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 今日は、夕方近くになってから妙にベートーヴェンの交響曲第6番《田園》を聴きたくなって、ちょうど近くを通りかかった倉敷市文化センター内に入っている‘音楽図書館’に立ち寄って、レコードを聞かせていただきました。
 ここ、所蔵しているCDやレコード、LDやDVDなど、希望すればいつでも無料で見せて&聞かせてもらえるので、買うまでもないんだけど聴いてみたい曲がある時とか。昔の巨匠のレコードを聞いてみたくなった時には重宝致します。

 今日は、気分的にこの人がいいなぁ、と思ったので。フルトヴェングラー指揮によるウィーン・フィルの盤を聞かせていただきました。
 ちょうど、譜読みをしようと思ってミニスコアを持ち歩いていたので、第2楽章以外はそれを見ながら聴きました。ちょっとテンポが遅めだったので(でも、第5楽章はかなりテンポを揺らしていたようです)、第2ヴァイオリンのパートを読みつつ聴くには最適だったように思います。
 第2楽章は、ついまったりとした気分になってしまって。眼を閉じて聴いていると、一瞬意識が飛びそうになりました(笑)
 いやー、気持ちよかったです。

 え?
 どうして『田園』を聴きたくなったか、ですと?
 ……金聖響さんのスケジュールか、私の通常日記「べっさつ結月堂」をご覧いただきましたら、その理由がおわかりいただけるかと(笑)

 で、夜はN響アワーを見ていて、久しぶりにムソルグスキー作曲でラヴェル編曲の『展覧会の絵』を聴きました。
 番組HPによれば、今夜の放送内容は以下の通りです。

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- ムツゴロウのクラシック青春記 -

「組曲“展覧会の絵”」          ムソルグスキー作曲
                       ラヴェル・編曲
 指揮:シャルル・デュトワ

「ノクターン」                ボロディン作曲
                       ドリュー・編曲
 指揮:マーク・ストリンガー

管弦楽:NHK交響楽団

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 もう何年前のことだったか忘れてしまいましたが。
 ムソルグスキーがこの『展覧会の絵』を作曲するに当たってインスピレーションを得た、という絵が全て発見されたということで、特番がNHKで放送されておりました。ちょうど番組を見る前後に、ピアノで全曲通して聴いたこともあって、とても興味深くその番組を見ました。そしてそれからしばらくの間、ピアノ版と管弦楽版のCDを買い、聴き続けたことがあります。

 また、私が大好きだったG-CLEFがやはり、NHKで放送されていた「音楽・夢コレクション」という番組でこの『展覧会の絵』を編曲し、スタイリッシュに演奏したこともあります。その時のアレンジ、彼らの演奏。『展覧会の絵』を聴く度に、記憶の引き出しから出てきてしまいます。
 またまた、いつぞや聴いたどこぞのオーケストラでは、ラストの『キエフの大門』がやたらテンポが遅くて、トランペットさんがバテバテになってしまっていて、可哀想だった、なんてこともありました。

 この曲を聴くと、そんなあれやこれが蘇ってきます。
 今夜の、シャルル・デュトワさんの指揮によるN響さんの演奏を聴いて、所々口ずさみながら、やっぱりそんなあれやこれやを思い出してしまいました。
 そして、ピアノ版と管弦楽版を聴き比べると、ラヴェルさんの凄さ、というのも強く感じます。私が参考にしている初心者向けの、オーケストラ・スコアを読むための本を書いた著者も、スコアの1ページを取り上げて、ラヴェルさんの編曲がいかに素晴らしいか、と絶賛しておられました。
 『卵の殻をつけた雛の踊り』なんて、音がキラキラしていて、リズミカルで。ファゴットのちょっとぼやっとした、でも精一杯歯切れ良くトトトトト…と動くところなど、まだ足元のおぼつかない雛が頑張って歩いているようで、とても愛らしく聴こえます。

 『キエフの大門』では、金管楽器が鳴り響く中で突き刺すように入ってくるタム・タム(つまりは、銅鑼ですね)の音を聴いて、つい。先週2連チャンで聴いた、シエナWOの定演で演奏された『オセロ』の第1楽章のラスト。いつになく厳しい表情で、その余韻までコントロールするかのような振り方をしていた金聖響さんを思い浮かべてしまいました。
 いかん、いかん。まだ余韻が残っておりますね(笑) 
 醒めるのは……もう少し、時間がかかるかも、なのです(苦笑)

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第20回シエナ定期

 昨日に引き続き、金聖響さん指揮による、シエナ・ウインド・オーケストラのコンサートです。
 2日連続で、全く同じプログラムを聴くのは初めての経験だったのですが、前日との聞き比べをする、という意味でも楽しませていただきました。と言いますか、今日のコンサートは格別だったように思います。昨日のコンサートが「凄いの上を行く」なら、今日は「凄いの上の上の上の上」くらいでしょうか(ワケわからなくてすみません;)
 聖響さんのブログによれば。昨日、あれだけの演奏をした後で、休憩を挟んで修正録音をした、というのですから。聖響さんとシエナさんのタフさには驚かされます。

 今日のコンサートは、3週連続のコンサート&3週連続のサプライズな出来事も合わせて、終わった後はしばらく体の震えが止まらなかったり、涙が止まらなくなったり……と、プログラム以上に大変でした。

 プログラムは昨日と同じなのですが、念のため。

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シエナ・ウインド・オーケストラ 第20回定期演奏会 追加公演
「リード! リード!! リード!!!」

<第1部>
音楽祭のプレリュード
エル・カミーノ・レアル
シンフォニック・プレリュード
オセロ

<第2部>
春の猟犬
ジュビラント序曲
パンチネルロ
アルメニアン・ダンスPart1
アレルヤ!ラウダムス・テ

<アンコール>
第一組曲より 「ギャロップ」
星条旗よ永遠なれ

指揮:金聖響
シエナ・ウインド・オーケストラ

横浜みなとみらいホール 14:00~

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 昨日の聖響さんも「うわー、最初から超笑顔やー。楽しそー。テンション高そーやな~」と思っていたのですけれど。今日はそれ以上でございました。

 曲の印象は昨日の感想に譲って割愛致しますが、今日圧倒されたのが、やはり『オセロ』
 前の3曲も昨日以上に素晴らしい演奏で、かなりヤバイ状態だったのですが、今日の『オセロ』は!
 昨日のような大きなお声は、私が聴いていた位置では聞かれませんでしたが、気迫と気合は昨日以上だったのではないかと思います。指揮も昨日より大きくて、更に鬼気迫るものがあって。音がグサグサと全身に突き刺さってくるようで、息をするのも忘れてしまうほど、曲に没頭してしまっていました。もう、目と耳が離せないんですよ。このままずっと、この音楽を聴いていたい、と思うほど、目も耳も離したくない、というような。
 今日は特に、第4楽章《議官たちの入場》が圧巻でした。終わった後、思わずといった拍手が飛び出してしまったのには、納得でした。本当に見事な演奏だったと思います。

 この『オセロ』を聴いた後の休憩時間。
 心拍数も血圧も上がったようでして。言葉も出なくて、胸がいっぱいで。用を足しに行ったトイレで、個室に入って人目がなくなった瞬間に、わけもわからずに号泣しました。堰を切ったように涙が溢れてきて、止まらなかったんです。
 混み合うトイレを長時間占領するわけにもいかず、必死で自分を抑えつけて、何とか涙を収めて、個室から出ました。
 今日聴いていた場所は9列目のド真ん中でして。指揮者にも近く、目線もちょうどいい高さだったこともあったのか。完全に、指揮台にいる聖響さんや、ホールに響く音楽にシンクロしてしまったような感覚でした。

