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 今日のN響アワーは、朝比奈隆さんでした。
 朝比奈隆さんと言えば、大阪フィルを作り上げた指揮者さんでもあり、私にとっては倉敷音楽祭が始まってからずっと、ベートーヴェン&モーツァルトという組み合わせのコンサートを毎年振りに来て下さった指揮者さん、ということで印象深い方です。

 で、朝比奈さんと言えば、彼の元で大フィルで研究生をやっておられた下野竜也さん。
 ということで、ゲストは下野さんでした♪

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ベートーヴェン作曲:交響曲 第5番 ハ短調 作品67 から 第1楽章
ベートーヴェン作曲:交響曲 第4番 第4楽章 から 一部分
ブルックナー作曲:交響曲 第8番 第3楽章 から 一部分
ブルックナー作曲:交響曲 第4番「ロマンチック」 から

管弦楽 : NHK交響楽団
指揮 : 朝比奈 隆
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 最初に流れたのは、ベートーヴェン作曲の交響曲第5番の第1楽章。
 うわっ、遅っ! 重っ! 長っ!
 という5番を、久方ぶりに聴きました。
 だけど、とてもはっきりとしていて、楽譜に書かれていた音符が目に浮かぶような演奏でした。

 思えば、もう何年前になるでしょう。倉敷音楽祭で朝比奈さんがこの曲を振って下さったのは。
 今までいろいろなコンサートを聴いた中で、神が降臨したと感じた演奏が2回あるんですが。
 そのうちの1回が、朝比奈さんが倉敷音楽祭で演奏したこの第5番でした。あの時も、第1楽章から重厚な演奏で。だからこそ、第4楽章の解放感がたまらなくて。
 ド・ミ・ソー・ファ・ミ・レ・ド・レ・ドー♪
 と高らかに鳴った瞬間に、神が降臨したと感じたものです。

 なんて思い出話は置いておいて。
 朝比奈さんです。
 下野さんも仰ってましたが、確かにテンポは遅い、と。
 でも楽譜に書かれている音符を確実に、はっきりと言葉を最後までしゃべるように演奏する方だったのですね。
 その後に流れた第4番の第4楽章も、かなり速いテンポの曲のはずなんですが……ゆっくりと確実に、はっきりと……といった演奏のように聞こえました。

 下野さんが語られる、朝比奈さんのエピソードも興味深いものがありました。
 彼が指揮者としてデビューする時に朝比奈さんに指導してもらったそうで。その時に言われたのが
「無駄な動きが多い」
 (笑)
 下野さんにも、そういう時期があったのですね(^^)
 そういえば、聖響さんも「もっと自信もって振りなさい」なんて言われたとか、言われなかったとか。チラリと小耳に挟んだことがあります(笑)
 まぁ、今は堂々と指揮台に立っておられる指揮者さんでも、皆さん初々しい時期がおありだったのですから、そういうこともあったのでしょう(^^)

 そして、朝比奈さんのお人柄を最もよく反映しているな、と思ったのが。
 下野さんが大フィル・デビューを飾った時の(と仰っていたと思います)コンサートの時のことでした。
 そのコンサート、前半が新人である下野さんの指揮で、後半=メインは朝比奈さんが指揮するブルックナーだったそうなのです。で、その告知ポスターを見ると……朝比奈さんと下野さんの写真が、隣同士に同じ大きさで印刷されていました。
 普通ならば、朝比奈さんの写真は大きく、新人で前座的な存在である下野さんの写真は小さく印刷されるはずなのですが。朝比奈さんは
「同じステージに上がるのだから、同じ大きさで…」
 と仰ったのだそうです。
 新人であっても、ベテランであっても、指揮者として同じステージに上がるのだから、対等だ。
 というお考えだったのだろう、と下野さんはお話しされていましたが。
 温かいお人柄が偲ばれるエピソードだな、と思いました。

 番組の最後に流れたのは、N響さんとの最後の共演になったブルックナーでした。
 ブルックナーさんということで、オケの編成も大所帯で。朝比奈さんの指揮も、N響さんも、堂々とした演奏だなぁ、と思いながら聴いておりました。

 93歳で亡くなられる2か月前まで、指揮台に上がっておられたという朝比奈さん。
 今現在、30~40代で「大好き♪」という指揮者さんが何人かいらっしゃいますけど。
 皆さん、朝比奈さんのように長生きしていただいて、ギリギリまで指揮するお姿を拝見したいものであります。
 ……てことは、自分もそれまで長生きして、追っかけし続けなければならないんですけど(笑)

