2005 / 10
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20051027マイスキー

 来年20周年を迎える倉敷音楽祭のプレ・コンサートとして、チェロのミッシャ・マイスキーさんが来られたので、聴きに行ってきました。
 とてもスペシャルで、サプライズなコンサートでございました♪

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<プログラム>
J.S.バッハ:チェロ・ソナタ 第3番 ト短調 BWV1029
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
(休憩)
シューマン:幻想小曲集 op.73
ファリャ:スペイン民謡組曲(7つのスペイン民謡より)
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
(アンコール)
リムスキー・コルサコフ:バラに魅せられた夜うぐいす
ラフマニノフ:乙女よ、私のために歌わないで
ファリャ:火祭りの踊り
サン=サーンス:白鳥(動物の謝肉祭より)
作者不詳:私があなたに会った時
カタロニア民謡:鳥の歌

チェロ:ミッシャ・マイスキー
ピアノ:カリン・レヒナー
倉敷市民会館 19:00~
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 今回のコンサート、私が座った席は5列目のド真ん中でした。オーケストラピットの上にあるために可動式になっている(と申しましても、椅子の撤去は手動&人海戦術なんですけどね、このホール;)列の後ろでした。
 その位置で聴いていたために、演奏者の息遣いとか、左指が運指板を叩く音も聞こえてきました。

 今日のコンサートは、バッハからバルトークへと、音楽史を辿るような順で聴かせるプログラムになっていました。
 冒頭の、バッハのチェロソナタ。ピアノの左手と右手、チェロの3声が複雑に絡み合う形式で書かれているためか、ちょっとチェロの音がピアノに負けてしまう面がありまして。マイスキーさんも、まだちょっとエンジンがかかりきっていない様子でした。

 でも、次のシューベルトからはもうパワー全開!とばかりに、その音色を存分に聴かせて下さいました。
 バッハ→シューベルトの順で聴くと、主題が長く、技巧的に、細かい音や装飾音が増えていることに加え、ピアノ=伴奏・チェロ=主役という役割がはっきりしてきているように感じました。
 そして、この曲を聴いて、何故バッハで「チェロがピアノに負けてるな」と思ったのかに気づかされました。恐らく、そう思ってしまった理由としては

・ピアノの反響板を長い棒で支えて、ホールの隅々までよく響くようにしていたこと
・バッハの曲そのものが、ピアノとチェロが一緒に、それなりに大きな音量で弾くことが多かったこと
・マイスキーさんが、「バッハ仕様」とでも言うべき弾き方をしていたこと(例えば、長い音を伸ばす時、最初はノン・ヴィブラートで始めて、次第にヴィブラートをかけるようにしていました)
・私の聴いていた位置が前の方で、加えて反響板を上げているピアノのほぼ正面だったこと

 などが挙げられるのかなぁ、と。曲に聞き惚れながら考えておりました。

 この前半、バッハもシューベルトもどちらも素晴らしかったのですけれど。残念だったのは、客席。この前半の間中、小さい音でアラーム音が鳴り続けていたのです。隣にいた友人は気づいていなかったようなのですけれど……。曲の絶対的な音量が大きくなれば、かき消されてしまうので気にならないのですが、音量が落ちた時には、とても美しい音楽の片隅から「ピーピー」という電子音が聞こえてきて、少々不快でした。
 何列か後ろの方で、アラームを切り忘れてしまった方がおられたようです。

 休憩を挟んで後半は、比較的短い曲を3曲演奏して下さいました。

 シューマンの『幻想小曲集』は、パンフレットによれば、もともとクラリネットのために書かれた曲らしいのですが、「ヴァイオリンまたはチェロでも演奏可」と記されているということで、リサイタルで聴かせて下さいました。
 そして曲の構成も、緩→急、静→動、短調→長調へと向かうようになっておりました。
 最初の緩やかで、静かで、短調な部分ではその深い音色に酔いしれて。後になって、テンポが速く、動きが多くなって明るい雰囲気になった時は、澱みなく動く弓や指の動きに吸い寄せられてしまいました。

 ファリャの曲は、ここ最近ではリッカルド・ムーティ指揮のウィーン・フィルが演奏会で取り上げていたり。もともとスペインの民俗音楽を取り入れた曲が好きだったこともありまして、ノリノリで聴いてしまいました。弾いているマイスキーさんも、ノリノリでした。

 そしてラストは、今日とても楽しみにしておりました、バルトーク。それぞれに表情の違う短い曲が次々に出てきて、浪々と歌い上げる様子から、オール・ハーモニクスで演奏する様子から、音があちこちに飛んで忙しく奏でる様子などなど、さまざまなマイスキーさんを一度に堪能したような気がしました。

 とまぁ、ここまでは普通のリサイタルだったのですが。
 ここからさらに、第3部といってもいいほどの、長いアンコールが待っておりました(笑)
 この後半が終わった時点で、時計の針はまだ21時前だったのです。時間は十分にあったワケなのです。でも、まさか6曲も、トータルして30分ほどのアンコールをやって下さるとは思いませんでした。
 恐らく、客席の拍手がいつまでも鳴り止まなかったことと、それだけの曲を用意して来られていたことと、演奏者も興に乗っていて「弾こう!」と思って下さっていたことと。全てがいい具合にブレンドしたためではないか、と思います。

 で、その第3部と言っていいアンコール。R.コルサコフとラフマニノフの2曲は、しっとりと歌い上げる曲でした。残念ながら外国語が堪能ではない私は、作曲家の名前は聞き取れても曲名までは聞き取れず(だって、『バラに見せられた夜うぐいす』は「ナイチンゲール」と仰ったことしかわかりませんでした/滝汗;) 後からロビーに貼り出された物を見て、「そーだったのかぁ」と思った、という(苦笑)

 3曲目に演奏して下さったのは、再びファリャ。『火祭りの踊り』は聞き覚えのある、とても好きな1曲でしたので、「わぁい、嬉しい~!」という気持ちもありまして。マイスキーさんもノリノリで弾いていたこともありまして。アドレナリン出まくりで、ドキドキしながら聴きました。終わった瞬間に、思わず「おおー!」と声が出てしまったほど、素晴らしい演奏でした。そういえば、客席からいくつも「ブラボー!」があがっていたような……。

 そして、涙腺を直撃されたのが4曲目の『白鳥』
 まさかここで、チェロの小品としては定番中の定番である『白鳥』がくるとは思わなかったのです。ファリャを聴いて私自身の感受性もかなり亢進していたことも重なって、前奏のピアノを聴いた瞬間に涙が溢れてきて、チェロのメロディが入ってきた時には号泣してました。