 第2部の曲は、昨日一度聴いているためなのか、もう少し詳しく、細かく聴くことができたように思います。
 が、『ジュビラント序曲』は、やっぱり印象が飛んでしまっています(苦笑)
 『パンチネルロ』は、こんなにユーモア溢れる面白い曲だったんだなぁ、と感心しておりました。ただ、この曲。座っている位置の問題なのか、ホールの響きの問題なのかはわからないのですが。スネアドラムが、聖響さんの指揮よりコンマ数秒、ほんの気持ち遅れて聞こえるような気がしました。微妙に引っかかる部分が所々あったのですが……気のせいでしょうか(汗;)

 そして、やはり昨日以上にもの凄いテンションでした。
 『アルメニアン・ダンス Part1』!!
 昨日の演奏も凄い!と思いましたけれど。まさか、それ以上の素晴らしい演奏を聴くことになるなんて、思いませんでした。でもよくよく聴いていると、CDで聴き慣れている佐渡さんの指揮による『アルメニアン・ダンス』とは微妙にアーティキュレーションが違っていたりして、面白かったです。
 そしてラストの疾走感と爽快感ときたら! テンポも昨日より若干速めで、大興奮の渦に叩き込まれたような心地でした。指揮台で聖響さんも暴れておられましたし(笑)
 終わった瞬間、思わず声が出てしまいました。

 この曲が終わると、昨日と同様、聖響さんのトークが入りました。
 さすがに今日は2日目ということで、シエナの団員さんをイジるコメントはありませんでしたが(笑)
 リードさんへの思いを切々と語る、真摯な聖響さんのお姿には心打たれました。

 そんな、リードさんへの追悼の意が込められた『アレルヤ!ラウダムス・テ』
 聴きながら、自然と涙が出てきて、止まらなくなりました。あまりの美しさと荘厳さに、ただ頭をたれる思いでした。そして、この曲を聴きながら。吹奏楽の神様が微笑んでいるような気がしました。きっと、素晴らしい演奏を聴いて、天国からリードさんが降りてこられたのだと思います。
 曲が終わった後、あちこちから飛んだ「ブラボー!」の声。私も声には出ませんでしたが、心の中で何度も叫んでいました。

 アンコールは、これまた昨日と同じく『第一組曲』の『ギャロップ』だったのですが……。
 あのぉ、聖響さん。指揮は?(笑)
 シエナさんがノリノリで突っ走る様子を、それはそれは気持ち良さそうに、右手も左手も止めて、聴いておられました、聖響さん。完全に聴き手に回っておられました(笑)
 曲が終わった後に「上手いでしょ、彼ら」みたいなことを仰ってましたけれど(笑)
 そのお気持ちは、とてもよくわかります。あの位置で、あんな演奏を聴かされたら。それはメッチャ気持ちいいですよね~♪と、聴きながら完全に顔が笑み崩れてしまっている私でした(笑)

 そして、続いてはいよいよラスト、『星条旗よ永遠なれ』
 スーザ作曲のこの曲を、今回はリードさんの編曲のバージョンで……ということでしたので、文字通り「オール・A.リード」だったわけです。
 兄貴分である佐渡さんのコンサートの様子なども交えつつ、聖響さんからお呼びがかかって、次々とステージへ楽器を持った人々が向かう中、私も、図々しくも2日連続で行かせていただきました。
 タンバリンを持って、打楽器パートへ向かい、グロッケン(鍵盤の下にパイプがついていない鉄琴のことです)の横、トライアングルやカスタネットが置かれている小物系の所に立たせていただきました。
 打楽器の方に、楽器のことなど伺いつつ。近くにいる学生さんたちとお話しつつ。「サービス♪」と言いながら上着を脱いで、実は背面はハデな模様が入っていたシャツを着ていた、というオチャメでステキな鍵盤系担当の方に笑わせていただきながら、曲が始まるのを待ちました。

 曲が始まって、少しした頃。
 小さな男の子の横で、手ぶらで指揮をしていた聖響さんが、ふいに動き出しました。
 叩きながらつい、目で「あら、聖響さん、どちらへ?」と追ってしまいます。すると、聖響さんは舞台下手側へ移動されて、そこから後ろへ……そして壇を上がって来られます。だんだん、距離が近づいてまいります。
 「うわーうわーうわーっ! 聖響さんが上がって来たーーっ!!」(←心の叫び)
 叩く手は止めませんでしたが、心の中ではいっぱいいっぱいでした(笑) だって、隣の隣ですよ!? 間に人一人挟んで、聖響さんがおられるんですよ!? 今一番好きで、憧れていて、音楽のみでなく人間性も含めて尊敬している指揮者が、自分のすぐ側にいらっしゃるんですよ!? ありえないでしょう、そんな距離でお会いするなんて!

 そこから先、しばらくの間。私の視線は現在進行形で指揮台に立っている観客指揮者さまたちではなく、隣の隣で打楽器をいじりに来られた指揮者さまに釘付けでした。

 打楽器のところまで上がって来られた聖響さん。実は派手なシャツを着ていた、という金髪で頭ツンツンでイケメン系の鍵盤系担当さんに「何か叩かせて」と話しかけておられまして。とりあえず、これでどうですか?と持たされたのが、ウッドブロック&叩く用のマレット。それで拍を打つように何度か叩いておられたのですが、それではご不満だったのでしょうか。
 「それは?」と興味を持たれたのが、グロッケンでした。
 ちょうど曲は、グロッケンの出番です。「ミ♭ーレドドーシドド・ミ♭ラ♭ドミ♭ー♪」とメロディが鳴る部分です。その「ミ♭ラ♭ドミ♭♪」を担当するのが、グロッケンです。
 それを、打楽器の方と分担して
「ミ♭ラ♭ド」(←本職さん)
「ミ♭♪」(←聖響さん)
と叩いておられました。それはもう、とてもとても楽しそうに(笑)
 悪戯っ子が面白いイタズラを思いついたような、少年のような表情とお見受け致しました。

 何度かそうやって、楽しそうに「ミ♭♪」と叩いておられたのですけれど、そのうち1回だけ。鍵盤数も少なく、横幅も狭いグロッケンに男性二人、というのはやはり無理があったのでしょうか(笑)
 あのー、マエストロ。音が違います(笑)
 大変申し訳ございません。
 心の中で、ツッコミを入れてしまいました。
 でも「あれ、これちゃうわ」なんてことをボソッと呟いて笑っておられたので、違う鍵盤を叩いた、と気づいておられたようです。

 ひとしきり打楽器で遊んで満足されたのか。聖響さんが再び指揮台の横に戻られる頃には、曲も終わりに近づいておりました。指揮者がリタルダンドをかけて、一度テンポを落として、また一気にア・テンポです。
 そう。通常ならば、ア・テンポ。元の速さに戻ります。
 でも、今日のテンション上がりまくって、遊んで楽しい気持ちになっている聖響さんは、ア・テンポ+α。
 テンポ速っ!!(笑)
 昨日よりテンポ上がってませんか!?
 ワタクシ不覚にも、一瞬指揮から遅れてしまいました。やはり、数年のブランクは痛かったようです。
 けれど、最後まで叩ききったあの快感は!
 昨日も一度味わいましたが、満員の観客の前で、ライトを浴びて、大人数で演奏する一体感と緊張感と快感は、そう簡単に忘れられるものではありません。とても楽しくて、気持ちよかったです。
 加えて、聖響さんがすぐ側まで来て下さって、天にも昇る心地でした。私、今日ほど音楽を、打楽器をやっていて良かった!と思ったことはございません。中学時代、吹奏楽部に入部して、パート選びをするときに。小学生時代にやっていたトロンボーンを蹴って、先輩に「私、この子が小学生だったときに吹き方教えてあげたのにー」と文句言われつつも、打楽器に固執したのは、きっと今日のためだったんだ!なんて錯覚してしまいました(笑)

