
今日の聖響さんってば、燕尾服で爆裂っ!
聖響さんの指揮は、翌14日に真正面からガッツリ見られるから、今日はティンパニ重視で……なんて思っておりましたら、とんでもない(苦笑)
このベト7をドラマのテーマ曲に掲げた「のだめ」風に言わせていただきますと、ついていくオケは「ムキーッ!」状態。指揮台にいる聖響さんからは、黒い羽根がブワッ!みたいな(笑)
とにかく凄すぎて、指揮者から目が離せないっ!!!(>_<)
状態でありました。
そして同時に思い出しました。
この光景、どこかで……
そう、アレです。大阪センチュリー交響楽団で、専任指揮者として最後の定期演奏会になったあの、2006年3月24日の定期演奏会。聖響さんは燕尾服で、あの時は「運命」&「田園」のプログラムで。後半の「運命」が全開で爆裂な振りっぷりで、指揮台にスポットライトが当たってるんじゃないかと思うほど、聖響さんから目が離せなくなった、あの時ですよ。
その再現を見ているような気分でした。
……13日の感想がえらい長くなりました。記事を分けろよ、というツッコミがきそうですが(苦笑)
そのまま行かせていただきます。
翌14日。
13日の演奏でも十分凄かったんですが、更にその上を行く演奏を聴かせていただきました。
まずは「プロメテウスの創造物」。
昨日の金沢での豊かな響きもステキでしたが、大阪で聴くとなんだか全体的にスッキリとした感じでした。やはり、響き方が違うんだな~、と思いました。
そして第8番。
前日は録音の緊張感とか、やはりいろいろ感じておられたのかな?と勝手ながら思ったのですが。聖響さんもオケの皆さんも、いい感じに力が抜けて、リラックスして楽しんでおられるようで。とても気持ちよくて心地よくて大らかで、だけど歯切れ良くて小気味よくてですね。
とぉっても気持ちのいい8番でありました♪
前日「?」と思った部分はもちろん、全て修正されておりました。第3楽章の、ホルン&クラリネット&チェロのアンサンブルもバッチリ♪ メヌエットが心地よすぎて、何度も何度も聴きたくなる、このまま終わるのがもったいないっ!と客席も思っていましたが、聖響さんやオケの皆さんも思っておられたのか。「1カッコ行くよ」「2カッコ行くね」という感じで何度も繰り返して、昨日より長かったような……(笑)
終演後、駅まで歩きながら友人と話していたんですけど。メヌエットって、普通はトリオが終わって元に戻ったら繰り返ししないものなんですよね。でも今日は繰り返した、ってことは。演奏してる側も、ノッてきたから、このまま終わるのがもったいないと思ったんだろうね、と。
第4楽章も、一歩間違えばただのせわしない音楽に聞こえてしまう、けれどそうはならず、かつオケも崩壊しない……といういつもながらギリギリで絶妙のテンポ設定で。昨日よりも気持ち速め?で展開しておりました。ラストの1オクターブでチューニングされた渡邉さんのティンパニソロも、バチッ!と決まっておりました♪
全ての楽章が心地よすぎて、聴き惚れてしまって。
これぞ8番っ!
