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<プログラム>
モーツァルト作曲:
 歌劇「魔笛」K.620 序曲
ラヴェル作曲:
 ラ・ヴァルス
(休憩)
マーラー作曲:
 交響曲第5番 嬰ハ短調

(アンコール)
マーラー作曲:
 交響曲第5番 嬰ハ短調より 第5楽章

管弦楽:ベルギー王立歌劇場管弦楽団
指揮:大野和士
2005年9月29日(木)19:00
倉敷市民会館
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 思えばワタクシ、大野和士さんが指揮をする、ラヴェルの「ボレロ」終了と同時に2005年を迎えました。毎年恒例で見ている、東急ジルヴェスターコンサートに登場したのが大野さんで、2004年の最後に聴いたのも、2005年最初に聴いたのも、大野さんの指揮による演奏でした。

 その大野さんが、ベルギー王立歌劇場管弦楽団を率いて、地元倉敷に来る。
 しかも、曲目がマーラーの5番ということで、「こんな案内来たよ~」と、コンサートを主催する“くらしきコンサート”からのDMを母上に見せられて、「行く!」と即決致しました(笑)
 そしてずーっと楽しみにしていたコンサートに、今夜行って参りました。

今夜の席は、2階席のど真ん中で、前から3列目。吹奏楽コンクールでは、審査員席がある辺りでした。ステージ全体を見渡すことができて、A席だったのですが、S席の真後ろでして、音を聴くには絶好の位置でした。
 メインがマーラーの5番で、フル編成のオーケストラが必要になるためか、オーケストラピットを出して、ステージをフルに使っていました。
 そして、指揮台に立つ大野さんの前には……譜面台がないんですね。あのマーラーを暗譜で振るの!?と思っておりましたら、「魔笛」の序曲も、「ラ・ヴァルス」もマーラーも。全て暗譜で振っておられました。とんでもない方です。

 そんな今夜のコンサート。
 「魔笛」序曲は、まずは小手調べ、といった感じです。さすがは、ヨーロッパ最古の劇場の一つに数えられるという、ベルギー王立歌劇場、通称モネ劇場のオーケストラです。素晴らしい演奏でした。

 続く「ラ・ヴァルス」は、聴いていて楽しくて、楽しくて、仕方なかったです。
 以前、NHK-FMでこの曲を聴いた時、“ヨハン・シュトラウスが直球なら、ラヴェルは変化球かな?”と思ったものですが。シュトラウスのワルツが踊るための曲ならば、ラヴェルのワルツは鑑賞するための曲、といったところでしょうか。
 聴いていてとても気持ちよくて、楽しくて。あまりの楽しさに、笑いが止まりませんでした。

 休憩を挟んで、いよいよマーラーです。
 今週、CDを聴いたり、市販のミニスコアをみたり……とバッチリ予習して、しっかり聴く体勢を整えて臨んだマーラーです。
 これが、とにかく素晴らしかった!!!

 もともと、葬送行進曲の第1楽章から始まって、第5楽章の華々しいフィナーレへと突き進んでいく、という歓喜が約束されたような構成になっている曲なのですけれど。
 第1楽章から、フル編成のオーケストラがフォルティシモで、全開で鳴らす音の迫力に圧倒されました。ゾクゾクしました。
 なにせ、第1ヴァイオリンが16人。そこから音が下がると共に2人ずつ減っていって、コントラバスが8人。弦楽器だけで60人いるわけです。で、そのちょうど真ん中に、第4楽章に備えているためか、ハープが陣取っていました。
 で、管楽器は……といえば、フルートが4人に、ホルンは7人!
 最後列には2台の銅鑼をはじめ、打楽器がズラリと並び、それだけでも圧巻!です。

 厳かに始まる第1楽章に続き、荒々しい第2楽章。
 第3楽章は伸びやかで明るいスケルツォ。
 ここまでで、かなり感激していたためでしょうか。第4楽章の、あまりにも有名なあのアダージェットに差し掛かった時。決して甘すぎることはなく、上品で、透明で、そして何よりも美しい。そんな響きに、自然と涙がこぼれておりました。
 アダージェットは、映画やドラマの音楽として使用されることもあって、単独でも有名な曲ですけれど。やはり、交響曲の1楽章として聴くと、趣が違ってまた面白いです。

