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 ここ数年、何故かとても身近な存在になっておりますオーケストラ、OEKことオーケストラ・アンサンブル金沢さん。
 去年の金聖響さんとのベートーヴェンシリーズで「どーしても2日連続で聴きたいっ!!」という衝動のままに6月&12月に金沢→大阪へと遠征して以来、どうも弾みがついたようで(笑)
 OEKさんはこの方のティンパニーでないと私的には満足できない、と2月7日に思い知ったその渡邉さんがソロ&アンサンブルのコンサートを開く、ということで追っかけてきました(爆)

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OEK室内楽シリーズ もっとカンタービレ 第20回
「鼓春日和」 AKIO WATANABE×SOLA

ジョン・ベック:ティンパニーの為のソナタ
フランソワ・デュパン:小太鼓とピアノの為の小組曲 アルバムNo.1より
ウェルナー・テーリヒェン:ティンパニーとオーケストラの為の協奏曲

(休憩)

アリス・ゴメス:レインボウズ
クリストファー・ハーディ:打楽器五重奏の為の「赤い大地」
アストル・ピアソラ:「鼓動」より

打楽器:渡邉昭夫、平松智子、橋本里恵、横山亜希子、伊藤拓也、石井利樹、長屋綾乃
ピアノ:中沖いくこ

石川県立音楽堂 交流ホール 19:00~
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 OEKの団員さんがプロデュースするこの「もっとカンタービレ」シリーズ。この日が20回目という区切りのいい回で、かつ2010年度の第1回目というスタートのコンサートでした。加えて、今日は渡邉さんのお誕生日ということで、いろいろ重なるこの引きの強さが素晴らしいのです♪

 今日の演目は全て初聴きでした。……て、これらの曲を知っている方は専門家か、相当なマニアだと思われますが。。。
 ステージには当然のごとく、打楽器がズラリ。打楽器出身者としては、それだけでテンション上がります。そして映像で全体像を見ることができるように、とのことなのか、後半の解説のために用意されていたのか、その両方なのか。ステージ後上方にスクリーンが出ていて、そこにもステージの様子が映し出されるようになっていました。
 ……もっとも、ステージセッティングを見てからここがベストポジションだろう、と予測した席をゲットして、奏者ガン見だったもので、ほとんど映像見てなかったんですが(苦笑)
 また、後方にはフラワーアレンジメントも飾られていて、ステージに彩りを与えていました。

 前半は渡邉さんの独奏曲を……ということで1曲目は「ティンパニーの為のソナタ」
 弦楽器や管楽器のソナタにはピアノ伴奏がつくことも多いのですが、この曲はティンパニー・オンリーでした。
 第1楽章は「不思議なこと」
 言われてみると、4台のティンパニーがちょっと不思議な感じのするチューニングになっていて、どことなくビミョーな感じの音でした。そして冒頭から、いきなりティンパニーの皮ではなくて胴の部分を叩いたり、皮を叩いた後でペダルを踏んで音を変えるグリッサドが入ったり、敢えて響きの悪い皮の真ん中を叩いて音色を変えたり……と、特殊奏法も多くて、見所満載でした。
 第2楽章は「ジャズのように」
 ノリのいい曲で、ここでも特殊奏法がてんこ盛り。途中でマレットを置いて手拍子を入れたり、手で皮を叩いたり……と、普通にオーケストラを聴いているだけではお目にかかれない奏法が見られました。
 第3楽章は「早く」
 うん、確かにアップテンポ。そしてとても忙しそう……と言いますか、大変そう(汗;)
 ティンパニーだけでリズムはもちろんのこと、メロディーも奏でる部分があって、特殊奏法も満載で。最初からいきなりトップギアでクライマックスを見たような心地でした。

 いつもはオーケストラの後ろにいて、音は目立つけど大半の方が何をやっているのか細かい部分までは見ていない(私のように、オケを裏返し聴きするのが普通の人は、まずいませんから;)ティンパニーさんなのですが。実はこういう人が叩いていて、こういうこともできるんですよ、と存分にその魅力を見せつけていただいたような気がしました。……あ、でも。後ろ姿を上から目線で拝見することが多いので、真っ正面からガッツリ拝見できるのは嬉しいような照れるような心地でした(汗;)

 と、1曲目からかなり細かく見ていたわけですが(笑)
 ここで渡邉さんがマイクを手にして、少しお話しされました。
 「前半の3曲、作曲者に共通することは何でしょう?」と客席に問いかけられたのですが、申し訳ないことにさっぱり見当もつきません。「はて?」と思っておりましたら、正解はお三方とも打楽器奏者だったとのこと。テーリヒェンさんがBPOのティンパニー奏者だったということは存じていましたが、他のお二方もそうだったようで。なるほど、それであのペダル式ティンパニーでできることをフル活用したかのような曲が書けるわけか、と納得致しました。

 2曲目は「小太鼓とピアノの為の小組曲アルバム」
 小組曲アルバム、というタイトル通り「散歩」「シーソー」「ならず者」「口ごもる女」「ムカデ」「中央通り」と短い曲6曲で構成されていました。
 この曲はピアノの脇に胴の幅の違うスネアドラムが2台用意されていまして。胴の幅が小さいほうが高い音が出るのですが、曲によって叩き分けておられました。確か「ならず者」と「ムカデ」は低い音のする方を叩いておられた、と記憶しております。
 ピアノと掛け合う部分があったり、一見普通の4拍子のように聞こえるけれど、これって実は違うよね?な部分があったり。中学時代にスネアの練習曲集ですら途中で挫折した人間には到底無理だ、ということはよくわかる曲でした(当たり前です;)
 1月にいずみホールで聴いた時にも思いましたが、この方のロールは本当に粒が細かくて揃っていて、すごく綺麗なのです♪