 アンコールは次にどんな曲が演奏されるのかわからない、というスリルとウキウキ感とドキドキ感がたまらないです(笑)。

 作者不詳である、という5曲目は、哀愁漂う静かな曲で。
 本当に最後の最後になった『鳥の歌』で、また泣きました。この曲を、生で聴けるとは思わなかったので、嬉しさと相まって泣いてしまいました。
 だって、8月6日&9日。
 広島と長崎に原爆が投下されてから60年ということで、佐渡裕さん指揮で記念演奏会が行われて。その時にゲストで参加されたマイスキーさんがソロで演奏したのが、この『鳥の歌』だったのです。それをテレビで見ながら、ジーンとしてから3ヶ月弱で。その曲を生で聴けるなんて、本当に想像していなかったのです。
 そんな理由もあって、嬉しさと驚きと感動が入り混じった1曲でした。

 で、今日のコンサート。
 終演後にパンフレットやCD、ツアーグッズを購入した人は、マイスキーさん&レヒナーさんにサインをしていただける、ということになっておりました。
 ホールの終了時間とか、その後のマイスキーさんの予定なども考えたのでしょう。
 いつまでも鳴り止まない拍手と、次の1曲を求める観客に「そろそろお開きにしましょう」とばかりに客電がつきまして。やっと、拍手がやんで席を立つ人が次々に出てきました。

 そして、私も「演奏会の記念に…」と、サイン会の列に並びまして。マイスキーさんとレヒナーさんにサインしていただきました。上のパンフレットの裏表紙。黒字の大きなサインがマイスキーさんのもので、ゴールドで控えめなサインがレヒナーさんのものです。
 プログラムに加えて、アンコールを6曲も演奏して下さって。お疲れのところ、さらにサインまでして下さったマイスキーさんとレヒナーさんには、本当に感謝です。

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 今夜はNHK-FMで放送された「ベストオブクラシック」を聴きました。
 放送前から、「面白そうなプログラムだなぁ」と思っておりまして。小澤征爾さん&N響さんの組み合わせで、ベートーヴェンの『運命』にガーシュウィンの『ピアノ協奏曲』。どちらも大好きな曲で、加えて千住明さんの曲も演奏される。プラス、小澤さん自らマイクを持って、楽曲の解説をして下さるということで、全部ひっくるめて楽しんでしまいたい!と思いました。
 番組HPによりますと、今夜のプログラムは以下の通り。

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 - NHK音楽祭2005 -
 ▽NHK交響楽団 こどものためのプログラム

「交響曲 第5番 ハ短調 作品67」    ベートーベン作曲
「ピアノ協奏曲 ヘ調」          ガーシュウィン作曲
                (ピアノ)マーカス・ロバーツ
                (ベース)ローランド・ゲリン
              (ドラム)ジェイソン・マルサリス
「日本交響詩」                千住 明・作曲

                  (管弦楽)NHK交響楽団
                     (指揮)小澤 征爾
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 しょっぱなから、笑わせて下さいました、小澤征爾さん。
 普通にチューニングして、小澤さんが登場して、『運命』が始まった。と思ったら、「ソソソミ♭ー、ファファファレーー♪」でいきなり曲が中断して、小澤さんが曲について解説を始めて下さいました。なかなかシャレた演出に、会場におられる方々も、ラジオの前にいる私も、笑ってしまいました。
 この楽曲解説。
 オーケストラのコンサート初体験、という子どものために、楽器の解説も加えておられました。弦楽器のパート説明では、コンサートマスターの堀正文さんと、ヴィオラトップの店村眞積さんが並んで、前に出ておられたようで。倉敷音楽祭(ここ最近は来られませんが;;)で毎年楽しませていただいたお二人が並んでおられる様子が目に浮かびました。
 その楽曲解説のとき、小澤さんが第3楽章の「ソソソソー ソソソソー ソソソソー シ♭ラソファー♪」という部分を歌って下さいまして。聞いた瞬間、思いました。
 「歌い方が金聖響さんと同じだ(笑)」
 さすがは師弟、というべきでございましょうか(笑)

 楽曲解説を終えて、今度は最後まで通して本番の演奏が始まりました。
 久しぶりに小澤さんが振る『運命』を聴いたのですけれど。やっぱり、第1楽章はテンポ速いです。私が持っている、サイトウキネンと演奏した盤では、この第1楽章。7分かかっていないんですよね。そして、あれほど金聖響さんのCDをはじめ、小澤さんやカラヤンさんの盤で聴いているにもかかわらず、「あら、ここでこんなパートが?」と気づかされる部分がありました。音を拾うマイクの位置関係もあるのだと思いますが、どこ聴いてるんだ、自分?と、自分に突っ込みを入れたくなりました(苦笑)
 第2楽章は、第1楽章とは対称的にかなりしっかりテンポを落として、ゆったりと聴かせて下さいました。テンポが遅い分、後半の第4変奏はいっそう勇壮で華麗に彩られているように聴こえました。
 また、聖響さんが強弱の抑揚をつけて演奏していた所を、小澤さんは全くつけていなかったり。また逆もあったり。と、指揮者が変わると曲も変わる、というその違いを、この第2楽章では特に、改めて楽しませていただきました。

 第3楽章も、耳慣れている金聖響さんの盤と比べると、若干テンポが遅めでした。だからでしょうか。コントラバスとチェロがメロディを弾き始める部分が、追い立てられる感じではなく、どっしりと構えているような感じを受けました。

 第3楽章からノンストップで演奏される第4楽章は、ちょっとゆっくりめに始まって、次第にテンポを上げるように始まりました。時折、小澤さんが指揮台を踏みしめる足音のような音が聞こえてきたのは……多分、気のせいではないと思います(笑) 恐らく、指揮台の上で飛び上がっておられたのではないか、と。
 そして、この楽章。今日の演奏は、最初の提示部の繰り返しがなくて、そのまま次の展開部へと進んでいました。また、ピッコロが参加したのも最後の方のみでした。

 この『運命』
 楽章と楽章の間に拍手をしてしまうのは、コンサート初体験の子どもさんが多かったということで、ご愛嬌かしら?と微笑ましく思いました。演奏された楽章があまりに素晴らしくて、思わず拍手してしまう、なんてことは時々ありますけれど。拍手は最終楽章が終わってから、というのが通例になっていますから…。
 そして、終わった後に2度も3度も「ブラボー!」の声が飛んだのは、さすが、といったところでございましょうか。生で聴いたら、かなりの大迫力だったと思います。ハイ・ビジョンでは生中継されていたらしいですけれど。いいなぁ、見てみたかった。

 ガーシュウィンの『ピアノ協奏曲』は、ピアノ協奏曲と言いつつも、今日はマーカス・トリオとの共演ということで、「ピアノとベースとドラムスのための三重協奏曲」といった様子になっていました。