と思うほど、素晴らしい8番を聴かせていただきました。
ぶっちゃけ、これをCDで残してほしい、と思ったのですが。。。
帰宅する時も、ずーっと頭の中を流れていて離れない。全身に、心に刻まれた交響曲という感じでありました♪
そして7番は……
あんなに凄すぎる7番が聴けるなんて。前日のアレを凌駕する、更に素晴らしい演奏が聴けるなんて。その違いを感じることができるという、本当に至福のひと時を味わわせていただきました。
1楽章からかなりヤバくてですね。雄大なポーコ・ソステヌートから、フルート&オーボエが「ターンタタッ ターンタタッ」とリズムを刻むヴィヴァーチェに入る所。リズムをクッキリ、ハッキリと浮き立たせて、これから始まるリズムの饗宴に導いてくれる感じだなぁ、と。もちろん繰り返してもう一度そこに戻ってくるんですけどね、聖響さんは楽譜に忠実な方なので。
「不滅のアレグレット」こと第2楽章も、思わずウルウル。でも前に弾いたことのある第2ヴァイオリンを冷静に追っかけている自分もいて、不思議な感じでした。この曲のラスト、前に弾いた時に「acro」(弓で弾いて)と楽譜では指示されているけれど、自分はここをピチカートで演奏する方がいいと思うから、ピチカートで……と指揮者に指示されたことがあるんですが。ベートーヴェンさんが楽譜に「弓で弾いてくれ」と書いているんだから、やっぱり弓で弾くべきよね。と思ってしまったのでありました。
第3楽章、楽譜では4分の3拍子だけどテンポが速すぎて1小節1拍振りなんだよなぁ、これって。と自分で弾いてみて気付いたのですが(苦笑) 速くなったり、遅くなったり。音量が小さくなったかと思うと、突然爆発するように大きくなったり。仕掛けがたくさんあって、ワクワクしてドキドキして。音楽のアトラクションを体感しているような感覚でした。
そして、第4楽章。
ずーっと16ビートを刻み、打楽器状態になっている第2ヴァイオリンさん(というか、この曲全体的に第2ヴァイオリンはリズムセクションなんですけど; 弾きながら「私ってヴァイオリン弾いてるんだっけ? それとも打楽器やってるんだっけ? てか、打楽器やってた経験はここで活きるのか!?」と思ったものですが;)に「頑張って!」と心の中でエールを贈りつつ(笑)
前日にも気づいたんですが、この第2ヴァイオリン。4小節ごとにやってくる区切りの部分でスラーになっているのですが、それを全部スラーにすると音が流れてしまって何をやってるかわからない、と言いますか、ヘタをすればグリッサンド状態で全部音がつながって聞こえるんですよね。が、聖響さんはインサイドの方とアウトサイドの方でボウイングを分けて、つまりアウトサイドの方は楽譜通りにスラーで演奏し、インサイドの方は音を1つずつ刻むことで、一つ一つの音を聞こえやすくする、という手法を取っておられました。
曲がラストに向かっていく前、音量が落ちて弦楽器のあちらこちらから「タララララララッ」とモグラ叩き状態で(←例え悪すぎっ;)聞こえる部分も、聖響さんが全部目や指で追っておられて(笑)
フィナーレの辺りでは、もうあのビート感と爆裂加減はたまりません。ていうか、前日よりテンポ速いやんっ!? たまらんスマッシュを連打で食らいまくって、完全ノックアウトでした。ただただ、目の前で展開される音楽に没頭して、音のビッグバンに飲み込まれてしまうような絶頂感がありました。
あのラストは本当にヤバいです。反則だっ!と思うくらい、本当にありえへんっ!!!な演奏に、感極まってしまい。終わった瞬間に思わず号泣でした。(てか、いっつも極まってるやろ?というツッコミはスルーです/笑)
金沢→大阪へハシゴして、同じプログラムを2日間聴くなんて、我ながらアホなことを…と思いましたが。2日とも、行って良かったです。
2日とも素晴らしい演奏を聴かせて下さった聖響さんとOEKの皆様に、心から感謝致します。
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2009/06/07 20:45:37
聖響さん×シエナさんが地元の近くに来る!ということで、福山まで公開リハ&本番と2日連続で出かけて行ったのが、昨年11月末のこと。
あれから半年。
再び聖響さん×シエナさんが地元の近くに来てくれました~!!!