 3曲目は、本日のメインと言っても過言ではないかと思われます、テーリヒェンのティンパニー協奏曲。本当はオーケストラがバックにつく曲なのですが、今日はピアノがオケの部分を担当していました。
 ティンパニーは5台をセッティング。渡邉さんのシャツも、前2曲の緑系から紫系にチェンジ。他にも2人の演奏者がその他諸々の打楽器を演奏するようになってました。
 第1楽章はAllegro assai
 勢いのあるティンパニーの乱打が見事で、緩急があって、特殊奏法も満載。あっちでもこっちでも音が上がったり、下がったりしてるんですけど、実は奏者の位置からペダル操作のしやすい所で上下してるあたりが、やはり打楽器奏者が書いた曲だと思わせる曲でした。
 第2楽章はniLento
 文字通り、ゆったりしたテンポで不思議な感じのする曲で、ティンパニでメロディを奏でる部分もあったように思うのですが、第3楽章の凄さに印象がぶっ飛びました(汗)
 その第3楽章はAllegro moderato
 大好きなんですよねぇ、こういう変拍子で民族音楽チックな曲♪ ちょっと日本的な香りがしていたからかもしれないんですけど。
 途中でカデンツァが入っていて、緩急自在で多彩な表情を見せてくれるティンパニーに聴き入ってしまうと言いますか、叩いているお姿をガン見すると言いますか。。。(笑)
 途中でマリンバを叩く時のように、片手に2本ずつ、計4本のマレットを持って叩いたり、ミュートを置いて叩いたり……と、この曲ではジョン・ベックのソナタとはまた違った奏法も見ることができました。
 バロック・ティンパニーでベートーヴェンやブラームス、普通のティンパニーでベートーヴェンやマーラーもいいけれど。こうして前面に出てきて「こういう事もできるんだぞ!」と見せつけていただける機会は本当に貴重で。その場に居合わせることができた幸せを噛みしめるティンパニ協奏曲でした。
 というか、このテーリヒェン。ピアノの伴奏がめちゃめちゃ大変そうでした(汗;) 全体的に現代音楽風なサウンドですし、打楽器奏者さんが作った曲と言うことで当然リズムは凝ってるし。その他の打楽器のお二人も、ピアノの中沖さんにもブラボーと言いますか、皆様ホントにお疲れさまでしたっ!という1曲だったように思います。

 ……とまぁ、前半だけで軽く3千字を越えておりますが(笑)

 後半はティンパニーを下げて、打楽器アンサンブルの曲がてんこ盛りでした。
 後半の1曲目は、アリス・ゴメスの「レインボウズ」
 タイトルの通り、皆さん色とりどりの衣装でご登場です。楽器構成は、下手側にシロフォン、真ん中にマリンバ(1台を2人で演奏してました)、上手側にヴィブラフォンという鍵盤楽器のみの構成で、コンサートを通じて唯一渡邉さんがステージに乗らない曲でした。
 この曲は、旧約聖書に記されたノアの箱船の下りを曲にしているようで。
 第1楽章は「雨粒」
 途絶えることなく音が刻まれて、途中から2つの音に重なっていくマリンバの音が、地上に降り続く雨を表しているように聞こえました。で、ヴィブラフォンがメロディ担当で、途中から入ってくるリズム系のシロフォンが、ますます強くなる雨脚のような曲でした。
 というか、ちょうどこの日。朝から金沢市内の観光に出ていたんですが、ひとしきり歩いて別の場所へ向かおうとして周遊バスに乗っている間に雨が降り出して、雨脚が強くなって本降りになったのです。(道中記は日記ブログの「べっさつ結月堂」にしたためております。よろしければ、ご覧下さいませ^^)
 ザーッと降り続く雨が風に煽られる様子を、ビルの中から窓ガラス越しに見ていたんですけど。聴きながらそんな情景を思い出しました。
 第2楽章は「洪水」
 150日間の間、地上から引かなかった水を表すとのことでして。低いマリンバの、あの独特の籠もったような深みのある音とかが、水の中でしゃべった時の特徴的な音の聞こえ方とか、水がコポコポいっている様子を再現しているようにも聞こえました。この楽章はヴィブラフォンがお休みで、マリンバ&シロフォンのみの演奏だったんですが、音色から考えて納得のいく構成でした。
 第3楽章は「虹」
 空が晴れ渡って、キラキラと地上に光が降り注いでいく様子が、敢えて音を響かせないようにするヴィブラフォンの音色から見えるような曲でした。

 後半の2曲目は「赤の大地」
 こちらは皮モノと言いますか、音程のない小太鼓とか大太鼓とか、ボンゴとかコンガとかタムとか太鼓ばかりが計5セット、ステージにズラリ。そしてタイトル通り、皆さんのシャツやタンクトップも。太鼓の胴体のカラーも(揃えたんでしょうか?)……と、見た目から「赤の大地」でした。
 で、この曲がまた素晴らしくてですね。
 西洋の楽器を使っているんですけれど、枠を叩いたり、和太鼓のように叩く部分があったり。リズムが次々に変化したり、アクセントの位置を5人で受け渡しながらそのアクセントが入るタイミングがどんどん早くなったり……と、「血沸き肉躍る」と言いましょうか、聴いていてワクワクする曲でした。
 この曲、途中で一番上手の人と、真ん中の人と、一番下手の人と……と、1人飛ばしで3人の奏者が最初はゆっくり打ち始めて、だんだん速くしていって……という部分があったんですけど。あれがピタリと合うあたり、見事でした。
 まさに「赤の大地」というタイトル通り、地の底から沸き上がると言いますか、ホントに床からビリビリ振動が響いてくる迫力溢れる1曲でした。
 ちなみに、この曲。渡邉さんは一番上手の低いタムを担当。聴いていたら、テンポをキープする役割だったり、展開の機転になる役割だったりという重要なパートで、そこにいらっしゃるのも納得、という感じでした。

 後半のアンサンブルは1曲目が鍵盤オンリー。2曲目が太鼓オンリー。そして3曲目は全部併せてアンサンブル、ということでここでステージセッティングに時間がかかるので、ステージを彩る素敵なフラワー・アレンジメントを担当し、かつピアソラを語らせたら止まらない、という工藤文雄さんが登場してお話して下さいました。
 フラワー・アレンジメントというか、華道には「天地人」の3要素が欠かせない、と。ああ、そういえば高校の華道部でそんな話を聞いたかも、と思い出したのですが(苦笑)
 今日のお花も、それをイメージしていて、かつステージや曲とリンクするようになっている、ということでした。確かに、見てみたら円形の板の上に花が飾られていて、それは太鼓の皮から音楽が生まれていく様子にも見えます。また、花を支える三脚も「天地人」の3要素に通じる数字であり、かつ太鼓やスタンドシンバルなどを支えている三脚にも見えるなぁ、と。
 続いて、語り出したら止まらないピアソラのことを、ぎゅっと凝縮して、スライドの映像も交えて語って下さいました。

 「赤の大地」では赤で統一して出てこられた皆さんですが、ピアソラは黒でご登場でした。うん、確かにピアソラっていうかタンゴってそういうイメージかも、と頷いてしまいました。
 で、ラストはピアソラの「鼓動」
 1曲目が「虹」で「天」、2曲目が「地」、3曲目は「鼓動」でまさに「天地人」(去年の大河ドラマにあらず;)
 楽器構成もプログラム構成も、それに合わせた衣装も見事だと思います♪

 そのピアソラ。
 第1番から第5番まで、第3番以外の4曲が演奏されたんですけど。
 物憂げなメロディがヴィブラフォンで奏でられたり、例えばヴァイオリンとバンドネオンで音色を変えて演奏されるメロディを、ヴィブラフォンとマリンバといった具合にパート分けしたり。ヴァイオリンが時々入れる「ヒューイッ」という音が入っていたり。
 打楽器アンサンブルで演奏されているのに、ピアソラが結成したバンドの音が重なって聞こえるような気がしました。
 ピアソラの3ー3ー2のリズムとか、物憂げなメロディとか、かなり大好きなもので。ノリノリで聴いてしまいました。
 そして打楽器好きとしましても、途中で鍵盤楽器の脚を叩く、なんて滅多にお目にかかれないシーンを拝見することもできました♪