 このガーシュウィンの『ピアノ協奏曲 ヘ調』 自費でオーケストラを雇って、試奏しながら作曲した、なんてエピソードも聞いたことがあります。
 また、演奏前の解説では、小澤さんがマーカス・トリオの皆さんと会話しつつ、楽器の紹介もしていく、という形を取っておりました。そして3人合わせたら「こんな感じよ」と演奏されたのが、前半で演奏された『運命』の冒頭部。本当に、趣向を凝らして楽しませて下さいます、小澤さん。

 というワケで、ピアノ・トリオを迎えて演奏されたこの『ピアノ協奏曲 ヘ調』
 冒頭の、ティンパニの連打+シンバルの部分から、ドラムスが加わっていることもありまして、聴いた印象が全く違っていました。思わず「うわ、面白い!」と声に出して叫んでしまったほど(笑)
 ピアノソロの部分も、最初からかなりアドリブが入っていて(当然ですが、リハーサルから何度か演奏したらしいですが、一度として同じ演奏にはならないそうです) ベースやドラムスも加わって。ラジオを聴いていると、ついさっきまでNHKホールだったのに、急にジャズバーに瞬間移動してしまったような気分になりました。そしてオーケストラが入ってきて、またNHKホールに戻る、という。演奏中の45分ほどの間に、何度もホールとバーを行き来したような気がします(笑)

 ガーシュウィンのこの曲はもともと大好きだったのですけれど。
 大学時代はジャズ研究会の結成メンバーの一人だったという経験もありまして、実はジャズも好きでして。こういう、アドリブ入りまくりなガーシュウィンは、特に大好物でございます♪
 楽譜どおりに演奏するオーケストラと、アドリブで演奏するピアノ・トリオの演奏が上手く融合して、まさに一生に一度しか聴けない、ガーシュウィンを楽しませていただきました。やっぱり、ジャズもクラシックも、ライブが一番よね!なんてことを思う演奏でした。
 そして、アドリブ入りまくりということで、演奏時間が原曲よりかなり延びておりました。でも、ノリノリですからねぇ。ホールで聴いている子どもたちも、退屈している暇はなかったのではないかと思います。
 で、最後に。
 この曲、トランペットのヴィブラートが絶妙で、かなりシビれました♪
 終わった瞬間の大喝采と「ブラボー!」の合唱には、本当に納得です。私もラジオのまで思わず「凄いよぉ!」と叫んで拍手してました。

 今夜、最後に演奏されたのは千住明さん作曲の『日本交響詩』 日本の民謡が何曲も織り込まれていて、次々に知っているメロディが出てくる曲でした。だからでしょうか。小澤さんが演奏前に「最後に皆さん、歌ってもらいますよ」なんて仰ってました。
 実際聞いていると、『ふるさと』から始まって、『花笠音頭』とか『ソーラン節』とか。知ってるんだけど、曲名が出てこないもの含めて、北から南まで、あちこちの民謡が出てきました。ホールで聴いているわけではないので、歌詞がわかる曲は思わず一緒に歌いつつ、楽しませていただきました。
 その曲の最後に登場したのが、小澤さんが「歌ってもらいますよ」と仰った『サクラ』 やはり、日本といえば桜。トリはこの曲で決まりでございますね。
 祭りの音頭も何曲か入っているため、和太鼓をはじめとする打楽器さんや、お囃子やリズム部隊担当の管楽器さんは最活躍でございました。
 途中で「え~らやっちゃ え~らやっちゃ よ~い×4」なんて掛け声も、N響メンバーさんが叫んでおられましたけれど。普通に演奏している曲の途中で「声を出せ」と指示されていると、照れくささがあったりするんですよね(笑) 解説の方のお話によれば、リハーサルではその声が小さかったようで。「恥ずかしがらずに大きな声で」と小澤さんに指示されて、本番ではかなり声を張り上げておられたようです。

 今夜の演奏会も、確かBS2で放送される予定があるようなので。
 テレビ放送される時は、また見てみたいと思います。

 ちなみに。
 放送時間が余ったということで、小澤さんがボストン交響楽団を指揮したCDから、ラヴェル作曲の『クープランの墓』から一部抜粋して聴かせて下さいました。これは、ラジオだからこその嬉しい特典、でございました♪

 久しぶりにエルガーの「威風堂々」が聴きたいなぁ、と思いましたので、NHK-FMで放送された「ベストオブクラシック」を聴きました。
 番組HPによれば、今夜のプログラムは以下の通りです。

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「行進曲“威風堂々”第1番 ニ長調 作品39 第1」
                        エルガー作曲
「バイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」 メンデルスゾーン作曲
                  (バイオリン)神尾真由子
「組曲“惑星”作品32」            ホルスト作曲
「羊飼いのヘイ舞曲」            グレンジャー作曲

             (管弦楽)BBCフィルハーモニック
               (指揮)ジャナンドレア・ノセダ
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 まずは、久しぶりに聴いたエルガーの『威風堂々』
 この曲を聴く度に、吹奏楽部に所属していた高校時代に卒業式で演奏したことを思い出します。どーしてもあのドラムロールがやりたかった私は、自らスネアドラムに立候補して、いかに綺麗にドラムロールを聴かせるかに命をかけて(←笑;)、必死で練習した記憶があります。あの瞬間は「私が主役!」とばかりに、一発入魂(打楽器の場合、一音入魂というより、一発入魂、といった方がしっくりくる気がします)で叩きました。要所要所でビシッと決まる自分の音に、快感を覚えたものです。
 この曲、メロディが覚えやすくて、終わり方も盛り上がった所でスパッ!と終わってくれるので、聴いていてとても気持ちいいのですよね。いきなり「ブラボー!」の声が上がっていたのも、納得の名演でした。

 続きましては、通称メンコン。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。これまた、大好きな1曲です。
 これは好みの問題だと思うのですけれど。第1楽章、気持ち速めで演奏していただきたかったなぁ、と。ソリストの神尾さんも、全体的にとても丁寧に弾いておられる印象がありましたが、カデンツァの分散和音を駆け足で弾いて、音が高く上がったフェルマータを長めに溜める、という弾き方がイマイチ私の好みではありませんでした。
 第2楽章は、とても美しく歌い上げて下さっていたと思います。
 第3楽章も、聴いていてとても楽しかったのですけれど。やはり、もう少し素直に弾いていただいた方が好ましかったかなぁ、と思いました。ラストで一度音量を落として、クレッシェンドして終わる、という終わり方はなかなか面白いなぁ、とニヤリとしてしまいました。
 やはり、とても好きで、かなりいろいろな演奏を聴いているためでしょうか。
 私にしては珍しく、辛口な感想になってしまいました(苦笑)
 自分で演奏できるわけではないですし、批評家でもないので、たいていの演奏は許容するんですけれど……。やはり好みの問題はどうしようもないか、と。