 そのアダージェットから間を置かず、すぐに第5楽章に突入しました。
 転調が多くて、気まぐれにコロコロと表情を変えるこの第5楽章も、本当に楽しかったです。高揚感が最高に高まって、それが頂点に達した時に迎えるフィナーレ。
 マーラーの5番を通して聴いたことがない母上に、「終わった瞬間にブラボー!だよ」と話していたのですけれど。大野さんが音を断ち切るや否や、「凄い、凄い、すごーいっ!」と思わず声に出てしまう状態で拍手!
 あちこちから続々と、「ブラボー!」の声や歓声があがっていました。
 会場全体が、言いようのない興奮に包まれている、といった状態でした。

 拍手が全然鳴り止まなくて、大野さんも何度もステージに呼び戻されて、オーケストラの皆さんも譜面台を叩いたり拍手したり……と、大野さんを讃えて、「立って」と指示されてもなかなか立たなかったり(笑)
 客席から自然と沸き起こったアンコールに応えて、第5楽章の最後をもう一度演奏して下さいました。このアンコール、どうやら大野さんにもオーケストラの皆さんにも想定外のことだったみたいでして。
 急遽、その場で「ここから弾いて」と指示を出し、曲が始まったのですが……。大野さんも気分が高揚なさっていたのでしょうか。最初に演奏した時よりも、テンポが速かったです。
 また、一番後ろにいる打楽器さんたちには上手く指示が届かなかったのでしょうか。曲が始まっても「え? どこから? ここ?」といった様子で、楽譜をめくって探しておられたのが、何だか微笑ましかったです。

 そういえば、その打楽器セクション。
 マーラーの交響曲第5番では、シンバル担当の方に最も注目してしまいました。
 というのはですね、この曲。ピアニシモからフォルティシモまで、かなりの音量差をつけて、シンバルを叩き分けないといけないんですね。思いっきりジャーン!と鳴らすのはいいのですけれど、シンバルをピアニシモで、綺麗な音で鳴らすのは、結構至難の業でして。シンバルは重いし、でも思いっきり鳴らせないし……というわけで、楽器を持つ腕がプルプルしてしまうこともあるのですね。
 でも、マーラーさんはいくつも「ここ、ピアニシモね」と楽譜に書いておられるわけです。作曲家が「叩け」と書いている以上、演奏者は叩かないわけにはいかないワケでして。シンバル奏者さんを見ながら「大変そうだなぁ。でも、あんな風に工夫して叩いてるのかぁ」と、元打楽器奏者として、感心してしまいました。

 また、この日。大太鼓担当の方が、どうやら体調を崩しておられたらしくてですね。出番のない第4楽章の間に(注:第4楽章のアダージェットは、弦楽器5部とハープのみで演奏されるのです)、ステージから降りて楽屋のトイレに行っていたらしく。第5楽章になって、こっそり、反響板の隙間から戻ってこられてました。でも、彼がいつステージから降りていたのか、曲に没頭していた私は気づいていませんでした(笑)
 そして、アンコールの時も、曲が終わるや否や、ステージから降りてました。
 「ああ、お腹イタイ」といった様子でお腹押さえておられましたし、大丈夫だったんだろうか?と心配になってしまいました。

 アンコールが終わってからも、熱狂的な拍手は続きます。アンコールの後にも、「ブラボー」の声が飛んでいたような……。あまりにも客席の拍手が止まないので、最後には、ステージに呼び戻されて拍手に応えた大野さんが、コンサート・ミストレスの手を取って、一緒に下りて行かれました。コンミスが立った、ということで、次々にステージから下りていくオケのメンバーさんたちを見て、ようやく客席も立ち上がって帰る人たちが出てきた、という。

 大太鼓さんの、ちょっと珍しいハプニング?にも出会い(笑)
 メチャメチャ興奮した、今夜のコンサートでした。

 大野さんの指揮を生で拝見したのは、今夜が初めてで。
 失礼ながら、詳しい経歴とか、今までのご活躍なども、パンフレット読むまで知らなかったんですけれど。
 今夜の演奏を聴いて、暗譜で振っておられるのを見て、「この人、天才や!」と思いました。
 素晴らしい演奏会でした。
 モーツァルトさんと、ラヴェルさんと、マーラーさんと。
 大野さんと、オーケストラの皆さんに感謝です!