というワケで、行ってきました。
シエナ・ウインド・オーケストラ姫路公演です。
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シエナ・ウインド・オーケストラ 姫路公演
<第1部>
G.ガーシュウィン作曲:キューバ序曲
藤代敏裕:マーチ「青空と太陽」(2009年度 第57回全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ)
諏訪雅彦:16世紀のシャンソンによる変奏曲(2009年度 第57回全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ)
J.マッキー作曲:レッドライン・タンゴ
<第2部>
~Takeshi Ito with Siena!!~
ピックアップ ピーセス
フォゴットン サガ
マーシー、マーシー、マーシー
T-SQUAREメドレー(オーメンズ・オブ・ラブ~宝島~トゥルース)
<第3部>
パリのアメリカ人:G.ガーシュウィン作曲
指揮:金聖響
サックス、EWI:伊東たけし
吹奏楽:シエナ・ウインド・オーケストラ
姫路市文化センター大ホール 14:00~
------------------------------------
この時期のシエナさんのツアーは、コンクールの課題曲がプログラムの中に入っているためなのか。客席は中学or高校の吹奏楽部の面々でほぼ埋まっておりました。私のような一般客の方が珍しかったんじゃないかしら?という(笑)
午前中に部活をやって、午後からシエナ公演……という学校も多かったんじゃないかと思います。ホールのロビーに楽器をまとめて置いている学校もあったようなので。
そんな今日の公演。
聖響さんは、黒いネクタイでスーツ、というお姿で登場されました。
冒頭に演奏されたのは、去年の聖響×シエナツアーでも演奏され、CDにも収録されている「キューバ序曲」です。
う~ん、やっぱりあのラテン系のリズムとか、途中で入ってくるティンパニとか、カッコいいのです~♪ 今日の演奏は、去年聴いた時よりも弾けていたような気がします。
曲の冒頭部分で、オーボエさんが微妙に音を外されてですね。
聖響さん:「(視線で)メッ」
オーボエさん:「……スンマセン」
みたいなやり取りがあったとか、なかったとか……(笑)
お次は、先月のNOW2009in大阪でも聴くことのできた、今年の課題曲。
全部で5曲あるうち、2曲どれか挙げなさい、と言われたら、曲の完成度とか演奏効果の高さとか、いろいろ考えて私ならこの2曲を挙げるだろうなぁ、と思っていた選曲になっておりました。
マーチ「青空と太陽」は、NOW2009でも2回聴いたのでかなり記憶に残っている曲だったのですが……
あの時に聴いた「青空と太陽」と、全く別物のように聴こえる演奏でした。もちろん、いい意味で、です。
冒頭のメロディはとても軽やかでちょっと音量控えめ。でも金管楽器とか人数が増えてくると、音量もアップして元気度が増すのですよ。あの軽やかでちょっとしなやかな感じのする、木管主体の部分が「青空」で。皆が参加して元気になる部分が「太陽」みたいな。そういう意味でも、本当に「青空と太陽」なんだわ、この曲って!と思った今日の聖さま×シエナさんでした。
そして、NOWで聴いた時に今年の課題曲5曲の中で一番好きだなぁ、と思った「16世紀のシャンソンによる変奏曲」
こちらも、こんな曲だったっけ?と思うくらい、抑揚がついていて表情が豊かで。鍵盤をコントラバスの弓で弾くというヴィブラフォンの特殊奏法も、楽器が最前列に置かれていたのでよく聞こえてきました。この曲、メロディやハーモニーが古い教会音楽という感じで、変奏で繰り返されていく中でいろんな工夫が凝らされていて、やっぱり好きだなぁ、と思いながらしみじみと聴かせていただきました。
というかね。
聖響さんとシエナさんがどの曲を選ぶのか、楽しみだったんですけど。
私だったらこの2曲はやるな、と思った2曲がドンピシャで当たったので、嬉しかったです♪
聖響さんが絡むと、私の勘は相当冴えるらしいですよ(笑)
第1部の最後は、初聴きだったんですけどめちゃめちゃカッコいい、これぞオトナの魅力満載っ!!!といった感じの「レッドライン・タンゴ」
マリンバやヴィブラフォンも交えて叩き出される打楽器のリズムがとても複雑に絡み合っていて、しかもそれが変拍子。それだけでもう、聴きながらワクワクしてしまうのですけれど、そこに絡んでくる他のパートのリズムとか、メロディがこれまたカッコ良くてですね。コンマス・新井さんの「哭きのSAX」とでも言いましょうか、グリッサンド満載で演奏されるメロディがまたカッコいい♪