 メインに演奏されたのは、ホルスト作曲の『惑星』。これもまた、有名な曲です。正直申し上げまして、『火星』と『木星』以外は、印象の薄い曲だったりします。
 私の誕生星は天王星なのですが、どんな曲だったかと問われても、「はて、どんな曲だったかな?」と首をひねってしまいます(汗;)
 何となく。ぼやーっとした曲だった、という印象しかないです(苦笑) 太陽系の惑星の中で、完全に横倒しになって太陽の周りを回っている、というある意味ひねくれた惑星なんですけどね(笑)
 というか、『火星』と『木星』があまりに派手で、強烈なんですよね、きっと。
 その『惑星』
 全曲を通して聴いたのは、まさに十数年ぶり、といった感じでした。

 『火星』は、「戦いをもたらすもの」ということで勇壮で、5拍子で展開される曲がとてもカッコよくて、とてもテンションが上がります。
 『水星』は、ホルストがつけたサブタイトルによれば「翼のある使者」 守護神は、とても頭が良くて賢くて、医学や商売などさまざまな分野で守り神とされるヘルメスということもあるためでしょうか。チェレスタが可愛らしくて、とても面白い曲だなぁ、と改めて思いました。
 『木星』は、J-POPでのカバー曲のヒットが記憶に新しいところですが、私はやはりこの原曲の方が好きです。管楽器やティンパニに後押しされて浪々と歌い上げる弦楽器のユニゾンを聴くと、ゾクゾクします。この曲、ティンパニがとてもカッコいいですし♪ でも、あのティンパニのパートはペダル式のティンパニでなければ、演奏不可能だよなぁ、と。これまた聴く度に思います。今夜の演奏は、テンポも微妙に揺らしていて、面白かったです。……にしてもこの曲。指揮者の足音や声が聞こえたような気がするのは……私の気のせいでしょうか(笑) でも、気合が入るのはわかるなぁ、と思います。
 『土星』は山羊座の守護星でもあり、「老いをもたらすもの」 守護神は時間を司るクロノスという説があって。奇しくも、山羊座の生まれである指揮者・下野竜也さんと金聖響さんを思い、「なるほど、演奏会という限られた時間を支配する方々に相応しいな」と思った覚えがあります。この曲、最初は静かに始まる曲ですが、途中でこんなに激しくなっていたのか、と気づかされました。
 で、「魔術師」とつけられた『天王星』。ぼやーっとした曲、と思っていた時点で、いかに私がぼやーっと聴いていたかを思い知らされるようでした(笑) そうか、こんなにつかみ所がなくて、舞曲のように弾む面もある、面白い曲だったのか。こんなにティンパニが大活躍している曲だったのか。自分の守護星である、という点も含めて好きになりました。
 ラストは、当時はここまでしか発見されていなかったという『海王星』 ぼやーっとした曲、というのはこの曲の印象でございました。チェレスタの音とか、不協和音のような微妙な音の重なり。そして消え行くように終わる曲。それがとても神秘的な印象を与えていて、ある意味でとても「宇宙的な曲」だと思います。

 とまぁ。今夜はじっくりと組曲『惑星』を聞かせていただいたワケなのですが。
 『火星』と『木星』だけじゃないんだぞ、とホルストさんに叱られたような気がします。

 以下は余談なのですが、ここ最近星空を見上げていると、日没すぐの西の空では金星が見られます。時間が経って月が出てくると、今度は月が火星と仲良しさんで、結構近い距離に見られました。ちょっと調べてみると、火星は30日に地球に最接近するらしいです。
 これを機に、注意して星空を見上げてみる、というのもまた一興ではないかと思います。
 ……もっとも、夜でも明かりが煌々と灯る都会では、星もあまり見られないかもしれませんが。でも、土星くらいまでなら他の星よりずっと明るいので、見つけられるのではないかと思います。

20051016聖響/ウィーン古典派

 6月の公演は涙をのんで見送った「聖響 ウィーン古典派」シリーズ。今日、ようやく聴きに行くことができました。
 詳細な感想を述べる前に、とりあえず、一言。
 聴き終えてホールから出る時。お腹いっぱい、胸いっぱい。幸せすぎて、頭が真っ白でした。聖響さんも、3人の巨匠も、凄すぎです。
 以下、詳細です。

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<プログラム>

ハイドン作曲 交響曲第88番 ト長調
モーツァルト作曲 交響曲第40番 ト短調
(休憩)
ベートーヴェン作曲 交響曲第7番 イ長調

指揮:金聖響
大阪センチュリー交響楽団
ザ・シンフォニーホール 14:00~
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 20年前。
 倉敷音楽祭が始まった頃、当時、音楽祭のために結成される祝祭管弦楽団を指揮して下さっていた朝比奈隆さんによって、モーツァルトとベートーヴェンの交響曲を1曲ずつ演奏する、というコンサートを毎年聴きました。モーツァルトは41番からカウントダウン、ベートーヴェンは1番から順に…というプログラムでした。
 とまぁ、モーツァルトとベートーヴェンの交響曲を一度に聴く、というコンサートは経験があったのですが。それにハイドンが加わったのを聴くのは、今日が初めてでした。
 初めてハイドン→モーツァルト→ベートーヴェンの順に聴いた印象としては。ハイドンによって確立された「交響曲」が、モーツァルトで熟成されて、ベートーヴェンで革命が起きる、といった感じでした。
 演奏する金聖響さんや、大阪センチュリー交響楽団の皆様は大変だったと思うのですが、聴いている方はとても楽しく、また興味深いコンサートでもありました。

 本日の席は、ステージ上手側一番奥の2階席。チケットを買う時、1階席と2階席で迷った私に、オペレーターさんが言った一言。「指揮者がよく見えるのはこちらの方で…」に負けて、即決してしまった席です(汗)
 トランペットやティンパニさんは見えませんでしたが、確かに指揮台に立つ聖響さんのお姿は、よく見えました。音と共に指揮も堪能できました。
 ただ、その「指揮者がよく見える席」初体験の私には、少々シゲキが強すぎたようです(笑)
 思考や感情を司る脳の神経が麻痺してしまったように、夢見心地で呆然と聞いていたような気がします。

 トップバッターのハイドンは、とてもステキな曲でした。第4楽章は特に、聴いていて、楽しくて、楽しくて仕方なくて。笑顔が止まらない、といった状態でした。
 この曲では、聖響さんは要所要所を締めて、あまり振り過ぎない指揮をしている、という印象を受けました。先日、映画『この胸いっぱいの愛を』公開に合わせ、ローソンで前売り券付きで販売されたDVDに収録された、ご本人のお言葉を借りるならば「キメるところだけキメて」。あとは、オーケストラを自由に泳がせると言いますか、遊ばせると言いますか。とても楽しそうに、オーケストラが奏でる演奏を聴いておられたので、見て&聴いているこちらまで、楽しくなってしまいました。
 指先をほんの少し動かしただけで、アクセントがついたり、新たな音が加わってきたりする様子は、指揮者がよく見える席でなければわからなかったかも。なんてことを思いました。