 コンサートの最後にメンバー紹介がありまして。
 アンコールでは、ピアソラでは要になるリズムキープに回っていた渡邉さんがヴィブラフォン&一部ピアニカでメロディを担当して、小田和正さんの曲が演奏されました。打楽器アンサンブルバージョンの楽譜が出ているとは思えないので、渡邉さんの編曲である確率100%♪
 聴いた時に、「あ、これ聴いたことある。小田和正さんだ!」と思ったんですが、曲目が思い出せず。。。(汗;)

 初聴きの曲ばかりな今日のコンサートでしたが、本当に楽しかったです。
 打楽器好きには本当にたまらんスマッシュを連発されて、超エクスタシーな内容でした♪ というか、聴きながら自分も一緒に叩いているような気分になっておりました。
 現役で打楽器をやってる人にとっては、凄く勉強になったんじゃないかと思います。吹奏楽団にいた時に、楽器の響かせ方についてかなり注意されたんですけど。敢えてその響きを消すような叩き方をして音色を作ったり、マメにミュートをかけて余分な響きを消したり……と細やかな気配りをしておられました。ただ叩けばいいってもんじゃないぞ、と常々思っておりますが。やっぱりそうなんだな、と再認識しました。
 普段あまり打楽器に馴染みのない人でも、かなり楽しめたんじゃないかと思います。実際、周囲にいらっしゃった方が終わった後に何人も「こんなに楽しいと思わなかった」とお話されてましたし。最初は「こんな人、OEKにいたの?」という感じで見ていた方もいたような空気だったんですけど、だんだんと熱中して引き込まれていくのが肌で感じられました。
 そして何より、渡邉さんの打楽器への徹底的なこだわりっぷりとか、ちょっとお茶目なお人柄とか。満喫させていただけて、ファンとしましては嬉しいひと時でした。あの場に居合わせることができて、幸せでした♪

 素晴らしい演奏を聴かせて下さった渡邉さん。
 そして出演された皆様方。
 心より、感謝申し上げます(深礼)

<以下、余談>
 去年から数えて、今日が3度目の県立音楽堂だったのですが。今日初めて、地下から出ました。
 OEKさんの紹介が壁に貼られていて、今までにリリースされたCDも展示されておりまして。
 金聖響さんのCDに吹い寄せられてしまったのは、お約束です(笑)

 ……て、結局はそういうオチか!?とどこかから突っ込みが来そうなんですがw
 またGWにLFJでI'll be back!なのです(爆)

<以下、翌日以降の追記>
 思い返せば2005年5月1日。
 友人に「この人、最近注目されてるらしいよ」と買わせた、金聖響さん指揮×OEKさんの「運命」のCDを聴いて、DVDを見たあの日。OEKに渡邉昭夫というティンパニー奏者がいると知ったのは、実はその時でした。DVDの中で、聖響さんが渡邉さんに「ナベさん、55~6にかけてのテーマ、ありますよね?……(以下略)」と指示を出すシーンが入っていなければ、もしかしたらスルーしていたかもしれません。
 その方が、実は地元のオケのメンバーでもある、と判明して以来。岡山に住んでいる割には、私はその演奏に触れる機会が多い人間なのではないかと思います。

 聖響さんとOEKさんのシリーズコンサートでティンパニーとしてステージで拝見することも多かったのと、私が指揮者ガン見席に座る=オケを裏返し聴きするために後ろから結構近い位置で拝見する機会が多く、その凄さを目の当たりにすることも多かったんですが。
 今回、こうしてソロで聴いたことで改めて、やっぱりとんでもなく凄い方だなぁ、と思った次第です。
 今更かよ!?って感じですが(汗;)

 ベートーヴェンの3番の2楽章とか、ブラームスの4番とか。渡邉さんのティンパニーで泣かされることも多いもので、いつも思うのですが。
 この方のティンパニーの音って、空気を変える力があるな、と。
 空気を変えるというか、むしろ曲の雰囲気とか、そういうものを作る決定打になる、というべきかも。

 1曲目のジョン・ベックのソナタを聴いて感じたのは、まさにそれでした。
 会場の空気と音楽がシンクロして、ちょっとビミョーな感じが漂っていた雰囲気が、ふっと意表を突かれてはっきりとその存在を意識するようになって、最後には皆が熱狂するようになる、という。
 お一人でその空気を作っていくって、本当に素晴らしい!!と最初からノックアウトされてました(笑)

 全体的なプログラム構成も本当に見事としか言いようがなくて。
 なんて凄い方なんだろう、と反芻しながらホロリと泣けてきちゃいました。
 実はこのコンサート、渡邉さんご本人から「やるからおいで~」と言われて「は~い♪」とほいほい出かけて行ったんですが(汗;)
 本当にとんでもなく凄いものを聴かせていただいて、ただ凄いとしか言えない自分がとてももどかしいのですが、どれほど感謝しても足りないくらい感謝しております(深礼)
 交流ホールって結構小さいんですよね。だからこそできる、っていう部分もあると思うんですけど、もっと多くの人に聴いてほしいと思いました。
 準備とかいろいろ大変だと思うんですけど。
 毎年恒例にしていただきたいです、バースディ・コンサート♪

 CDでは何度も何度も聴いているのですが。
 生では一度も聴いたことのないヴィオラ奏者、今井信子さんが大原美術館でギャラリーコンサートをする、ということで行ってきました。

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第119回 大原美術館ギャラリーコンサート 今井信子 ヴィオラ・リサイタル

ショスタコーヴィチ作曲:アダージオとワルツ(バレエ組曲第2番より)
テレマン作曲:12のファンタジーより 第1番、第2番
シューベルト作曲:「歌曲」より
 「音楽に」
 「セレナード」(歌曲集『白鳥の歌』より)
 「道しるべ」(歌曲集『冬の旅』より)
 「春の夢」(歌曲集『冬の旅』より)

(休憩)

武満徹作曲:鳥が道に降りてきた
ショパン作曲:チェロ・ソナタ ト短調

(アンコール)
ヘンデル作曲:私を泣かせて下さい
浜辺の歌

ヴィオラ:今井信子
ピアノ:草冬香

大原美術館 2階展示室 18:30~
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 大原美術館に収蔵されている名画に囲まれてコンサートを聴く、というこの企画。
 今回はヴィオラ奏者の今井信子さんのコンサートで、一度生で聴いてみたい!ということで行きました。

 今日の今井さんは、黒いブラウスに黒のロングスカートというお姿。伴奏の草さんも黒いドレスでした。
 初めて生で拝見した今井さんは、その辺りにいそうな普通のおばちゃん、といった印象でして(←かなり失礼な女;)
 けれどヴィオラを構えて弾き始めた時の真剣な表情とか、楽器から出てくる美しい音とか。素晴らしいヴィオラ奏者なんだなぁ、と感心してしまいました。