(9月30日に一部加筆、修正)

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 この数ヶ月、毎週のように見るようになった「N響アワー」
 今夜はゲストを呼んで、そのゲストにまつわる曲を……ということで、坂上二郎さんが出演なさってました。
 番組HPによると、放送された曲は、以下の通り。

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交響曲 第3番 変ホ長調 作品55から 第3楽章(ベートーベン)
   指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
    (2004年4月9日 NHKホール 第1511回定期)

喜歌劇「こうもり」序曲(ヨハン・シュトラウス)
   指揮:シモーネ・ヤング
    (2003年10月15日 NHKホール NHK音楽祭)

序曲「1812年」(チャイコフスキー)
   指揮:岩村 力
    (2004年8月29日 NHKホール ほっとコンサート)

交響曲 第8番 ト長調 作品88から 第4楽章(ドボルザーク)
   指揮:ヨアフ・タルミ
    (2003年6月24日 NHKホール 第1519回定期)
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 思えば、今日は朝NHK-FMで放送されたドヴォルザークの交響曲第9番を聴くことで、1日が始まりました。ドヴォルザークの9番で始まって、8番で終わる日でした(笑)

 放送された曲はどれも好きなものばかりで、聴いていて楽しゅうございました。番組の冒頭や途中で、池辺晋一郎さんのピアノに合わせ、二郎さんが歌うシーンもあって、まさに盛りだくさんな内容。

 最初に流れた《英雄》は、作品番号が55。坂上二郎さんといえば、コント55号という、ダジャレ王池辺さんらしい選曲だなぁ、と(笑)
 全曲通して聴くと50分を超える《英雄》ですが、第3楽章は短いので、ここが選ばれたのかなぁ、なんてことを、勝手に思ってしまいました。

 続く『こうもり』序曲は、指揮者が女性の方でした。ワルツのリズムは、1拍目から2拍目に移る間の“ため”が長くて、テンポもかなり変化をつけていて、楽しい演奏でした。ゲストの二郎さんは、この『こうもり』に出演したことがあったらしく、そのリハーサル風景も流れていました。番組の中でも歌っておられましたが、なるほど、とてもいい声をなさっているんだなぁ、と。感心してしまいました。

 3曲目の「1812年」は、“自衛隊の大砲はオーケストラの演奏に使われることがある”なんて、「トリ●アの泉」でも紹介されたことがあって。でも、それをよく知っているクラシックファンにとっては、トリビアでも何でもなかった、という曲です(苦笑)
 岩村さんの指揮はとてもパワフルで、オーケストラがフルに鳴って、鐘もガンガン鳴って、大音響に包まれる中。とても気持ちよさそうに振っておられるのが印象的でした。
 そして、曲のラスト。
 ステージの袖から大砲が登場。タイミング良く、(多分コンピュータでコントロールされている)空砲が鳴らされるのですが……火を噴いた銃口から立ち上った煙が、ステージに充満していまして。煙たくなかったんだろうか、皆さん?と思ってしまいました(笑)

 ラストは、ドヴォルザーク作曲の交響曲第8番の第4楽章。
 この曲、吹奏楽をやっていた頃はほぼ毎年、コンクールで聴いては「何だかつまらない曲」と思っておりました。でも、その偏見を一掃して下さったのが、佐渡裕さん。地元岡山で彼が指揮する8番を聴いてからは「うわぁ、こんなに楽しくて、いい曲だったんだ!」と思うようになり、以来大好きな交響曲になっています。
 23日にNHK-FM放送でも、スイス・イタリア管弦楽団の演奏で全曲通して聴きましたが、やはり、何度聴いても楽しくて、ステキな曲だなぁ、と思います。

 今夜は、NHK-FM放送の「ベストオブ・クラシック」でスイス・イタリア管弦楽団演奏会を聴きました。
 番組のHPによると、本日のプログラムは以下の通り。

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▽クラウス・ペーター・フロール指揮
              スイス・イタリア管弦楽団演奏会

「交響曲 第7番 ロ短調 D.759“未完成”」
                      シューベルト作曲
「ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453」
                      モーツァルト作曲
          (ピアノ)ピョートル・アンデルジェフスキ
「交響曲 第4番 変ロ長調 作品60」   ベートーベン作曲