全体として、1本のスパイ映画を見ているような気分でした。スピーディな部分は、ストイックに与えられたフクザツで難しい任務をこなしている感じで。サックスや他の楽器で奏でられる、グリッサンドを随所に効かせたメロディは任務の合間にぐでぐでに酔っぱらって、ベロベロになっているような……という(笑)
この曲は変拍子でリズムが複雑に絡み合っていることもあって、合わせるべきところできっちりカッチリ合わせられるように、と振っておられるような聖響さんが印象的でした。
第2部は、スペシャル・ゲストの伊東たけしさんを迎えてのステージです。ステージにはPAがセッティングされて、伊東さんのサックスやソロで吹く方の音をマイクで拾う、という形になっておりました。
1曲目の「ピックアップ ピーセス」は、ノリのいい曲。ホントは最初から手拍子したかったんですけど、客席はシーンとしていてですね。うう、なんかやりづらいぞ……
と思っておりましたら、途中で団員さんがソロに立たれてステージ前方のマイクで吹いてくれまして。その後で短く拍手するついでに、伊東さんがそれとなく先導して下さったので、遠慮なく手拍子を開始。しましたら、結構ついてくる方が出てきましてですね。1曲目からノリノリでした♪
2曲目は、しっとりとしたバラード。伊東さんと新井さんのサックス協演がとても美しくてですね、うっとりと聴き入ってしまいました。今日座っていた席が、ちょうど伊東さんの正面だったこともありまして。情熱的に歌い上げる伊東さんのカッコイイお姿を満喫致しました♪
3曲目は、またノリのいい1曲。なんだけど、このノリは中学生や高校生のお子様には難しかったかしら?なんて思ってしまったお姉さんでありました(笑)
3曲を終えたところで、聖響さんと伊東さんがマイクを持って、トークコーナーが始まりました。
聖響さんと伊東さんは、7~8年前にも一度共演したことがあって、それ以来のお付き合いなのだとか。来年はシエナさんも創設20周年を迎えるということで、その時もまたぜひ、伊東さんとシエナさんと聖響さんで何かやりたいよね~、というお話になっておりました。
そして、聖響さんのブログでもこのツアーをかなり楽しんでいる様子が綴られておりましたが。聖響さんがツアーで8公演もあちこちを回って同じプログラムを演奏するのは、これが初めてなのだそうです。通常、クラシックの演奏会では公演は1回で終わりのことも多く。聖響さんご自身も、5公演が最高だったのだそうです(多分、去年のシエナツアーだと思うのですが……)
聖響さん:「8回もやったら飽きるやろうな、と思ったんですけどね。全然そんなことなくて」
各ホールによって音響が違うし、今回はPAを使うこともあって、毎回かなり念入りに響きのチェックをしたそうなのです。聖響さんも、ステージと客席を行ったり来たりしながら、響き方を聴いておられたようで。
聖響さん:「毎回、新しい発見があった」
と仰ってました。そんなツアーも今日の姫路が最後かと思うと、寂しくて……とむせび泣く真似をされるのが、とても微笑ましかったりして(笑)
またトークの中で、伊東さんが最近CDをリリースされた、という告知がされました。負けじと、「僕たちも伊東さんと同じ日にCDを出したんですよ」と宣伝する聖響さん(笑) でも、発売日は覚えてなくて、コンマスの新井さんから5月27日に出ました、と教えてもらうという(笑)
ホールのロビーの販売コーナーで、私もそれを入手したのですけれどね。
聖響さん:「ロビーにもあると思うんで。ってありました?」
私:「ありました!」
聖響さん:「あっただけで、買ってはいないと……」
私:「買いましたっ!!」
客席に尋ねられると、反応せずにはいられないファンの哀しい性でありました(苦笑)
てか、聖響さんとシエナさんのCDですよ? 買わないわけがないじゃないですかっ!と言いそうになったんですけどね、ホントは(笑)
そして、伊東さんがこれから演奏する楽器EWIについての説明がありました。シンセサイザーが内蔵されているこの楽器。マウスピースを噛むとヴィブラートがかかったり、後ろのスイッチでグリッサンドを調整したり、息の吹き込み方や勢いで音色が変わったり……と面白い楽器でした。そして、音域が低いところから高いところまで、相当広いんですよね。
そんな楽器の解説があって、T-SQUAREメドレーに突入。これまた、冒頭からノリノリなのです♪
1曲目が終わって、2曲目の「宝島」に突入した時にですね。気付いたのですよ。この曲、私はかなり詳細に思い出すことができる、と。
「高校時代にやったよね!?」
思わず、隣にいた友人に確認してしまいました(苦笑)
確か文化祭で演奏しましたよ、この曲!
