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東儀秀樹 『雅楽 天・地・空~千年の悠雅』
       (2000年リリース)
<曲目>
  1.平調音取 
  2.越天楽(唐楽・管絃) 
  3.陪臚(唐楽・管絃)
  4.二星(朗詠<平調>) 
  5.沙陀調音取 
  6.蘭陵王(唐楽・舞楽)
  7.高麗小乱声 
  8.納曽利急(高麗楽・舞楽)

 演奏:東儀秀樹・東儀九十九・東儀雅美 他
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 東儀秀樹さんといえば、雅楽と、シンセサイザーをはじめとする西洋音楽との融合ということで有名なのですが、ここではあえて、雅楽にこだわったアルバムをピックアップしてみました。やはり、宮内庁の雅楽師だった彼の原点ではないか、と思うので。

 詳しい解説は、CDに封入されているライナーノーツに譲りたいところなのですが、かいつまんでお話しますね。

 “平調”とか“沙陀調”というのは雅楽の階名のこと。“音取”というのは、その調で演奏される曲の前に、雰囲気を作ると同時に楽器の音律を整えるために演奏されるもの。
 平たくいえば、チューニングなのですが、それが高度に様式化されたものなのだとか。なお、“沙陀調”というのは今はもう廃絶されていて、音取だけが残っているそうです。

 「越天楽」は、神社に参拝するとよく聞かれる、音楽の授業でも聴いたことのある、あの曲です。メロディが覚えやすいこともあって、雅楽=越天楽というイメージが定着している方も多いのではないか、と思います。東儀さんご自身も、この曲をアレンジした「越天楽幻想曲」を、ファーストアルバム『東儀秀樹 togi hideki』で演奏されています。

 「二星」は、東儀さんが宮内庁にいた当時、彼にしかできないといわれた妙技を見せて下さる曲です。俗に言う「二の句が告げない」という言葉は、この曲から出たのだとか。
 この曲は、一つの詩を三つの句に分け、それぞれの句の始めを独唱し、途中から斉唱となる、という形式をとっておりまして。その二の句の最初、独唱の部分が男性にはとても苦しい高音域から始まっていて、いきなりその高音を取るのが大変難しいことから、「二の句が告げない」という言葉が生まれたそうです。
 実際に聞いてみましたが、本当に二の句に入る部分、とても音が高いです。
 ちなみに、この「二星」というのは織姫と彦星の二つの星のことなのだとか。出逢いの喜びと別れの悲しさの間の短い逢瀬のせつなさを描いた詩ということで、七夕にちなんだ曲だそうです。

 「蘭陵王」は、最も代表的な舞楽です。
 “中国の北斉の王、長恭はあまりにも容貌が美しかったため、兵士の士気が上がらないので、戦いに臨む時はいつもいかめしい仮面をつけて、周の大群を打ち破った”と伝えられる、中国の故事をもとにした曲です。
 一人で躍動的に舞う勇壮華麗な曲なのですが、私は一度、東儀さんがコンサートで舞って下さったのを見たことがあります。死ぬまでに一度観られるかどうか、と思っていた舞だったので、プログラムに入っていたときは本当に驚いたものです。もちろん、東儀さんの舞は、とても美しかったですよ(^^)。


 東儀さんに関しては、どちらかといえば、CDで聴くよりも、コンサートで生の演奏を聴く方が好きです。低くて柔らかい声をなさっているので、東儀さんの演奏と同様に心地よくてですね。時折心地よすぎて眠気が襲いかかってくることもあったりします(苦笑)。
 あのお顔で、あのお声で、案外シャレをあっさりとおっしゃったりするので、MCの時は笑いが絶えなかったりもするんですよ。

 クラシック系のCD感想でご紹介しているヴァイオリニストの古澤巌さんとのジョイントコンサートもなさっていて、幸運にも私はそれを見る機会に恵まれました。
 当時、アイリッシュ系の曲に凝っておられた古澤さん。一緒にやりませんか?と誘われて、「篳篥は音を作るのがとても難しいので、速いフレーズには向いていないんです」と言いながら、アイリッシュ・ダンス系のかなり速いフレーズをサラリと吹きこなしておられました。…さすがです。

 東偽さんのコンサートでは、第1部では狩衣を着ての雅楽を。第2部ではオリジナル曲を中心とした構成になっていることが多く、どちらも楽しめるようになっています。どちらも素晴らしいのですが、特に第1部での所作は、静かな水面を葉が一片流れていくような、そんな優雅さが感じられて、好きです。

(結月堂Musicコンテンツ掲載記事より 一部加筆、修正)