             (管弦楽)スイス・イタリア管弦楽団
            (指揮)クラウス・ペーター・フロール
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 シューベルトの「未完成交響曲」といえば、通常は4つの楽章で構成されているはずなのに、第2楽章までしかない交響曲、ということで有名です。また、第1楽章冒頭の「ファ#ーーーシーーラ#シド# ファ#ーーーシーーラ#シド#レーー……」という、美しくてメランコリックなメロディも、聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。
 私も、第1楽章だけなら、交響曲のオムニバスCDに収録されていることもあって、よく聴いています。でも、第2楽章まで通して聴いた記憶はありません。なので、今夜はちょうどいい機会でした。
 ……と思っていたのですけれど。
 いざ聴いてみると、第2楽章も聴いたことがありました。多分、どこかで聴いたのだけれど、忘れていたのでしょう。
 第1楽章は、甘美で流麗ながらも、短調ということでメランコリックな印象が強いです。
 そして、第2楽章がこれまた美しい。決してしつこくなりすぎず、でもちゃんと歌い上げる、といったところでしょうか。木管楽器のソロとか、転調して盛り上がる辺りとか、うっとりと聴き入ってしまいました。
 パーソナリティのコメントによれば、叙情性を追及するよりも、アクセントを強調した演奏だったようです。

 この記事を書くのに、クラシック名曲解説系の本を1冊、参考にしているのですが、その本によれば「未完成交響曲」は第8番。でも、番組のHPでは第7番になっているんですよね。不勉強な私は「どっちが正しいの?」と思って、調べてみたのですけれど。
 簡単に言えば、曲が発表された順番と、実際に作曲された順番が食い違っていて、混乱しているのですね。作曲された順番でいえば、第7番。でも、発表された順番でいえば、第8番。
 ……ややこしいです(苦笑)
 余談ですが、この「未完成交響曲」
 10月に、地元岡山で開かれるリッカルド・ムーティ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートでも演奏されます。が、チケット代がべらぼうに高くて(それでも、速攻で売り切れるあたり、さすがウィーンフィルです;)、手が出ませんでした。

 モーツァルトのピアノ協奏曲は、とても優雅で華やかで。さすがモーツァルトだなぁ、と思う1曲。
 若輩者の私は、どうやらまだモーツァルトとは波長が合わないようです。昔から、モーツァルトを聴くと居眠りして、ベートーヴェンを聴くとバッチリ目を覚ます、という性質でした(苦笑)
 でも、人の気持ちは変わるものなので。そのうち、モーツァルト大好き人間になるかもしれません。

 続く、ベートーヴェンの交響曲第4番は、今夜一番楽しみにしていた曲です。
 8月21日に加古川のアラベスクホールで行われたコンサート「金聖響のベートーヴェン」のアンコールで、「4番の4楽章やります」と、第4楽章だけ聴いていたので。改めて、全曲通して聴きたくなったのですね。
 まさに十数年振りに全曲通して聴いたのですが、やはり好きです、ベートーヴェンさん。ゆったりとした序奏から始まる第1楽章も、うっとりするほど綺麗な第2楽章も。華やかな第3楽章も。軽快で明るい第4楽章も。聴いていると、「ああ、こんな曲だったな~」と思い出しました。特に第4楽章は記憶が新しいので(なにせ、ほんのひと月前のことですから;)、「そうそう、これこれ! ああ、聖響さん~っ!」と、心の中でひそかに絶叫です(笑)

 ベートーヴェンの交響曲といえば、3番とか5番~7番とか、9番とか。副題のついている曲を中心によく知られているのですけれど、今夜聴いた4番も。1番も2番も8番も、全部素晴らしいんですよね。
 5番の《運命》があまりにも有名なために、暗いイメージを持っている方もおられるかもしれませんが、今夜放送された4番や、7番、8番などは全体を通してとても明るい曲ですし、6番は優美ですし。優雅さ、という点ではモーツァルトに及ばないかもしれませんが、華やかで、聴いていて心弾むような楽しい曲もたくさん作ってるんですよ~。
 と、声を大にして言いたくなる、今夜の放送でした。