そうか、あの「宝島」かっ! うっわー、懐かしい~~♪
と思ったのでありました。
メドレーの最後は、F1の番組で皆さん聴いたことがあるであろう、T-SQUAREの代表曲「トゥルース」です。この曲も演りましたよ~。吹奏楽ではなく、高校の時に音楽の授業で組んだバンドで。合同クラスを組んでいた別のクラスの友人にスカウトされて、ドラム叩きましたよ~♪
皆の前でご披露する本番の時、右足で蹴っていたバスドラムがどんどん遠くなって。いざソロ!となった時にタムが遠くなっていて叩きづらかった、という苦い思い出もありますが(笑)
そんなあれやこれを思い出しつつですね。
伊東さんご本人の演奏で、シエナさんで、聖響さんの指揮で聴くことができたこと、本当に幸せでした♪
第3部は、数日前の公演で聖響さんが楽屋の入口に「ぱりあめ はじけてや~」とお書きになったという「パリのアメリカ人」(笑)
この曲、昨年のコープランド&ガーシュウィンプログラムには入っていなくて。でも大好きで、聴きたい曲の一つだったので、嬉しい選曲でありました♪ しかも、今日のプラグラム。ガーシュウィンで始まって、ガーシュウィンで終わる、という(笑)
シエナのパリアメは弾けます、ということだったのですが、はてさて……
と思っておりましたら。
ホントに弾けてましたっ!!
かなり弾けてましたよ~♪
聖響さんの指揮も、ラストに向けてどんどん大きくなっていくし。皆さん爆っ!!!でした。もともと大好きな曲ではありますが、聴いていてメチャメチャ気持ちのいい「パリアメ」でありました。
アンコールでは再び伊東さんがサックスを手に登場されました。
そして1曲演奏されて、シエナさんでは毎回恒例の「星条旗よ永遠なれ」全員演奏です。
聖響さん:「楽器持ってきた人~?」
問いかけられて、「は~い!」と手を挙げる良い子な私(←コラコラ;)
今回は久方ぶりに聖響さんの指揮に合わせて叩きたいっ!!!
と思っておりましたので、小さなタンバリンを持ってステージへ。上がりましたらですね。
「もっといい音するのがありますから、こちらをどうぞ♪」
と枠のみのタンバリンを貸していただけたのですよっ!!!(感涙)
なので、実際にシエナの団員さんが使っておられた楽器をお借りして、「星条旗」に参加しました。
もちろん、聖響さんの指揮にガッツリ食らいつくワタクシ♪
スネアだけでも4~5人いる、という大迫力な「星条旗」でした。
コーダの部分は聖響さんにメチャメチャ煽られましたが、それもまた気持ちよくてですね。楽しすぎました、今日の「星条旗」♪
いろんな意味で、完全燃焼した聖響さん×シエナさん+伊東さんの姫路公演でありました♪
今日もまた、素晴らしい演奏を聴かせて下さった聖響さんに。
目の前でカッコいい演奏を満喫させて下さった伊東さんに。
素晴らしい演奏を聞かせて下さっただけでなく、「星条旗」でも温かいお心づかいをいただいたシエナの皆様に。
心より、感謝致します。
あれから半年。
再び聖響さん×シエナさんが地元の近くに来てくれました~!!!