 コンサートの最初は、ショスタコさんの曲。ピアノが弾き出す最初の和音は、なるほどショスタコさんだなぁ、という感じだったのですが。「アダジージオ」のゆったりと流れるメロディを聴いていると、途中からショスタコさんの曲だと言うことを忘れてしまうような曲でした。「ワルツ」の部分は凄く楽しくて、ついつい体が揺れてしまいました。

 テレマンの曲は、ヴィオラのソロ曲。ショスタコさんから一気に時代が250年ほど戻ります。この曲は、弓を変えて弾いておられました。
 そんなテレマン。実はショスタコさんより難しくないですか!?と思ってしまうほど、速いパッセージとか重音とかがあって、何だか大変そうだなぁ、という印象を受けました。実際、弓が弦を擦って音が上ずる部分とか、何度かありましたし。。。
 技術的にはこの時代の頃に確立されたのかなぁ、とか。音楽史をさかのぼって考えてしまうような曲でした。

 シューベルトの曲は、歌曲の中から4曲を選んでヴィオラとピアノで演奏するということで、各曲の演奏前に歌詞の日本語訳を読み上げる、という一幕がありました。なるほど、歌曲なのだから歌詞があるんですよね。かなり興味深い演出だなぁ、と思っておりました。
 その2曲目に演奏された「セレナード」
 前奏を聴いた瞬間に「この曲かっ!!」と思いました。
 というのは、この曲。器楽曲として聴く機会があまりに多くて、元が歌曲だということをすっかり忘れていたのです。そっかぁ、歌曲だったのかぁ。と改めて思い返してしまいました。

 休憩を挟んだ後半の1曲目は、武満徹さんの曲。この曲は今井さんのために作曲されたとのことで、急きょこのコンサートで演奏することにしたそうです。
 「鳥が道に降りてきた」というタイトル通り、時々鳥が羽をバサバサする様子を思わせるフレーズが入っていたり。不思議な感じのする和音に、どことなくつかみどころのないメロディ。
 美術館の展示室が、不思議な武満ワールドに変わった感じがしました。

 最後に演奏されたのは、ショパン作曲のチェロ・ソナタ。ヴィオラで演奏されるということでニュアンスは違うと思うんですけど。
 第1楽章の主題が切なくて美しくて、一度聴いたら忘れられないほど心に飛び込んでくるメロディなのは、さすがショパン!と思ったり。
 ピアノ伴奏が伴奏レベルを遥かに超えている!と思うほどに大変そうだったり。
 初めて聴きましたが、真剣に聴き入ってしまう曲でした。

 で、コンサートのラストに演奏したショパンが、ピアノが凄く大変だったので。少しお休みを……
 ということで、アンコールの1曲目は今井さんのヴィオラ・ソロでした。
 ヘンデル作曲の歌劇から「私を泣かせて下さい」
 この曲、私も大好きな曲なのですが、今井さんも大好きな曲なのだそうで。ヴィオラ・ソロで弾けるように…と中川俊夫さんに編曲をお願いした、と話しておられました。
 その「私を泣かせて下さい」がっ!!!
 ホントに泣いちゃいますっ!という演奏で、素晴らしかったです。
 低音や高音、ハーモニクス……様々な音色で奏でられるメロディが、どれも素晴らしくてですね。ジーンと泣ける1曲でした。

 アンコール2曲目は「浜辺の歌」
 これも、単にメロディを弾くだけでなくてですね。変奏曲のようになっていて、途中でパガニーニを思わせるような変奏になっていて、楽しく聴かせていただきました。

 コンサートの最中は真剣な表情で奏でておられた今井さん、アンコールではニッコリ笑顔も拝見できました。
 そしてピアノの草さんは、まだお若いお嬢さんという感じなのですが、とても丁寧に、1音1音を大切に捕えて弾いている印象を受けました。

 私が座った場所も、正面の通路寄りで適度に後ろ。今井さんを拝見するのに視界も良好な絶好の位置で、ラッキーでした♪
 かなり乾燥する展示室で、硬い椅子に座って鑑賞するのはかなり厳しいんですけど。
 素晴らしいコンサートを聴くことができて、幸せでした(^^)

 今日は私が住んでいる岡山市が政令指定都市になって1周年を記念してコンサートを開くということで、行ってきました。定期演奏会ではなく、特別演奏会ということで、大編成のオケが必要なバレエ音楽「火の鳥」と「春の祭典」。加えて、指揮はロシア物といえば、私的にはこの方!と思う井上道義氏。
 この日ならば、国家試験も終わってひと段落ついているので、行ける!
 というワケで、聴きに行ってきました。

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岡山フィルハーモニック管弦楽団 特別演奏会

ストラヴィンスキー作曲:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
ストラヴィンスキー作曲:バレエ音楽「春の祭典」

(アンコール)
ショスタコーヴィチ作曲:ジャズ組曲 第2番より「小さなポルカ」

指揮:井上道義
管弦楽:岡山フィルハーモニック管弦楽団

岡山シンフォニーホール 19:00~
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 2月末に鍼灸師の国家試験を受けることもあって、2月7日以来、ひと月ぶりのコンサートでありました。
 曲目も「火の鳥」に「ハルサイ」。どちらも大好きな曲である上に、指揮がミッキーさんこと井上道義氏。絶対楽しいはず!ということで、開演前からワクワクしておりました♪
 今日演奏される2曲、特に「ハルサイ」の方は大編成のオケが必要ということで、特別演奏会ということもあってか、岡フィルさんは大量増量中(笑) 正規メンバーさんは半分もいないのでは!?と思うほど、ステージはギッシリ。ティンパニは2セットあるし、ピアノやチェレスタやハープはあるし。ゲスト・コンマスには大フィルの首席コンマス長原幸太さんをお迎えしてますし。
 何だかスゴイことになりそうだなぁ、と思いつつ、まずは前半の「火の鳥」です。

 この「火の鳥」
 プログラムによりますと。。。
 魔王カッチェイによって囚われた13人の乙女を、若い王子が火の鳥の助けを得て解放し、彼女たちのなかでも特に美しいひとりの王女と結ばれる。
 というストーリーのバレエ音楽です。
 ストラヴィンスキーは3つの演奏会用組曲を作っているらしいのですが、今日演奏されたのは第2番目の1919年版でした。
 そういえば、私は数年前にミッキーさんの指揮でこの曲を聴いているはずなのですが……全く記憶に残っておりません(滝汗;)
 なので、新鮮な気持ちで聴きました。