 2番手は、モーツァルトです。
 映画『アマデウス』にも使われた25番と同様、ト短調で書かれた交響曲。そのうちの一つです。大好きな曲ということもあって、これを聴くのが楽しみだなぁ、と思っておりました。
 第1楽章冒頭で登場する、ポップスにも編曲されていることもあってとても有名な、「ロマンティック」と形容されることも多いメロディに引きずられて、今まで気づかなかったのですけれど。とても力強いモーツァルトを聴いたように思います。
 第1楽章冒頭のメロディは、細かく表情をつける指揮に導かれるようにロマンティックで。第2楽章はとても繊細で、優美で、思わず涙が頬を伝ったのですけれど。
 アップテンポで展開される第3楽章を聴いて、目からウロコがポロリと落ちまして。第4楽章はそのままの勢いで突っ走る、といった具合で、力強くて劇的な印象でした。
 プログラムによれば、第3楽章はアレグレットで、第4楽章はアレグロ・アッサイということなので、第4楽章の方が速いテンポで展開されるはずなのですが。聴いていると、第3楽章の方が速い印象を受けました。
 今日の演奏は、今まで気づかずにいたモーツァルトの新たな一面に気づかされたような。そんな気がします。

 休憩を挟んで演奏されたのが、これまた本日のメインイベント!とでも言うべき、ベートーヴェンの7番。CDでも死ぬほど聴いている曲ですが、その演奏とはまた一味も二味も違っているらしい、ということで、こちらも楽しみにしておりました。

 正直申し上げまして、こんな7番は初めて聴きました!

 もちろん、いい意味で、です。
 第1楽章から「え? そこでクレッシェンド&ディミニュエンドするの?」と驚かされること、数度。テンポも、途中で微妙に揺らしていたような記憶があります。第2楽章は少し落ち着いた感じで、若干テンポが緩めだったように思いました。
 第3楽章は、テンポが緩む中間部。フォルティシモで高らかに鳴る音が、そのまま天井を突き抜けて、空まで届いてしまうのではないか、と思うほど強烈でした。聴いていて、一緒に天の高いところまで連れて行かれるかと思いました。
 そして、圧倒されたのが第4楽章。リズムの饗宴に狂喜乱舞、思いがけない演出に驚愕、これでもか!と押し寄せてくる、息もつかせぬ音の波動にノックアウトされた、といった感じでした。
 強烈なリズム打撃に続いて始まる、第1主題。本当に、驚かされました。
 あんな聞かせ方もあるのか、と。これまた目からウロコが50枚くらいポロポロと落ちた感じです。まさか、ゆっくり始めて加速するなんて! しかも、それが決して奇をてらったものではなくて、こういう演奏もアリなんだ、と納得できてしまうから、本当に不思議です。さすがでございます。
 そして、弦楽器が対向配置になっていると、こういう風に聴こえるんだなぁ、と。視覚的にも楽しませていただきました。

 演奏会やCDで、繰り返して、数え切れないほど聴いていた曲のはずなのに。初めて聴いた!と思うような新鮮な驚きと発見に満ち溢れていて。曲や、聖響さんの指揮に煽られるようにガンガンにテンションが上がって、かなりノリノリでガッツリと聴いてしまいました。音楽と一緒に、狂喜乱舞してしまったようでした。……周囲にいた方に、ご迷惑をおかけしなかったか、と。ちょっと心配なのですが(笑)
 指揮と演奏に圧倒されて、心臓がドキドキを通り越してバクバク状態で。あまりの迫力に、泣くことすら忘れて、演奏に没頭してしまいました。聴きながら、手が震えておりました。
 ただただ興奮して、曲が終わった後は、感情を爆発させるかのように拍手してしまいました。

 3人の巨匠が生み出した交響曲を1日で聴いた、という満足感と。
 大阪センチュリー交響楽団の演奏だけでなく、金聖響さんの指揮もたっぷりと堪能できたという幸福感で。終わった後は、本当に頭の中が真っ白でした。
 その反動なのか、帰りの電車では思い出し笑い&思い出し泣きを堪えるのに必死でございました(笑)
 家に帰り着いて、この感想を書くためにコンサートを反芻して、やっと泣きました。それほどまでに、圧倒された演奏会でした。
 私事でいろいろあって、どうなるかと思いましたけれど、行けてよかったです。
 励まして下さったり、行けるように、と後押しして下さったりした方々と。
 素晴らしい曲を生み出して下さった3人の偉大な作曲家と。
 素晴らしい演奏を聴かせて下さった、金聖響さんと大阪センチュリー交響楽団の皆様方に、心から感謝致します。

 さて、次回は11月27日です。
 『告別』『英雄』と39番。これまた、目が離せない。というよりむしろ、絶対に目を離したくない!と思うプログラムです。
 特に『告別』は、生で聴くのは初めてなので。その演出も含め、楽しみでございます♪

<以後、後日談>

 この感想を書いた翌日の午後。
 これ以上ないほどの歓喜と感動に満たされ、その余韻に浸る私の様子を見届けたように、離れて暮らす祖母が亡くなりました。この日のコンサートは、私を可愛がってくれていた祖母からの、最後の贈り物だったように思います。
 そういう意味でも、この日のコンサートは、私にとって生涯忘れられない、特別なコンサートになりました。

 今夜のNHK-FM『ベストオブクラシック』は、来日中のリッカルド・ムーティ指揮&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の日本公演生中継でした。
 番組HPによれば、本日の演目は以下の通りです。

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- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団日本公演 -

「“ロザムンデ”序曲」           シューベルト作曲
「交響曲 第35番 ニ長調 K.385“ハフナー”」
                      モーツァルト作曲
「スペイン狂詩曲」               ラヴェル作曲
「バレエ組曲“三角帽子”第2部」        ファリャ作曲

        (管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                (指揮)リッカルド・ムーティ
  ~東京・サントリーホールから中継~
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 リッカルド・ムーティ指揮&ウィーンフィルといえば、8日は地元岡山で公演がありました。が、チケット代高いなぁ。これだけのお金があったら、他の人のコンサートに何回行けるんだろう?と換算してしまいまして(苦笑) 先行予約の段階でチケットが完売(だったと思います)してしまったこともあって、諦めました。
 でも、今夜こうして、サントリーホールでの公演を中継で聴くことができて、何だかトクした気分です。

 加えて、今夜のゲストがなんと、指揮者の下野竜也さん。お友達の金聖響さんと合わせて、私が今最も注目している指揮者さんでした。ステージに上がる前の心境や、ウィーン留学時代のお話など、普段はあまり聞けない貴重なお話にも、感激しました。