というワケで、行ってきました。
シエナ・ウインド・オーケストラ姫路公演です。
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シエナ・ウインド・オーケストラ 姫路公演
<第1部>
G.ガーシュウィン作曲:キューバ序曲
藤代敏裕:マーチ「青空と太陽」(2009年度 第57回全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ)
諏訪雅彦:16世紀のシャンソンによる変奏曲(2009年度 第57回全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ)
J.マッキー作曲:レッドライン・タンゴ
<第2部>
~Takeshi Ito with Siena!!~
ピックアップ ピーセス
フォゴットン サガ
マーシー、マーシー、マーシー
T-SQUAREメドレー(オーメンズ・オブ・ラブ~宝島~トゥルース)
<第3部>
パリのアメリカ人:G.ガーシュウィン作曲
指揮:金聖響
サックス、EWI:伊東たけし
吹奏楽:シエナ・ウインド・オーケストラ
姫路市文化センター大ホール 14:00~
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この時期のシエナさんのツアーは、コンクールの課題曲がプログラムの中に入っているためなのか。客席は中学or高校の吹奏楽部の面々でほぼ埋まっておりました。私のような一般客の方が珍しかったんじゃないかしら?という(笑)
午前中に部活をやって、午後からシエナ公演……という学校も多かったんじゃないかと思います。ホールのロビーに楽器をまとめて置いている学校もあったようなので。
そんな今日の公演。
聖響さんは、黒いネクタイでスーツ、というお姿で登場されました。
冒頭に演奏されたのは、去年の聖響×シエナツアーでも演奏され、CDにも収録されている「キューバ序曲」です。
う~ん、やっぱりあのラテン系のリズムとか、途中で入ってくるティンパニとか、カッコいいのです~♪ 今日の演奏は、去年聴いた時よりも弾けていたような気がします。
曲の冒頭部分で、オーボエさんが微妙に音を外されてですね。
聖響さん:「(視線で)メッ」
オーボエさん:「……スンマセン」
みたいなやり取りがあったとか、なかったとか……(笑)
お次は、先月のNOW2009in大阪でも聴くことのできた、今年の課題曲。
全部で5曲あるうち、2曲どれか挙げなさい、と言われたら、曲の完成度とか演奏効果の高さとか、いろいろ考えて私ならこの2曲を挙げるだろうなぁ、と思っていた選曲になっておりました。
マーチ「青空と太陽」は、NOW2009でも2回聴いたのでかなり記憶に残っている曲だったのですが……
あの時に聴いた「青空と太陽」と、全く別物のように聴こえる演奏でした。もちろん、いい意味で、です。
冒頭のメロディはとても軽やかでちょっと音量控えめ。でも金管楽器とか人数が増えてくると、音量もアップして元気度が増すのですよ。あの軽やかでちょっとしなやかな感じのする、木管主体の部分が「青空」で。皆が参加して元気になる部分が「太陽」みたいな。そういう意味でも、本当に「青空と太陽」なんだわ、この曲って!と思った今日の聖さま×シエナさんでした。
そして、NOWで聴いた時に今年の課題曲5曲の中で一番好きだなぁ、と思った「16世紀のシャンソンによる変奏曲」
こちらも、こんな曲だったっけ?と思うくらい、抑揚がついていて表情が豊かで。鍵盤をコントラバスの弓で弾くというヴィブラフォンの特殊奏法も、楽器が最前列に置かれていたのでよく聞こえてきました。この曲、メロディやハーモニーが古い教会音楽という感じで、変奏で繰り返されていく中でいろんな工夫が凝らされていて、やっぱり好きだなぁ、と思いながらしみじみと聴かせていただきました。
というかね。
聖響さんとシエナさんがどの曲を選ぶのか、楽しみだったんですけど。
私だったらこの2曲はやるな、と思った2曲がドンピシャで当たったので、嬉しかったです♪
聖響さんが絡むと、私の勘は相当冴えるらしいですよ(笑)
第1部の最後は、初聴きだったんですけどめちゃめちゃカッコいい、これぞオトナの魅力満載っ!!!といった感じの「レッドライン・タンゴ」
マリンバやヴィブラフォンも交えて叩き出される打楽器のリズムがとても複雑に絡み合っていて、しかもそれが変拍子。それだけでもう、聴きながらワクワクしてしまうのですけれど、そこに絡んでくる他のパートのリズムとか、メロディがこれまたカッコ良くてですね。コンマス・新井さんの「哭きのSAX」とでも言いましょうか、グリッサンド満載で演奏されるメロディがまたカッコいい♪