 颯爽とステージに登場し、ひょいっと指揮台に上がってお辞儀をして、すぐに構えて曲をスタートさせたミッキーさん。暗譜状態で、指揮棒を使わずにひらりと両手がひらめくと、流れ出すのはチェロとコントラバスの不気味な音。。。いかにも怪しげな感じです。魔王の城という感じです。
 そこへ火の鳥が現れて……なんて光景が浮かぶのは。恐らく、年末にワレリー・ゲルギエフ指揮でこの「火の鳥」や「春の祭典」のバレエを収録した番組が放送されていて、それを見た記憶が新しいからだと思われ。。。(苦笑)
 「火の鳥のヴァリエーション」や「王女たちのロンド」など、軽やかな曲や、異国情緒漂う美しいメロディが続いて、急に荒々しい和音&パーカッションが響いて、眠っていた人が一気に起きる&真面目に聴いていた人も思わず「ビクッ!」となる「カッチェイ王の魔の踊り」
 大好きです、ココ♪
 魔王カッチェイと手下たちのグロテスクな踊りが展開される部分なのですが、その荒々しい感じとか、ガンッ!と決まるオーケストラ・ヒットとか、鳴り響くトランペットとか、聴いててテンションが上がります。
 ティンパニやバスドラムがガンガン鳴り響いたり。チューバのでっかいミュートが見られたり。視覚的にも楽しいんですよね、この曲♪
 でも突然断ち切られるように曲が終わって、美しいメロディが歌われる「こもり歌」
 そして華々しく大団円が描かれるフィナーレ。
 ここは、一昨年金聖響さんが振ったのを聴いた時も、彼は「1音ずつ振るで~」と1音ずつ振ってましたが、ミッキーさんも同じように1音ずつ振ってました。あ、同じようになるんだ、と物凄くピンポイントでマニアックな所に感心してしまいました(苦笑)
 ティンパニさんもここぞ!とガンガン叩いてくれて、気持ち良く大編成オケの迫力に酔わせていただきました♪

 前半の「火の鳥」
 ミッキーさんの指揮を見ていると、手がヒラッとなったらピッコロさんの鋭いフレーズが出てきたり。手を大きく振り上げたら、金管さんがガンガン鳴ったり。
 かなり大振りなんですけど、だからこそ大編成のオケにはピッタリ合うと言いますか。
 曲が視覚的によくわかるように感じました。

 で休憩時間。
 休憩時間の終了5分ほど前に、マイクを手にしたミッキーさんがステージに登場。……この方が、黙って休憩してるワケがなかった(笑)
 客席にいた岡山市長さんをステージに呼んで、トーク開始でした。
「このオケ、今日はエキストラが多い」
 とか
「練習2日しかしてないのに、この演奏ですよ。効率がいいでしょう?」
 とか、言いたい放題(笑)
 バラしちゃっていいの!?と思ってしまいました(笑)
 加えて、岡山は昨日&一昨日と寒くて雪やみぞれが降るほどの悪天候だったもので。
「今日もそんな調子だったら、帰ろうかと思いました」
 って(笑)
 アナタが音楽監督を務めているオケがある金沢の方が、もっと悪天候でしょ!?とツッコミ入れそうになりました(苦笑)

 そんなトークの合間に「オケの皆さん、入ってきていいですよ」とミッキーさんの許可が出て、オケの皆さんが再びステージに登場。
 後半はいよいよ「春の祭典」です。
 タイトルに相応しく(?)ステージにはコントラ・ファゴットやバス・クラリネットが2台ずつ登場。ティンパニも2セット用意されてますし、アルト・フルートやコールアングレがいて、通常のクラリネットよりも高い音が出るエスクラさんもいて。演奏するオーケストラを見ていても、かなり楽しい曲です♪

 普通は低い音を出すことが多いファゴットさんの、最高音に近い音から始まるメロディで、曲がスタートです。
 この「ハルサイ」
 前半は大地の神への祝福を捧げる「大地礼賛」。後半は太陽の神へいけにえを捧げるというストーリーです。
 原始的な世界を描いていることもあって、やはり本能に訴える部分が大きいのでしょうか。血湧き肉躍る感じがたまらないのです♪
 序奏に続く、弦の烈しいリズムも、いきなりツボなんですよねぇ。アクセントが入る所とか、聴きながら思わず体が反応してしまっていけません(苦笑)
 原始的な略奪結婚が描かれる「誘拐」の部分では、ティンパニがミュートの上を叩く、なんて場面も見られました。ああ、そういうのもアリなんだぁ。と感心してしまいました。
 対立する二つの都の旋律が出てくる「敵の都の人々の戯れ」も好きです。途中からホルンのメロディが入ってきて、そっちがいつの間にか主流になっちゃう所とか。ティンパニや金管楽器が華々しく鳴り響く所とか、聴いててウキウキしちゃいます。
 荒々しく大地を讃えて、急に終わっちゃう第1部。そういう所も、好きなんですよねぇ、「ハルサイ」♪

 第2部は、太陽の神へいけにえを捧げる「夜の祭典」が描かれるということで、第1部の荒々しさから一転して、神秘的で静かに始まります。神秘的と言いながらも、どこか怪しい感じがするのはやはり、原始的でおどろおどろしい儀式を描いているからなのかも……といつも思います。
 この第2部……と言いますか、曲全体を通じて一番好きなのが「いけにえの賛美」の部分。次々と拍子が変わっていって、いろんな音がぶつかり合うあの感じ。とりとめのないように見えて、何か大きな一つの塊のようにも見える、あの感じ。あの荒々しさや烈しさが生み出す、独特のエネルギーと言いますか。
 本当に好きです♪
 曲を聴いてるだけでも楽しいんですけど、実際のバレエの舞台を見るのも楽しいんですけど。オケの演奏を生で聴いて、演奏している所を見るのが一番楽しいかも(笑)
 ていうか、ミッキーさんの指揮が!
 左手はこっち、右手はこっちのリズム。頭はあっちを指示して、足はこのリズムで……って全身で音楽を操ってる感じがして、楽しさ倍増って感じでした(笑)
 この曲、指揮者も相当大変だと思います。
 プログラムによりますと、曲の進行は「先祖の呼び出し」をして、そして「祖先の儀式」
 この「祖先の呼び出し」の部分はかなり静かで、やっぱり不気味な感じがするんですけどね。それが進行して行くと、金管楽器や打楽器の皆さんが次の準備を始めるんですよ。それを見ていると、「あ、クルな。もうすぐクルな。……うおぉーーっ、キターーッ!!!」と次の進行が読めるので、余計に楽しいという(笑)
 いけにえのお嬢さんが踊り狂う部分も、「火の鳥」と同様に年末に拝見したバレエで、ぴょんぴょん飛び跳ねて踊っていたお嬢さんの様子が目に浮かぶようでした。ここは音楽もかなり派手で、ティンパニが2台がかりで爆裂してくれますし、銅鑼もガンガン鳴り響きますし、聴いててワクワクするのです♪
 ていうか、ミッキーさん、ホントに指揮台の上で踊ってるし(笑)
 そして踊っていたお嬢さんがついに息絶えて倒れ、それを太陽の神に捧げるというラストの部分。
 ミッキーさんの手がね。ぐじゃぐじゃっとなって、いつの間にか終わってたわけですよ。ぶっちゃけ、演奏してるオケの皆さんは凄くわかりづらかったんじゃないか、と(苦笑)
 よく入れたなぁ、さすがプロ。
 と不謹慎ながら思ってしまいました(汗;)