 プログラムそのものも、演奏も、指揮も、とても素晴らしくて。
 アンコールでは、ありえないような幸せを味わわせて下さって。
 こんな素晴らしい曲をいくつも残して下さったリードさんに。
 最高の演奏を聴かせて下さったシエナさんに。
 昨日、今日と2日連続でコンサートを聴くに至る過程において、私に関わって下さった全ての方に。
 ステージへ上がるのに協力して下さった、同じ列に座っておられた方に。
 そして誰よりも、これ以上ないほどの幸運と喜びを与えて下さった、金聖響さんに。
 100回でも1000回でも、まだ「ありがとうございます」と言い足りないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。
 本当に、心から、ありがとうございました。
 こんなに幸せな気持ちで誕生日を迎えるのは、生まれて初めてです(実は、明日が誕生日なのです♪)
 重ねて御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。

 なお、これは余談なのですが……。
 そんな調子でアンコールを終えてしまったため、感激と感動と興奮で、感情が飽和状態になってしまい、しばらく体の震えが止まりませんでした。震える手でアンケートを書いて、呆然とホールを出て、新横浜の駅まで戻りました。新幹線に乗り込んでからも、しばらく涙が止まらなくて、大変でした(苦笑)
 明日、気持ちを切り替えて日常生活に戻れる自信は、全くありません(笑)

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第20回シエナ定期

 シエナ&聖響さんの組み合わせで、オール・A・リード・プログラム。
 吹奏楽経験者で、シエナも聖響さんも好きで、リードさんの曲も大好きで……という人間にとっては、本当にたまらない、これ以上ないと思われる最高の組み合わせで聴くコンサートに行って参りました。
 感激して号泣して、メチャメチャ楽しくて、気持ち良くて。
 支離滅裂な内容になっている可能性がありますが、感想など書かせていただきます。

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シエナ・ウインド・オーケストラ 第20回定期演奏会
「リード! リード!! リード!!!」

<第1部>
音楽祭のプレリュード
エル・カミーノ・レアル
シンフォニック・プレリュード
オセロ

<第2部>
春の猟犬
ジュビラント序曲
パンチネルロ
アルメニアン・ダンスPart1
アレルヤ!ラウダムス・テ

<アンコール>
第一組曲より 「ギャロップ」
星条旗よ永遠なれ

指揮:金聖響
シエナ・ウインド・オーケストラ

横浜みなとみらいホール 15:00~

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 シエナさんのコンサートは2度目。
 聖響さんとの組み合わせでは初めてのコンサートでした。前に、佐渡裕さんの指揮で聴いた時は、シエナのパワーや高度な技術に圧倒されたのですが、今回は聖響さんとの組み合わせでどんなサウンドを聴かせて下さるんだろう?と、楽しみにしておりました。

 『音楽祭のプレリュード』
 多分、コンクールか吹奏楽祭で聴いたことがあります。最初から、パワー全開!と鳴り響くシエナの音に「最後まで持つの?」とちょっと心配になったほど、パワフルな音に引き込まれてしまいました。そして、指揮をしている聖響さん。1曲目から超笑顔です。「うわ、楽しそう~♪」一気にハイなテンションになってしまいました。

 『エル・カミーノ・レアル』
 コンクールなどで聴く度に、「カッコいいな~、好きやな~」と思っていた1曲。もう、冒頭から凄くカッコいいんですよ、この曲。スペイン風で、カスタネットの音が響いて。プログラムの解説によれば、「スペイン王の行列が、ダンサーや多くの連れを従えて進む様子を、賑やかに描く」とのこと。指揮をする聖響さんにも、堂々とした王者の風格が漂っているように思いました。

 『シンフォニック・プレリュード』
 この曲は、迫力や勢いで押しまくる、というよりも、アンサンブルの美しさを聴かせる曲、という印象がありました。美しくホールに響き渡る音に、ただ酔いしれておりました。シエナは迫力や勢いだけが売りじゃないんだよ、と見せ付けられたような気がしました。

 『オセロ』
 シェイクスピア作の戯曲のために作曲された、というこの曲。指揮をする聖響さんが、このコンサートに向けて譜読みをしている時に「見事ですよ。素晴らしい作品です」とブログに書いておられた曲です。思い入れのある曲ということで、気合が入っておられたのでしょうか。あるいは、題材が題材だからでしょうか。今まで聴いたことない!と思うほど、驚くほど大きなお声が、大音量で鳴るシエナの音に混ざって聞こえてきました。
 激しい気性のオセロ将軍が乗り移ったかと思うほど、気迫溢れて鬼気迫る表情で指揮棒を振り下ろす聖響さんと、そんな聖響さんの指揮を忠実に音にしていくシエナに、ただ圧倒されました。
 第1楽章の終わりなど、左手で合図を出すと同時に鳴り響くゴングの音。その余韻をもコントロールするかのように、じっと前に出したまま動かない左手。指揮を見ながら音楽を聴いていて、聖響さんが曲だけでなく、みなとみらいホールという空間と、このコンサートの時間の全てを支配しているかのような錯覚にとらわれました。


 とまぁ。第1部から、曲が終わった後に客席に向かってお辞儀をする聖響さんは超笑顔。冒頭から全開で鳴り響くシエナさんの音と、リードさんの曲で、かなりテンションが上がっておられるのかなぁ、と思いながら聴いておりました。


 『春の猟犬』
 この曲を聴くといつも思い出すのが、中学時代に同じ部で、同じパートで、共に汗と涙を流した友人のことです。高校は別々になってしまった彼女が、進学先の高校で出場したコンクールで、自由曲として演奏したのが、この曲でした。曲を聴きながら、彼女がちょっと外れた音程で楽しそうに、「タータタッター タータタッター タータータータータタッタ♪」と歌っていた声が蘇ってきました。
 タイトル通り、軽やかで、楽しくて、爽やかで愛らしいこの曲。楽しみながら聴いておりました。

 『アルメニアン・ダンス Part1』
 ……すみません。
 この曲を聴いて、前の2曲の印象が完全に飛んでしまいました(苦笑)。それほど凄かったです、『アルメニアン~』。
 この曲、今日のコンサートで一番楽しみにしていた曲だったんです。聖響さんが振ったら、どうなるんだろう?と。
 冒頭の、シンバルの一撃&「ミファソーーー♪」とトランペットが高らかに鳴り響いた時点で、心臓を鷲掴みにされたようになって、涙腺が決壊。必死で嗚咽をこらえながら号泣してしまいました。続く、木管楽器の「ファレレー レソレー ファドドー レシ♭シ♭ー♪」のメロディが流れる部分では、とても柔らかくて優しい音色で、溶けてしまいそうな心地でした。
 タンバリンをはじめとする打楽器のリズムを追いかけつつ、叩き方に注目しつつ、曲に酔いつつ、泣いて、笑って……と、とても忙しかったです(笑)。
 ラストはタイトル通り「行け行け行けーっ!」と超快速テンポで突っ走っていて、弾けていて、気持ち良かったです。

 この曲が終わった後で、聖響さんのトークが入りました。
 CD化に向けての録音が入っているということで、シエナさん、最初は緊張した様子だったらしくてですね。聖響さん、しっかりイジっておられました(笑)。
 ちょっと早口で、大阪弁丸出しで、まくし立てるように話す聖響さん。ハイになっているテンションで、興奮しておられる様子が伺えるようでした。