 今夜のベストオブ・クラシックは、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会でした。
 番組HPによると、本日のプログラムは、以下の通り。

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 ▽ユーリ・テミルカノフ指揮
   サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団演奏会

「幻想的ワルツ」:グリンカ作曲
「バイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19」
                    :プロコフィエフ作曲
「“ネル・コル・ピウ”による変奏曲」:パガニーニ作曲
                  (バイオリン)庄司紗矢香
「交響曲 第5番 ホ短調 作品64」:チャイコフスキー作曲
「変奏曲“なぞ”作品36 から“ニムロット”」:エルガー作曲

  (管弦楽)サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団
                (指揮)ユーリ・テミルカノフ
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 帰宅時間が遅かったので、聴けたのは途中のプロコフィエフからでした。
 プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲は、庄司さんのヴァイオリンが見事で、曲そのものも面白くて、聴いていてとても楽しかったです。
 庄司さんがアンコールで弾いたパガニーニも、これまたお見事。パガニーニといえば、超絶技巧の塊といった曲が多い印象があるのですが、この「“ネル・コル・ピウ”による変奏曲」もまさにそんな感じの曲でした。私も、多少なりともヴァイオリンは弾きますが、右手の弓で弦を弾きながら、押さえている左手で弦を弾くピチカート奏法など、どうやって弾いてるんだろう!?と思う特殊技巧が満載でした。

 そして、今日のお目当てはチャイコフスキー作曲の交響曲第5番です。以前にも、NHK-FMで聴いたのですが、また聴きたくなって聴いてしまいました。
 ……だって、23日からの都響さんとの北海道ツアーとか、25日の銚子での東フィルさんとのコンサートとかで、大好きな指揮者・金聖響さんが振るんですもの♪ でも、北海道や銚子まで追っかけて行きたくても、行けないんですもの(クスン;) なので、気分だけでも……ということで、聴きました。

 おチャイコさんといえば、優雅でロマンティックでドラマティック、という印象を私は持っているのですが、交響曲第5番もそんな感じを受けます。

 第1楽章は暗く、ひっそりとしたメロディで始まるのですが、途中で転調してグワーッ!と盛り上がる辺りがたまりません。生で聴いたら、鳥肌モノでございましょう。

 続く第2楽章は、とても壮大な曲だと思います。弦楽器がフルで鳴りまくるのがこれまた、たまりません。弦が綺麗なオーケストラであればあるほど、この第2楽章は聴き応えあると思います。
 そういえば、この第2楽章。一番盛り上がる部分、どこかで聴いたことあるなぁ、と思っておりましたら、CMで流れてました。健康食品系のCMではなかったか、と思うのですけれど……。お名前は忘れましたが、とある指揮者さんが「オーケストラとは生きること、つまり生命そのものなんです」みたいなことを仰っていて、そのBGMとして流れていたことで、はっきりと記憶に刻まれております。

 第3楽章は、優雅でステキなワルツ。ついつい、うっとりと聴き入ってしまいました。

 第4楽章は、とても勇壮でほれぼれとしてしまいました。おチャイコさんといえば、弦楽器のユニゾンでメロディを弾かせて、そのバックで管楽器がリズムを担当する、というオーケストレーションがお得意なのだそうですが。それがまた、とてもステキだなぁ、と思いました。

 いいなぁ、函館や札幌や銚子のコンサートに行く方は、この曲を聖響さんの指揮で聴けるのか。とても羨ましいです。もし私が彼の指揮でこの曲を聴いたら、確実に涙腺直撃されることでございましょう(笑)

のだめカンタービレ Selection CD Book
 (2005年リリース)

<収録曲>
  1.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 《悲愴》第2楽章
  2.ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番より 第1楽章
  3.ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
  4.リスト:メフィスト・ワルツ 第1番 《村の居酒屋での踊り》
  5.モーツァルト:オーボエ協奏曲より 第1楽章
  6.ドビュッシー:喜びの島
  7.ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
  8.R・シュトラウス:交響詩 《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》
  9.ベートーヴェン:交響曲 第7番より 第1楽章
  10.海老原大作:ロンド・トッカータ