 エキストラさんでかなり増強されていたこともあったんですが、大編成でガッツリ聴かせて下さった「ハルサイ」
 聴いていてとても気持ち良くて、ゾクゾクきて、完全燃焼した感じでした♪

 ……のですが、ミッキーさんがこれで終わるわけがない(笑)

 アンコールには、やはり来ましたねぇ、ショスタコーヴィチ♪
 OEKさんのニューイヤーでも演奏された「ジャズ組曲」の中から「小さなポルカ」
 「ハルサイ」のラストだけでは踊り足りなかったのか(?)、本当に踊りながら指揮を始めるミッキーさん(笑)
 彼の指揮は何度も拝見してますし、指揮台の上でターン決めたり、踊りながらステージを降りちゃったりする所も見てますので「ああ、やっぱり踊るのね♪」と思ったのですが(笑)
 今日もやってました。
 曲に合わせて、胸ポケットから取り出したハンカチで頭を拭ったり、ステップ踏みながら指揮台を降りてしまったり。。。
 うん、お約束ね♪
 という感じで楽しませていただきました。

 彼、一見ふざけてるようにしか見えないんですけど、それでもちゃんと縦の線を合わせるように振っていたりするから、計算ずくでやってるのかなぁ?とも思います。
 ていうか、踊りながら振ったり、途中でふざけてみたりするのって、彼だから許されるんでしょうね(笑)
 変拍子でつかみどころのないリズムとか、ぶつかり合う不協和音とか。
 一筋縄ではいかない曲調とか。大がかりな楽器編成とか。
 今日のプログラムは、私が抱いている井上道義という指揮者のイメージにピッタリなプログラムだったように思います。何だか1月に聴いたOEKさんとのニューイヤーよりも、今日の方が凄くハマっている気がしたので。
 でも、どんなに面白いことを言っても、指揮台の上でおどけて見せても。
 全然目が笑ってないから怖いなぁ、と私はいつも思ってしまいます(笑)

 ともあれ、今日は本当に楽しませていただきました♪
 楽しい音楽の時間を味わわせて下さった井上さんと、岡フィル&エキストラの皆さんに、心から感謝申し上げます。 

 コンサート・ラッシュと言いましょうか。聴きたいコンサートがいくつも重なり、学生の身分があるうちに行けるだけ行っておけ!精神でその全てを聴きに行っているのでありますが。
 今日は西本智実さんとラトビア国立交響楽団の演奏を聴きに行きました。

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西本智実withラトビア国立交響楽団 岡山公演

チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」作品20より「ワルツ」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
(休憩)
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98
(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

指揮:西本智実
ピアノ独奏:ウォニー・ソン
管弦楽:ラトビア国立交響楽団

岡山シンフォニーホール 19:00~
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 西本さんが岡山に来られる!ということで、チケット発売から間もなく飛びついてしまいました。
 前はチャイコフスキー・プログラムでしたが、今回はラフマニノフ&ブラームス!ということで、ウキウキしながら聴きに行きました。

 ラトビア国立交響楽団を聴くのは、もちろん今日が初めてです。先週のプラハ交響楽団の皆さんもそうでしたが、ラトビアの皆さんも大きい方たちばかり(汗;)
 演奏前のチューニングも、管楽器オンリー→弦楽器中低音部→第1&第2ヴァイオリン軍団と、3段階に分けて行っておられました。

 最初はおチャイコさんから。
 この「ワルツ」もよく耳にする曲です♪
 ラトビア国立交響楽団さんの弦の響きがとてもまろやかで、柔らかくて。思わずうっとりなのです。
 というか、この曲。ぶっちゃけバスドラム&トライアングル担当のおねーさんにくぎ付けになっておりました(汗;)
 だって、右手で譜面台に吊り下げたトライアングルを叩きながら、左手でバスドラムを叩く、なんて器用なことをやって下さるんですもの! 打楽器出身者としては、注目せずにはいられません。基本的にバスドラムは拍を刻み、トライアングルでちょっと細かいリズムを叩く、という感じだったので不可能ではないんですが。。。
 器用やなぁ、とついついガン見してしまいました。

 続きまして、ラフマニノフ作曲のピアノ協奏曲第2番。ピアニストは韓国系カナダ人のウォニー・ソンさん。
 このラフマニノフが素晴らしかったです!!!
 第1楽章の最初、ピアノの和音が静かに響いて、次第にクレッシェンドしていって、オケのメロディーが入って……と出だしから引き込まれて、背中がゾクゾクしました。
 聴きながら多分いろんなことを感じて、思っていたはずなんですけど。かなり集中して聴いていたんだと思います。時間があっという間に過ぎてしまって、気が付いたら終わっている感じでした。
 続く第2楽章は、とても美しかったです。
 このオケの1番フルートさんの音色が、これまた素晴らしくてですね。ピアノとフルートだけで曲が進む辺りなど、涙なしには聴けない美しさでした。この楽章のメロディも、うっとりするほど美しいですし♪
 そしてこの楽章の途中、音量が大きくなって盛り上がった所でザン!と音を断ち切る西本さんに、思わず「カッコいい~♪」
 ええ、ミーハーな発言で申し訳ございません(汗;)
 そして第3楽章。この楽章、シンバルが弱い音でオケと一緒にリズムを刻み続けたり、その間ずーっとティンパニさんは小さい音でロールを続けたり……と何気に打楽器に対して酷なことを強いている気がします(笑)
 そのシンバル奏者さん。シンバルスタンドの横に、椅子が置かれている……と思いましたら、そのpの部分を叩くために小さいシンバルを置いておられました。合わせシンバルの受ける方はそのままの大きさで、合わせて行く方を一回り小さいシンバルで叩いておられたんですね。で、音量が大きくなる部分は、受ける方と同じ大きさ(つまり、スタンドに置いてあるシンバル)で叩いて……と、使い分けておられました。なるほど、持ち変える余裕があるからできる工夫なんだな、とそっちに注目して見てしまいました。
 ウォニー・ソンさんのピアノも、オケの皆さんの演奏も素晴らしくて。打楽器さんの工夫(というか裏技!?)も拝見できて、楽しませていただきました♪