 そんな聖響さんが、去年亡くなられたリードさんへの追悼の意を込めて、と演奏された『アレルヤ!ラウダムス・テ』。宗教音楽らしさが前面に押し出された、荘厳で美しい曲でした。ある意味で‘管楽器’であるパイプオルガンの響きが、シエナの音と上手く溶け合っていて、本当に綺麗でした。

 アンコールは、これまたリードさん作曲の『第一組曲』から勢いのいい『ギャロップ』。疾走感溢れる演奏に、『アレルヤ!~』で少し落ち着いたテンションが、またまた急上昇です。
 そして続いてはお約束。シエナの演奏会でアンコールと言えば、『星条旗よ永遠なれ』です。今日は、この曲でステージに上がるためだけにやって来た学生さんもおられたらしく(笑)。続々とステージに押しかける皆さんに便乗して、私も上がってしまいました。
 久しぶりのステージ、満員の観客の中でライトを浴びての演奏。楽しくて楽しくて、気持ちよくて。途中から歌いだしてしまいそうでした(いや、ほら。打楽器系は口が自由ですから/笑)。
 人前で演奏する快感はもちろんのこと。大人数で一緒に演奏する一体感も久しぶりに味わって、楽しいひと時を過ごさせていただきました。


 今回、吹奏楽を指揮する聖響さんの演奏は初めてだったのですけれど。シエナさんとは相性がいいのでしょうか。指揮を忠実に音にするオーケストラ(管弦楽含む)を相手にすると、この人は凄いの上を行くな、と思いました。8日のドヴォルザークにも圧倒されましたけれど、今日はコンサートに臨むに当たっての気合も加わって、それ以上の迫力だったように思います。
 自分が求めていた音楽はこれだ!と錯覚するほど、感性にピタリと寄り添ってくれる音楽を創り上げる指揮者。改めて、とんでもない人に出会ってしまったな~、と。今回も完敗でございました。

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コルソ・ウィーン

 日曜日、暇だったら、このコンサートに行かない?
 と母上に誘われたのは、3日前のことでした。
 去年からずっと、「コルソ・ウィーンに行きたい」と何度も何度も口にしていたのを耳にしていましたし、ちょうど時間も空いていたので。じゃぁ、行こうか。ということで、今日のコンサートに行ってきました。
 先週の「21世紀の新世界」に引き続き、ニューイヤー・コンサート第3弾です。
 本日の演目は、以下の通りです。

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<J.シュトラウス一家の部>
ヨーゼフ・ランナー:ワルツ「シェーンブルンの人びと」
J.シュトラウス2世:ポルカ「ハンガリー万歳」
J.シュトラウス2世:ポルカ「クラップフェンの森で」
J.シュトラウス2世:ポルカ「女性への賛美」
J.シュトラウス2世:ワルツ「春の声」
J.シュトラウス2世:ポルカ「新ピッツィカート・ポルカ」
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ「憂いもなく」

<インターナショナル・ミュージックの部>
ロジャース/ハマースタイン2世:
     サウンド・オブ・ミュージック・メドレー
レノン/マッカートニー:イエスタディ
レノン/マッカートニー:ミッシェル
ダヴェンポート/クーリー:フィーバー
ジョージ・ガーシュウィン:サマータイム
ルロイ・アンダーソン:タイプライター
ルロイ・アンダーソン:ワルツィング・キャット
グスタフ・ペーター:レンツ・サーカスの思い出

<アンコール曲>
ジョージ・ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
ジョン・ウィリアムス:シンドラーのリストのテーマ
グスタフ・ペーター:レンツ・サーカスの思い出
ヨハン・シュトラウス2世:美しく青きドナウ
ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲

演奏:コルソ・ウィーン
指揮:アルフォンス・エガー
岡山シンフォニーホール  13:00~

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 公演パンフレットやチラシによれば、ウィーン・フィルのメンバーを中心としたこの室内オーケストラ、コルソ・ウィーンが来日するのは今回が初めてとのこと。
 1月1日にウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートに出演して、このコルソ・ウィーンのメンバーとして来日された方も一部、おられたようです。そして、そのニューイヤー・コンサートで演奏された曲もプログラムに入っていて、コンサートの放送を見た観客には二度美味しいコンサートでした♪

 今回の来日プログラムは2種類あったようでして。前日の大阪公演では、モーツァルトのディヴェルティメントやクラリネット協奏曲、ヨーゼフ・ランナー作曲の「モーツァルト党」などが演奏されていたようです。が、岡山では後半にコルソ・ウィーンの特長が最もよく出る、と言われるポップスやジャズのナンバーが入っているプログラムでした。

 前半は、ニューイヤー・コンサートでも演奏された曲の数々です。
 今日のコンサートは、気軽に楽しもう。
 と思って行ったので。最初の「シェーンブルンの人びと」からいきなり、一瞬記憶が飛びました(笑)。いやー、聴こえてくる音があまりに心地よくて、つい……(汗;)。
 2曲目の「ハンガリー万歳」は、ドラムセットとティンパニで全ての打楽器をカバーしている打楽器のお二人に要注目!ということで、バッチリ目が覚めました。
 3曲目の「クラップフェンの森にて」は、ティンパニさんがハトの「ポッポゥ」という箱笛を吹きながら叩いておられました。フレーズの切れ目ごとに入る「ポッポゥ」。通常は音が高→低で「ポッポゥ」なのですが、一度だけ。低→高で「ポッポゥ?」になってました。何ともオチャメなアドリブ(だと思います)に、思わずクスクスと笑ってしまいました。
 他にも、次から次へと「あ、これ聴いた~♪」という曲が続いて。
 独特のリズムと極上のアンサンブルに酔いしれていると、あっという間に前半が終わってしまいました。

 後半は、ポップスやジャズのナンバーでした。
 最初の「サウンド・オブ・ミュージック」は普通に聴いていたのですが、続く「イエスタディ」。途中、金管アンサンブルのみで演奏される部分がありまして。そのあまりの音の美しさに、涙腺が壊れそうになりました。その後、弦楽器や木管楽器が入って、打楽器以外の全員で演奏した時。やはり、あまりの音の美しさに涙腺が決壊しました。
 一流の演奏家たちによる、極上のアンサンブルで聴くビートルズ。最高の贅沢を味わったような気分でした。
 「フィーバー」では、ドラム&コントラバスをバックに、トロンボーンのソロで奏でられていました。そのトロンボーンさんの音色がこれまた美しくて、でも曲はジャズで。これまたしっかり酔わせていただきました。曲の最後、トロンボーンのスライドを完全に抜いてしまう、なんてオチャメなサービスもしていただいて、拍手喝采モノでございました♪
 「サマータイム」では、「イエスタディ」で酔わせて下さったトランペットのソロが最高に気持ち良かったです。
 「ワルツィング・キャット」では、第1ヴァイオリンが猫の「ニャーオ」という鳴き声を音で表現していて、とても愛らしいワルツでした。曲のラスト、犬がほえるような声をヴァイオリン以外のオケの皆さんが出しておられて、面白かったです。
 プログラムの最後「レンツ・サーカスの思い出」では、それまでティンパニを叩いていた方がシロフォンに移動。超高速で叩く妙技を存分に堪能させて下さいました。そういえば、この時使用していたシロフォン。通常の横長型ではなくて、ピラミッド型に鍵盤が並んでいる面白い形をしていました。

 とまぁ、一流の音楽好きな「職人」さんたちによる、極上のアンサンブルでクラシックからポップス、ジャズを聴くという、大満足なコンサートでしたが。
 鳴り止まない客席の拍手に応えて、アンコールを何曲かやって下さいました。

