Sun
12/09
2007
ベートーヴェン“第九”演奏会

12月になると、日本各地でこの曲が演奏されるのが風物詩となっている。
なんて、某指揮者さんが先日発売された著書で語っておられましたが(笑)
例に漏れず、今日は市民合唱団も加わっての“第九”演奏会を聴いてきました。
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第45回岡山市芸術祭
ベートーヴェン“第九”演奏会
ベートーヴェン作曲
交響曲第9番 二短調 作品125(合唱付)
第1楽章 Allegro ma non troppo. un poco maestoso
第2楽章 Molto vivace
第3楽章 Adagio molto e cantabile
第4楽章 Presto
指揮:宮本文昭
合唱指揮:岩城拓也
ソプラノ:横山恵子
アルト:脇本恵子
テノール:田中誠
バリトン:萩原潤
管弦楽:岡山フィルハーモニック管弦楽団
合唱:岡山シンフォニーホール第九合唱団
岡山シンフォニーホール 16:00〜
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今日は“第九”演奏会、ということで、プログラムは“第九”一本勝負です。
この日のために一般公募された合唱団による合唱、ということもありまして、身内の方がチケットを買われたのでしょう。前売りは完売、という状態でした。
今日の指揮者は、3月にオーボエ奏者を引退して指揮などで活動しておられる宮本文昭さん。ちょうど1月に引退コンサートの一環で倉敷に来られた時に、今日のコンサートのことを依頼されて引き受けたのだとか。
年明けの1月にはオーボエ奏者としての宮本さんを拝見し、年末の12月には指揮者としての宮本さんを拝見する、という貴重な体験をさせていただきました(^^)
今日のオケは岡フィルです。
岡フィルで、第九というプログラムで、指揮が宮本さん。
位置づけとしては定演クラスよね?
ということは、当然……♪
と期待していきましたとおり、ゲスト・コンマスは長原幸太さん♪
ティンパニも、渡邉昭夫さんでした♪ 渡邉さんのティンパニは、先週の聖響×OEK ブラームス・チクルスin大阪では聞けませんでしたので(涙) 楽しみにしていたのです(^^)
そのお二人がステージにいらっしゃる、ということで、曲が始まる前からテンション↑↑↑でした♪
この“第九”
先日、冒頭でも書きました某指揮者さまの著書で、第九について書かれているのを読んでいたこともありまして、ついつい思いだしつつ聴いてしまいました。
ラとミの2つの音が出てくるだけで、長調なのか短調なのかわからない、不安に満ちた幕開けの第1楽章。
何とも言えない緊張感が漂う……はずなのですが、ホルン(-_-;)
入りが微妙に乱れておりました(涙)
ま、まぁ、とにかく曲が始まります。
宮本さん、第1楽章から唸っておられます。足をガッと広げて、冒頭から熱い指揮でございました。オーボエを吹いておられた時は、こういう熱い指揮をするお姿は想像できなかったんですが……(^_^;)
今日の席は1階席の後方、2階席の下だったんですが、オケ全体を引っ張る長原さんの音色が際立って聞こえてきておりました。そして、渡邉さんのティンパニも、第1楽章から迫力があってキレのいい演奏でございました♪
繰り返しかな?と思ったら、微妙に音に変化があって「あ、違ったのね」的な展開をする第1楽章。最初から緊張感に満ちていて、聴きごたえのある演奏でございました。
続く第2楽章です。
冒頭から、渡邉さんのティンパニが爆裂です。うーん、あのキレの良さ、さすがなのですp(>_<)q
リズムの応酬が続くかと思えば、突如ニ長調で軽やかなメロディが奏でられ、明るい曲調になるこの楽章。そんな展開が、最終楽章を暗示しているというのもなるほど、確かにそうだなぁ、と。
やはり某指揮者さまの著書で読んだことを思い出してしまうファンが、ここに一人(苦笑)
個人的に、この楽章。オーボエ奏者さんはやりづらいだろうなぁ、なんてことも思ってしまいました。
だって、ねぇ。指揮者は3月まで現役だった元オーボエ奏者なんですもの。指揮者が吹いた方が上手いだろう、って感じじゃないですか(笑)
この楽章、渡邉さんのティンパニにドキドキし、全体的にノリノリで聴かせていただきました♪
続く第3楽章は、緊張感漂う第1楽章、リズムの応酬が続く第2楽章とは雰囲気をガラリと変えて、この上ないほどに美しい曲です。
うっとりするほどに美しいんですけど。
あまりの美しさに涙してしまう楽章なんですけど。
ベートーヴェンさんが描き出す美しさは、どこか地に足がついた美しさだなぁ、なんてことを思います。例えばマーラーさんだったら、ちょっと狂気がかった美しさになっちゃうような気がするんですけど。ベートーヴェンさんは、自然に、素直に美しいと感じられるように思います。
この楽章、涙でステージが霞んじゃいました(^_^;)
そして、いよいよ最終楽章です。
第1楽章、第2楽章で登場したメロディが次々に出てきては消え、第3楽章のメロディが出てきてから次の“歓喜のテーマ”へと移っていく。
この部分を、某指揮者さま……て金聖響さんなんですけどね(^_^;)……は著書「ベートーヴェンの交響曲」でこう語っておられます。
このときの各楽章のメロディ、およびチェロとコントラバス(低弦)の掛け合いの楽譜を詳しく見てみると、たしかに低弦は1楽章と2楽章の主題を「そうではない」と否定しているのですが、第3楽章の主題に対しては明らかに肯定しています。という以上に、第2楽章の主題が提示されたあとから「肯定モード」に入ります。小節を区切る二重線の上にフェルマータが付けられ、その後のチェロとコントラバスがヘ長調になるのです。ヘ長調(F-dur)というのは『田園交響曲』の調性で、その調性自身が「パストラーレ」とも呼ばれ、穏やかで肯定的な調性です。決して否定ではありません。そうして第3楽章の天上の音楽を導き出したあと、これはこれでいいのだけれど(でも、ここでは)もっと別の音楽を、と語っているのです。
聴きながら、なるほどなぁ、確かにその通りだなぁ。
なんてことを思い出してしまいました。
そして気持ちだけはいつまでも現役なパーカッショニストとして、第九を聴くといつも注目してしまうのが、330小節目の「vor Gott」
全パートが全開ffなのに、ティンパニだけff→pへとデクレッシェンドが指示されている(私が持っているスコアもそうなってます)あの部分。
宮本さんはどうかしら?
と思ってましたら……
渡邉さん、全開ffで爆裂状態(^^)
やっぱり、そうよね?
とウンウン頷きながら聴く、変な人がここに一人(汗)
その後に続くトルコ行進曲の部分も、なるほど歌詞の意味を考えてみれば、聖響さんが仰ったようにも聞こえるなぁ、なんて思いつつ聴いておりました。
一部、宮本さんに倣って一緒に歌いそうになりつつ(口を動かすだけに止めておきましたが;)
今年最後のコンサートを第九で締めくくるなんてそういえば頻繁にコンサートを聴くようになってから初めての経験だなぁ。なんて妙なことに感心しつつ、最後まで堪能させていただきました。
合唱がところどころバラッとなったり、テノールの方がいっぱいいっぱいで無理無理歌ってる感があったり……と、細かいツッコミはいろいろあったんですけど。
でも全体的に楽しませていただきました。
2007年の締めのコンサート、久方ぶりの生で聴く第九。
堪能致しました(^^)