 休憩を挟みまして、後半はメインのブラームス。
 西本さんはこの4番をどんな風に振るのかしら?とワクワクしながら聴きました。
 第1楽章は、少しゆっくりめのテンポでスタート。オケの人数が結構多くて、第1ヴァイオリンだけでも13人(だったかな?)で、それなりに規模が大きいこともあって、速くし過ぎるとアンサンブルが破たんするのも理由かな?と思いながら聴きました。
 冒頭は憂いを帯びた、ため息のようなメロディで始まりますが、途中でガラリと表情を変え、一転して激しくなる曲調。やっぱり大好きなのです♪
 ただ、途中で「?」と思ったのは、恐らく繰り返しをせずに次に進んだためだと思われ……。
 ラフマニノフもそうだったんですが、この曲でも西本さんの指揮にはメロディの「溜め」とかテンポの揺れが大きいように感じました。第1楽章でも、ラストに向かっていく手前でガクンとテンポが落ちて、ティンパニの強打も結構しっかり溜めを作って終止音に持っていった感じがありました。

 で、これはかなり余談なんですが。
 この楽章の途中でコンマスさんのヴァイオリンの弦が切れたらしく。弦の切れたヴァイオリンを後ろへ送り、使えるヴァイオリンをどんどん前へ送っていく、という「ヴァイオリ送り」が見られました。
 オケの皆様には申し訳ないのですが、珍しいハプニングが見られたなぁ、と思ってしまいました(汗;)

 第2楽章は、古い教会音楽を元にした、と言われていたように思います。冒頭のホルンから、美しい音を聴かせて下さいました。1番フルートさんはもちろんなのですが、クラリネットの方も張りがあって、でも柔らかくて心地よい音色を出す方だったので、聴き入ってしまいました。
 調が変わってヴァイオリンが高音でメロディを奏でる辺りとか、本当に美しくて。思わず涙がポロリ。
 ああ、今日この場にいられて幸せ♪と思いました。

 続く第3楽章は、一転して明るくて華やかな曲調です。ティンパニ&トライアングルが大活躍で、打楽器出身者としても嬉しくて大好きな楽章♪
 このオケのティンパニ奏者さんは、演奏者の右→左へ音が高くなるように配置しておられました(通常は左に低い音→右に高い音、と順番に並べます)
 以前、金聖響さん指揮×オーケストラ・アンサンブル金沢で聴いた時、ティンパニの渡邉さんは真ん中に一番低いFの音を配置して、その両側に低いGとCの音を並べる、という工夫をしておられるのを拝見しましたが。今日のティンパニ奏者さんは真っ向勝負と言いますか、一番右端に最も低いFの音を配置して、その左にG、さらにその左にCと順番に並べておられました。
 で、拝見したんですが……何だか叩きにくそうと言いますか。物凄く頑張っておられるんですけど、微妙に遅れていたような。。。(汗;)
 バロックティンパニのあの「バン!」という強打を聴き慣れていることもあって、ペダル式の柔らかくて深い「ボン!」という音が少し物足りなく感じました。
 トライアングルも少し細めの音で、オケの音量にかき消されてしまう部分があって。
 打楽器的にはちょっと物足りない楽章でした。他の部分は本当に素晴らしかったんですけど(涙)

 最後の第4楽章も、とても熱のこもった演奏でした。
 1番フルートさんのソロは、高音は深みのある音で、低音は少しセクシーな感じで素晴らしかったです♪
 この楽章も本当に好きなんですよ。最初はシンプルだったメロディが、回数を重ねるごとに音が増えていって、ドラマティックに展開していって。つい、夢中になって音を追いかけてしまいました。
 ゲネラル・パウゼと激しいフレーズが畳みかけるように続く辺りも、エネルギーが凝縮したような音で凄みがありました。音が断ち切られた後、ホールに漂う残響も美しかったです。
 少数精鋭部隊の音も素晴らしいと思うのですが、それなりに大人数を揃えて奏でられる音にはやっぱりそれ相応の迫力があって、素晴らしかったです。

 アンコールも、ブラームスでした。
 ハンバリー舞曲の第4番。最後の最後まで楽しませていただきました♪

 西本さんとラトビア国立交響楽団のこのツアー。
 結構強行日程と言いますか、ハードなスケジュールで皆さん動いておられるんですが。。。
 地元岡山で素晴らしい演奏を聴かせて下さいましたこと、心から感謝なのです♪

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 今年の元旦。
 テレビ番組は面白い物がないし、家にいてもヒマだし。
 1日は映画の日で安いから、映画でも見に行くか?
 ということで、見に行ったのが「のだめカンタービレ」でした。その「のだめ」で指揮の監修をなさっていたのが、飯森範親さん。以前、地元のオケがオペラを上演した時のゲネプロで拝見したことはありますが、実際にコンサートで拝見したことってないよなぁ。ということで、ちょうど地元の音楽大学の管弦楽団とプラハ交響楽団の合同演奏会を振りに来られることもあり、聴きに行きました。

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くらしき作陽大学管弦楽団&プラハ交響楽団 合同演奏会

スメタナ作曲:連作交響詩「わが祖国」より モルダウ(※)
ショパン作曲:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調
(休憩)
ドヴォルザーク作曲:交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」(※)
(アンコール)
ドヴォルザーク作曲:スラブ舞曲第15番

指揮:飯森範親
ピアノ独奏:松本和将
管弦楽:くらしき作陽大学管弦楽団&プラハ交響楽団(※)
    プラハ交響楽団

倉敷市民会館 19:00~
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 ……10日に聴いた「21世紀の新世界」と曲目がかぶってますが(笑)
 指揮者と演奏者が変われば、演奏も変わりますし。学生さんとプロの方の合同演奏というのも面白そうですし。その「違い」を聴くのもいいだろう、ということでちょっと気軽な気持ちで行ってきました。

 開演前、ロビーコンサートで金管六重奏による演奏が行われていました。
 その間、ステージにはラフな格好のプラハ交響楽団メンバーさんが数名(笑)
 そして燕尾服&ワインレッドのカマーバンドでビシッと決めた飯森さんが登場して、プレトークが行われました。今日のコンサートはプラハ交響楽団の中に学生が混ざって一緒に演奏し、時々ソロも学生が演奏するという告知がありました。

 プラハ交響楽団のみでも結構な大所帯なのですが、今日はプラス学生たちがステージに上がる、ということで、ステージには椅子がズラリ。当然オケピも出てます。
 オケは対向配置になっていて、舞台下手側から第1ヴァイオリン→チェロ→ヴィオラ→第2ヴァイオリンで、第1ヴァイオリンとチェロの後方にコントラバスという並び。ヴァイオリンだけで20人ずついるという大編成で、管楽器も倍の人数がおりました。
 ズラッとオケの皆さんが登場して、チューニングを終えたところで飯森さんが登場して「楽しい音楽の始まりです」