 アンコールの1曲目は、またまたガーシュウィンさん。ノリノリで「アイ・ガット・リズム」です♪ 大好きな曲でしたので、聴きながらノリノリでした。
 続く2曲目は、コンマスさんの美しい音色を聴いてほしい(てなことを仰っていたと思います。なにせ、英語だったので;)、とのことで「シンドラーのリストのテーマ」。コンマスさんが立ち上がって、本当に美しい、極上の調べを聴かせて下さいました。
 3曲目は、プログラムの最後で演奏された「レンツ・サーカスの思い出」。でも、アレンジが違っていて、途中からファゴットやクラリネット、フルート(ファゴットからフルートへと、小回りの利く楽器になっていくためか、だんだんテンポが速くなっていってました)へとソロが受け渡されていって。ヴァイオリンとトランペットが速弾き&速吹き対決をするようなシーンも見られて、これまた楽しかったです♪
 ここまででもう、お腹いっぱいだったのですけれど。
 さらに豪華なデザートが待っておりました。
 本家ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートでも、アンコールではこれをやらなきゃ年が明けたとは言えないでしょう!という2曲「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」が入るのですけれど。
 まさか、それを今日、岡山で聴けるとは思わなくてですね。
 ビックリするやら、嬉しいやら、興奮するやら、音楽に聞き惚れるやら……と、もう大変でした。
 最後の「ラデツキー行進曲」ではもちろん、拍手で曲に参加して参りました♪

 今日のこのコルソ・ウィーン。
 指揮者を除いて総勢23人の室内オーケストラだったのですけれど。一人一人の技量は言わずもがな。極上にして至高の音色、としか言いようのない響きに、聴いていてゾクゾクしました。こんな風に、コンサートの間中、鳥肌が立つくらいゾクゾクしたコンサートは、本当に久しぶりでして。軽い気持ちで行ったコンサートで、何倍も楽しませていただいたように思います。

 1日の夜には、テレビでウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート。
 8日は大阪で「21世紀の新世界」。
 そして今日は、コルソ・ウィーンでニューイヤー・コンサート再び!
 今年は、音楽的にはとぉってもぜいたくな年明けを迎えさせていただきました♪

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 今夜のNHK-FMベストオブクラシックは、寺神戸亮さん(Vin)とヴォデニチャロフさん(フォルテピアノ)のデュオ・リサイタルでした。
 番組HPによれば、曲目は以下の通りです。

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- 寺神戸亮&ヴォデニチャロフ デュオ・リサイタル -

「バイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 ニ長調
                D.384」シューベルト作曲
「バイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47
             “クロイツェル”」ベートーベン作曲
「バイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 作品96」
                      ベートーベン作曲
「“バイオリンとピアノのためのソナチネ 第3番 ト短調
  D.408”から 第3楽章 メヌエット」シューベルト作曲

 バイオリン:寺神戸亮
 フォルテピアノ:ボヤン・ヴォデニチャロフ
  ~東京・浜離宮朝日ホールで収録~

「“無伴奏バイオリン・ソナタ 第1番 ト短調
     BWV1001”から 第3楽章“シチリアーナ”」
                         バッハ作曲
 バイオリン:寺神戸亮

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 番組の解説によれば、寺神戸さんは、ピリオド楽器アンサンブルのコンサートマスターを務めている方なのだそうです。
 寺神戸さんが使用していたのは、18世紀に作られたオリジナル楽器。ヴォデニチャロフさんが使用しているのも、‘ピアノ’ではなく‘フォルテピアノ’。
 古楽器での演奏だからでしょうか。
 ピッチも低めで、柔らかく、少しこもったような音に聴こえました。

 21世紀の今を生きる私には、18世紀。ベートーヴェンさんが生きておられた頃の音、というのは当然ながら聴くことはできません。
 でも、こうして古楽器の演奏を聴くと、彼が生きていた頃は、これに近い音を人々は聴いていたんだろうなぁ、と。耳が聞こえなくなってからの、ベートーヴェンさんの頭の中で鳴り響いていたであろう音は、こんな音だったのかなぁ、と。200年以上前の時代へと思いを馳せてしまいます。

 そうして聴いてみると、CDやリサイタルなどで聴き慣れているはずの「クロイツェル・ソナタ」も何やら違った雰囲気で聴こえてきます。
 特にフォルテピアノが速い動きになる辺りなど、ちょっと調律の狂った古いピアノがガンガン鳴っているように聴こえます。そしてヴァイオリンは、高い音が上がりきらずに“頑張って鳴ってます~!”というように聴こえます。高音の“頑張って鳴っている”感じが、とても愛しいです♪
 その、どこか“古臭い”響きがじわーっと心に沁みてきて。高めのピッチで、明るく華やかに鳴り響くベートーヴェンもいいけれど。何となく温かみのあるこんな音もいいなぁ、と思いながら楽しみました。

 オリジナル楽器による演奏というのは、十数年前から興味を持っていまして。
 地元で開催される倉敷音楽祭で、古楽器によるバッハやテレマンといったバロック音楽のコンサートが開かれると、せっせと足を運びました。
 フルートやクラリネットは文字通り“木管楽器”で、ヴァイオリンもヴィオラもチェロも、とても柔らかくてまろやかな響きで。いつも聴いている音とは違う音色に、心地よさを感じると同時に。昔の人たちは、こんな感じの響きや音色で音楽を楽しんでいたんだろうなぁ、と思いを馳せるのが好きでした。
 歴史好き&音楽好きが、こういうところで結びついていたのかもしれません(笑)。
 クラシック好きな、少し年齢層の高い方々に囲まれて、古楽器のコンサートを聴く高校or大学生でした(笑)。

 モダン楽器によるピリオド・アプローチを実践しておられる某指揮者様に強く心惹かれたのも。古楽器の響きや、オリジナルにより近い音色に興味を持っていたことが、理由の一つだったのかも。
 なんてことを、今日の放送を聴きながら思ってしまいました。

21世紀の新世界 2006

 本日、2006年最初のコンサートに行って参りました。
 今年最初に聴くコンサートが、金聖響さん指揮。曲目はドヴォルザークの『新世界より』。これは幸先のいいスタートが切れそうだなぁ、と思いつつ、去年からカウントダウンの照準はお正月ではなく今日に合わせ、かなり楽しみにしておりました。
 何だかもう、今年最初に聴くコンサートがこんなに幸せでいいんだろうか!?と思うほどサプライズ満載で、かなり楽しませていただきました。

 本日の演目などなどは、以下の通りです。

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21世紀の新世界

ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番 ト短調
ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番 嬰へ短調
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
(休憩)
ドヴォルザーク:
  交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」op.95

 指揮:金聖響
 チェロ:遠藤真理
 管弦楽:大阪センチュリー交響楽団

ザ・シンフォニーホール 14:00~

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 本日、最初のサプライズは開演前に訪れました。
 開演前、いつもネットでお世話になっているあの方やこの方にお会いしまして、ロビーで話し込んでおりました。すると、ご招待客様の入り口から、思いがけない方がっ!!
 指揮者の下野竜也さんでしたっ!!!
 まさか、そんなところでお会いできるとは思わなかったもので、頭真っ白になりました。すっかり舞い上がってしまいまして、とんでもない失礼をしでかしたのではないか、と気が気ではないのですが(大汗;)。
 開演前だというのに、メーターを振り切る勢いでテンションが上がってしまいました。