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古澤巌 『マドリガル』
      (1989年リリース)
<曲目>
  1.マドリガル/A.シモネッティ
  2.チャールダーシュ/V.モンティ
  3.コンソレーション(慰め)/F.リスト~N.ミルシテイン編
  4.シチリアーノ/M.パラディス~S.ドゥシュキン編
  5.カンツォネッタ/A.ダンブロジオ
  6.ギターラ/M.モシュコウスキ~P.サラサーテ編
  7.組曲“バール=シェム”よりニーグン(即興)/E.ブロッホ
  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第4番/E.イザイ
   8.第1楽章 アルマンド
   9.第2楽章 サラバンド
   10.第3楽章 フィナーレ
  11.ハバネラ形式の小品/M.ラヴェル
  12.ハンガリアン・フォークチューン/B.バルトーク~J.シゲティ編
  13.瞑想曲/A.グラズノフ

 Violin:古澤巌
 Piano:小林道夫
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 古澤巌さんのファーストアルバムになります。
 この最初に収録されている「マドリガル」が、文字通り、私が“この人が古澤巌さん”と認識して、最初に生で聴いた曲でした。某生命保険会社のチャリティーで、小品・中品を集めたコンサートに、たまたま友人に誘われて行った時のことでした。で、その最初の曲が「マドリガル」でして。最初のDの音を聴いた瞬間、“なんて綺麗な音色”とうっとりしてしまい、以来ファンになった、という1曲です。
 初心者でも弾けますよ、という古澤さんの言葉に励まされ、自分で楽譜を買って練習しているのですが、これがなかなか難しかったりするんですよね。音だけはなんとか取れるんですけど(苦笑)。綺麗な音で弾くのは、なかなか大変です。

 このアルバムに収録されているのはモンティの「チャールダーシュ」やパラディスの「シチリアーノ」など、比較的聴きやすくて、有名な曲ばかりなので、クラシック詳しくないんだけど…という方にもオススメです。特に「チャールダーシュ」など、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないか、と思うのですが。

 その中に、イザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」が入っているのがこれまたカッコイイ(^^)。有名なのはJ.S.バッハの方で、イザイだけでアルバムに…となるとこれまたちょっと聴き辛いものがあるのですが、こうして小品の中に混ぜ込まれてしまうと、勢いでそのまま聴けるといいますか。ヴァイオリン一本だけで奏でられる音のなんともいえない深みとか、純粋に古澤さんのヴァイオリンの音色を堪能することができるので、かなり好きだったりします。

 他にも、クラリネットの赤坂達三さんや、コントラバスの斉藤順さんと組んで、バンド形式で収録された曲が数多く収録されている『ヴァイオリニストのいる部屋』というアルバムもあるのですが、こちらもかなりオススメです。
 そして、セカンドアルバム『セレナーデ』に収録されているのですが、古澤さんのヴァイオリンでぜひ聴いていただきたいのが、ディニーク作曲の「ひばり」。とてもテンポが速く、ジプシー系の曲で、かなり高度なテクニックが要求される難曲でもあるのですが、これがまた素晴らしいのです。タイトル通り、ヴァイオリンでひばりの鳴き声を表現する部分も出てきて、面白い曲です。

 古澤さんといえば、JTのCMでヴァイオリンを弾いていたお姿が一番有名なのですが、クラシックの小品・中品ばかりを集め、曲の合間にご自身のMCを加えた“ヴァイオリンの夜”というコンサートで全国津々浦々を回っておられることでも知られています。
1000人以上入る本格的なコンサートホールから、キャパ数百人程度の小さいホールまで、スペースと場所を問わず行われるコンサートなのですが、今時こういうコンサートをやって下さる方というのがなかなかおられないので、とても貴重な存在なのだと思うのです。
 もちろん、私も何度か聴きに行きましたよ(^^)。
 この方、ヴァイオリンの音も女性にとっては“腰砕け”モノの色気があるのですが、声も穏やかで柔らかくて、適度な響きを帯びていて、その声で曲の解説などをされるとですね、脳みその皺にそれはそれは深く刻み込まれるわけですよ。

 最近は、アイリッシュ系の曲に凝っておられるようで、2002年のクリスマスに聴いたコンサートでは「リバーダンス」をはじめとするアイリッシュダンスの曲をかなり演奏して下さいました。曲の途中で、ご自分でも踊ってしまわれたのには、びっくり。それも、かなりお上手(^^)。そのうち、絶対アイリッシュ系の曲を中心としたアルバムが出るであろう、と楽しみにしています。

 もし、お近くに古澤さんが来られることがありましたら、ぜひぜひ聴きに行ってみて下さい。そして、その音色に酔いしれていただきたいと思います。やはり、CDでもいいのですが、特にクラシックに関しては生で、楽器から出てくる音の波動を直接感じるのが一番ですので。

(結月堂Musicコンテンツ掲載記事より転載)

結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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