 <演奏者・指揮者>

 ピアノ:舘野泉、熊本マリ、ペーター・ヘーゼル 他
 オーボエ:インゴ・ゴリツキ
 管弦楽:チェコ・ナショナル交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ロシア・ボリショイ管弦楽団“ミレニウム”、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 他
 指揮:リヒャルト・シュトラウス、西本智美 他
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 クラシック系コメディ漫画として大人気の「のだめカンタービレ」に登場する楽曲を収録したCDブックです。この手のアルバムは、以前にもリリースされていたのですが、私の記憶によれば、どれも限定販売ですでに入手不可能となっておりまして。CDや映像ソフトの卸会社に勤めていた時に、随分と問い合わせを受けてはお断りを入れて、頭を下げたものです(笑)
 で、今回は漫画の出版元である講談社さんから、イラスト集や楽曲解説付きのCDが発売されました。それを、「のだめ」好きな友人が購入し、借りて聴きました。
 この漫画、私が好きな指揮者・金聖響さんが漫画に登場するキャラに似ている、ということで私の中では認識されているのですが、残念ながらまだ読んでおりません。だって、読んだら絶対ハマるもん(笑)
 でも、劇中で描かれる曲には興味があるので、このCDも聴いてみました。

 収録されている曲は、どれも比較的有名で、クラシック好きならずとも耳にしたことがある、というものが多いです。ただ、この手のCDとしてちょっと残念なのが、全曲収録ではなくて、触りの部分をピックアップして収録されている、ということ。
 でもまぁ、このCDを聴いて興味を持って、改めて全楽章通して聴いてみよう、とか。そんな風に思ってくださる方が増えたらいいなぁ、と思います。

 トップバッターは、ポップスに編曲されることも多く、また憂いを秘めた美しいメロディがとても印象的なピアノ・ソナタ《悲愴》。劇中では、「これじゃ《悲惨》だ」という表現がされているようなのですが、いったいどんな風に弾いていたんだ!?と思いますよね(笑)

 続く、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。荘厳に響く、冒頭のピアノの和音。それを聴くだけで鳥肌モノの、迫力満点でロマンティックな名曲です。これも、漫画の中ではとても重要なシーンで使われているようです。CDでは途中でカットされてますが、ぜひとも全曲通して聴いていただきたい1曲です。

 3曲目のガーシュウィン作曲「ラプソディー・イン・ブルー」。これもジャズちっくで、大好きな1曲です。個人的に、クラシックのピアニストが弾くよりも、ジャズやポップス系のピアニストが弾いている方が好みです。ピアノソロの部分で、かなり自己アレンジを効かせてくれて、ちょっとハメを外した感じがして、聴いていて楽しいので♪
 この曲、“もぎぎ”さんの楽曲解説が絶妙です(笑)

 5曲目に収録されているモーツァルト作曲のオーボエ協奏曲。私はこの曲、楽曲解説を書いている“もぎぎ”さんこと、茂木大輔さんのソロで聴いて、その後のサイン会でご自身の著書を購入し、握手していただいた経験があります♪ その時の演奏、バックがアマチュアオケだったためなのか、第3楽章で茂木さんがかっ飛ばして、ヴァイオリンが置いていかれていたのが何だか楽しかったです(笑)
 でも、そうか。この曲、ソリストは酸欠で視界がピンクになることもあるのか……(笑)

 6曲目のドビュッシー作曲「喜びの島」。この曲を聴いたのは、このCDが初めてでしたが、やっぱりステキですね、ドビュッシー♪
 私がドビュッシーのピアノ曲に対して抱くイメージとして、音がとてもキラキラしているような印象があります。そして、ポピュラー音楽も真っ青、といった感じの、不協和音一歩手前の独特なハーモニー。左手が8分音符、右手が3連符、なんて楽譜を見た日にゃ、「どーやって弾くんだよ、これ!」と思ったものです(笑)

 続くラヴェル作曲の「亡き王女のためのパヴァーヌ」。これも、大好きな1曲です。聴いていて、鳥肌立ちました。じっと目を閉じて、ただ曲に集中していると、じわーっと涙がにじんでくるんですよね、この曲。柔らかくて、覚えやすくて、リリカルなメロディは、いつ聴いてもいいものです。
 タクトを振る西本智美さんもとてもステキな指揮者なので、嬉しゅうございました。大仰ではなく、でもじっくりとしっとりと聴かせてくれる演奏は、本当にステキです。