 いきなり頭真っ白で心臓バクバクな状態で、開演ギリギリに席へ。
 今日は2階席のステージ下手側奥で、指揮も音もどちらも楽しもう!と意気込んで聴きました。
 けれど、オーケストラの皆さんが出てきて。聖響さんが出てきて。気がついたら最初の『ハンガリー舞曲 第1番』が終わっておりました(大汗;)。どうやら、夢現で聴いていたようです。
 いかんいかん、集中集中。
 と気を取りなおしまして、『ハンガリー舞曲 第5番』です。
 オーケストラはヴァイオリンが対向配置になっていて、下手側から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという、いつもの並びでした。私が座った位置からは、ちょうど打楽器やトランペット・トロンボーンさんがよく見えました。
 そして今日はブラームスにドヴォルザーク、というラインナップだったためでしょうか。ピリオド奏法ではなく、ヴァイオリンもしっかりヴィブラートをかけて演奏しておりました。
 曲の方は、テンポの揺れが絶妙で心地良くて、メリハリが効いていて、はっきりしたブラームスだなぁ、という印象でした。

 続きましてはCD『ジャクリーヌの涙』で共演したチェリスト、遠藤真理さんをソリストに迎えてのトボコンです。
 この協奏曲は指揮棒を使わずに指揮をなさっていた聖響さん。オーケストラの長い序奏から始まる第1楽章で、いきなりお声が聞こえて参りました。自然と、聴きながら力が入ると言いますか、『ハンガリー舞曲』とは別の意味で、テンションが上がりました。
 遠藤さんも、少し緊張なさっているご様子でしたが、とても丁寧に弾いているなぁ、とかなり好印象を受けました。そんな遠藤さんを見守ると言いますか、しっかりサポートするから思いっきり演奏してええよ、と励ますように指揮をする聖響さんも、ステキでございました。

 第1楽章は、速いところは速く、遅いところは遅く、聴かせるところはじっくり聴かせる、と凄くメリハリが効いていたように思います。グワーッと盛り上がって、気持ちよく終わる構成になっていることもあるのでしょう。第1楽章が終わると、チラホラと拍手が出ておりまして。私も小さく拍手してしまいました。お見事でした。
 第2楽章は、遠藤さんのチェロの美しさを存分に堪能させて下さったように思います。聴きながら、かなりウルウルきてしまいました。
 第3楽章は、最初から勢いに乗っていって、盛り上がったところで入ってくるトライアングルの音が、実に好みでした。あまり太くないビーターを使っておられたのか、重すぎず軽すぎず、絶妙な音だったように思います。最後、ピアニシモからフォルティッシモへと盛り上げて、トランペットが高らかに鳴り響いて終わる終わり方も、とても気持ちよかったです。

 今日は、ステージ横奥の席で聴いていたために、ソリストの音は少し弱めだったのですが、代わりにオーケストラの音はよく聴こえてきました。このドボコン、CDで何度も聴いている曲ではありますが、やはりどうしても、独奏チェロを追いかけながら聴いてしまうのですね。でも今日はソリストの後ろでオーケストラがどんな動きをしているのか、とてもよくわかって面白かったです。「ああ、なるほど」「ふむふむ」と頷きつつ、ウルウルしつつ、リズムに乗りつつ……と、存分に楽しませていただきました。
 また、この曲。遠藤さんが長いソロを引いている間もずっと、テンポや間を取るように聖響さんが小さく指揮をしておられたのが、とても印象に残りました。曲が終わった後も、自分よりもソリストを立てるような仕草をしておられて。「いいお兄さん」という感じだったようにお見受け致しました。

 休憩を挟みまして、本日のメイン『新世界より』です。

 素晴らしかったです。
 第1楽章から涙腺決壊警報が鳴り響き、第2楽章で危うく声を上げて号泣しそうになり。第3楽章は最高潮にテンションが上がって、第4楽章はもう、ただただ圧倒されました。
 この曲。音の渦に巻き込まれて、熱に浮かされたようになってしまっていて。綺麗やなぁ、楽しいなぁ、と感激し通しだったので、実はあまり細かいことを覚えていなかったりするのですが(汗;)。
 第1楽章の最初の頃から今にも泣きそうになっておりまして。第2楽章でイングリッシュホルンが奏でる、あの「家路」のメロディを聴いたらもうダメでした。号泣レベルで泣きました。とても美しかったです。
 第3楽章は。去年12月からさんざん第九を聴いた時に、特に第2楽章で、どーも別の曲とかぶるなぁ、と思っていたのですが。この『新世界より』の第3楽章とかぶっていたのですね。聴きながら「そうそう、こっちが『新世界』(頷き)」と確認しながら聴いてました。
 ティンパニがピリリと効いていて、とてもリズミカルなこの楽章。振っている聖響さんも、とてもいい表情をされていて。聴いて&拝見していてとても気持ちよく、幸せでございました。
 そんな第3楽章の勢いをそのまま持ち込むかのように、第4楽章になだれ込みまして。もう、聖響さんが全開フルスロットル状態でございました。腕の振りはどんどん大きくなっていくし、指揮棒はどっかに飛んでしまうor折れてしまうんじゃないか、という勢いですし。最後は足音のみならずお声まで聞こえてきて、その指揮から紡ぎ出される音楽はもちろんのこと、聖響さんの指揮そのものに圧倒されてしまいました。

 そういえば、この第4楽章。全楽章を通じて1度だけ鳴らされるシンバルにも要注目でした。打楽器がよく見える&聴こえる位置で聴いておりましたので、その部分。シンバルを滑らせるように、綺麗にシャーンと鳴った時には思わず、指揮から視線を外してそちらに注目してしまいました。

 今日のコンサート。
 指揮を見ながら聴いていて、音楽を通して聖響さんの心の叫びが聞こえてくるような錯覚を抱きました。ここはもっとためて、とか。もっと激しく、とか。もっと優雅に、綺麗に……。指揮棒から、指先から、全身から、表情から。ストレートに、強烈に襲い掛かってくるような気がしました。時々視線を外すことはあっても、ほとんど釘付け状態でした。
 今日の聖響さんは、もっともっと、と音楽を求めて、オーケストラから引っぱり出していくような感じを受けました。凄く熱のこもった演奏で、特に「新世界より」の第4楽章は、まさに渾身の指揮、といった印象で目が離せませんでした。
 本当に熱に浮かされたようで、感激しっぱなしで。椅子に座ってじっと聴いているはずなのに(私の場合は、どうしても音楽に合わせて体が揺れてしまうんですが;)、着ているアンサンブルのカーディガンを脱いでもいいんじゃないか、と思うくらい熱くなってしまっていました。
 ええ、今回も見事にノックアウトされた感じでございます(笑)。

 チケットは補助席まで完売、立ち見も出るほどの満員御礼だった今日のコンサート。
 音楽の神様から、お年玉をたくさんもらってしまったような満足感でした。
 開演前のサプライズな出会いから、公演終了後まで、隅々まで楽しませていただいたように思います。
 本当に、幸先の良いスタートを切らせていただきました。この調子で、今年はガンガン行かせていただきます♪
 素晴らしい音楽を残して下さったブラームスさんとドヴォルザークさんに。
 そんな音楽を見事に再現して下さった、金聖響さんと遠藤真理さんと、大阪センチュリー交響楽団の皆様と。
 ステキなお年玉を下さった音楽の神様に心から感謝!な幸せなコンサートでございました。

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 今夜のNHK-FM「ベストオブクラシック」は、オーボエの宮本文昭さんとピアノの松本和将さんのコンサートでした。宮本さんは大好きなオーボエ奏者ですし、松本さんは同じ倉敷出身で、そのピアノも大好きなので、これは聞き逃してなるものか!と思いまして、ラジオの前で正座する勢いでエアチェック致しました。
 番組HPによれば、本日の曲目は以下の通りです。