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 今日は聖響さんの「音楽至上主義」第2回を聴いてきました。
 4月に始まった今年のシリーズ。ブログでも気合いが入っている、と書いておられたのでどうだろう?と期待してホールに向いました♪

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聖響/音楽至上主義 第2回 ドイツ~ロマン派に架ける橋~

ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番 op.72b
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調「皇帝」 op.73
 ピアノ独奏:フレディ・ケンプ

(休憩)

シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」 op.97

指揮:金聖響
管弦楽:大阪センチュリー交響楽団

ザ・シンフォニーホール 15:00~
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 5月下旬~6月1日にかけてシエナさんとツアーに出ていた聖響さん。風邪を引かれた、とチラリと小耳に挟んだもので、体調は大丈夫でしょうか?と心配していたのですが……
 今日は冒頭の「レオノーレ」から飛ばしておられました(^^)
 出だしから、何が起こるんだろう!?とドキドキするような展開です。
 フルートとファゴットが一緒に鳴ると、不思議な波長と言いますか、絶妙な周波数と言いますか。いい具合に溶け合って、響いてくるんだなぁ。なんてことを今更のように感じました。
 そしてフルートのピエルーさん。
 第1回目でも、冒頭の「牧神の午後への前奏曲」から聴かせ所満載でしたが、今日も最初の曲からいきなり超絶技巧と言いますか、「うわ、聴いてるだけでも大変そう(>_<;)」なソロが……
 妙なる響きは、今回も素晴らしかったです♪
 曲の途中、遠くから聞こえてくるファンファーレのように、舞台の袖からトランペットが聞こえてくる部分があるんですけど。ちょうど私が座っている、ステージ上手側からその音が聞こえて参りました。
 前回に引き続き、音の聞こえてくる側の席に座っている、というこの巡り合わせの良さ(笑)
 曲のラスト部分、華々しいフィナーレを迎える部分は……やはり、相変わらず容赦ないテンポ(笑)
 そう来るのではないか、と思っておりましたらやっぱり!という感じでした。今日はコンマスがゲストコンマスさんだったのですが、聖響さんの指揮にガッツリ食いついておられました(^^)

 えー、今日の聖響さんは詰襟の学ランスーツだったのですけれどね。
 胸ポケットには、いつものように白いチーフが入っていたんですけどね。
 ……曲を振っている間に、チーフが見えなくなってました(笑)
 最初の曲からお声も聞こえて参りまして。
 ブログに書いておられたとおり、最初から気合い十分!という感じにお見受けしました。

 続きましては、2週間前に続いて今日も聴くことになりました、ピアノ協奏曲「皇帝」です。2週間前とは指揮者もオケも違いますし、ソリストさんも違いますし。曲へのアプローチの仕方も全く違うはずなので、別物なんだろうなぁ、と思いながらステージセッティングが終わるのを待っておりました。

 今日のソリスト、フレディ・ケンプさんが登場なさって。
 聖響さんも指揮台に上がって、始まった「皇帝」は……
 やはり、2週間前とはまるで違う曲のように聞こえました。
 まず、冒頭のピアノ独奏によるカデンツァ。微妙なテンポの揺れがあって、溜めもあって、叩きつけるような激しさもあるんですけど、まるでピアノと戯れているようにも聞こえて。演奏者が違うと、こうも違って聞こえるものか、と瞠目しました。
 そして、オーケストラ。聖響さんのことですから、きっとアーティキュレーションはハッキリしているんだろうなぁ、と始まる前に想像していたのですが、ピタリと当たってました(^^)b スタッカートはハッキリと、スラーはしなやかに、トリルは鋭く……といった具合に、クッキリハッキリとメロディが聞こえてくる感じでした。
 また、第1楽章の第2主題。ピアノの優雅なメロディが何ともいえず美しいあの部分、しっかりと聴かせようと意図してのことなのか、そこだけテンポを落としてしなやかで優美なメロディを響かせておいて、次に向けてテンポアップ!という演出がなされていました。