全体として、1本のスパイ映画を見ているような気分でした。スピーディな部分は、ストイックに与えられたフクザツで難しい任務をこなしている感じで。サックスや他の楽器で奏でられる、グリッサンドを随所に効かせたメロディは任務の合間にぐでぐでに酔っぱらって、ベロベロになっているような……という(笑)
この曲は変拍子でリズムが複雑に絡み合っていることもあって、合わせるべきところできっちりカッチリ合わせられるように、と振っておられるような聖響さんが印象的でした。
第2部は、スペシャル・ゲストの伊東たけしさんを迎えてのステージです。ステージにはPAがセッティングされて、伊東さんのサックスやソロで吹く方の音をマイクで拾う、という形になっておりました。
1曲目の「ピックアップ ピーセス」は、ノリのいい曲。ホントは最初から手拍子したかったんですけど、客席はシーンとしていてですね。うう、なんかやりづらいぞ……
と思っておりましたら、途中で団員さんがソロに立たれてステージ前方のマイクで吹いてくれまして。その後で短く拍手するついでに、伊東さんがそれとなく先導して下さったので、遠慮なく手拍子を開始。しましたら、結構ついてくる方が出てきましてですね。1曲目からノリノリでした♪
2曲目は、しっとりとしたバラード。伊東さんと新井さんのサックス協演がとても美しくてですね、うっとりと聴き入ってしまいました。今日座っていた席が、ちょうど伊東さんの正面だったこともありまして。情熱的に歌い上げる伊東さんのカッコイイお姿を満喫致しました♪
3曲目は、またノリのいい1曲。なんだけど、このノリは中学生や高校生のお子様には難しかったかしら?なんて思ってしまったお姉さんでありました(笑)
3曲を終えたところで、聖響さんと伊東さんがマイクを持って、トークコーナーが始まりました。
聖響さんと伊東さんは、7~8年前にも一度共演したことがあって、それ以来のお付き合いなのだとか。来年はシエナさんも創設20周年を迎えるということで、その時もまたぜひ、伊東さんとシエナさんと聖響さんで何かやりたいよね~、というお話になっておりました。
そして、聖響さんのブログでもこのツアーをかなり楽しんでいる様子が綴られておりましたが。聖響さんがツアーで8公演もあちこちを回って同じプログラムを演奏するのは、これが初めてなのだそうです。通常、クラシックの演奏会では公演は1回で終わりのことも多く。聖響さんご自身も、5公演が最高だったのだそうです(多分、去年のシエナツアーだと思うのですが……)
聖響さん:「8回もやったら飽きるやろうな、と思ったんですけどね。全然そんなことなくて」
各ホールによって音響が違うし、今回はPAを使うこともあって、毎回かなり念入りに響きのチェックをしたそうなのです。聖響さんも、ステージと客席を行ったり来たりしながら、響き方を聴いておられたようで。
聖響さん:「毎回、新しい発見があった」
と仰ってました。そんなツアーも今日の姫路が最後かと思うと、寂しくて……とむせび泣く真似をされるのが、とても微笑ましかったりして(笑)
またトークの中で、伊東さんが最近CDをリリースされた、という告知がされました。負けじと、「僕たちも伊東さんと同じ日にCDを出したんですよ」と宣伝する聖響さん(笑) でも、発売日は覚えてなくて、コンマスの新井さんから5月27日に出ました、と教えてもらうという(笑)
ホールのロビーの販売コーナーで、私もそれを入手したのですけれどね。
聖響さん:「ロビーにもあると思うんで。ってありました?」
私:「ありました!」
聖響さん:「あっただけで、買ってはいないと……」
私:「買いましたっ!!」
客席に尋ねられると、反応せずにはいられないファンの哀しい性でありました(苦笑)
てか、聖響さんとシエナさんのCDですよ? 買わないわけがないじゃないですかっ!と言いそうになったんですけどね、ホントは(笑)
そして、伊東さんがこれから演奏する楽器EWIについての説明がありました。シンセサイザーが内蔵されているこの楽器。マウスピースを噛むとヴィブラートがかかったり、後ろのスイッチでグリッサンドを調整したり、息の吹き込み方や勢いで音色が変わったり……と面白い楽器でした。そして、音域が低いところから高いところまで、相当広いんですよね。
そんな楽器の解説があって、T-SQUAREメドレーに突入。これまた、冒頭からノリノリなのです♪
1曲目が終わって、2曲目の「宝島」に突入した時にですね。気付いたのですよ。この曲、私はかなり詳細に思い出すことができる、と。
「高校時代にやったよね!?」
思わず、隣にいた友人に確認してしまいました(苦笑)
確か文化祭で演奏しましたよ、この曲!