 演奏の方は、自宅でFM放送を聴くと、若干雑音が入ってしまうのですけれど、それでも素晴らしい演奏でした。1曲終わるごとに、一緒に拍手してしまうほど。

 前半では、モーツァルトの交響曲第35番が、特にいいなぁ、と感じました。
 第1楽章は気持ちテンポが速めかなぁ、と思ったのですけれど。冒頭の部分を聴いて、「ああ、こんな曲だったなぁ」と思い出しました。この曲を聴いたのは、何年ぶりでございましょうか(笑)
 全体として、明るく優雅な響きに聞き惚れて。今日1日の疲れを、音楽が吸い取ってくれるような。そんな清々しい気持ちになりました。
 作曲家の青島広志さんが、「モーツァルトは和声の流れがとても自然。自然なことを、当たり前のようにやっていた人なんじゃないか」といったことを、某番組で仰っていたのを聞きましたけれど。こうして、ゆったりと曲に身を任せていると、安心して聴いていられると言いますか。なるほど、確かにとても自然な感じで聴けるなぁ、と納得してしまいました。
 以前、モーツァルトの交響曲を聴くと、必ず寝てしまう。というジンクスが、私の中にはあったのですけれど。その辺りのことが、関係しているのかもしれません。
 ……今夜は、寝ないでちゃんと最後まで聴きました(笑) 第4楽章は細かい動きが多くて、小動物があっちこっちに動き回っているようで、聴いていて楽しかったです。

 後半は、ラヴェルもファリャも、どちらも楽しみにしていた曲です。

 ラヴェルは、先日の大野和士さん&モネ劇場でも思ったのですけれど。聴いていると、中身の見えない、おまけ付きのお菓子を手に取って、「この中には何が入っているんだろう?」と思いながら箱を開けるような。そして箱を開けてみたらとても面白いものが入っていて、次々に開けてみたくなる。そんなワクワク感があるような気がします。
 次にどんな音が鳴るのか、ある程度予測がつくのがモーツァルトだとしたら。ラヴェルは、全く先が読めない作曲家だと思います。
 ……なんてことを書いていて、思い出しました。
 そういえば、9月下旬の大野さん&モネ劇場でも、モーツァルト→ラヴェルの順で曲を聴いたのでした。面白い偶然が重なったものだなぁ、と気づいて、また楽しくなってしまいました(笑)

 ファリャの『三角帽子』は、吹奏楽をやっていた頃からとても好きな曲です。
 というのはですね、この曲。吹奏楽コンクールの自由曲として選ばれることが多いのです。ですので、現役時代は毎年、この曲を演奏する団体がないか。あったら、それを聴けるかどうか、と楽しみにしておりました。残念ながら自分で演奏する機会はありませんでしたが、今でもこの曲を聴くたびに、そうやって楽しみにしていた感覚を思い出します。
 今夜も、聴きながら「ここ好き♪ あそこも好き♪」といった具合で、楽しませていただきました♪
 好きなんですよぉ。カスタネットが連打する所とか、特に。そして、思うのですよ。いいなぁ、私も叩きたい!と(笑) この曲を聴くと、元打楽器奏者としての血が騒ぎます。曲に合わせて身体を揺らしながら、ノリノリで聴いてしまいました。
 あれを生で聴いたら、さぞかし興奮することでございましょう。拍手が鳴り止まないのも、納得です。

 そして、サプライズがアンコールで待っていました。
 私が十数年前に、地元倉敷で、ムーティさんの指揮で聴いた(オケはフィラデルフィア管弦楽団でした)、ヴェルディ作曲の『歌劇 運命の力 序曲』を演奏してくださいました! 冒頭のEの音を聞いた瞬間に、思わず歓声を上げてしまいました。
 今夜の演奏は、CDでよく聴いていてる、ミラノ・スカラ座管弦楽団との演奏と比べると、かなりテンポアップしていました。
 そういえば、今夜のゲスト下野竜也さんは先月、神奈川フィルとの共演でこの『運命の力』を指揮されたんですよね。そういう意味でも、とてもタイムリーで素晴らしい組み合わせでございました♪
 それにしても、この『ウンリキ』
 中学時代、吹奏楽コンクールの自由曲で演奏したのですけれど。こうしてオーケストラの演奏で聴くたびに思うのが。私、あの時によくぞ、あのハープのパートをヴィブラフォンで叩けたなぁ、という(笑) ノーミスで叩けたのは、本番のただ一度きりでございましたが、それもまた、とてもいい思い出です。
 そして聴くたびに、あの金管のコラールの美しさに感動し。実際に演じられるストーリーとは裏腹に、最後はとても爽快感があって、聴いていて気持ちのいい曲だなぁ、と思います。
 最後の最後まで、本当にブラボー!な演奏でした。

 今夜の合言葉は、「燃える男 リッカルド・ムーティ」(by 下野竜也さん)ということで。
 アンコールのヴェルディは、暴れておられたのですね、ムーティさん(笑)
 あの足音らしき音は、やっぱりムーティさんの足音だったのですね、後半(笑)
 生で聴く音には遠く及ばないかもしれませんが、その一部でも味わうことができて、大好きな曲も堪能できて、ゲスト様の楽しいトークも聴くことができて。
 楽しませていただきました。

 ちなみに、今夜のこの演奏会。
 この先、BS2やハイビジョンなどで放送されるようです。
 聞き逃した!と仰る方は、新聞のテレビ欄をチェックしてみてはいかがでしょうか?

 今日は、朝から「題名のない音楽会21」で、神奈川フィルのソロ・コンマスである石田泰尚さんのソロ(短かったですけど;)を堪能し、午後からはFM放送で本名徹次さんの指揮によるベートーヴェンの交響曲第5番『運命』と、ロジャー・ノリントン指揮によるブラームスを楽しみました。
 午後からの本名徹次さんと、ロジャー・ノリントンさんの番組は、HPによれば、以下のようなプログラムになっていました。

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●FMシンフォニーコンサート

「交響曲 第5番 ハ短調 作品67」    ベートーベン作曲
「組曲“ホルベアの時代から”作品40 から
             第2曲“サラバンド”」グリーグ作曲

           (管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
                     (指揮)本名 徹次

●海外クラシックコンサート
- ノリントン指揮
       シュツットガルト放送交響楽団のブラームス -
 ▽ロジャー・ノリントン指揮
         シュツットガルト放送交響楽団演奏会

「悲劇的序曲 作品81」           ブラームス作曲
「海の絵」                   エルガー作曲
          (アルト)キャサリン・ウィン・ロジャーズ
「交響曲 第1番 ハ短調 作品68」     ブラームス作曲