 第2楽章は、2週間前に書いた感想でも「美しい」と感じましたが。今日の美しさは、また格別でした。
 COOさんの、ヴィブラートを抑えて奏でられる弦が、スーッと綺麗に抜けてくるように聞こえるんですよ。梅雨入りしてジメジメと湿気の多い季節ですのに、からっとしていて爽やかな響きなのです。
 また、聖響さんの指揮も、決して大振りではないんですよね、この楽章は。むしろ淡々としているというか、ちょっとした仕草とか、小さく動かす指揮棒とか、動きの少ない指揮なのです。その指揮から、どうしてこんな美しい響きが聞こえてくるのか、と不思議に思ってしまうという(笑)
 聖響さんのわずかな指揮で、えもいわれぬ美しい音がホールに響くひと時に、酔わせていただきました。

 そんな第2楽章から、「来る? そろそろ来る? もう来る? キターーーッ!!!」と入っていく第3楽章。その研ぎ澄まされた緊張感を破る、客席からの大きな咳……(血涙)
 思わず「無粋なヤツめ!」と心の中で舌打ちしちゃいました(汗;)
 せめて口元を押さえてほしかったです(T_T)
 でもこの第3楽章、本当に楽しかった♪
 ケンプさんとも頻繁にアイコンタクトを取りつつ、お互いに合わせていく感じがまさに「協奏曲」という感じでした。

 この「皇帝」では、聖響さんの胸のチーフがまた見え隠れしてましたっけ(笑)
 第1楽章を振っている間にチーフが見えなくなっていって、第2楽章に入る前に一度直しておられたんですけど、結局また見えなくなっていくという(笑)
 「俺と目を合わせて!」とか「ちゃんと音を聴き合って!」なんて指示をする場面があったと思えば、決めたい部分がバシッと決まってニヤリ、と笑顔を見せるなんて場面もありまして。
 いつもそうですが、今日も指揮に正対&釘付けでした(汗;)


 第2楽章でかなりウルウルきてしまった「皇帝」が終わりまして、休憩を挟んだ後半はシューマンさんです。
 「皇帝」に続いて変ホ長調続き。
 また、前半は作品番号が72番と73番で続き番号になっている、というこのこだわりはまさに「音楽至上主義」ならでは!という感じなんですけど(笑)
 この交響曲「ライン」って聞いたことあったっけ?
 と思っていたのですが、第1楽章の冒頭を聴いて、「聞いたことあるじゃん!」と思いました。
 ライン河を実際目にしたことはないですが、堂々とした豊かな流れを思わせるような華々しさだなぁ、と感じました。「生き生きと」とプログラムには書かれているのですが、初夏の爽やかな風が吹き抜ける中で、川辺でピクニックでもしているかのような心地よい響きでした(^^)
 第2楽章はスケルツォ。子犬が駆け回っている中で、鼻歌でも歌っているような感じだなぁ、と思ったのはこの楽章だったのか、それとも第3楽章だったのか……。記憶が怪しいです(汗;)
 第3楽章は、持丸さんのクラリネットがとても美しかった! 口の中に入れたらふわりと溶けるお菓子のようなまろやかな音色に、思わずうっとりでした♪
 第4楽章は、一転して荘厳な雰囲気を醸し出す曲。聖響さんの指揮も、前の3つの楽章とは違って研ぎ澄まされていて、オケの音もそれに同調していくように感じました。自然の厳しさを思わせるような、人の力では太刀打ちできない圧倒的な存在が音で表現されていて。それを畏れ、頭を垂れるような感覚で聴いていました。聴きながら、涙でステージが霞んでしまったのですが(苦笑)
 第5楽章は、生命力溢れる明るい曲で、聴いていてとても気持ち良かったです。
 実は曲を聴いている時は全くプログラムを見ていなかったのですけれど。帰りに改めてプログラムを読んでみて、各楽章につけられた速度表示を見て、自分がその通りの印象を受け取っていたことにちょっと驚きました。聖響さんとCOOさんが、各楽章を的確に表現していたことに他ならないんだと思うんですけど(^_^;)
 この交響曲。
 全体として、優雅な感じもするし、力強さもあるし、華やかさもあるし、最後は希望に充ち溢れて終わっているし。
 聴いていてとても心地よくて、その心地よさにただ身を委ねていたように思います。
 あ、ちなみに。
 後半の交響曲では、聖響さんの胸のチーフは中で固定されていたのか。最初から最後まで、ずーっとちゃんと顔を出してました(←って、どこチェックしてんねん、自分ーっ!?)

 今日もまた、素晴らしい演奏を聴かせて下さった金聖響さんと、大阪センチュリー交響楽団の皆様と、ステキなソリスト・ケンプさんに。
 心から感謝申し上げます(^^)

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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