 8曲目のR.シュトラウスの交響曲「ティル~」は、なんと、作曲者自らタクトを振った演奏が収録されておりました。作曲者自ら指揮している、ということはつまり、音源がかなり古いということで。他の曲と、音質がずいぶんと違います。
 でも、作曲家による自作自演という意味では、かなり貴重な演奏だと思います。

 9曲目に収録されているのは、これまたワタクシの大好きなベートーヴェン作曲の交響曲第7番から第1楽章。最近は、金聖響さんの指揮による演奏で、「好き」に更に拍車がかかっている曲でもあります。
 で、この曲。“もぎぎ”さんの楽曲解説が大爆笑ものでした。序奏部の冒頭からオーボエソロがあるのは気づいてましたが、演奏者にとって、助走も何もなくいきなりあの音を出すのはかなりキツいらしく。その例えとしてクリ●タル●ングの『大都会』を持ってくるあたり、さすがです。とてもわかりやすい例えに、大爆笑です(笑)
 演奏の方は、序奏部も、アレグロに入った所も、全体としてテンポは遅め。金聖響さんの指揮で、アップテンポな第1楽章に慣れた耳には、重たく感じます。
 ……確かに、あのテンポで振られたら、オーボエさんはキッツイだろうなぁ。と、納得(笑)
 でも、全楽章を通じてとても楽しい曲なので、聴いている方はかなりの快感を覚えます。佐渡裕さんがこの曲を振った時、第4楽章は「おお、暴れてる、暴れてる♪」と思ったものです(笑)
 このテンポで、聖響さんのCDに収録されているよりも時間が短いということは、どこかで繰り返しを省いている、ということなのでしょうか。一度スコア見ながら確かめてみたいです。
 余談ですが、この通称「ベト7」。来月、10月16日に金聖響さん指揮、大阪センチュリー交響楽団の演奏で聴きます。
 ……大阪センチュリーのオーボエ奏者さん、今から「心せよ、心せよ。10月16日にベト7あり、ベト7あり」と準備をしておられるんでしょうか(笑)
 そして、もぎぎさんの楽曲解説を読んでしまった私が、コンサート当日に曲を聴いて、オーボエ奏者さんの苦労を思って思わず吹き出してしまうか、笑ってしまう確率、100%(笑)

 ラストの「ロンド・トッカータ」はこのCDのために書き下ろされた、オリジナル曲。劇中では国際ピアノコンクールの課題曲になっているということで、現代音楽で、和音がとても面白くて、リズミカルかと思えばテンポが落ちる。ちょっと気まぐれな印象でした。作曲者自ら、詳細な楽曲解説をして下さっています。曲の中で、主人公ののだめと千秋を表現している、というのが、これまた面白いと思います。

 のだめ関連といえば、9月22日には千秋真一&R★Sオーケストラ名義でCDが発売されることでも話題になっています。
 収録曲は、ブラームス作曲の交響曲第1番。実際に誰が演奏しているかはヒミツ、ということなのですけれど……リアル千秋と言われている金聖響さんのファンとしては、気になるところです(笑)

「レッド・ヴァイオリン」
 という映画が、数年前に公開されました。
 この映画、平たく言いますと、とある名工が作り出した1挺のヴァイオリンが、数百年の時を経て、世界各国のさまざまな人たちの手を渡っていくお話です。
 自分自身、私の3倍近く生きていると思われるヴァイオリンを愛用していて(と申しましても、スズキのヴァイオリンですが;)、しかもそれが、今となっては祖父の形見となっていることもあって、その映画を見て、感慨深いものがありました。

 ……映画に出てきたとあるシーンを見て、「ああ、なるほど。ああすれば、Hしながらでもヴァイオリン弾けるんだ」とミョーなコトに感心してしまったのはナイショのお話です(笑)。

 そして今夜。
 その「レッド・ヴァイオリン」で妙技を披露してくれた名手、ジョシュア・ベルさんをソリストに迎えたオルフェウス室内管弦楽団の演奏会が、NHK-FMで放送されました。
 余談ですが、その劇中で。
 小さい男の子が、スパルタな父親のレッスンを受けているシーンがありまして。メトロノームに合わせて、一つの曲を弾いているのですね。最初はレントから始まるそのメトロノーム。だんだん速くなっていって、最後はついに、メトロノームの錘が一番下まで下がって、もの凄いスピードになるのです。
 そのメトロノームに合わせて、寸分違わず、音程を外すこともなく、正確に。とても速いパッセージを奏でるヴァイオリンに感動致しました。