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ベストオブクラシック
 - 香川県詫間町公開録音 -

「オーボエ・ソナタ 作品17(原曲:ホルン・ソナタ)」
                      ベートーベン作曲
「アダージョとアレグロ 作品70」      シューマン作曲
「ピアノ・ソナタ ハ短調 作品13“悲愴”」ベートーベン作曲
「オーボエ・ソナタ」            ドニゼッティ作曲
「オーボエ・ソナタ K.376(原曲:バイオリン・ソナタ)」
                      モーツァルト作曲
「オーボエ・ソナタ ニ長調 作品166」 サン=サーンス作曲
「シチリアーノ」             J.S.バッハ作曲
「風 笛」                 大島ミチル・作曲
「夢のあとに」                 フォーレ作曲

 オーボエ:宮本文昭
    (※3曲目を除く)
 ピアノ:松本和将
  ~香川県詫間町・
       マリンウェーブ マーガレットホールで収録~

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 香川県詫間町(今は周辺の町と合併して、三豊市になったようですが)で録音って、またビミョーにマイナーな場所で録音したんだなぁ、と思ってしまったのですが(笑)。数年前には、ウィーン・フィルの首席奏者ばかりが集まったプチオーケストラがやって来たり。県庁所在地の高松市には立派なホールがあったり……と、意外と侮れないんですよね、香川県って。
 香川の大学に通っていた頃は、担当教授が「香川には村がないので市町村じゃなくて、市町なんですよ」と自慢なさっていたのが思い出されます。

 なんて話はいいとして。
 今夜の演奏です。

 宮本さんと松本さんの組み合わせ、というだけでも私的にはメチャメチャ美味しい組み合わせですのに、曲目にベートーヴェンさんのピアノソナタ『悲愴』やフォーレの『夢のあとに』など、大大大好きな曲が入っている、ということで、年末から今夜の放送をとても楽しみにしておりました。

 最初に演奏されたのは、ベートーヴェン作曲のホルン・ソナタを原曲とするオーボエ・ソナタ。最初の音が聴こえた瞬間に、思わず感嘆の声を上げてしまうほど、宮本さんの音色が瑞々しくてステキでした。解説によれば、この曲はピアノもかなり難易度が高いそうですが、松本さんのピアノも澱みなく、宮本さんに負けないくらい瑞々しく響いておりました。
 続く、シューマンの『アダージョとアレグロ』は、聞き覚えがあるんですが……確か、ヴィオラかヴァイオリンで演奏されたものを持っているような気がします。オーボエで聴くと、アレグロのテンポアップしている部分でも、弦楽器とは別のしっとり感があって。宮本さんの音色の美しさも加わって、ついついうっとりと聞き入ってしまって、この記事を書くためにキーボードを叩く手が止まってしまいました(笑)。

 3曲目の『悲愴』は、第1楽章の出だしが少しゆっくりしたテンポで、しっとりと演奏されていました。でも、そのテンポとか、微妙な“ため”が絶妙で、途中でテンポアップする部分との対比がはっきりと出ていました。
 全体的に、“ため”る部分はしっかり“ため”て、速い部分は疾走するように速く……と、とてもメリハリの効いた演奏でした。
 ……なんて、回りくどい言い方はよしましょう。ぶっちゃけ、「大好き」な演奏でございました。松本さんのピアノはデビュー直後から、ソロ・協奏曲など多々聴いていまして。今夜の『悲愴』は、もともと好きな曲だ、ということも手伝っているのか。私的にはベスト1な演奏だなぁ、と。第1楽章を聴いただけで思ってしまいました。
 そして、とても有名な第2楽章。いろいろな方の演奏でこの曲を聴きましたが、泣かせて下さったのは松本さんが初めてでした。ラジオで、音だけで、ここまで感動させて下さるようなピアニストになったのだ、ということが。デビュー当時からそのピアノを聴いているファンとしては、嬉しいです(感涙)。
 第3楽章は、若干速めのテンポで、ちゃんとしっとり感も残しつつ、軽やかに突き進んでおられました。
 この『悲愴』、どの楽章もとても好きなのですけれど。やっぱり、ステキな曲だなぁ、と。曲を聴きながら、お正月に地元倉敷の大原美術館でご挨拶した、大理石のベートーヴェンさんのお顔を思い浮かべておりました。

 ドニゼッティのソナタは、ざっと聴いた印象では、オーボエもピアノもそれぞれに持ち味を生かした、協奏曲のようなソナタだなぁ、と思いました。
 モーツァルトのソナタも聴いていたのですけれど。聞き流してしまいました(汗;)。
 どうやら、『悲愴』でいっぱいいっぱいになってしまったようです(汗;)。
 サン=サーンスのソナタは、第2楽章が民俗音楽といいますか、舟歌チックで面白いなぁ、と思う曲でした。

 アンコールの曲も、バラエティに富んでいて面白い選曲だなぁ、と思いました。
 大島ミチルさんの『風笛』の後は、ひときわ拍手が大きかったような(笑)。
 フォーレの『夢のあとに』も、とてもステキでした。いつもチェロやヴァイオリンといった弦楽器で聴くのですけれど。オーボエの瑞々しくしなやかな調べも、これまたステキだなぁ、と楽しませていただきました。

 そういえば、宮本文昭さんといえば。
 来年の3月をもって引退する、とチラリと小耳に挟んだのですけれど。まだまだ現役続行して、もっともっとステキなオーボエを聴かせていただきたいなぁ、と。残念に思います。

 お正月と言えば、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート♪
 毎年、これを聴かねば年が明けた、という気が致しません。
 今年はマリス・ヤンソンスさん指揮ということで、どんな曲目が飛び出すのか、どんなコンサートになるのか、と楽しみにしておりました。

 番組HPによれば、今年の曲目は、以下の通りです。

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- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
    ニューイヤー・コンサート 2006  -
[ 第1部 ]
行進曲「狙いをつけろ」 作品478 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ワルツ「春の声」 作品410 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ポルカ「外交官」 作品448 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ポルカ「ことづて」 作品240 ( ヨーゼフ・シュトラウス作曲 )
ポルカ「女性賛美」 作品315 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ワルツ「芸術家の生活」作品316 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ポルカ「憂いもなく」 作品271 ( ヨーゼフ・シュトラウス作曲 )
 
[ 第2部 ]
喜歌劇「ジプシー男爵」 から 入場行進曲 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
歌劇「フィガロの結婚」 序曲 ( モーツァルト作曲 )
ワルツ「モーツァルト党」 作品196 ( ヨーゼフ・ランナー作曲 )
ギャロップ「愛のたより」 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
新ピチカート・ポルカ 作品449 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
芸術家のカドリーユ 作品201 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
スペイン行進曲 作品433 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ワルツ「親しい仲」作品367 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ポルカ「クラップフェンの森で」 作品336 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
狂乱のポルカ 作品260 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ポルカ「電話」 作品165 ( エドゥアルト・シュトラウス作曲 )
入り江のワルツ 作品411 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ポルカ「ハンガリー万歳」 作品332 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )

[ アンコール ]
山賊のギャロップ 作品378 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ワルツ「美しく青きドナウ」 作品314 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
ラデツキー行進曲 作品228 ( ヨハン・シュトラウス父 作曲 )

管弦楽 : ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指 揮 : マリス・ヤンソンス

[ 2006年1月1日, ウィーン楽友協会大ホール ]

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 今年のラインナップ。なかなか心憎い、と申しましょうか。一ひねり、二ひねりほどしたようなプログラムだなぁ、とニヤリとしてしまいました。

 冒頭から、行進曲「狙いをつけろ」。タイトルがいいですよね。新年の念頭標語とか、目標を決めて、それに向けて突っ走れ!という感じで。
 その行進曲以降は、第1部はポルカとワルツのオンパレード。ポルカにしても、ワルツにしても。拍の間の微妙にして絶妙な間は、やはりウィーンフィル独特のリズム感なのかなぁ、と。聴きながら毎年思います。