           (管弦楽)シュツットガルト放送交響楽団
                (指揮)ロジャー・ノリントン
  ~ドイツ・シュツットガルト
         リーダーハレ内ベートーベン・ザールで収録~

「大学祝典序曲 作品80」          ブラームス作曲
「ピアノ協奏曲」               ティペット作曲
              (ピアノ)マルティーノ・ティリモ
「交響曲 第3番 ヘ長調 作品90」     ブラームス作曲

           (管弦楽)シュツットガルト放送交響楽団
                (指揮)ロジャー・ノリントン
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 まずは、本名徹次さん&東フィルによる『運命』から。

 本名徹次さんといえば、私が大好きな指揮者、金聖響さんよりも先にピリオド・アプローチを取り入れておられる指揮者さん、という認識が私の中にはありまして。一度その演奏も聴いてみたいと思っておりましたので、今日の放送は千載一遇のチャンスでした。
 番組の解説によりますと、この演奏が録音された時。弦楽器は、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが指揮者を挟んで対向配置になっており、コントラバスも第1ヴァイオリンの後ろ。トランペットとトロンボーンは右後方に位置する、という古典配置だったようです。
 そして、聴いた感じによれば、弦楽器はノン・ヴィブラートで演奏しているようでした。

 本名さんの指揮による『運命』は、モダン楽器によるピリオド・アプローチという共通点はあれど、テンポ設定も含め、やはり金聖響さんとは全く印象が違います。
 第1楽章はどちらかといえば、テンポは速め。畳み掛けるような「ジャジャジャジャーン」と重厚でありながら、どこかクリアーでスッキリとした印象を受けました。
 続く、第2楽章と第3楽章はテンポが遅め。
 そして、私が強烈に「うわぁ!」と思ったのが、第4楽章でした。
 冒頭の「ドーミーソーファミレドレドー♪」の、「ドミソ」はちょっと溜めて、続く「ファミレドレドー」から一気にテンポアップする感じで、相当飛ばしていました。もう、「そんなに飛ばすの?」と驚いてしまうほど。
 また、第4楽章全編に渡って書かれているはずのピッコロですが、実際に演奏されていたのは、私が持っている市販のミニスコアによれば、325小節目。最後のプレストに入っていく少し前から入ってきていました。
 金聖響さんのCDで、彼が振る『運命』に出会うまでは、↑のようなピッコロを普通に聴いていたのですけれど。そうか、ピッコロが入っていないと、ちょっと寂しい感じがするな、と思いました。

 同じピリオド・アプローチによるベートーヴェンの『運命』でも、指揮者が違えばこうも印象が違うものか、と。
 当たり前のことに、改めて気づかされる演奏でした。

 続きましては、ロジャー・ノリントン指揮による、ブラームスを中心としたプログラムです。
 こちらのロジャー・ノリントンさんは、ピリオド・アプローチの先駆者とも言える方でして。放送されたオーケストラも、当然ヴァイオリンは対向配置で、弦楽器はノン・ヴィブラートで、ティンパニは固めのマレットで叩いてるようでした。
 ピリオド・アプローチによるブラームス。日頃聴き慣れている、ドイツ式配置で、ヴィブラートをバリバリにかけた演奏と、どれほど響きが違うのかを聴いてみたい、と思っていた私にとっては、とても嬉しい放送でした。

 で、そのブラームスの交響曲第1番ですが。
 冒頭から、驚かされました。
 まず、テンポがとても速い。そして、ティンパニの連打が一本調子ではなくて、強弱がついていて。音の重なり方も、重苦しくなくてどこかサラリとした印象でした。
 第2楽章も、第3楽章も。やはり、いつも聴いているCDなどと比べると、テンポが速めで、全体として明るくてサラリとした感じです。
 ブラームスといえば、どこか重厚なイメージがあるのですけれど。こういう演奏も、アリなんだなぁ、と感心致しました。
 ベートーヴェンの第九によく似ている、と言われる第4楽章も、とてもステキでした。昨日見た映画の感動が心の中に残っていて、それと共鳴した部分もあるのでしょうか。速いテンポで展開される、第九によく似ているんだけど、第九よりは穏やかなそのメロディを聴いていると、爽やかな感動に満たされて、ちょっと涙ぐんでしまいました。
 そして、全体的に速いテンポで展開されてきた交響曲。
 フィナーレも、やはり快速テンポで飛ばしていました。勢いのあるティンパニも、強調しすぎず程よい音量で。終わった後は、ラジオなのに拍手してしまいました。

 にしても、偶然重なったのか、それとも意図的にそういうプログラムにしたのか。
 奇しくも、モダン楽器によるピリオド・アプローチに取り組んでいる指揮者による演奏が続いた、というのはとても興味深かったです。

「この胸いっぱいの愛を」 オリジナル・サウンドトラック
  (2005年リリース UPCH-1439)
<曲目>
  1. T.H.ベイリー/「ロング・ロング・アゴー」
  2. この胸いっぱいの愛を
  3. それぞれのチェックイン
  4. ばあちゃんの誕生日?
  5. ヒロとヒロ
  6. 和美姉ちゃんと鈴谷I
  7. 柵ごしの布川
  8. 20年前の悲しみ
  9. 喜びのドア
  10. L.v.ベートーヴェン/「交響曲 第9番」 第4楽章より
  11. あこがれと絶望
  12. 臼井とともえI
  13. 臼井とともえII
  14. アンバーの涙
  15. 布川と母
  16. P.マスカーニ/「カヴァレリア・ルスティカーナ」 より間奏曲
  17. 2人のヒロ
  18. 和美の告白I
  19. H.W.エルンスト/「夏の名残りのバラ」 より
  20. 和美姉ちゃんと鈴谷II
  21. 知ってしまった夜
  22. 10番目の約束
  23. 絶望の真実
  24. 和美の病室
  25. 車内の告白
  26. ヒロの決意
  27. H.ヴューダン/「ヴァイオリン協奏曲 第5番」 第3部
  28. 和美姉ちゃんと鈴谷III
  29. 和美の告白II
  30. Sweet Mom ~Movie Ver.~ / 柴崎コウ

 音楽:千住明
 ヴァイオリン独奏:千住真理子(M-1,2,19,27)
 指揮:金聖響(M-1,10,16,27)
 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団(M-1,10,16,27)
 合唱:東京混声合唱団(M-10)
  ほか
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 今、最も注目している指揮者、金聖響さんが指揮者役で出演する、ということで、公開前からずーっと心待ちにしておりました映画『この胸いっぱいの愛を』のサントラです。
 このサントラに収録されるオーケストラ曲も、聖響さんが指揮をしている。と聴けば、買わずにいられないのがファンというものでございます(笑)

 まぁ、サントラということで、短い曲がたくさん収録されておりますので。
 感想は、カテゴリー分けも「金聖響さん」にしているということもあり、彼が指揮している曲を中心に書かせていただきます。