 ……と、余計なことを申しました。
 で、そのヴァイオリンを弾いていたのが、ジョシュア・ベルさんだったのですね。
 そして、今夜の演奏です。
 NHK-FMのHPによりますと、今夜の曲目は以下の通りでした。

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- オルフェウス室内管弦楽団演奏会 -

  「“ペレアスとメリザンド 作品46”から 第1曲、第2曲、
           第3曲、第5曲、第7曲」シベリウス作曲
  「古典交響曲 作品25」         プロコフィエフ作曲
             (管弦楽)オルフェウス室内管弦楽団

  「バイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」   ベートーベン作曲
  「愛の悲しみ」               クライスラー作曲
               (バイオリン)ジョシュア・ベル
             (管弦楽)オルフェウス室内管弦楽団

  「映画“レッド・バイオリン”から」 ジョン・コリリャーノ作曲
               (バイオリン)ジョシュア・ベル

  「ルーマニア民俗舞曲」            バルトーク作曲
  「“他人の顔”から ワルツ」         武満 徹・作曲
             (管弦楽)オルフェウス室内管弦楽団

  ~東京・サントリーホールで収録~
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 今日の最大のお目当ては、ベートーヴェン作曲のヴァイオリン協奏曲です。
 メンデルスゾーンやおチャイコさんをはじめ、ヴァイオリン協奏曲はとても好きで、いろいろな作曲家の曲をCDでも持っていて、よく聴くのですけれど。ベートーヴェンさんだけは、何故か「食わず嫌い」だったのです。
 確か、第一印象が悪かったんですよね。そして「何だかたるくて、つまらない」と思ってしまったのです。
 でも、ここ数ヶ月でベートーヴェンさんへの印象がガラリと変わっておりますし、ヴァイオリンもジョシュア・ベルさんということで、また違った印象を受けるかもしれない、と思いまして。聴いてみました。

 えーっと……こんな日本の片田舎で、こんなことをしても、ウィーンで眠っておられるベートーヴェンさんには届かないかもしれませんが。
 土下座して謝ります。
 あんなステキで優雅な曲なのに、つまらない、なんて思ってしまって本当にごめんなさい。
 交響曲第6番「田園」とか、ピアノソナタ「悲愴」とか、「ロマンス ヘ長調」とか「ヴァイオリン・ソナタ第5番 『春』」とか。そのあたりの曲を聴いていて思うのですけれど、ベートーヴェンさんって、とても美しいメロディを作る方なんですよね。
 このヴァイオリン協奏曲も、とても綺麗なメロディを持つそれらの曲に通じるような気がしました。
 そして、聴いていて思い出しました。
 私、この曲の第3楽章がとても好きだったのでした。
 どこで、誰の演奏で聴いたのかは思い出せないのですけれど。今日、この演奏を聴いて、その感覚を思い出すことができて、本当に良かったです。

 クライスラーの「愛の悲しみ」も、「愛の喜び」よりも実はこっちの方が好きだったりする曲でして、とてもステキでした。
 そして続く「レッド・ヴァイオリン」。ヴァイオリン独奏の曲なのですけれど、哀しいメロディで、すすり泣くような音色がとてもステキで……と思ったら、急に激しく、速い動きになっていって。弾いていて力が入るのでしょうか、足音もマイクに拾われているようでした。ヴァイオリン協奏曲のカデンツァ並みの超絶技巧を披露して下さっていて、「ブラヴォー!」でございました。

 バルトークの「ルーマニア民族舞曲」も、古澤巌さんのヴァイオリンで聴いていて、とても好きな曲なので、今夜こうして室内管弦楽団ヴァージョンで聴くことができて、一味違った楽しみ方ができて、幸せでした。
 そういえばこの曲、10月下旬のミーシャ・マイスキーさんのリサイタルでも聴けるのではなかったかしら?
 楽しみです♪

(2005.9.2 「べっさつ結月堂」投稿記事より 一部加筆・修正)

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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