 第1部は、まぁ無難にワルツやポルカを……といった感じでしたが、第2部は面白い曲が満載で楽しかったです。
 2006年はモールァルト生誕250年ということで、今年は特別にモーツァルトの曲がニューイヤーのプログラムに入っていたようです。
 その曲が「フィガロの結婚 序曲」。
 クルクル回るような曲は、新年のお祭り騒ぎに相応しいような気がしました。
 そんな「フィガロ」の後に持ってくる曲が「モーツァルト党」。心憎い演出でございます。曲名は「モーツァルト党」なのに、冒頭に出てくるのがメンデルスゾーン作曲の「結婚行進曲」。聴きながら思わず、テレビに向かって「なんでやねん!?」と裏手で突っ込み入れたくなったのは、私だけでございましょうか(笑)。この曲、メンデルスゾーンに始まって、パガニーニとかモーツァルトとか。いろいろな作曲家の有名なメロディが入れ替わり立ち代り、時には交互に出てきたり……と、まるでクラシックのオムニバス盤を凝縮したような印象を受けました。そんなバラエティとユーモアに満ちた曲の締めくくりは、ベートーヴェンの「トルコ行進曲」。曲名は「モーツァルト党ですよね?」と、最後の最後まで突っ込み入れたくなりました(笑)。

 個人的に面白いなぁ、と思ったのは。打楽器さんが大活躍な曲です。やはり、三つ子の魂百まで。パーカッショニストとしての血が騒ぐようです(笑)。
 ポルカ「クラップフェンの森で」は、水鳥の音を2~3種類吹き分けて、打楽器さんが頑張っておられて(サンバホイッスルとか、水鳥の笛とか。そういうのも、打楽器に含まれるのです)。曲が終わったら、打楽器さんに拍手、でした。

 演出で楽しませて下さったのが、ポルカ「電話」。
 曲の途中で電話の着信音が鳴って。曲の最後でも、客席で携帯が鳴ったのか、と一瞬思ってしまうような着信音が鳴りました。おや?という顔をして、ポケットを探ったのは、指揮台におられるマリス・ヤンソンスさん。少し照れくさそうに携帯電話を取り出して、プチッと着信を切っておられたのが、微笑ましかったです。
 そういう演出を見せられると、思い出してしまうのは。去年の11月。ハイドン作曲の交響曲「告別」で、楽しい演出を施し、嬉々としてステージから去って行かれた金聖響さんです(笑)。もし、彼がこの曲を振ったら、堂々と悪戯するんじゃないかなぁ、と。ついつい思ってしまいました(笑)。

 NHK音楽祭2005では堂々たるベートーヴェンを聴かせて下さったマリス・ヤンソンスさん。このニューイヤー・コンサートでは指揮台の上でとても楽しそうに振っておられたのが、とても印象的でした。演奏しているオーケストラも、指揮者も。聴いている観客も、テレビの前にいる私も。皆楽しくお祭り騒ぎ♪といった雰囲気は大好きです。

 アンコールで演奏されるのは、「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」。
 これを聴くと、「ああ、新しい1年が始まるんだ」という気持ちになります。
 今年の初コンサートは、1月8日。金聖響さん指揮によるブラームス&ドヴォルザークです。「新世界より」です。
 今年もたくさんいい音楽を聴いて、いっぱい楽しんで、感動して。幸せな1年でありますように。
 そして、素晴らしい演奏を届けて下さる、大好きな音楽家の皆さんが、充実したステキな1年を送って下さいますように。
 一人でも多くの方に、この幸せが伝わるといいなぁ、なんてことを思う、今年のニューイヤー・コンサートでした。

 2005年から2006年にかけての年越しは、第九三昧でございました。
 偶然にも、一晩で3通りの第九を聴く、という幸運に恵まれまして、じっくりたっぷり堪能致しました。

 第九その1)ウラディミール・アシュケナージ指揮/NHK交響楽団
 NHK-FMで聴き、テレビでも一度見たのですけれど。
 31日の夜、紅白よりこっちの方が面白そう、ということでまた見てしまいました。
 テンポ設定もソリストも、合唱も。好みの演奏だったものですから、つい……。

 第九その2)小林研一郎指揮/東京フィルハーモニー交響楽団
 テレビ東京系で毎年放送されているジルヴェスター・コンサートで演奏されたものです。第九の第4楽章の途中、確か208小節目、プレストの部分から演奏されたように記憶しています。
 歓喜の歌の部分でグッとテンポが落ちて、じっくり聞かせるような演奏だったことには、少し驚かされました。なるほど、ああいうのもアリなんですね。
 2005年12月31日午後11時58分を過ぎた頃から、テレビ画面には刻々と秒針を刻む時計が表示されまして。あと1分、あと何十秒しかないけど、曲が終わるのかしら?
 というドキドキ感と共に、曲を最後まで聴きました。
 そして、曲が終わった瞬間。
 無事、2006年1月1日を迎えました。
 第九終了後にインタビューされた小林さん。「もう二度とやりたくない」と仰ってましたが。年明けと曲の終了をピタリと合わせなければならない、というのは、やはりかなりのプレッシャーだったのですね。
 でも、聴いている側としましては、第九終了と共に2005年を終えて。モーツァルト・イヤーの2006年最初に聴くのが交響曲第41番の第4楽章、という。なかなか貴重な経験ができて、楽しませていただきました♪

 第九その3)岩城宏之指揮/岩城宏之オーケストラ
 この日、午後から行われていた「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2005」がテレビで生中継されておりまして。それを拝見しました。
 お正月ということで戻っていた実家にケーブルテレビが入っていまして。中継されている&見ることができる、ということに第6番『田園』の第2楽章終了目前で気がつきまして。どーせなら、第九も聴こう!と思いまして、布団の中に入って聴いておりました(汗;)。
 岩城さんが指揮する第九といえば。気になるのは、第4楽章330小節目のティンパニです。
 私が持っているミニスコアでは、オーケストラも合唱も、皆さんフォルティッシモで全開で「vor Gott」なのですが、ティンパニさんだけはデクレッシェンドしているんですね。
 でも、元打楽器奏者の岩城さんは、その楽譜の指示に疑問を持たれたそうで。
 ベートーヴェンさんの直筆の楽譜が虫干しされた時に、その部分を確認したのだそうです。で、岩城さんの結論は。

 これは、デクレッシェンドじゃなくてアクセントだ!

 以来、岩城さんは第九を振る時に、その部分でデクレッシェンドさせない。
 ということを数年前、彼の著書で読みまして。一度、自分の耳で確かめてみたかったのです(マニアックな上にピンポイントな興味で申し訳ないです;)。

 で、1楽章から曲が進んで第4楽章。
 曲をBGMに半分寝ていたのですが、その部分の直前でハッ!と目が覚めて、確認致しました。本当にフォルティッシモのままでした、ティンパニさん!
 本で仰っていたことは本当だったんだ!
 と、妙な事で感激しつつ、第九を最後まで聴きまして。
 9曲の交響曲を全て一人で振りぬいた岩城さんと、演奏していたオーケストラの皆さんと、聴いていた観客の皆さんと(だって、全曲通してずーっと聴くのも大変だと思うのです)。傑作ばかりの交響曲を9曲残したベートーヴェンさんに拍手を!

 ……と思っていたのですが、続くトルコ行進曲の最中に再び眠りに引き込まれ、気がついた時には番組が終了しておりました(滝汗;)。
 だって、第九が始まった時間も遅かったですし、お酒も入っておりましたし(←自己弁護;)。
 でも、とても気持ちのいい第九でございました。

 というワケで、2005年から2006年にかけての年越しは、第九三昧な一晩を過ごさせていただきました♪

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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