 最初は「モルダウ」
 冒頭のフルート・ソロも学生さんが担当し、学生メインで演奏されました。
 テンポは少しゆっくりめ……と言いますか、弦楽器だけで90人近くいますから(苦笑) テンポ設定を速くしたら、アンサンブルが崩れる確率100%ってトコなんだと思います。
 でも大人数だからといって、音量がそれに伴うか……と言われるとそうでもなく。ホールの音響や、学生さんが入っているという関係があるんではないか、と思います。人数の割には音が伸びてこない印象がありましたので。90人近くいる弦楽器が、5人のトランペット部隊に負けてましたもの、音量で(汗;)
 飯森さんの指揮は、正直なところ、こんなに熱い指揮をされる方だったのか!という感じを受けました。ゲネプロで拝見した時は、ピットの中にいてあまりわからなかったんですよね。どうしてもステージの方を見てしまいますので。
上半身を折って屈んだり、長い髪が振り乱れたり……。
 こういう方だったんだ!?と思いました。
 そして同時に思ったのが。なるほど、確かに千秋センパイの指揮はこの方が指導したんだな、ということでした。指導する飯森さんがこういう振り方をするから、玉木さん演じる千秋センパイがああいう振り方になるんだ、と。妙なところで納得してしまったという(笑)

 続きまして、学生さんたちは皆ステージから下がって、ピアノがステージ最前列に登場して、ピアノ協奏曲です。
 ソリストは地元倉敷出身の松本さん。飯森さんもそうなのですが、松本さんも大学に教えに行っているらしく。そのご縁もあって、ソリストに抜擢されたようです。
 オケはプラハ交響楽団のみになって、ステージの上も少しスッキリ。
 そして始まったショパンは……当たり前ですが、10日に聴いたものとはまるで別物でした。というか、同じ楽譜を再現して、ここまで違いが出るものか!?と思うほどでした。メロディに「溜め」があったり、テンポの揺れがあったり。。。「こってり系」のショパンだな、という印象でした。
 10日に聴いた演奏は、スッキリしていて真っ向勝負な感じでしたので、まるっきり方向性の違う音楽を聴いたように思いました。あの時はあっという間に第1楽章が終わってしまった感があったのですが、今日は少し、途中で集中が切れてしまって(汗) こんなに長い曲だったかな?と思ってしまいました。
 第2楽章は、とても美しい音を聴かせていただきました。ちょうど今日は寒さも緩んで、暖かい1日だったのですが。ほっこりと暖かい、陽だまりのような音だったのです♪ プラハ交響楽団さんの音も、松本さんの音も。
 そして何よりも、この楽章。1番ファゴットの方の音色がメチャメチャ綺麗で、涙腺直撃されてしまいました。あんなに美しい音でハーモニーを支えていたんだな、と新たな発見をしたように思います。

 休憩後は、再びプラハ交響楽団の中に学生さんたちが入って、大所帯になっての「新世界」です。
 この「新世界」も、同じ楽譜を再現しているとは思えないほど、10日に聴いたものとは違っていて、面白かったです。
 第1楽章では「ソー・ソミ・レーー ソーシレ・レ・レー♪」「レ・レ」で微妙な溜めがあって、一瞬テンポが落ちたりしてました。アーティキュレーションの付け方、歌わせ方もまるで違っていて。こういうアプローチもアリなんだな、と。そういう意味では、飯森さんの方がアクションも大きいですし、こってり系の音楽を作られるんだな、と思いました。
 この第1楽章、ティンパニの方の強打もさすがでした。あちらの方は体格のいい、大きな方が多いのか。コンミスさんも長身でガッシリ体型でしたし、ティンパニさんも大男さんでした。この方、叩いた後のリアクションが大きくて、ひょいひょい肩が上がるんですよ。叩きづらくないのかな?と思うんですが、ちゃんと拍は合っていて、叩けているんですよね。見ていて飽きない方でした(笑)
 第2楽章は、冒頭の出の部分を合わせるのはやはり難しいようで。10日の演奏でもバラッとなってましたが、対向配置だとなおのこと、合わせづらいんですよね。金管セクションとホルン部隊の間に、木管部隊が挟まっているので。。。ティンパニも大男さんから学生のお嬢さんに代わって、いきなり音が微妙に低くて。。。(汗)
 大丈夫!?と思いましたが、団員さんが演奏するコールアングレの音色はさすがに美しかったです。
 そしてこの楽章、失礼ながら笑ってしまったのは、飯森さんが10日に聴いた金聖響さんと全く同じ場所で唸っておられたことでした(笑) 弱音器をつけた弦楽器が朗々と切ないメロディを歌い上げるあの部分、指揮者さんが唸っちゃうポイントなのかしら?と思ってしまいました。
 第3楽章は、再びティンパニがあの大男さんに交代。その他の管楽器ソロの部分も、ここぞ!という所は全て、プラハの団員さんが吹いておられました。ティンパニは申し分ないんですが……学生さんが叩いていたトライアングルがですね。ロールの粒が揃ってなくて、微妙な強弱がついていて、気になってしまいました(汗;)
 10日のコンサートでも、翌11日のOEKさんでも、均等な大きさでチリリリリ♪と鳴る音を聴いていたもので、つい(汗;)
 自分が打楽器だったから、ということもあるのかもしれませんが、ちょっと辛口になってしまったかもしれません、打楽器パートさん。第3楽章のトライアングルは主役級の大活躍なので、目立っちゃうんですよね、どうしても。
 ラストの第4楽章も、凄い迫力でした。指揮者によってこんなにもアプローチの仕方が違うんだ、と思う部分も多々ありました。ただね、あのラスト。やっぱり出ちゃいましたね、フライング拍手(苦笑)

 アンコールは、プラハ交響楽団だけになって「スラブ舞曲」でした。
 やっぱりね、学生さんが抜けて団員さんだけになると、音がまるで違います。弦楽器の音の抜け方が違うし、音のバランスも凄くいい。学生が入っていた時よりも、音量が大きく聴こえてくるように感じました。「新世界」も、オケの団員さんのみの演奏で聴いていたら、また違った印象を受けたのかも……と思います。

 でも、全体を通じて凄く楽しいコンサートでした。
 何だかいい感じに、気分が解放されたような気がしました。
 ステキな演奏を聴かせて下さった飯森さんと松本さん、プラハ交響楽団の皆様方に感謝なのです♪
 そして、プロの中に混ざって緊張しながらも頑張っていた学生さんたちに、心から拍手を。

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結月秋絵

Author:結月秋絵
ようこそお越し下さいました(礼)
音楽の原点はG-CLEF。
好きな指揮者は金聖響さん、佐渡裕さん、下野竜也さん。
好きなヴァイオリニストは落合徹也さん、古澤巌さん、神奈川フィルのソロ・コンマス石田泰尚さん。
好きなピアニストは榊原大さん。
好きなチェリストは柏木広樹さん、ヨーヨー・マさん。
などなど、挙げ始めるときりが無いです(笑)
ピアノ、パーカッション(吹奏楽部にて)、ヴァイオリンの楽器経験があります。
ちなみに、この写真は倉敷市民会館のステージにて。中学時代の定位置(=鍵盤楽器系パーカッション)からの隠し撮りです(爆)

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