そうか、あの「宝島」かっ! うっわー、懐かしい~~♪
と思ったのでありました。
メドレーの最後は、F1の番組で皆さん聴いたことがあるであろう、T-SQUAREの代表曲「トゥルース」です。この曲も演りましたよ~。吹奏楽ではなく、高校の時に音楽の授業で組んだバンドで。合同クラスを組んでいた別のクラスの友人にスカウトされて、ドラム叩きましたよ~♪
皆の前でご披露する本番の時、右足で蹴っていたバスドラムがどんどん遠くなって。いざソロ!となった時にタムが遠くなっていて叩きづらかった、という苦い思い出もありますが(笑)
そんなあれやこれを思い出しつつですね。
伊東さんご本人の演奏で、シエナさんで、聖響さんの指揮で聴くことができたこと、本当に幸せでした♪
第3部は、数日前の公演で聖響さんが楽屋の入口に「ぱりあめ はじけてや~」とお書きになったという「パリのアメリカ人」(笑)
この曲、昨年のコープランド&ガーシュウィンプログラムには入っていなくて。でも大好きで、聴きたい曲の一つだったので、嬉しい選曲でありました♪ しかも、今日のプラグラム。ガーシュウィンで始まって、ガーシュウィンで終わる、という(笑)
シエナのパリアメは弾けます、ということだったのですが、はてさて……
と思っておりましたら。
ホントに弾けてましたっ!!
かなり弾けてましたよ~♪
聖響さんの指揮も、ラストに向けてどんどん大きくなっていくし。皆さん爆っ!!!でした。もともと大好きな曲ではありますが、聴いていてメチャメチャ気持ちのいい「パリアメ」でありました。
アンコールでは再び伊東さんがサックスを手に登場されました。
そして1曲演奏されて、シエナさんでは毎回恒例の「星条旗よ永遠なれ」全員演奏です。
聖響さん:「楽器持ってきた人~?」
問いかけられて、「は~い!」と手を挙げる良い子な私(←コラコラ;)
今回は久方ぶりに聖響さんの指揮に合わせて叩きたいっ!!!
と思っておりましたので、小さなタンバリンを持ってステージへ。上がりましたらですね。
「もっといい音するのがありますから、こちらをどうぞ♪」
と枠のみのタンバリンを貸していただけたのですよっ!!!(感涙)
なので、実際にシエナの団員さんが使っておられた楽器をお借りして、「星条旗」に参加しました。
もちろん、聖響さんの指揮にガッツリ食らいつくワタクシ♪
スネアだけでも4~5人いる、という大迫力な「星条旗」でした。
コーダの部分は聖響さんにメチャメチャ煽られましたが、それもまた気持ちよくてですね。楽しすぎました、今日の「星条旗」♪
いろんな意味で、完全燃焼した聖響さん×シエナさん+伊東さんの姫路公演でありました♪
今日もまた、素晴らしい演奏を聴かせて下さった聖響さんに。
目の前でカッコいい演奏を満喫させて下さった伊東さんに。
素晴らしい演奏を聞かせて下さっただけでなく、「星条旗」でも温かいお心づかいをいただいたシエナの皆様に。
心より、感謝致します。
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