 冒頭に収録されているのは、『ロング・ロング・アゴー』
 スズキ・メソッドの第1巻に入っていて、このメソッドでヴァイオリンを習う初心者が、必ずと言っていいほど演奏する曲です。私も、大学時代に習い始めた時、2ヶ月目くらいでこの曲を弾きました。
 という、初心者向けの曲なのですが、ソリストは千住真理子さん。ストラディヴァリウスを貸与されているほどのソリストでございます。なので、この『ロング~』は、ヴァイオリン協奏曲風にアレンジされて、難易度がかなりアップしておりました。演奏時間はそれほど長くないですが、とても聴き応えのある曲に仕上がっているのではないか、と思います。
 そしてソリストの千住真理子さん。弦をどこも押さえることなく、当然ヴィブラートもかけられない開放弦の音まで、とても美しい。さすがでございます。

 10曲目に収録されているのは、第九。
 第一印象としては、「え? ここから行くんすか? そんなの、アリ?」と思いました。だって、第九と言えばコレ!と誰でも歌える「ファ♯ファ♯ソララソファ♯ミレレミファ♯ファ♯ーミミー♪」の一歩前からいきなり始まるんですもの。
 そして、「うわ、テンポ速っ!!!」
 楽譜に書かれているテンポ指定は「Allegro assai vivace」なので、確かに速いのは速いのですけれど。聴き慣れているテンポよりまだ速いので、ちょっとビックリでした。 でも、次の瞬間に思い出しました。
 以前どこかで小耳に挟んだのですが、聖響さんは「第九はロックだ」と仰って、実際かなりアップテンポで第4楽章を振ったことがある、ということを。
 まぁ、これは映画のサントラだから、ということもあるのかもしれませんけれど。彼が第九の4楽章を振る時は、通常でもこれくらいのテンポなのかなぁ、と思いました。残念ながら、今年は彼が振る第九を聴く機会がないのですけれど。来年以降、楽しみにしたいと思います。
 しかし、この第九。
 たった1分とちょっとで終わってしまうなんて(涙) もし、第4楽章を最後まで演奏していたのだとしたら、収録してほしかったです。……と申しましても、次の曲との兼ね合いがあるので、難しかったのかもしれませんけれど。あそこで終わってしまうというのは、ちょっと……。
 例えて言うならば、『どっちの●理ショー』で、勝負どころの食材を一口にも満たない量で試食させられて、「うわ、美味い! 頼む、全部食べさせて!」とコメントするゲスト状態、って感じでしょうか(笑)

 そして、16曲目に収録されていますのが、映画の予告でも流れていた『カヴァレリア・ルスティカーナより 間奏曲』です。予告でちょっと聴いただけで、半泣きになってしまった、あの曲です。最初に予告を見た時は、「ひょっとして…?」と思いつつも、聖響さんが指揮しているとは聞いていなかったのですけれど。流れてきた曲を聴いて、CDを聴くとよく泣いてしまう『英雄』の第2楽章に通じるものを感じて、「ああ、これ、聖響さんが振ってるなぁ」と直感した、あの曲です。そして、このCDで最も楽しみにしていた曲でもあります。
 ………
 ……
 号泣でした。
 いつも、ベートーヴェンやハイドンといった古典派を演奏する時は、弦楽器をノン・ヴィブラートで演奏させている彼ですが、この曲に関しては、とことんヴィブラートをかけて、弦楽器が歌い上げています。とても丁寧に、綺麗に。いやらしくならない程度に節度があって、とても美しいと感じました。
 そのヴィブラートがかかったメロディの、細波のように細かい音のゆらぎに、どうしようもなく心が揺さぶられて、こらえきれなくて、声を上げて泣きました。
 もう、どうなっちゃったんでしょう、私?と思うくらい(笑)
 今までにも何度となく、彼の指揮によって生み出される音楽に泣かされてきましたが、またしても!といった感じです。
 美しい曲を、とことん美しく歌い上げる。
 当たり前のようでいて、難しいことではないかと思います。

 にしても、こんな綺麗な『カヴァレリア~』を聴かされたら、他の曲を振るのも聞きたくなってしまいます。
 例えば、先日、大野さん&モネ劇場のコンサートで聞いたマーラーの『アダージェット』とか。全曲通してでも、単独でも、どちらでもいいのですけれど。聴いてみたいなぁ。
 来年、年が明けたらすぐに、ドヴォルザークの第9番を彼の指揮で聴くことになりまして。その第2楽章も、とても楽しみです。

 ……と、話が横道に逸れましたので、サントラのお話に戻りましょう。

 27曲目に収録されていますのは、ヴューダン作曲の『ヴァイオリン協奏曲 第5番 第3部』 これまた、多分フィナーレの部分だけ、収録されています。
 いきなり、ソロ・ヴァイオリンが超絶技巧です。ヴァイオリン協奏曲は、かなりいろいろな曲を聴いていると自負しているのですが、この曲は、サントラで初めて聴きました。
 ぜひ一度、全曲通して聴いてみたいなぁ、と思います。
 にしても、このヴューダンのヴァイオリン協奏曲。多分、主人公の初恋の人である、和美さんがソリストとして演奏するシーンで使われるのだと思うのですが……これを弾いている演技をするだけでも、大変なのではないかと思います。だって、音がかなりあちこちに飛んでいるので、音程を取る左手も、弓を操る右手も、そうとう忙しいはずなんですよ。役者さんの苦労が偲ばれる曲でございました。

 とまぁ、聖響さんが指揮している曲だけをピックアップしてお送りしたわけなのですが……。たった4曲の感想を書いているだけなのに、なんという長さでしょう(笑)
 サントラ全体としては、やはりストーリーを反映しているのでしょうか。優しくて、柔らかい曲が多かったように思います。
 これらの音楽をバックに、どんな映像や演技が映し出されているのか。
 映画を見るのが、とても楽しみです。

 そんな『この胸いっぱいの愛を』
 全国東宝洋画系にて、10月8日(土)からロードショーです。
 皆様是非、最寄の映画館へお越し下さいませ。
 聖響さんが指揮しているところも、演技をしているところも(それも、日頃は関西弁の彼が、標準語で!)堪能できる、貴重な機会ですので♪
 ワタクシは、一足お先に、明日、試写会で見て参ります。

 そうそう、言い忘れておりました。
 このサントラのレコーディング風景や、映画ではカットされてしまう『カヴァレリア~』の演奏シーンが収録されたDVDが、ローソン限定で発売されております。期間限定&数量限定のようですので、興味がある方は、お近くのローソンへ行って、Roppiにて予約&お取り寄せして下さいませ。

 ……と、回し者のように宣伝してみたりして(笑)

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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